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キチン



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2020.10.13:現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)
2005.10.03:キトサンスポンジを使って膵臓を再生する

2020.10.13

現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)
現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)

↑BTW

Wikipediaに老化細胞除去薬(Senolytics)のエントリーがありました。

だんだん全体像が見えてきました。通常細胞は役に立たなくなるとアポトーシス(自殺)するメカニズムがありますが、そのメカニズムにストップがかかり自殺せずに生きながらえているのが老化細胞であり、それを解除するのが老化細胞除去薬のメカニズムのようです。癌細胞も同様にDNA変異が起きて生じるはずのアポトーシスを回避している細胞なこともあり抗がん剤が多く登場しているのが面白いです。
(1)FOXO4関連ペプチド。未承認、ペプチド、注射投与必要
(3)USP7(ユビキチン特異的タンパク分解酵素7)阻害剤、未承認薬物
(4)ダサチニブ(srcチロシンキナーゼ阻害剤)抗がん剤とケルセチン(bck-2ファミリー阻害剤)玉ねぎ成分
(5)フィセチン(bcl-2阻害剤)イチゴ成分
(6)ナビトクラックス(navitoclax)(Bcl-2阻害剤)抗がん剤
(7)Piperlongumine(ROS阻害剤)ロングペッパー成分
(8)アジスロマイシン(Azithromycin)とロキシスロマイシン(Roxithromycin)マクロライド系抗生物質
(9)SSK1 (senescence-specific killing compound 1)(老化細胞で活性でのみ活性化する抗がん剤ゲムシタビンプロドラック)未承認薬物
健康な身で抗がん剤や抗生物質を飲むのは少しためらわれるのですがロングペッパー成分の(7)が気になります。

Category:#Senolytics #老化細胞除去薬




2005.10.03

キトサンスポンジを使って膵臓を再生する
キトサンスポンジを使って膵臓を再生する

↑BTW

体内でインスリンを作り出しているすい臓β細胞が死滅してしまうと、血液中のグルコース濃度をコントロールすることが出来なくなり、糖尿病となる。深刻な糖尿病では注射などでインスリンを注射し、血液中のグルコース濃度をコントロールしてやることが必要だが、すい臓の細胞を移植し、体内でインスリンを作らせようとした再生医療の試みもある。

この中でも近年、すい臓の組織(すい島)を皮下(皮膚の下)に移植する方法が注目を集めている。しかしすい臓の組織を長期間維持するためにはどうすれば良いのかといった問題が未解決であった。今回、研究者らはキトサンスポンジを用いてこれに挑戦している。キトサンはカニやエビなどの成分であるキチンが分解したもので、体内で徐々に分解される性質(生分解性)を用いて他の研究では生体外で血管構造を作らせたり、疑似的な皮膚組織を形成させる研究が進められている。

研究者らはまず、凍結乾燥によりCSを作成した。この作り出したCSは200-500μmの隙間を多く持つ多孔質構造になっており、このCSにラットすい臓より単離したすい島を各20個ずつ播種し62日間培養した。すると単離直後のすい島は単一のものが大部分を占めたが、徐々に2-4個のすい島から成るクラスターも(150-250μm)も観察された。

また、CS内で培養した小島は少なくとも53日後まで初期の形態を維持しており、すい臓細胞の機能であるインスリン産生は49日後まで継続しCS内は一定のインスリン濃度に維持され、その後急激に低下した。

このようなキトサンスポンジを使った方法はすい島を安定して培養出来、また機能させることが出来ることを示しており、皮下への膵島移植の発展につながる可能性がある。

原文
Tissue-engineered pancreatic islets: culturing rat islets in the chitosan
sponge.
Cell Transplant. 2001;10(4-5):499-502.

Category:人工すい臓・糖尿病