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インフルエンザ



----------このキーワードを使っている記事----------
2018.04.24:次の冬のインフルエンザワクチンも昨年の冬同様、製造上の問題により効果が20%しかない
2018.03.07:新登場!塩野義製薬の飲むインフルウイルス増殖抑制薬「ゾフルーザ」は臨床試験でどれぐらい効果があったか
2018.01.19:インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック
2016.07.08:ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いた「ジーンドライブ(Gene Drive)」技術が開発される。子孫全ての目的遺伝子を効率的に改変可能に、環境改変の強力なツール
2015.10.02:「インフルエンザワクチンなんて効かないし・・」と適当な発言をして社会に害をなす前に読む統計データ
2009.08.27:カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)

2018.04.24

次の冬のインフルエンザワクチンも昨年の冬同様、製造上の問題により効果が20%しかない
次の冬のインフルエンザワクチンも昨年の冬同様、製造上の問題により効果が20%しかない

↑BTW


インフルエンザワクチン株の卵馴化問題と改善への試み(国立感染症研究所)(図出典)
 ワクチンは人類の作り出した最高の発明品ですが、インフルエンザワクチンに限ってはその製造方法にずっと問題があり、その問題がインフルエンザワクチンの予防効果を悪くしているそうです。解決方法もあるようです。

 その問題とはインフルエンザワクチンを製造する時に「卵」を使うところにあるようです。インフルエンザワクチン製造時には、流行することが予想されるインフルエンザウイルスを卵で増やし、それをワクチンとしますが、全てのインフルエンザウイルスが卵でよく増えるわけではないそうで、「卵で増えやすいインフルエンザワクチン」とかけあわせ雑種を作ったのちに、その雑種を卵で増やしてインフルエンザワクチンとして使用しているそうです。知らなかった。

 この報告の研究者らによると、この「卵馴化(じゅんか)効果」により、その予防効果は20%に落ちるそうです。一方、卵を使わずに細胞で作るインフルエンザワクチン(現在、盛んに製造方法が研究されている最新の方法)では47%の予防効果があるそうです。

さっさと効果の高い方法でワクチンを製造して欲しいですね。


インフルエンザワクチン株の卵馴化問題と改善への試み(国立感染症研究所)(図出典)

Category:感染症

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2018.03.07

新登場!塩野義製薬の飲むインフルウイルス増殖抑制薬「ゾフルーザ」は臨床試験でどれぐらい効果があったか
新登場!塩野義製薬の飲むインフルウイルス増殖抑制薬「ゾフルーザ」は臨床試験でどれぐらい効果があったか

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 下記のグラフはインタビューフォーム11ページ目に掲載されているグラフです。インフル患者687人にゾフルーザ、または偽物の薬を飲ませた場合の結果を示しており、縦軸は症状の有無の割合を0(0%)〜1.0(100%)で表しています。横軸は時間。投与24時間ぐらいから薬の効果が表れ、48時間(2日)経過後では、偽物の薬を飲んだ人では90%の人に症状があるのに対し、ゾフルーザを飲んだ人では60%の人のみインフルの症状がみられ、40%の人は既に治ったと本人は感じています。素晴らしい。

塩野義製薬ゾフルーザ・インタビューフォーム11ページ

(省略されています。全文を読む

Category:感染症

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2018.01.19

インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック
インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック

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ツマが明治ヨーグルトR1を買いまくっているので調べてみました。何このヨーグルト?あるある的番組で人気なの?含まれている乳酸菌はWikipediaによると「OLL1073R-1」

この乳酸菌に関する論文をPubmedで検索すると出てくるのはたった12の論文。極めて限られた研究しかしてない乳酸菌であり、この時点で十分注意すべき情況であると感じます。長々と書いているので、めんどうな人は一番下の結論を見て下さい。

(1).全ての始まりの論文
発表:2002年1月、発表者:明治の中央研究所の研究者のみ?
タイトル:R1ヨーグルトを与えたネズミは関節炎(リウマチ)の症状が緩和する(Oral intake of Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1 prevents collagen-induced arthritis in mice. PMID:11808787
  • 別の乳酸菌(OLL1102)との比較実験を行い、R1株が優れていることを示している。
  • スキムミルクを使わず研究用の培地で培養しても同じ効果が得られる。
  • リンパ節細胞のIFNγ産生が減少させる作用がR1株の出す多糖にあるようだ。
(2).1番目の論文の詳細メカニズムを分析
発表:2002年10月、発表者:明治乳業の研究者のみ
タイトル:R1乳酸菌ヨーグルトをネズミに与えると、炎症誘導性サイトカインが出来るのを抑制する(Oral administration of milk fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 to DBA/1 mice inhibits secretion of proinflammatory cytokines. PMID:19003106
  • IFNγ、IL-6、TNFα、MCP-1などの分泌を抑制するがIL-2、IL-4は減らさない。作用はT細胞ではなく、その他の免疫補助細胞(accessory cells)を介して起こる。
(3).★ヨーグルト中のどの分子が効いているか
発表:2006年、発表者:明治乳業と東北大学
タイトル:R1乳酸菌の多糖の免疫調製作用を分析(Immunomodulatory effects of polysaccharides produced by Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1. PMID:16840603
  • R1乳酸菌の出す多糖の中で、高分子の酸性多糖が脾臓細胞からのIFNγ産生を促進し、経口投与するとNK細胞の機能を促進する。
(4).★初めての人間ボランティアによる実験
発表:2010年、発表者、明治乳業の研究者のみ
タイトル:R1ヨーグルトを飲んだ高齢者において感染が減る(Reducing the risk of infection in the elderly by dietary intake of yoghurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1. PMID:20487575
2つの独立した実験を実施、1つは平均年齢74.5歳の57人をボランティアで雇う、もう一つは平均年齢67.7歳の89人を雇う。それぞれ2グループにわけR1乳酸菌で作ったヨーグルトか、発酵させていない牛乳を飲んでもらった。量は毎日90gのヨーグルトまたは100mLのドリンク。期間は8〜12週間飲んでもらって効果を比較
R1乳酸菌を食べることにより風邪をひく確率が2.6倍低くなった(風邪を引く人が100人→39人になる感じ)。またNK細胞の活性が高まっていた。

(5).★インフルエンザへの感染予防性
発表:011年、発表者、明治乳業と北里大学
タイトル:R1ヨーグルトおよび、その多糖のインフルエンザウイルス感染防御性をネズミで実験(Effects of oral administration of yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 and its exopolysaccharides against influenza virus infection in mice. PMID:21986509
ネズミに1日あたり0.4mLまたは、多糖を1日20μg、21日間飲ませた後で、インフルエンザAに感染させる。
ヨーグルトでも多糖でもインフルエンザで生き延びる期間が延長した(飲んでないと100%死亡するが、飲むことで40%弱が生き残る、1群9匹の実験)。インフルエンザウイルス数も減少、感染4日後の肺の中のインフルエンザに対する抗体も増加。脾臓細胞のNK細胞活性も増加。
これらの作用は多糖の中でも酸性多糖(APS)でのみ見られ、中性多糖(NPS)では見られなかった。

(6)ヨーグルト製造工程における重要分子について
発表:2013年、発表者、東北大と明治
タイトル:R1ヨーグルトを作る過程において、多糖産生におけるギ酸の効果(Effect of Formic Acid on Exopolysaccharide Production in Skim Milk Fermentation by Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:24936359
R1ヨーグルトが出来て、効果に必要な多糖が細胞外に分泌されるのにギ酸は重要。

(7)アトピー性皮膚炎に対する効果(ただしネズミ実験)
発表:2013年、発表者、明治の研究者
タイトル:マウスアトピー性皮膚炎モデルにおいて、R1ヨーグルトはIL-6反応を抑制することで炎症を抑える(
Oral administration of Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1073R-1 suppresses inflammation by decreasing interleukin-6 responses in a murine model of atopic dermatitis.PMID:23548305

(8)R1乳酸菌の出す多糖分子の構造、ただし効果の無い方の中性多糖に関して(?)
発表:2015年、発表者、カナダの研究者、東北大、明治
タイトル:R1乳酸菌の出す中性多糖の構造分析と他の乳酸菌との比較(Structure determination of the neutral exopolysaccharide produced by Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:26117825

(9)★R1乳酸菌と他の乳酸菌(139種)の比較
発表:2016年、発表者:明治、順天堂大学
タイトル:R1乳酸菌に含まれる多糖によるNK細胞の活性化(Enhanced natural killer cell activation by exopolysaccharides derived from yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:26686726
  • 139の乳酸菌を調べてR1株が最も大量の多糖を分泌することを報告している。そしてR1株のみがIFNγを分泌させる。
(10)R1ヨーグルトによる免疫抑制は心臓移植を長持ちさせる
発表:2017年、発表者:帝京大学、中国の大学、順天堂大学、(明治関係なし)
タイトル:R1ヨーグルトでHMC不適合心臓移植のネズミが長生きする。
Yogurt Feeding Induced the Prolongation of Fully Major Histocompatibility Complex-Mismatched Murine Cardiac Graft Survival by Induction of CD4+Foxp3+ Cells.PMID:28736026
  • 仕組みhCD4+FoxP3+陽性細胞が誘導されることによる。
  • 明治関係無しの謎研究、なぜこの研究をしようと思った?
(11)★R1乳酸菌の多糖は腸管で何をしているか
発表:2017年、発表者:東北大学、宮城大学、明治
タイトル:ブタの腸管上皮細胞における抗ウイルス免疫の制御(Exopolysaccharides from Lactobacillus delbrueckii OLL1073R-1 modulate innate antiviral immune response in porcine intestinal epithelial cells.PMID:28800975
  • TLR3リガンドとして働いてるっぽい。TLR3は1本鎖、2本鎖RNAを認識するリガンド
(12)★粘膜の抗体量を増やしている
発表:2017年、発表者、神奈川歯科大学、福岡女子大学、寒川の老人ホーム(明治関係なし)
タイトル:ヨーグルトを食べると口の中に分泌されるIgAの量が増える。(Effects of yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 on the IgA flow rate of saliva in elderly persons residing in a nursing home: A before-after non-randomised intervention study.PMID:28836348
結論
なるほど、人間を用いた実験が(4)と(12)のみではありますが、かなりハッキリと効果が出ています。また(5)のネズミの実験ではありますが、インフルエンザウイルスを死ぬほど与えて救う実験はかなり分かりやすいですね。

そのメカニズムに関しても(3)(9)の論文が説得力があります。乳酸菌の出す酸性多糖がその免疫活性化のキーであり、他の139種類の乳酸菌と比較したところR1株が最も多く多糖類を細胞外に分泌し、かつそこに含まれる多糖にIFNγ分泌促進などの効果があるとの結果から、乳酸菌の中でもっとも免疫活性化能が高いものとして選ばれたということになります。その含まれる多糖類は(11)の研究によると腸管内で全身の免疫を誘導しうるメカニズムであるTLR3のリガンドとして働いているようで、作用メカニズムの筋は比較的分かりやすい感じです。(12)の論文の腸管内で免疫活性化が起きた場合にIgA分泌が促進されるのはおこりうる生体反応と思います。

ふむ、これらを読んだ限りでは世間で言われているインフルエンザ予防効果があってもおかしくないかなと思えます。これなら飲んでも良いかな。

ただしヨーグルトの中でR1ヨーグルトがナンバーワンということは言えるかもしれませんが、食品による腸管、そして全身免疫の活性化を起こす方法は他にも色々考えられ、同程度のインフルエンザ予防効果も起こせるかもしれません。

R1ヨーグルトのみに頼らず他の免疫活性化方法との比較実験をやって欲しいですね。
(省略されています。全文を読む

Category:サプリメント

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2016.07.08

ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いた「ジーンドライブ(Gene Drive)」技術が開発される。子孫全ての目的遺伝子を効率的に改変可能に、環境改変の強力なツール
ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いた「ジーンドライブ(Gene Drive)」技術が開発される。子孫全ての目的遺伝子を効率的に改変可能に、環境改変の強力なツール

↑BTW


Concerning RNA-guided gene drives for the alteration of wild populations. eLife1イイネ
 人類は既に自在に目的の遺伝子を欠損した生物を作ったり、遺伝子を導入した動物を作り出すことが可能となっていますが、これらの改変した遺伝子が子孫に効率的に伝わり広まっていくわけではありません。なぜなら、ほとんどの生物は全ての遺伝子を2セット以上持っており、子孫に伝わる際に減数分裂によりオス、メスからそれぞれ1セットが子孫に遺伝していくからです。このため、作り出した遺伝子改変生物の子供は同じ改変生物と交配しない限りは改変した遺伝子を半分(1セット)しか持てず、さらにその孫においては1セット持つ可能性が50%まで低下していきます。

 この仕組みにより生物は遺伝子の多様性を持つ集団としてを形成していくことが出来るのですが、近年、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いて子孫の遺伝子を100%改変していくジーンドライブ(Gene Drive)という技術が開発されました。

 この技術はかなり複雑ですが、簡単に言うと「CRISPR/Cas9のゲノム編集システムそのもの」をゲノムに遺伝子導入します。このゲノム編集システムの遺伝子が1セットでも伝わった生物ではCRISPER/Cas9の作用により全ての目的遺伝子が置き換えられます。さらにその子孫でも同じなので、時間が経ては確実にその遺伝子改変が広まっていきます。

 この技術を「生殖能力を失わせる」作用に使うと毒性の無い殺虫剤として有用に使えますが、地球上からその種を絶滅させうる行為でもあります。また、鳥にインフルエンザに対する耐性を与える変異を与えたり、植物に病害虫に対する耐性を与えるのに使う動きがありますが、何をするにしても際限なくその遺伝子改変が地球全土に広がっていくという点で危険をはらんでいると言えます。


(省略されています。全文を読む

Category:ゲノム編集・デザイナーズベイビー

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2015.10.02

「インフルエンザワクチンなんて効かないし・・」と適当な発言をして社会に害をなす前に読む統計データ
「インフルエンザワクチンなんて効かないし・・」と適当な発言をして社会に害をなす前に読む統計データ

↑BTW

下記の論文は2015年8月に日本の研究者がPLOSoneという有名な学術雑誌に投稿したインフルエンザワクチンの実際の効果を4727人のインフルエンザ患者の調査をもとに調べた報告です。

(この論文に掲載されるには投稿者が数十万円の費用を支払う必要がありますが、おかげで誰でも中身を無料で閲覧することが出来ます。ぜひ上記リンクの詳細情報をご覧ください)

この論文掲載を受けて、毎日新聞が日本語記事を出しています↓
この論文では2013年と2014年に日本でインフルエンザを発症し病院を受診した4727人の15歳以下の患者を調査し、ワクチン接種を受けていたかどうかを聞き取り調査し分析しています。

 結果はVE(ワクチン効果:Vaccine Efficacy)という%単位で示されています。たとえばVE=50%なら全員にインフルエンザワクチンを接種した場合には、誰にも投与しなかった時と比較して感染者数が半分になることを意味します。

下記にワクチン効果(VE)を抜粋して掲載します。

ワクチン効果(感染防止率:VE)まとめ
インフルエンザA型いわゆる豚インフルエンザインフルエンザB型
6ヶ月〜1才29%--
1〜2才70%67%41%
3〜5才72%85%43%
6〜12才55%88%27%
13〜15才32%-29%
※「-」は対象人数が少なすぎて分析結果に信頼性が得られなかったことを示しています。

1歳児未満、中学生、インフルエンザB型に対する効果が弱い(VE=25%って事は、4人インフルエンザに感染するところが3人に減る程度)点が興味深いですが、インフルエンザA型や、豚インフルエンザなどに対してはVE=75%(4人インフルエンザに感染するところが1人しか感染しない)とよく効いていることが分かります。

また、表にマイナス数値はありませんので、どの年代もどの種類のインフルエンザに対しても投与して損は無いことが分かります。
(省略されています。全文を読む

Category:感染症

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2009.08.27

カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)
カナダのオンタリオ州。住民全員の[[インフルエンザ]]ワクチン無料接種実施で[[抗生物質]]の使用量が減少(medpage TODAY)

↑BTW

カナダのオンタリオ州では、2000年より住民全員へのインフルエンザワクチン無料接種を開始した。その結果、無料化開始の2000年以降、インフルエンザ関連での抗生物質の使用回数が住民1000人あたり17.9回から6.4回と64%減少した。さらに緊急医療サービスを患者が受診する回数も減少した。

抗生物質の過度の使用は薬剤耐性ウイルス発生の原因となることが知られており、これらの報告はインフルエンザワクチンの接種率を上げることで抗生物質の使用回数を減らせることを意味している。

オンタリオ州では無料化に伴い、病院に加えて、学校やショッピングモールでも接種が受けられる。無料化に伴い摂取率は18%から38%まで上昇したそうだ。

発表者:カナダ、トロント大学のJeffery C. Kwong et al

Category:感染症

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