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抗生物質



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2015/11/25:抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる
2013/07/09:自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
2013/07/09:自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
2012/12/14:医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
2009/08/27:カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)

2015/11/25

抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる
抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる

 腸内細菌の多様性低下が様々な病気の発症に関わっている可能性が報告されています。これは腸内細菌の作り出す各種物質が腸から吸収されて体内のあちこちで役立っているからです。抗生物質を投与されると、健康維持に重要な各種物質を作り出す細菌が死滅し、いわゆる「悪玉菌」のみが生き残る傾向があるようです。

 今回、研究者らは74人のボランティアにプラセボ対照二重盲目テスト(試験が終了するまで、誰が本物の抗生物質を飲んだか分からない状態で行い、思いこみによる効果を排除する試験方法)で実験を行いました。

 試験の結果、抗生物質を1回だけ服用しただけであっても腸内細菌の多様性が失われ1年後でも回復しない場合があることが分かりました。詳しくはclindamycinという抗生物質の場合は4ヶ月間多様性低下が続き、 ciprofloxacinという抗生物質の場合は多様性低下が1年間持続していました。

 子供が熱を出し病院に行くたびに抗生物質を処方されるのでちょっと心配です。

 抗生物質自体の抗菌効果は続いても数日のはずです。ので、一度失われた腸内細菌の多様性を回復されることはなかなか難しいことは明らかなようですが、腸内細菌の多様性を素早く回復させる方法は無いものでしょうか。

Category:腸内細菌

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2013/07/09

自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
[[自閉症]]発症と[[腸内細菌]]の状態の密接な関係

 世界中で自閉症患者が増加傾向にありパンデミック状態と言えます。現在では児童の50人に一人が自閉症であると言われていますが、いったい何が増加の原因なのでしょうか。

 自閉症には遺伝的な要因もあり、自閉症を発症しやすい家系も存在しますが、近年の研究で自閉症腸内細菌の密接な関係が明らかになっています。昔から自閉症患者の大部分が胃腸障害を併発するため、関係が疑われていましたが、近年の高速遺伝子解析技術により腸内細菌の種類の詳細な解析が可能となり研究が進みつつあります。

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2013/07/09

自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
[[自閉症]]発症と[[腸内細菌]]の状態の密接な関係

 世界中で自閉症患者が増加傾向にありパンデミック状態と言えます。現在では児童の50人に一人が自閉症であると言われていますが、いったい何が増加の原因なのでしょうか。

 自閉症には遺伝的な要因もあり、自閉症を発症しやすい家系も存在しますが、近年の研究で自閉症腸内細菌の密接な関係が明らかになっています。昔から自閉症患者の大部分が胃腸障害を併発するため、関係が疑われていましたが、近年の高速遺伝子解析技術により腸内細菌の種類の詳細な解析が可能となり研究が進みつつあります。

 それらの研究によると、病原性微生物が腸内に住み着くことが自閉症発症の原因の一つであると考えられています。これらの微生物は腸内で有害物質を作り出し、この物質は吸収され全身の臓器にダメージを与えます。特に脳が重篤なダメージを受け、自閉症の原因となります。

 ラットを使った実験では病原性微生物Clostridiumを投与することで自閉症症状が悪化することが報告されています。

 また人間においても、生後3年以内に大量の抗生物質(微生物を殺す薬)を投与されたことのある児童では自閉症の発症割合が高いことが報告されています。抗生物質は腸内の菌を無差別に殺すため、腸内環境が不安定化し病原性の微生物が住み着きやすくなると考えられています。

 またアメリカ・アリゾナ州立大学のRosa Krajmalnik-Brownらが自閉症児童20人と健康な児童20人の腸内細菌を比較したところ、自閉症児童では無害な微生物も含めて腸内の微生物の種類が少ないことを報告しています。この事も自閉症発症に関係があるかもしれません。また、このように腸内細菌の種類を調べることで自閉症発症のリスクをチェックすることが出来るかもしれないと研究者らは考えています。


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2012/12/14

医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果

 医学分野の最も有名な学術雑誌Nature Medicineが2012年に発表された重要な研究成果として8つの研究フィールドに分けて紹介しています。

★神経科学
 自閉症の原因遺伝子についての発見があった。自閉症患者の遺伝子を1000人分調べ共通点を探したところ、変異すると自閉症になりうる共通変異が100以上見つかった。自閉症は父親の年齢が高いほど確率が高いが、高齢の男性の精子が遺伝子変異を起こしやすいことと関係していると思われる。

★ガンのメカニズムに関して
 ガン細胞がどのように体内で増えていくのかに関して様々な知見が得られた。例えばガン細胞はエキソソームを放出して転移に適した環境を作り出すし、血管細胞免疫細胞を制御して自身が生存しやすくしている。ガン細胞は転移出来る場所に落ち着くとBMP阻害因子であるCocoタンパクを産生するようだ。これらはいずれも新たなガン治療薬開発の可能性となる。

 また、ガンの増殖に関して、周囲の正常部分の関与も報告された、抗ガン剤はガン細胞だけでなく周囲の正常細胞も傷つけるがそれらの正常細胞が元に戻ろうとする過程でガン細胞を増殖させる物質を出してしまっているようである。

  • Melanoma exosomes educate bone marrow progenitor cells toward a pro-metastatic phenotype through MET.Nat Med. 2012 Jun;18(6):883-91. PMID:22635005
  • The BMP inhibitor Coco reactivates breast cancer cells at lung metastatic sites.Cell. 2012 Aug 17;150(4):764-79.PMID:22901808
  • A CXCL1 paracrine network links cancer chemoresistance and metastasis.Cell. 2012 Jul 6;150(1):165-78. PMID:22770218
  • Tumour micro-environment elicits innate resistance to RAF inhibitors through HGF secretion.Nature. 2012 Jul 26;487(7408):500-4.PMID:22763439
  • Treatment-induced damage to the tumor microenvironment promotes prostate cancer therapy resistance through WNT16B.Nat Med. 2012 Sep;18(9):1359-68.PMID:22863786
★老化現象
 以前報告された内容と異なり、カロリー制限を長期間行ってもサルの寿命が延びなかったとする結果が報告された。

 赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」がカロリー制限と同じ働きをするメカニズムが報告された。レスベラトロールと同様にrolipramという物質が同様の効果を持つことが報告された。


★メタボリックシンドローム
 これまでの研究では、脂肪をため込む「白色脂肪細胞」、エネルギーを燃やす「褐色脂肪細胞」に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」という概念が報告された。このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞と似ているがUCP1を発現しており褐色脂肪細胞のように効率的にエネルギーを燃やすことが出来ます。新しく見つかったホルモンirisinが白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させることが報告され、新しい肥満治療薬の開発につながるかもしれない。

 冷たい外気に触れた時にも白色細胞が変化してベージュ脂肪細胞になりうることが報告された。またサーチュイン1タンパクがベージュ脂肪細胞への変化を誘導しうることも報告された。BMP 8bというタンパクが脂肪燃焼を誘導することが報告された。

  • A PGC1-α-dependent myokine that drives brown-fat-like development of white fat and thermogenesis.Nature. 2012 Jan 11;481(7382):463-8.PMID:22237023
★ガンの免疫治療
 ガン細胞はなぜか体内の免疫により攻撃されない。最近、T細胞にPD-1(programmed cell death protein 1)というレセプターが発現していることが報告された。PD-L1などのリガンドが結合することでT細胞は攻撃するT細胞(エフェクターT細胞)としての機能が低下し、攻撃しないT細胞(制御性T細胞)としての機能が活性化する。ガン患者の一定数にはPD-L1が血液中に見られるが、PD-1に対する抗体を投与する臨床試験でガンの増殖を抑制する効果が見られた。

  • Safety, activity, and immune correlates of anti-PD-1 antibody in cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2443-54.PMID:22658127
  • Safety and activity of anti-PD-L1 antibody in patients with advanced cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2455-65.PMID:22658128
★ウイルス学
 これまで様々なHIVワクチンが開発が試されたが、あまりうまくいっていない、今年新型のHIVワクチンの可能性が示された。HIVウイルスが免疫細胞(T細胞)に結合する時に使われるEnvタンパクをターゲットにしたワクチン療法である。

  • Immune-correlates analysis of an HIV-1 vaccine efficacy trial.N Engl J Med. 2012 Apr 5;366(14):1275-86.PMID:22475592
  • Increased HIV-1 vaccine efficacy against viruses with genetic signatures in Env V2.Nature. 2012 Oct 18;490(7420):417-20. PMID:22960785
★胃腸
 腸内の細菌環境が壊れることで大腸炎が起こりうることが報告された。こういった腸内環境の乱れは肝臓の病気や肥満、大腸ガンにつながる。研究者らは高脂肪食をマウスに食べさせると胆汁に変化が起こりグラム陰性菌が増え、大腸炎を起こしうることを報告した。また同様の細菌変化は栄養失調やタンパク質の少ない食事でも起こりうることが報告された。

 幼児期に抗生物質に触れると免疫機能の確立が損なわれアレルギーになる可能性が増すことが報告された。

  • Commensal bacteria-derived signals regulate basophil hematopoiesis and allergic inflammation.Nat Med. 2012 Mar 25;18(4):538-46.PMID:22447074
  • Microbial exposure during early life has persistent effects on natural killer T cell function.Science. 2012 Apr 27;336(6080):489-93.PMID:22442383
  • ACE2 links amino acid malnutrition to microbial ecology and intestinal inflammation.Nature. 2012 Jul 25;487(7408):477-81. PMID:22837003
  • Dietary-fat-induced taurocholic acid promotes pathobiont expansion and colitis in Il10-/- mice.Nature. 2012 Jul 5;487(7405):104-8.PMID:22722865
★生殖医療
 精子と異なり卵子は生まれてきた後は増えないと考えられてきたが、少し前にマウスの卵巣ではちょっとだけ新たな卵子を作り出しうる細胞が存在していることが報告されていた。今年、人間の女性の卵巣にも新しい卵子を生み出しうる卵子幹細胞が含まれていることが報告された。これは生殖医療のあり方を変える可能性がある。現在、その細胞の取り出し精製方法が研究されている。

  • Oocyte formation by mitotically active germ cells purified from ovaries of reproductive-age women.Nat Med. 2012 Feb 26;18(3):413-21. PMID:22366948

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Category:1年間のまとめ記事

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2009/08/27

カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)
カナダのオンタリオ州。住民全員の[[インフルエンザ]]ワクチン無料接種実施で[[抗生物質]]の使用量が減少(medpage TODAY)

カナダのオンタリオ州では、2000年より住民全員へのインフルエンザワクチン無料接種を開始した。その結果、無料化開始の2000年以降、インフルエンザ関連での抗生物質の使用回数が住民1000人あたり17.9回から6.4回と64%減少した。さらに緊急医療サービスを患者が受診する回数も減少した。

抗生物質の過度の使用は薬剤耐性ウイルス発生の原因となることが知られており、これらの報告はインフルエンザワクチンの接種率を上げることで抗生物質の使用回数を減らせることを意味している。

オンタリオ州では無料化に伴い、病院に加えて、学校やショッピングモールでも接種が受けられる。無料化に伴い摂取率は18%から38%まで上昇したそうだ。

発表者:カナダ、トロント大学のJeffery C. Kwong et al

Category:感染症

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