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メチル化


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ヒトの体細胞に最も多いメチル化酵素DNMT1はDNA2本鎖の片側だけメチル化されている状態(ヘミメチル化DNA)を優先的にメチル化する。これにより子孫細胞にメチル化状態が受け継がれる。
----------このキーワードを使っている記事----------
2016/08/30:改変CRISPR/Cas9で狙った遺伝子を脱メチル化する技術が開発される
2016/03/15:模倣子(ミーム)も遺伝子の修飾を介して子孫に受け継がれることが動物実験で証明
2015/12/11:Nature Medicine誌の選ぶ2015年の医学の進歩まとめ
2014/02/13:性行為の段階での男性のストレス状態は精子のDNAメチル化に影響を与え、生まれた子供の成長を遅らせる
2012/04/18:血液の遺伝子診断で現在の社会的ランクを80%の正確さで予測出来る。アカゲザルを用いた研究

2016/08/30

改変CRISPR/Cas9で狙った遺伝子を脱メチル化する技術が開発される
改変CRISPR/Cas9で狙った遺伝子を脱メチル化する技術が開発される

健康維持や病気発症におけるDNAメチル化の重要性にも関わらず、自在に特知恵の遺伝子配列のメチル化を制御し、機能を探ったり、治療を行う技術はこれまでありませんでした。今回、群馬大の畑田教授らは、以前に発表していたdCas9-SunTagという技術を特定遺伝子の脱メチル化の効率向上のために改変しました。

具体的な改良としては元のSunTagが5アミノ酸のリンカーで分割された10コピーのGCN4ペプチドから構成されていたのに対し、今回リンカーの長さを22アミノ酸としたところ、9種類の遺伝子で試した結果、7種類の配列で脱メチル化の効率は50%を超え、うち4種類で90%を超えていました。

この技術により「選択的脱メチル化」という新しい種類の治療方法が可能となります。

「メチル化」はエピゲノムとも言われ、ゲノムと異なり生活習慣などの影響を受けて変化し、病気の原因ともなり、また一部は子孫に受け継がれることが分かっています。

この技術、スーパー高校生バイオロジストの片野君が狙っていたような。

Category:治療技術

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2016/03/15

模倣子(ミーム)も遺伝子の修飾を介して子孫に受け継がれることが動物実験で証明
模倣子(ミーム)も遺伝子の修飾を介して子孫に受け継がれることが動物実験で証明

 遺伝子(ジーン)模倣子(ミーム)という考えがあります。これは分かりやすい言葉で言えば「血筋」は子孫に受け継がれるが、「親の習慣や生き方」は(教えたり、一緒に生活したりしないかぎりは)子孫には受け継がれない。というものですが、どうやら「親の習慣や生き方」も遺伝子上に追加情報として含められ子孫に受け継がれるようです。

 研究者らは、まったく同じ遺伝子を持つマウス群を2つのグループに分け、片方のグループに6週間にわたり高脂肪食を食べさせて肥満状態にしました。そして、そのマウスの精子や卵子を取り出して以下のような4通りに受精させました。

 上記の受精卵は環境や育て親の影響を排除するためにまったく別の正常なマウスに着床させ出産させました。そしてそれらの子供マウスに高脂肪食を与えると、体重増加は (1)>(2)=(3)>(4)となりました。たとえ高脂肪食を食べても遺伝子配列は変化せず上記4種類組み合わせから生まれたマウスはまったく同じ遺伝子配列を持つはずです。

(省略されています。全文を読む

Category:遺伝子・バイオインフォマティクス

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2015/12/11

Nature Medicine誌の選ぶ2015年の医学の進歩まとめ
Nature Medicine誌の選ぶ2015年の医学の進歩まとめ

 今回は比較的メカニズム解明的な話が多いので素人には分かりにくいかもしれません。肥満が「病気」である証拠が見つかり、肝臓・心臓を再生させるための手がかりが見つかり、エボラウイルスワクチンがもうすぐ完成し、癌を克服するための様々な弱点が明らかになりつつあるようです。腸内細菌の状態が癌治療に大きな影響を与えうる証拠が見つかった点は興味深いです。

(1)肥満に遺伝子変異が関連していることが明らかになった。
 全ゲノムの分析により、肥満時には肥満に関わる遺伝子(FTO)周辺で、微小な遺伝子変化(SNP)が多く起きていることが明らかになった。この変化によりIRX3IRX5といった脂肪細胞が出来るのを抑制する働きが妨げられると考えられる。また、この事は痩せた身体の維持に重要な役割を担っているエネルギーを消費する脂肪細胞(ベージュ脂肪(beige fat))の重要性を証明している。なぜならベージュ細胞の維持にIRX3、IRX5は重要な役割を果たす。ベージュ脂肪細胞は大人になると減少することが報告されている。

(2)注射すれば肝臓を再生してくれる特殊な肝臓細胞が見出されたという異なる3件の報告があった。
(3)エボラへの感染を防いでくれるワクチンの開発が最終段階
 rVSV-ZEBOVと呼ばれるワクチンのPhase 3研究で有望な結果が得られた。試験では投与後6日後には誰もエボラウイルスに感染しなくなった。このワクチンがどれぐらいの期間、保護機能を発揮するかは引き続いて検証して行く必要がある。
(4)通常は増殖しない心臓の筋肉細胞だが、一部増殖する細胞があり、また増殖させるための物質FSTL1が発見された。
(5)脳にもリンパ管があることが分かった。
 これまで脳にはリンパ管は無く免疫から隔離されていると考えられていたが頭蓋骨と脳の間の部分にdCLNsという分子を発現するリンパ管用の管があり、巨大分子が輸送され脳内に入っており、免疫細胞が働いているようだ。

(6)癌細胞が周囲の糖を使い果たすことにより、周囲の免疫細胞を弱らせていることが報告された。
 反対にこの変化を逆転させることで癌治療効果を高めることも出来る。また、この作用は免疫チェックポイント抗体医薬の薬効にも関与しているようだ。
(7)DNAメチル化酵素が癌細胞の増殖を抑制する原理が解明された。
(8)プレート上で微小な臓器様組織「オルガノイド」を使う技術が発展した。
(9)ALSの発症の仕組みの一部が解明された。
 ALSには様々な原因が存在するが、HREsと呼ばれる遺伝子繰り返しが遺伝子C9ORF72で起きた場合にも発症することが分かっている。この場合の発症の仕組みが解明された。
(10)腸内細菌の種類が癌治療の効果に大きな影響を与えることが証明された。
 Bifidobactriumという細菌の糞移植や、経口投与で、近年注目されている癌治療抗体医薬anti-PD-L1の薬効が高まった。これはこの細菌がいることで樹状細胞の働きが高まるためと考えられる。

以下、去年までのまとめ

(省略されています。全文を読む

Category:1年間のまとめ記事

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2014/02/13

性行為の段階での男性のストレス状態は精子のDNAメチル化に影響を与え、生まれた子供の成長を遅らせる
性行為の段階での男性のストレス状態は精子のDNAメチル化に影響を与え、生まれた子供の成長を遅らせる

 生まれてくる子供の成長に母親の性行為前、性行為後の身体的・精神的状態が影響を与えることはよく知られています。しかし、父親となる男性の状況がどのような影響を与えるかに関する情報は多くありません。

 カナダのレスブリッジ大学の研究者R. MYCHASIUKらは合計20匹のラットを使って、特に脳の発達の影響について研究を行い結果を報告しています。

 研究者らはオスのラットに27日間連続で1日2回30分間のストレスを与え、その後、メスのラットと交尾をさせ子供を作らせました。

 生まれてきた子供の行動を生後9日目から調べたところ、父親ラットがストレスを受けていた子供ラットはストレスに弱くなり、また行動能力が低いことが分かりました。生後21日目の時点で子供の脳のDNAメチル化を調べたところ、子供の性別に関係無く海馬(記憶を司る部分)のメチル化が増えており、またオスの子供のみで前頭葉のメチル化量が減少していることが分かりました。

 DNAがメチル化された部分はそこの部分の遺伝子の働きが抑制される事が分かっています。また、通常と比べてDNAメチル化量が少ないということは、通常は抑制されていないといけない遺伝子が活性化していることを意味しています。

 今回の結果は、性行為時の父親のストレス状態がDNAメチル化を通じて子供に伝わり、脳の発達に影響を与えること、特にオスの子供に影響が大きく出ることを示しています。

 同じ事が人間でも起きているかもしれません。近年では、このようにDNAメチル化といったDNA配列以外のメカニズムで様々な事が世代を超えて受け継がれ、親の経験や生存環境が子供に影響を与えるメカニズム「エピジェネティクス」の研究が進んでいます。

 女性は、生まれてくる子供のためにも夫には優しくした方が良いかもしれません。


(省略されています。全文を読む

Category:子育て

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2012/04/18

血液の遺伝子診断で現在の社会的ランクを80%の正確さで予測出来る。アカゲザルを用いた研究
血液の遺伝子診断で現在の社会的ランクを80%の正確さで予測出来る。アカゲザルを用いた研究

 集団で生活する多くの動物では、その集団内での社会的ランクが個々の個体に大きな身体的影響を与えることが報告されています。たとえば社会的ランクが低い個体ほど病気になりやすいなどです、また、長期的・種全体の進化的にも社会的環境は影響を与え、生存率産む子供の数などが影響を受けることが報告されています。こういった社会的状況から受ける影響はもちろん人間にも多かれ少なかれ当てはまると考えられますが、これまで、いったい社会的ランクの何がどのように身体的影響を生じさせるのかは明らかではありませんでした。

 今回、シカゴ大学の研究者らは、サル(アカゲザル)の集団を用いた研究を行い、社会的ランクが遺伝子の働きに短期間強くしかし可逆的に影響を与えることを発見し報告しました。この研究では、研究者らは10の集団に分かれて暮らすアカゲザルのメス合計49匹を用いて研究を行っています。メスザルの社会は厳格な階級社会であり、また各個体の社会的ランクは状況により変化します。研究者らはそれぞれのメスザルの社会的ランクを集団内での各個体のふるまいによりチェックし、次に血液検査などの検査を行い、社会的ランクと身体的状況に関係があるかを調べました。


 すると興味深いこと、社会的ランクに連動して働きの変わる987個の遺伝子が見つかりました。この中には免疫に関わる遺伝子が112個含まれており、社会的ランクが高いほど活発になる遺伝子もあれば、社会的ランクが高い時には働かなくなる遺伝子もありました。



 また集団内の特定のサルを隔離したり別の集団のサルを加えたりするなどして人為的にサルの社会的ランクを変化させたところ、社会的ランクの変化に伴い遺伝子の働きも数週間程度の期間で速やかに変化することが分かりました。(すなわち、社会的ランクの高かったメスザルは社会的ランクが高いサルに特有の遺伝子の働きを示していますが、社会的ランクが低くするとそれに応じて社会的ランクが低い個体に特有の遺伝子パターンを示すようになる。)

 驚くことに、この社会的ランクと遺伝子の働きのパターンを利用することで研究者らはサルの血液中の遺伝子発現を調べるだけでそのメスザルの社会的ランクを80%の正確さで予測可能であることを報告しています。

 また、遺伝子の差以外にも、高い社会的ランクのサルほど血液中にCD8陽性T細胞が多いことが分かりました。このことはガン細胞と闘う場合などに必要な細胞性免疫が強いことを示しています。また社会的ランクが低いほどデキサメタゾン(炎症抑制剤)に対する抵抗性が高く体内が炎症が起きやすい状況にあることが分かりました。先ほど述べた遺伝子の解析でも社会的ランクの高いサルほど炎症に関連する遺伝子(PTGS2、IL8RB、NFATC1など)の働きが低いという結果が出ており、この遺伝子の働きの差が実際の体内の免疫・炎症状態の差を生じさせていると考えられます。その他にも、DNAのメチル化状態も社会的ランクにより変化していました。

 今回の結果が人間に当てはまるかどうかが確認されたわけではありませんが、もし当てはまるなら血液検査によりその血液の持ち主がどのような社会的地位にあるのかおおよそ予想が可能かもしれません。


(省略されています。全文を読む

Category:診断技術

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