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タンパク質



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2018.04.10:p53の下流「PUMA」をブロックすることで、癌細胞を利することなく、抗がん剤投与による腸管細胞で生じる副作用を防止出来る
2018.03.27:新システムCRISPR/CasRxで生体内のRNAを分解・編集可能に、ウイルスへの搭載も可能
2018.03.23:アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始
2017.07.05:豆乳やヤギ乳を飲んでいる子供より、牛乳を飲んでいる子供の方が統計的に身長が高い
2017.04.20:さい帯血中に多く存在するタンパク質「TIMP2」は老化マウスに投与すると脳に移行して認知能力を回復させる
2017.01.17:若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、年老いた血液に「老化促進物質」が含まれている
2016.12.08:「ひきこもり」は病気だった。京大の研究者ら原因タンパク質「mDia-ROCK」を発見し、治療薬が開発可能に
2016.07.11:ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる
2016.05.27:24時間働けますか!睡眠不足でも記憶力低下を防ぐ実験にマウスで成功
2016.03.18:これが次世代がん治療薬「免疫チェックポイント調整抗体医薬」のパワーだ。
2016.02.05:加齢により毛髪が薄くなる原因は「17型コラーゲン(COL17A1)」が減少するためとの研究報告
2016.02.02:夜更かしを3日間しただけで体内の周期的な遺伝子発現がメチャクチャになる
2015.12.15:EPPSという激安薬物でアルツハイマー病の原因である脳内のAβ蓄積を分解し認知能力回復出来るとの研究報告
2015.11.16:次世代HPV(子宮頸ガン)ワクチン「VGX-3100」は癌一歩手前の病変を回復可能
2015.10.22:老眼(presbyopia)を治療する目薬の臨床試験がスタート
2015.10.13:ダウン症で知的障害が起きるメカニズムが解明。妊娠時から治療することにより知的障害を緩和出来る可能性
2014.12.16:ノエビア、皮膚に伸縮刺激を与えるだけでコラーゲン・エラスチンの分泌量が増えシワが防げる事を明らかに
2014.04.08:ジャンクフードなどの精製された食物は同じカロリーでも太りやすく、また「やる気」が低下するという動物実験結果
2013.11.14:来年(2014年)ぐらいから患者が恩恵を受けられそうな医学における新薬・新技術10
2013.08.19:腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要
2012.12.14:医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
2012.03.13:血圧を下げる薬「プラゾシン」にはPTSDに伴う悪夢を解消しうる別の作用がある。
2012.01.18:将来、膨大な数の認知症患者が世界経済に危機をもたらす可能性。治療の可能性
2011.02.09:アルツハイマー(Alzheimer)病の原因となるアミロイド前駆体(APP)が蓄積される原因を解明?(47news)
2010.10.22:アルツハイマーは感染するかもしれない
2009.11.01:証拠3:「カテキンを含む緑茶抽出物により体内のエネルギー消費量が増加した。」という報告(1999年発表)
2008.09.09:ダイエット法比較
2004.01.20:東京大学の研究者が精子や卵子形成に重要なタンパク質を発見。名前を「守護神」と命名する(jiji)
2003.06.17:ライオンが男性の脱毛部分で現象しているタンパク質2つを決定(ライオンプレスリリース)

2018.04.10

p53の下流「PUMA」をブロックすることで、癌細胞を利することなく、抗がん剤投与による腸管細胞で生じる副作用を防止出来る
p53の下流「PUMA」をブロックすることで、癌細胞を利することなく、抗がん剤投与による腸管細胞で生じる副作用を防止出来る

↑BTW


p53という細胞内のタンパク質は細胞に増殖停止や、自殺を命令する働きを持ちます。癌の治療の時に抗がん剤(癌を殺す薬)を投与すると、腸の幹細胞などの増殖している細胞も一緒にダメージを受けて死んでしまいますが、これらの正常な細胞の自殺はp53の働きで起こります。

 このp53の働きを妨げる薬を投与することが出来れば、腸で起こるこの副作用を防止することが出来るのですが、やっかいなことにp53の働きを止めると、癌細胞の増殖を止め、自殺しようと働いている経路(結局は癌の増殖パワーに負けていますが)も妨げることになり、癌の増殖を促進してしまうので使うことが出来ませんでした。

 今回、アメリカ・ピッツバーグ大学の研究者らの報告によると、p53全体の働きを止めるのではなく、p53シグナル経路の下流のPUMA(p53 upregulated modulator of apoptosis)を阻害した場合、腸などで起こる副作用のみを防ぎ、癌細胞を助けることはないそうです。

 抗がん剤と一緒にこのPUMA阻害薬を飲むことで副作用を防止出来る可能性があります。また、このPUMA阻害薬によって、通常よりも大量の抗がん剤投与が可能になり、より強力に癌を治療出来るかもしれません。

Category:ガン・腫瘍

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2018.03.27

新システムCRISPR/CasRxで生体内のRNAを分解・編集可能に、ウイルスへの搭載も可能
新システムCRISPR/CasRxで生体内のRNAを分解・編集可能に、ウイルスへの搭載も可能

↑BTW


Transcriptome Engineering with RNA-Targeting Type VI-D CRISPR Effectors. Cell. 2018
 CRISPR/Casが何か分からないという人も多いかもしれませんが、いずれ「ナノマシン」と呼ばれるたんぱく質の粒の始まりと言えば興味を持ってもらえますかね?
 一番有名なCRISPR/Cas9DNAを編集するツールです(既にCas9よりも効率的な様々な改良ツールの開発が進んでいますが)これらはDNA(体の設計図)を書き換えるためのツールで、医療への応用を考えると生まれつきの遺伝子に記されている問題を解決したりする用途がターゲットになります。

 これに対してCRISPR/Cas13というRNAを分解・編集するツールもあります。これは、DNAを元に作られ体内のタンパク質の構造をコードするRNAを分解・編集することが出来ます。

DNA→RNA→体の構成成分(タンパク質)

 RNAの分解・編集は、新しい病気の治療に結びつく可能性が高いのですが、これまでのCas13は分子が大きすぎて細胞内に送り届けにくかったそうです。これに対し、今回報告されたCasRxはより小さく、しかもAAVベクターと呼ばれるウイルスの機能を利用したシステムで体内にまんべんなくCasRxを送り届けることが可能になるとのことです。

 研究者は報告で、培養した脳神経細胞を用いて、アルツハイマーの原因となるtauタンパク質の状態は正常化するデモンストレーションを行っています。

Category:治療技術

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2018.03.23

アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始
アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始

↑BTW


DNA VACCINE TECHNOLOGY - A Vaccine Breakthrough That Could Change Lives & Enable Vaccine Development Programs | Articles | drug development and delivery back issues | Drug Development & Delivery
すでに舌下に投与するタイプのワクチンは承認されていますが、これは数年間毎日自分で服用しないといけず患者への負担が大きい点が問題でした。↓

今回アステラスが開発しているのは注射するタイプのワクチン。しかも「DNAワクチン」です。
 このワクチンはアメリカの製薬会社Immunomic Therapeuticsから導入したものです。基本的なDNAワクチンと異なりLAMP-vaxという技術を採用しています。この技術では抗原となるスギ花粉の2種類のタンパク質「Cry j1」「Cry j2」がリソソーム膜タンパク(LAMP)と一緒に発現する仕組みになっており、結果的に基本的なDNAワクチンに比べて効率的に免疫がなされるとのこと。以前までは「JRC2-LAMP-vax」と呼ばれていましたが、現在は「ASP4070」と呼ばれています。

アステラスは同じDNAワクチン技術を用いた「ピーナッツアレルギー治療ワクチン」をアメリカで開発しています。↓
 臨床試験の情報を見ると2週間に一度投与を続けたのち、数週間後に、チャンバーの中に顔をつっこみスギ花粉に晒してもらった後2〜3時間の鼻の状態(Total Nasal Symptom Score (3TNSS))を数値化することで効果を定量化する試験を行っているようです。↓
世の中に一般的に使われているDNAワクチンはまだ無いと思いますが、最初の1つがスギ花粉ワクチンになるんでしょうか?

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患

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2017.07.05

豆乳やヤギ乳を飲んでいる子供より、牛乳を飲んでいる子供の方が統計的に身長が高い
豆乳やヤギ乳を飲んでいる子供より、牛乳を飲んでいる子供の方が統計的に身長が高い

↑BTW

 牛乳を飲むことは身長を伸ばすことと結びつけられていますが、近年、多くの親が健康のために豆乳や、牛以外の乳を子供に飲ませることがあります。しかしながら牛以外のミルクは含まれるタンパク質量や脂肪量が少なく、牛乳と同じだけの効果があるかどうかは検証されていません。

 今回、カナダ・トロントの研究者は5034人の健康なカナダの子供の比較を行いました。その結果、牛以外のミルクを飲むほど、身長が低くなる相関関係が見られました。具体的には1日あたり250mL(1カップ)の牛乳以外のミルクを飲む毎に0.4cm低くなっており、3才時点で1日3カップの牛乳以外のミルクを飲んでいる子供は、飲んでない子供と比較し(代わりに牛乳を飲んでいる)、1.5cmの平均身長の差が見られました。

 原因については不明ですが、牛乳の栄養価が優れていると考える他に下記のような可能性があるとリンク先では述べられています。
(1)牛乳以外を与えている過程の場合、他の食事の内容にも差がある可能性、病気、アレルギー理由に牛乳以外を与えている可能性(この場合、薬を飲んでいてこれが影響している可能性あり)。
(2)牛乳に含まれる残留成長ホルモン(ステロイドホルモンなど)が人体に影響している可能性

Category:子育て

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2017.04.20

さい帯血中に多く存在するタンパク質「TIMP2」は老化マウスに投与すると脳に移行して認知能力を回復させる
さい帯血中に多く存在するタンパク質「TIMP2」は老化マウスに投与すると脳に移行して認知能力を回復させる

↑BTW

 アメリカ・スタンフォード医科大学のTony Wyss-Corayらのグループはこれまで若いマウスの血液に含まれる若返り因子の研究をしており、近年、同じ作用をする因子がさい帯血中にも含まれることを発見し分析を進めた結果、TIMP2(Tissue inhibitor of metalloproteinases 2/組織メタロプロテアーゼ阻害物質2)が若返り因子だと突き止めました。

 実験では老化したマウスに2日に一度50μg/kgのTIMP2タンパクを投与しています。すると穴から抜け出す方法を学習する試験において投与していないマウスよりも効率的に抜け出す方法を学んでおり、投与開始から2日目にはその効果が現れだし、4日目にはさらに学習効果が高まっていました(Fig4a)。血液中のTIMP2量は老齢になっても若い時の70%程度は残っているようですが、30%減ることにより認知能力が低下しているようです。

 将来、TIMP2が薬として開発され高齢者の認知能力を改善することが出来るかもしれません。

Category:アンチエイジング・老化抑制

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2017.01.17

若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、年老いた血液に「老化促進物質」が含まれている
若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、年老いた血液に「老化促進物質」が含まれている

↑BTW

動物実験においては若いマウスの血液を老化したマウスに輸血することで臓器に若返り効果があることが報告されています。

この事から、若い血液には「若返り物質が含まれている」と考えられ、下記のようなスタートアップも存在しましかし、今回報告された研究では逆に老化したマウスの血液を若いマウスに投与し、若いマウスに老化に伴う現象が確認されています。これらの事から、若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、老化した血液に「老化促進物質」が含まれていると考えられます。

実際に何が「老化促進物質」なのかはハッキリ分かっていませんが、下記の報告ではβ2Mというタンパク質が原因物質として報告されています。

Category:アンチエイジング・老化抑制

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2016.12.08

「ひきこもり」は病気だった。京大の研究者ら原因タンパク質「mDia-ROCK」を発見し、治療薬が開発可能に
「ひきこもり」は病気だった。京大の研究者ら原因タンパク質「mDia-ROCK」を発見し、治療薬が開発可能に

↑BTW


 社会隔離ストレスを受けたマウスでは、タンパク質mDia(mammalian homolog of Diaphanous)が活性化され、神経伝達物質が放出される部分が収縮、結果としてGABA放出(安らぎ・落ち着きをもたらす神経伝達物質)が放出しにくくなり結果として、社会行動的異常が生じるようです。

 この現象はこのメカニズムに必要なROCK(Rho-associated coil-containing kinase)を阻害する薬Y-27632を投与することで回避され、社会隔離ストレスの影響を受けなくなったそうです。

 Y-27632は研究用試薬であり、人間に投与した場合の安全性は確認されていませんが、Y-27632、または同じ作用をする薬を開発し、人間に投与した場合の安全性が確認出来れば、「ひきこもりを治す薬」として使える可能性があります。

 また、今回の研究は、社会から隔離された情況が精神活動に悪影響を与える分子メカニズムを明らかにしている研究ともいえます。

Category:未分類

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2016.07.11

ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる
ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる

↑BTW


Maternal Metabolic Syndrome Programs Mitochondrial Dysfunction via Germline Changes across Three Generations. Cell Rep. 2016
 新しく産まれたって何もリセットされちゃいない。そんな現実が明らかになりました。妊娠中どころではありません、妊娠前のママの食生活が卵細胞のミトコンドリアに悪影響を与え、確実に子孫に「太りやすさ」という性質として受け継がれることをマウスを使った実験で実証に報告しています。

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Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

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2016.05.27

24時間働けますか!睡眠不足でも記憶力低下を防ぐ実験にマウスで成功
24時間働けますか!睡眠不足でも記憶力低下を防ぐ実験にマウスで成功

↑BTW

 睡眠不足時に記憶力が低下することが知られていますが原因は完全には分かっていません。今回研究者らは大脳新皮質の第二運動野(M2)という領域から第一体性感覚野(S1)という領域への神経回路の影響を調べました。

このM2→S1回路は睡眠開始直後のノンレム睡眠で働いていることが知られており、睡眠不足時にはこの神経接続を介した情報伝達が妨害されていることになり、これが記憶力低下の原因である可能性があります。今回、研究者らは睡眠不足にしたマウスのM2部分、S1部分に同じパターンの電気刺激を人工的に与え擬似的にM2→S1回路が働いているようにすることで記憶力が回復することを見出しました。

 M2部分とS1部分に同期した刺激を与える方法としてはマウスを遺伝子改変し、「チャネルロドプシン」という光を受けると電気信号を発生するタンパク質を脳神経に導入しています。このマウスの脳神経細胞は光を当てるだけで電気刺激を発生するようになります。これによりレーザーなどを使うことで脳の好きな場所に電気刺激を発生させることが出来ます。

 今回は遺伝子改変を使って人工的電気刺激を発生させましたが、電気刺激を起こさせる方法は他にも色々あります。研究らは今回発見した現象が睡眠障害などの治療に使えないかと考えています。


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Category:睡眠

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2016.03.18

これが次世代がん治療薬「免疫チェックポイント調整抗体医薬」のパワーだ。
これが次世代がん治療薬「免疫チェックポイント調整抗体医薬」のパワーだ。

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(Atezolizumab versus docetaxel for patients with previously treated non-small-cell lung cancer (POPLAR): a multicentre, open-label, phase 2 randomised controlled trial.Lancet. 2016 Mar 9. pii: S0140-6736(16)00587-0. doi: 10.1016/S0140-6736(16)00587-0. PMID:26970723)より
「ついにガンが治る時代になった」ってフレーズ聞いたことがあるでしょうか?これは最近、開発が進んでいる「免疫チェックポイント調整型抗体医薬」の強力な効果から言われていることです。上記のグラフは新しく開発が進んでいるPD-L1という生体内で免疫を調製するタンパク質に対して作用する薬を悪性度の高い「非小胞肺がん」患者で試した臨床試験結果です。

 縦軸は生存率を%で示しており治療効果にあたります、右に行くほど治療してから日数が経過しますが、全員が生存していた100%から徐々に生存率が低下していくのが分かります。赤色が従来の抗がん剤治療、青色が新しく開発が進むPD-L1に対する抗体医薬「Atezolizumab」の治療効果です。

 こういった試験では生存率が50%を切るまでの期間をよく比較に使いますが、従来の抗がん剤で治療した場合は9.7ヶ月で半分が亡くなるのに対し、Atezolizumabでは12.6ヶ月かかっています。この場合「3ヶ月延命させた」と言えます。

 そして注目してもらいたいのがグラフの右端です。従来の抗がん剤では生存率が低下し続けるのに対し、Atezolizumabでは16ヶ月を超えたあたりから生存率が下がらず新たに亡くなる人が出なくなっているのが分かります。これが新しい免疫チェックポイント型抗体医薬の特徴です。体内のガンと戦う免疫機能がガン細胞の増殖と同じぐらいになり、それ以上病状が進行しないか、回復に向かうのです。

 免疫チェックポイント薬は今回紹介したPD-L1のほかに、すでにPD-1CTLA-4に対する薬が開発されています。既に開発されている後者の2つは同時に使うことでさらに強い薬効が得られることが知られており、この手の薬は従来の抗ガン剤と異なり複数の薬を併用して薬効を増強する効果が期待出来ます。

 問題は値段です。それぞれの薬は「よく効くから」という理由で製薬会社が1年間の治療あたり1000万円以上の価格を付けています。現在は保険適用されていますし、高額療養費控除の対象になりますから患者の負担はわずかですが、これらの薬が多くのがん患者に使用されるようになったら国の医療費負担は膨大になってしまいます。間違いなく近い将来に、全額自己負担の高度先進医療に指定されるなどして、国の負担を減らす方向に進むでしょう。そうなれば、現在は安く加入できる保険の高度先進医療特約もきわめて高額になるに違いありません。

 既に海外などではこれらの新しく開発された薬はお金持ちしか使用出来ない薬として扱われています。医療技術が進みガンは直す選択肢は増えていますが、誰でもこの新しい薬を使用出来るようにするためには今の医療の仕組みを少し変える必要があるでしょう。

  • Atezolizumab versus docetaxel for patients with previously treated non-small-cell lung cancer (POPLAR): a multicentre, open-label, phase 2 randomised controlled trial.Lancet. 2016 Mar 9. pii: S0140-6736(16)00587-0. doi: 10.1016/S0140-6736(16)00587-0. PMID:26970723

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Category:ガン・腫瘍

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2016.02.05

加齢により毛髪が薄くなる原因は「17型コラーゲン(COL17A1)」が減少するためとの研究報告
加齢により毛髪が薄くなる原因は「17型コラーゲン(COL17A1)」が減少するためとの研究報告

↑BTW

 東京医科歯科大学の研究者らが発表。17型コラーゲンの別名BP180、「コラーゲン」という名前が付いていますが、1497アミノ酸の遺伝子により規定されているタンパク質です。配列中の15カ所にコラーゲン配列(最大1部分で232アミノ酸サイズ)が含まれます。

 普通のコラーゲンとは違う特殊なコラーゲンタンパクの話なので、コラーゲンを食物からたくさん摂取したり、頭にコラーゲンを塗って予防出来る問題では無いと思います。

 逆に、特定の遺伝子にコードされたタンパク質が原因ということが本当なら、今回の研究を元に新しいメカニズムの薄毛防止薬の開発が始まることでしょう。また、このタンパク質の増減が関わる他の病気も知られているようです。


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Category:毛髪・毛、育毛

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2016.02.02

夜更かしを3日間しただけで体内の周期的な遺伝子発現がメチャクチャになる
夜更かしを3日間しただけで体内の周期的な遺伝子発現がメチャクチャになる

↑BTW

 研究者らは22人の健康なボランティア(男女11人ずつ)を雇い、1日ごとに睡眠時間を4時間遅らせる生活を3日間行わせ、3日後に血液中のメラトニンレベルを測定、血液細胞中の遺伝子発現を調べました。

 結果、3日程度では眠気などを司ることで有名な血液中のホルモン「メラトニン」量の変化は大きな影響を受けておらず、元の生活周期のパターンのまま分泌されていることが分かりました。

 しかしながら、血液中の細胞の遺伝子発現を調べてみたところ、通常は昼・夜の周期に合わせて規則正しく発現の増減を繰り返している周期的遺伝子発現が6.4%→1%と激減することが分かりました。変化した遺伝子の中には遺伝子に長期的な影響を与えうるクロマチン(染色体)修飾遺伝子(DNAメチラーゼやDNAアセチラーゼ)も含まれていました。また、タンパク質の翻訳・転写に関わる多数の遺伝子、また、温度により制御される遺伝子(寒い時に誘導される遺伝子など)も影響を受けていました。

 不規則な生活は感じる以上の影響を身体に与えていそうです。


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Category:睡眠

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2015.12.15

EPPSという激安薬物でアルツハイマー病の原因である脳内のAβ蓄積を分解し認知能力回復出来るとの研究報告
EPPSという激安薬物でアルツハイマー病の原因である脳内のAβ蓄積を分解し認知能力回復出来るとの研究報告

↑BTW

 アルツハイマー病の原因でもっとも確からしいと言われている原因は、神経毒性のあるAβ(アミロイドベータ)と呼ばれるタンパク質の凝集体がなんらかの理由で脳内に蓄積していくことです。今回、Aβ(アミロイドベータ)を脳内投与されたマウスや、Aβを脳内に蓄積しやすいよう遺伝子改変されたマウスにEPPSという化学物質を経口投与したところ、脳内のAβを分解し、認知能力も回復出来たとの論文がNature Communicationに発表されています。

 EPPS(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazinepropanesulphonic acid)は研究用試薬だと25グラム7800円で買えます↓

実験での投与量は30mg/kgですから、乱暴ですが体重換算で人間に当てはめると1日2グラムほど。すなわち薬代は1日500円ほどになります。
 これまでこの論文ほど脳内に蓄積されてしまったAβの除去に成功した薬物は無いと思いますので、かなり画期的な治療効果と思います。自分がアルツハイマーならこっそり買って飲みたい感じです。

 この論文を発表したのは韓国科学技術院KAISTの研究者ら。EPPSのAβへの関与はこの論文以前にはほとんど見られません。この結果が本当で、うまく実用化されれば韓国初のノーベル賞も確実かと。


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Category:脳・中枢神経・神経

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2015.11.16

次世代HPV(子宮頸ガン)ワクチン「VGX-3100」は癌一歩手前の病変を回復可能
次世代HPV(子宮頸ガン)ワクチン「VGX-3100」は癌一歩手前の病変を回復可能

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 アメリカ・ペンシルベニアに拠点を置くInovio Pharmaceuticalsという製薬会社の開発する新しいHPVワクチン(子宮頸ガンワクチン)は癌一歩手前の病変を回復させるほど強力なようです。

 このワクチンは「DNAワクチン」という新しい仕組みのワクチンです。日本で現在使われているHPVワクチン「サーバリックス」が標的としているHPV16、HPV18という2種類のウイルスをターゲットとしている点は同じですが、かなり中身は違います。

サーバリックスHPV16とHPV18のL1タンパク質+アジュバント(AS04)
VGX-3100HPV16とHPV18のE6タンパク質とE7タンパク質を発現する遺伝子ベクター

 現在使われているサーバリックスはタンパク質を直接注射することでL1タンパク質に対する免疫を誘導しますが、ワクチン接種後の新たな感染を予防する効果は確認されているものの、既に感染している病変(前癌状態)を回復させるほどの治療効果は報告されていませんでした。

 これに対し、VGX-3100はウイルスの発癌性の原因となっていることが知られている別のタンパク質(E6とE7タンパク)を作る遺伝子が主成分です。この遺伝子はワクチン接種後、我々の細胞に入り、我々の細胞の仕組みを利用してE6、E7というタンパク質を一定期間の間持続的に作り出し、このタンパク質により免疫が誘導される仕組みです。

 試験では思いこみによる効果を排除するプラセボ対照二重盲目試験(試験終了まで、医師も患者も自分が本物のワクチンを打たれたのか、偽物を打たれたのか分からない)で行われました。

 前癌状態(CIN1)状態の患者による試験では本物のワクチンを投与された患者では107人中43人(40.3%)で病変の改善が見られました。一方、偽物のワクチンを投与された患者では35人中5人(14.3%)しか改善が見られませんでした(※自然治癒することもある)。

 さらにほとんど癌一歩手前である(CIN2/CIN3)状態の患者による試験においても本物のワクチンを打たれた患者は105人中53人(49.5%)に病変の回復が見られましたが、偽物のワクチンを投与された患者では36人中11人(30.6%)しか回復しませんでした。

 これらの差がVGX-3100の治療効果を証明しています。

さて、日本の皆様はアジュバントとDNAワクチン、どちらをより怖がるのか楽しみです。


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Category:感染による腫瘍形成

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2015.10.22

老眼(presbyopia)を治療する目薬の臨床試験がスタート
老眼(presbyopia)を治療する目薬の臨床試験がスタート

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臨床試験を開始したのはEncore Vision社。薬の名前はEV06、物質としては リポ酸コリンエステル(Lipoic Acid Choline Ester)。

老眼が起きるのは老化に伴い水晶体の細胞のタンパク質のジスルフィド結合が増えてくることにより眼の柔軟性が失われ焦点を合わせる機能が低下することが原因だそうです。この薬はこのジスルフィド結合を分解する働きがあるとのこと。

うまく効果が確認出来るようならよく売れる薬になりそうですね。

追記
老眼の治療を目指してジスルフィド結合を減らすために既に色々な物質が試されているそうですが、毒性などの問題があるそうです。↓

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Category:目・視覚

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2015.10.13

ダウン症で知的障害が起きるメカニズムが解明。妊娠時から治療することにより知的障害を緩和出来る可能性
ダウン症で知的障害が起きるメカニズムが解明。妊娠時から治療することにより知的障害を緩和出来る可能性

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 ダウン症は21番染色体が通常よりも1本多い場合(通常は2本)に起こり、個人差はありますが、知的障害を高頻度に発生することが知られています。しかし、なぜ染色体数が多いことが知的障害が生じるのか原因が分かっていませんでした。

 今回発表された研究によると21番染色体が1本多い3本になることで、21番染色体上にあるDYRK1AとDSCR1という2つの遺伝子から作られるタンパク質の量が1.5倍になり、これが多すぎるため、神経細胞が出来にくくなり、結果として知的障害につながるそうです。

 研究者らは検証のため、ダウン症モデルマウスの胎児に、これらの2遺伝子の発現を抑える治療を行ったところ、予想通り神経細胞が出来にくくなる状況が緩和されることが確認出来たそうです。

 ダウン症につながる染色体異常は出生前診断の主要なチェック項目となっていますが、妊娠中に判明しても治療方法は無く、産むか中絶するかの判断を迫られる状況にありましたが、近い将来、治療方法が確立し治療しながら産むという選択肢が増えると予想されます。


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Category:遺伝子診断・遺伝子多系

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2014.12.16

ノエビア、皮膚に伸縮刺激を与えるだけでコラーゲン・エラスチンの分泌量が増えシワが防げる事を明らかに
ノエビア、皮膚に伸縮刺激を与えるだけでコラーゲン・エラスチンの分泌量が増えシワが防げる事を明らかに

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 ノエビアと大阪大学の共同研究で、皮膚に弱い伸縮刺激を与えるだけで皮膚細胞のコラーゲンやエラスチンの分泌量が増加することが明らかになりました。

 コラーゲンやエラスチンは肌の弾力性を担う繊維状のタンパク質で老化と共にその量が減少することが分かっています。弱い伸縮刺激に当たるマッサージはコラーゲンの分泌量を増加させシワを防ぐ働きがあると推測されます。

 また、顔に関しては無表情だとコラーゲン・エラスチンの分泌が促されないかもしれませんね。暇な時は顔の皮膚の伸縮を促すように顔の表情を大きく動かして見ると良いかもしれません。


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Category:皮膚

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2014.04.08

ジャンクフードなどの精製された食物は同じカロリーでも太りやすく、また「やる気」が低下するという動物実験結果
ジャンクフードなどの精製された食物は同じカロリーでも太りやすく、また「やる気」が低下するという動物実験結果

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 太りやすいかどうかは食べた食物のカロリーと、脂肪量で決まると思われていますが、それ以外にも様々な要因が関わっているようです。今回、ジャンクフードのような精製されたシンプルな材料から出来た食物は同じカロリーでもより太りやすく、また食べ続けるとやる気が無くなるという動物実験結果が報告されています。

 この研究を行ったのはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者らです。研究者らは合計32匹のラットを2つのグループに分け、それぞれ通常の食事(A)精製された材料から作られた食事(ジャンクフード)(B)を食べ続けさせました。

 6ヶ月後、それぞれのグループのラットの平均体重を調べると、通常の食事を食べさせたラットが330gなのに対し、精製度の高い食事を食べさせたラットは400gと大幅に肥満になっていました。

 また精製度を高い食事(B)を食べさせたラットは各種テストで通常食(A)のラットよりも自主的な行動が少なく「やる気が無い状態」になっていることが分かりました。

 AとBの食事のカロリーは全く同じで脂肪量なども全く同じです、何がこの差を生んでいるのでしょうか?AとBの成分の差を詳細に比較すると以下のような差がありました。

A(通常の食事)B(精製された食事(ジャンクフード的な成分))
脂肪ラードのみラードと大豆油
炭水化物未精製スターチ、多糖精製されたコーンスターチ、スクロース
タンパク質魚、肉など様々なタンパク質カゼインのみ

 総じて、精製食(B)の成分はシンプルなより分解された成分がメインとなっています。脂肪に関しては抗炎症作用や脳細胞への良い影響が知られる大豆油が精製食(B)にのみ含まれていますが、この事はプラスの影響を及ぼしていないようです。

 研究者が注目しているのはフルクトースという糖質の量です。精製食にはフルクトースが多く含まれ、食事として甘いことが分かっています。フルクトースはレプチン耐性をもたらし肥満を誘導することが知られており、2つの食事の差はフルクトースの差かもしれませんが詳細は不明です。

 やる気が無くなる理由は、さらによく分かっていません。研究者はやる気が無くなる原因は脳内のドーパミン量が低下しているためと考えており、食事の違いがなんらかのメカニズムで脳内のドーパミン量に影響しているのではないかと考えています。

 日々のやる気が低下していると感じている人はジャンクフードを食べる量を減らした方が良いかもしれません。


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Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

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2013.11.14

来年(2014年)ぐらいから患者が恩恵を受けられそうな医学における新薬・新技術10
来年(2014年)ぐらいから患者が恩恵を受けられそうな医学における新薬・新技術10

↑BTW

クリーブランド・クリニックが2013年度イノベーションサミットで発表しています。
★1.人工網膜
 20年にわたり200万ドルを費やして開発されたSecond Sight社の人工網膜デバイス「Argus II」がついにFDAの承認を得て販売開始されます。「Argus II」は網膜色素変性症で目が見えなくなった患者(アメリカだけで10万人いる)にチップを埋め込み、使えなくなった自身の網膜に変わって脳に映像を伝えます。見えると言っても現段階では60画素ほどのようです。この手のデバイスは他の会社も開発しており、少なくとも他に5つの団体が似たようなシステムを開発中だそうです。

★2.ゲノム情報を用いた固形癌の診断
 「ガン」は制御を外れて増殖が無秩序に行ってしまう病気の総称で、人それぞれ異なる治療方法が必要です。現在存在するガンの治療薬が一部の人にのみ効果があるのはそのためです。近年、切除したガンの一部を用いて、発生しているガン組織部分の遺伝子を調べ、発生しているガン細胞の種類にあった治療方法を選ぶ治療が進みつつあります。

★3.難治性のてんかん治療のための神経刺激装置
 「てんかん」症状を持つ人はアメリカだけで200万人いると言われています。てんかんの発作が始まるメカニズムは解明されており、てんかん発作の予兆を完治し、電気刺激で発作の開始を起こさなくする電子デバイスの開発が進んでいます。この装置により患者の3分の1は発作を起こさなくなることが期待されています。

★4.C型肝炎の経口ウイルス薬
 FDAが近々認可を出すSofosbuvirは新世代のC型肝炎治療薬です。これまでの薬と異なり長期間服用しても効果が持続し、また飲み薬であるため患者のQOLが大きく向上することが期待されています。

★5.コンピューターによる麻酔管理システム
 麻酔は危険性をはらんだ技術です。麻酔の効きすぎは心肺停止を起こし生命の危険があるため、手術などで麻酔が必要な時は麻酔の専門医が立ち合い経験に沿った手作業で麻酔の効き具合をコントロールする必要がありました。近年、これらの麻酔のコントロールを行う機械が開発され、医療環境の改善が期待されています。

★6.腸内細菌の移植
下記参照
★7.急性心臓病のためのRelaxin
 最近開発が進んでいる薬「seralaxin」は新しいメカニズムの心臓ポンプ能力向上剤です。この薬は女性の体内で出産時に分泌され心臓のポンプ機能を強化する役割をしているrelaxin-2を模倣して作られた薬です。

★8.コンピューターによる鎮静状態管理システム
 内視鏡手術などの時には穏やかな鎮静薬が投与されますが、この鎮静状態の制御は難しく費用がかかります。この制御を行ってくれる装置が開発されつつあります。

★9.TMAOアッセイ
 TMAO(trimethylamine N-oxide)は、主に腸内で腸内細菌がタンパク質を分解したシグナルを後に肝臓で作られるサイトカインです。近年の研究で血液中のTMAO量が心臓の状態を知る良い指標になることが分かってきており、診断方法として開発されつつあります。この診断により心臓疾患の危険性を早い段階で知る事が出来るようになると考えられます。

★10.B細胞レセプター経路の阻害剤
ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤「Ibrutinib」は現在開発中の白血病、リンパ腫治療薬です。効率良く悪性の免疫細胞のみを殺す作用が期待されています。使いやすい飲み薬である点も期待されている理由の一つです。近日使用できるようになる予定です。


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2013.08.19

腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要
腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要

↑BTW

 腸内細菌は人体に大きな影響を与え、乳酸菌などの善玉菌が多いと寿命が延び、反対に有害物質であるLPSなどを多く作る悪玉菌が多いと寿命が短くなることが動物実験により証明されています。腸内で作られたLPSは吸収されて人体の様々な臓器に悪影響を及ぼします。

 腸内の善玉菌を増やすにはどうしたら良いのでしょうか?ヨーグルトと食べる?肉を減らす?中国の上海Jiao Tong大学のLiping Zhaoらはマウスを使った実験を行い、カロリー制限により効率的に善玉菌を増やすことが出来ることを報告しています。

 研究者らは180匹のマウス(生後5週齢)を以下のように30匹ずつ6つのグループに分けました。
食事運動
グループ1低脂肪食無し
グループ2低脂肪食(30%カロリー制限)無し
グループ3低脂肪食有り
グループ4高脂肪食無し
グループ5高脂肪食(30%カロリー制限)無し
グループ6高脂肪食有り

 実験を開始してから62週目、83週目、141週目にそれぞれのグループの糞を採取し調べたところ、カロリー制限を行ったグループ2グループ5の動物のみで善玉菌が徐々に増加していき、悪玉菌が減少していくのが確認されました。カロリー制限されていれば高脂肪の食事であっても善玉菌は増加しました。

 運動は腸内細菌の種類に影響しませんでした。また高脂肪食と低脂肪食の差も明確ではありませんでした。

 次に研究者らは悪玉菌が腸内で産生する有害物質LPSが血液内にどれぐらい入っているかの指標となるLBPの量を比較したところ、カロリー制限により血液中のLBP量が大きく減少しているのが確認されました。血液中に入ってきている有害なLPSの量が減っていることが分かりました。

 今回の結果はカロリー制限によって腸内細菌の種類が変わり善玉菌が増え、悪玉菌が減ることを示しています。これらの作用は健康に良いとされている「低脂肪食」や「運動」では起こっておらず、「カロリー制限」こそが重要であると言えます。

 カロリー制限は寿命を効率的に延ばす唯一の方法として知られ、様々な動物モデルで実際に寿命の延長が証明されています。今回の報告内容を合わせて考えるとカロリー制限により腸内細菌が作り出す有害物質が減ることが寿命の延長をもたらす大きな要因になっているのかもしれません。

※LBP(Lipopolysaccharide-binding protein)
リポポリサッカドイド受容体・・・・体内へのLPS進入に応答して放出されるタンパク質。LBPに結合したLPSはマクロファージにより取り込み除去される。

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Category:腸内細菌

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2012.12.14

医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果

↑BTW

 医学分野の最も有名な学術雑誌Nature Medicineが2012年に発表された重要な研究成果として8つの研究フィールドに分けて紹介しています。

★神経科学
 自閉症の原因遺伝子についての発見があった。自閉症患者の遺伝子を1000人分調べ共通点を探したところ、変異すると自閉症になりうる共通変異が100以上見つかった。自閉症は父親の年齢が高いほど確率が高いが、高齢の男性の精子が遺伝子変異を起こしやすいことと関係していると思われる。

★ガンのメカニズムに関して
 ガン細胞がどのように体内で増えていくのかに関して様々な知見が得られた。例えばガン細胞はエキソソームを放出して転移に適した環境を作り出すし、血管細胞免疫細胞を制御して自身が生存しやすくしている。ガン細胞は転移出来る場所に落ち着くとBMP阻害因子であるCocoタンパクを産生するようだ。これらはいずれも新たなガン治療薬開発の可能性となる。

 また、ガンの増殖に関して、周囲の正常部分の関与も報告された、抗ガン剤はガン細胞だけでなく周囲の正常細胞も傷つけるがそれらの正常細胞が元に戻ろうとする過程でガン細胞を増殖させる物質を出してしまっているようである。

  • Melanoma exosomes educate bone marrow progenitor cells toward a pro-metastatic phenotype through MET.Nat Med. 2012 Jun;18(6):883-91. PMID:22635005
  • The BMP inhibitor Coco reactivates breast cancer cells at lung metastatic sites.Cell. 2012 Aug 17;150(4):764-79.PMID:22901808
  • A CXCL1 paracrine network links cancer chemoresistance and metastasis.Cell. 2012 Jul 6;150(1):165-78. PMID:22770218
  • Tumour micro-environment elicits innate resistance to RAF inhibitors through HGF secretion.Nature. 2012 Jul 26;487(7408):500-4.PMID:22763439
  • Treatment-induced damage to the tumor microenvironment promotes prostate cancer therapy resistance through WNT16B.Nat Med. 2012 Sep;18(9):1359-68.PMID:22863786
★老化現象
 以前報告された内容と異なり、カロリー制限を長期間行ってもサルの寿命が延びなかったとする結果が報告された。

 赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」がカロリー制限と同じ働きをするメカニズムが報告された。レスベラトロールと同様にrolipramという物質が同様の効果を持つことが報告された。


★メタボリックシンドローム
 これまでの研究では、脂肪をため込む「白色脂肪細胞」、エネルギーを燃やす「褐色脂肪細胞」に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」という概念が報告された。このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞と似ているがUCP1を発現しており褐色脂肪細胞のように効率的にエネルギーを燃やすことが出来ます。新しく見つかったホルモンirisinが白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させることが報告され、新しい肥満治療薬の開発につながるかもしれない。

 冷たい外気に触れた時にも白色細胞が変化してベージュ脂肪細胞になりうることが報告された。またサーチュイン1タンパクがベージュ脂肪細胞への変化を誘導しうることも報告された。BMP 8bというタンパクが脂肪燃焼を誘導することが報告された。

  • A PGC1-α-dependent myokine that drives brown-fat-like development of white fat and thermogenesis.Nature. 2012 Jan 11;481(7382):463-8.PMID:22237023
★ガンの免疫治療
 ガン細胞はなぜか体内の免疫により攻撃されない。最近、T細胞にPD-1(programmed cell death protein 1)というレセプターが発現していることが報告された。PD-L1などのリガンドが結合することでT細胞は攻撃するT細胞(エフェクターT細胞)としての機能が低下し、攻撃しないT細胞(制御性T細胞)としての機能が活性化する。ガン患者の一定数にはPD-L1が血液中に見られるが、PD-1に対する抗体を投与する臨床試験でガンの増殖を抑制する効果が見られた。

  • Safety, activity, and immune correlates of anti-PD-1 antibody in cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2443-54.PMID:22658127
  • Safety and activity of anti-PD-L1 antibody in patients with advanced cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2455-65.PMID:22658128
★ウイルス学
 これまで様々なHIVワクチンが開発が試されたが、あまりうまくいっていない、今年新型のHIVワクチンの可能性が示された。HIVウイルスが免疫細胞(T細胞)に結合する時に使われるEnvタンパクをターゲットにしたワクチン療法である。

  • Immune-correlates analysis of an HIV-1 vaccine efficacy trial.N Engl J Med. 2012 Apr 5;366(14):1275-86.PMID:22475592
  • Increased HIV-1 vaccine efficacy against viruses with genetic signatures in Env V2.Nature. 2012 Oct 18;490(7420):417-20. PMID:22960785
★胃腸
 腸内の細菌環境が壊れることで大腸炎が起こりうることが報告された。こういった腸内環境の乱れは肝臓の病気や肥満、大腸ガンにつながる。研究者らは高脂肪食をマウスに食べさせると胆汁に変化が起こりグラム陰性菌が増え、大腸炎を起こしうることを報告した。また同様の細菌変化は栄養失調やタンパク質の少ない食事でも起こりうることが報告された。

 幼児期に抗生物質に触れると免疫機能の確立が損なわれアレルギーになる可能性が増すことが報告された。

  • Commensal bacteria-derived signals regulate basophil hematopoiesis and allergic inflammation.Nat Med. 2012 Mar 25;18(4):538-46.PMID:22447074
  • Microbial exposure during early life has persistent effects on natural killer T cell function.Science. 2012 Apr 27;336(6080):489-93.PMID:22442383
  • ACE2 links amino acid malnutrition to microbial ecology and intestinal inflammation.Nature. 2012 Jul 25;487(7408):477-81. PMID:22837003
  • Dietary-fat-induced taurocholic acid promotes pathobiont expansion and colitis in Il10-/- mice.Nature. 2012 Jul 5;487(7405):104-8.PMID:22722865
★生殖医療
 精子と異なり卵子は生まれてきた後は増えないと考えられてきたが、少し前にマウスの卵巣ではちょっとだけ新たな卵子を作り出しうる細胞が存在していることが報告されていた。今年、人間の女性の卵巣にも新しい卵子を生み出しうる卵子幹細胞が含まれていることが報告された。これは生殖医療のあり方を変える可能性がある。現在、その細胞の取り出し精製方法が研究されている。

  • Oocyte formation by mitotically active germ cells purified from ovaries of reproductive-age women.Nat Med. 2012 Feb 26;18(3):413-21. PMID:22366948

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Category:1年間のまとめ記事

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2012.03.13

血圧を下げる薬「プラゾシン」にはPTSDに伴う悪夢を解消しうる別の作用がある。
血圧を下げる薬「プラゾシン」にはPTSDに伴う悪夢を解消しうる別の作用がある。

↑BTW

 一般に血圧を下げる薬として使用されているプラゾシン(prazosin)という薬に脳神経の損傷を防ぎ、PTSDに伴う悪夢を解消するという別の作用があることが報告されています。

 この研究は10年以上前から行われており、最近ではアメリカの有名な総合病院メイヨークリニックの研究者らがプラハで行われた第20回ヨーロッパ精神医学学会で、これまでに様々な研究グループにより報告された12の研究を総括して効果は確かそうだと発表しています。

 これまでに発表された治療実験の例を挙げると、2007年にアメリカ・ワシントン大学の研究者らが行った研究では、ベトナム戦争に行きPTSDの症状を患っている退役軍人40人に対して行った治療実験を行っています。そして効果は数日〜数週間のうちに迅速に現れること、薬を飲むのを止めると何人かの患者では悪夢が再発することを報告しています。プラゾシンは副作用の少ない高血圧の薬として長い使用実績があります。PTSDの治療に使った場合に血圧が低下する副作用が懸念されますが、少なくとも上記の治療実験では血圧には影響は無かったと報告されています。研究者らはプラゾシンが副作用の少ないPTSD治療薬になりうるのでは無いかと期待しています。

 プラゾシンは神経細胞にあるα1アドレナリン受容体の作用を阻害します。PTSDにより起きる夜間の悪夢などの症状は脳神経のα1アドレナリン受容体の過剰作用が原因と考えられ、プラゾシンはこの過剰作用を防ぐことで治療効果を発揮していると考えられています。また、プラゾシンを作用させた脳神経は、脳神経がダメージを受けた時の指標となるHSP70というタンパク質を減らすことも報告されており、PTSDに伴う悪夢の他にも、アルツハイマー、うつ病、総合失調症による脳の損傷を予防する効果がある可能性が考えられています。


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Category:精神

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2012.01.18

将来、膨大な数の認知症患者が世界経済に危機をもたらす可能性。治療の可能性
将来、膨大な数の認知症患者が世界経済に危機をもたらす可能性。治療の可能性

↑BTW

 アルツハイマー病などの認知症患者の増大が世界経済を圧迫する可能性があると専門家が警告をしている。既に現時点で回復の見込めない2400万人〜3700万人の認知症患者が世界にはおり、この数は2050年までに現在の3〜4倍に当たる1億1500万人に増える見通しだという。これは人類が長寿になっていることに関係している。アルツハイマー型認知症は年齢とともに指数関数的に発症率が上昇するからだ、下記に年齢層ごとの認知症発症率を示す。

<<年齢ごとの認知症発症率>>
65〜69歳1.5%
70〜74歳3.6%
75〜79歳7.1%
80〜84歳14.6%
85歳〜27.3%

情報元:アルツハイマー型認知症治療の現状と展望(PDF)

特に先進国では平均寿命が近い将来に100歳程度になると予想されているが、上記の表から分かるように寿命の増加=アルツハイマー型認知症患者の増加なのである。既に現時点でも全世界で毎年GDPの1%に相当する50兆円が認知症患者の治療介護に使われていると報告されているが、この負担は今後増大し続けることが予想されている。

 残念な事に今のところアルツハイマー型認知症を改善し正常な状態に回復させる薬は存在しない。「アルツハイマー病の薬」と名前が付いている薬もあるが、これらの薬は決して「治す薬」では無い事を理解せねばならない。これらの薬の効果は「認知症の原因となる状況を改善」することでは無く、単に「脳の神経を一時的に活性化」させているに過ぎないのである。乱暴な表現でこの状況を例えるなら手術しないと治らない病気を持った人に栄養ドリンクを飲ませて「飲んでいる間は元気になった」と言っているようなものである。飲んでいる間は効果を感じることが出来るかもしれないが、薬の原理上、病気の進行を止めたり巻き戻したりする効果は無い。

 一方まだ開発段階ではあるが、アルツハイマーを治療する薬も研究開発されている。最も開発が進んでいる方法は血液中のAβ(アミロイドベータ)というタンパクの量を減らしてやる方法である。Aβは体内に元々存在するタンパク質であるが、アルツハイマー病患者では脳内に過剰に蓄積し毒性を示し脳細胞にダメージを与えることで認知症をひき起こす。このため、血液中のAβの量を様々な方法で減らすことにより脳への蓄積量を減らし治療効果を減らすことが可能である。この種類の薬は多数開発されており近い将来に市場に並ぶことが予想される。ただ、この薬で使用可能になっても既に壊れてしまった脳神経細胞を修復することは出来ないため、今後はアルツハイマー病の発症をなるべく早い段階で発見し治療を開始することが重要と考えられ、早期のアルツハイマー型痴呆症患者を見つけ出す検査技術の開発も行われている。


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Category:脳・中枢神経・神経

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2011.02.09

アルツハイマー(Alzheimer)病の原因となるアミロイド前駆体(APP)が蓄積される原因を解明?(47news)(asahi)
[[アルツハイマー]]([[Alzheimer]])病の原因となるアミロイド前駆体(APP)が蓄積される原因を解明?(47news)

↑BTW

名古屋大の松本邦弘教授と久本直毅准教授らが解明。2011/2/9のJournal of neuroscienceに発表。

これまで、ニューロンの中心部から末端へのタンパク質の移動は「Kinesin 1」の働きであるこは分かっていましたが、運ばれたAPPが末端に貯まってしまう原因は分かっていませんでした。
今回、研究者らは「Dynein」というタンパク質がAPPの末端から中心部への移動を担っていること発見しました。Dyneinの働きを高める薬を開発すればアルツハイマー病の治療(進行)を防止出来るかもしれません。

実験は線虫で行ったようですので、これがヒトでも同じなのかは調べないといけませんが、線虫とヒトはAPPもDyneinの構造も同じなので、同じメカニズムである可能性があるそうです。アルツハイマー病の患者は国内だけでも120万人います。


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Category:未分類

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2010.10.22

アルツハイマーは感染するかもしれない
アルツハイマーは感染するかもしれない

↑BTW

アルツハイマーの原因であるβアミロイドタンパクを健康なマウスの脳以外の部分に投与するだけで、そのマウスの脳にアルツハイマー病患者様のプラークが形成されるそうです。
プリオンタンパク質と同じような原理の病気なのでしょうか。

Alzheimer's protein may spread through infection(newscientist)
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Category:感染症

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2009.11.01

証拠3:「カテキンを含む緑茶抽出物により体内のエネルギー消費量が増加した。」という報告(1999年発表)

証拠3:「カテキンを含む緑茶抽出物により体内のエネルギー消費量が増加した。」という報告(1999年発表)

↑BTW

報告は学術雑誌「Am j. Clin Nutr」 vol.70ページ1040-1045 実際の題名は「Efficacy of a green tea extract rich in catechin polyphenols and caffeine in increasing 24-h enery expenditure and fat oxidation in humans(カテキンポリフェノールを多く含む緑茶抽出成分とカフェインが24時間のエネルギー消費と脂肪の酸化に与える影響をヒトで調べた)」で、フランスの研究者による報告である。研究者らは10人の健康な人間の男を使い24時間の間、連続して呼吸による酸素、二酸化炭素の出し入れの量、尿などを調べることによりカテキンが体内のエネルギー消費に与える影響を調べています。まず3つのグループにわけ、それぞれ

1緑茶抽出物(50mgカフェイン、90mgカテキン)
2カフェイン50mg
3placebo(偽の薬)

を朝昼晩の食事の中に入れた。もちろん本人には上の3つのどれが入っているかはわからなくなっている。24時間の間放出した二酸化炭素量から消費エネルギー(EE)を調べてみると緑茶抽出物を食べたグループでは平均エネルギー消費量が4%増加していた。また24時間の呼吸商(RQ)が0.88→0.85に減少していた。これは脂肪が消費されていることを示している(※下記参照)また尿中に排泄される窒素量は変わらなかった事からタンパク質がエネルギーに変わったためでは無いと考えられる。(※窒素は主にタンパク質に含まれている)

このように緑茶を飲むことによりエネルギー消費が上昇し、これは主に脂肪が消費されているためであると考えられる。

※呼吸商(RQ:Respiratory quotient)
脂肪商とはCo2排泄量/O2消費量の事体内においてエネルギーになる物質は大きく分けて以下の3種類がある。

呼吸商1gあたりのエネルギー量
脂質0.719.3kcal
1.004.1kcal
タンパク質0.855.3kcal

1gあたりのエネルギーが最も多いのは脂肪である事はご存じだと思うが、脂肪が最も呼吸商が小さい。すなわち脂肪を多く燃焼させた時には酸素のとりこみ量に対して二酸化炭素の排泄量が少ないのだ。すなわち今回のように呼吸中の呼吸商の値が減少したという事は消費しているエネルギーのうち脂肪に頼る量が増加したことを示している。
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Category:カテキンがダイエット効果があるのか科学的に確認してみた

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2008.09.09

ダイエット法比較(NHS)
ダイエット法比較

どのダイエット方法であっても炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど適切に栄養を摂取していれば体重は減らせて、どのダイエット方法が良いということは無かったそうです。

この研究はイギリスの報道機関BBCが出資したもので、18歳〜65歳の太り気味の293人(女性73%)が参加し、4つのダイエット方法を無作為に行わせたそうです。試験は6ヶ月行われ、いずれのダイエット方法でも平均で3.7〜5.2kgの体重減少効果が見られたそうです。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム




2004.01.20

東京大学の研究者が精子や卵子形成に重要なタンパク質を発見。名前を「守護神」と命名する(jiji)
東京大学の研究者が[[精子]]や卵子形成に重要なタンパク質を発見。名前を「守護神」と命名する(jiji)

要約(英語)

Category:性・生殖




2003.06.17

ライオンが男性の脱毛部分で現象しているタンパク質2つを決定(ライオンプレスリリース)
ライオンが男性の脱毛部分で現象しているタンパク質2つを決定(ライオンプレスリリース)

これまで脱毛を促す遺伝子ってのは分かっていたが、発毛を促す遺伝子が分かったのは初めてだそうです
その遺伝子とはephrinと、BMP、前者はエフリンと読んで血管を作り出す遺伝子、後者は骨を作り出す遺伝子、脱毛症の人は正常な人の、それぞれ4%、1%しかこれらの遺伝子が働いていないそうです。

とても興味深いかも、ephrin以外の血管新生促進因子は変化無いのでしょうか?BMPって骨以外の作用はよく知られているのかな?

Category:毛髪・毛、育毛