遺伝子操作で驚異的な持久力と寿命を持つマウスを作り出すことに成功
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2007.11.05

遺伝子操作で驚異的な持久力と寿命を持つマウスを作り出すことに成功

日本語の紹介記事:AFPBBnews

発表したのはスーパーマンの故郷としておなじみ?のアメリカオハイオ州クリーブランドのケースウェッスタンリザーブ大学の研究者ら。

通常の生物は活動する時に最初は血中のを使い、使い切ると脂肪酸を使って活動するが、この時に乳酸が出来るため長時間活動することが出来ない。今回、研究者らはこの脂肪酸を効率的に利用出来るようにマウスに脂肪酸をエネルギーに変換する過程で必要な酵素「ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK-C)」を骨格の筋肉の中のみで大量に持つように遺伝子操作をしたマウスを作り出した。その量は通常のマウスが1グラムあたり1〜3ユニットなのに対し、1グラムあたり9ユニットの酵素を持つ。

このマウスは飼育用のケージの中での観察で通常のマウスに比べ7倍多く動きまった。また、傾斜25°のトレッドミルを走らせる実験では通常のマウスが200メートルしか走れなかったのに対し、6kmを平均速度1分あたり20メートルで走った。(最大速度は36.6m/min、通常のマウスの最大速度は23.4m/min)この運動をした時の最大酸素消費量(VO2max)は156ml/kg/mlと通常のマウスの112ml/kg/minよりも多いが、酸素の利用効率(酸素利用料と二酸化炭素排出量)は通常のマウスとほとんど変わらなかった。またこの時、通常のマウスの血液中の乳酸濃度が8.1mMまで上昇したのに対し、このマウスは3.7mMと低いままであった。

このマウスは60%多くエサを食べるが半分の体重しかなく、10%の体脂肪とやせ形の体型をしていた。(MRIでチェック)、骨格の筋肉中で食物をエネルギーの変換するミトコンドリアの数と筋肉細胞中のトリグリセリドの量は通常のマウスよりも大幅に多かった。

そして驚くべきことにこのマウスは通常のマウスよりも2倍以上長生きであった。(通常のマウスが6〜12ヶ月の寿命なのに対し、このマウスは2.5年生きた)

遺伝子操作マウス通常のマウス
最大速度36.6m/min23.4m/min
最大走行時間31.9min19.2min
寿命2.5年6〜12ヶ月
運動後の乳酸濃度3.7mM8.1mM
最大酸素消費量156ml/kg/min112ml/kg/min
最大走行距離6km200m

情報元:Overexpression of the Cytosolic Form of Phosphoenolpyruvate Carboxykinase (GTP) in Skeletal Muscle Repatterns Energy Metabolism in the Mouse
J. Biol. Chem., Vol. 282, Issue 45, 32844-32855, November 9, 2007(リンク)

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