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花粉症



----------このキーワードを使っている記事----------
2021.01.26:過敏性腸疾患の一部は花粉症と同じIgEにより起こる局所的アレルギーな可能性
2018.03.23:アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始
2014.04.04:世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が4月に保険適用、6月から処方開始予定
2013.03.13:EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る
2008.11.13:花粉症の減感作療法を3回の注射、3ヶ月で行うことに成功
2007.04.24:花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される

2021.01.26

過敏性腸疾患の一部は花粉症と同じIgEにより起こる局所的アレルギーな可能性
過敏性腸疾患の一部は花粉症と同じIgEにより起こる局所的アレルギーな可能性

↑BTW

突然おなかを壊す過敏性腸疾患の一部は腸でのみ起こるIgEやヒスタミンを介したアレルギー反応な可能性があるとのこと。

過敏性腸疾患を発症する患者の多くは発症前に細菌性の腸炎を起こしているという共通点があり、この腸炎が起った時に食物に対する免疫トレランスが破綻するのが原因と考えられるとのこと。

Category:未分類




2018.03.23

アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始
アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始

↑BTW


DNA VACCINE TECHNOLOGY - A Vaccine Breakthrough That Could Change Lives & Enable Vaccine Development Programs | Articles | drug development and delivery back issues | Drug Development & Delivery
すでに舌下に投与するタイプのワクチンは承認されていますが、これは数年間毎日自分で服用しないといけず患者への負担が大きい点が問題でした。↓

今回アステラスが開発しているのは注射するタイプのワクチン。しかも「DNAワクチン」です。
 このワクチンはアメリカの製薬会社Immunomic Therapeuticsから導入したものです。基本的なDNAワクチンと異なりLAMP-vaxという技術を採用しています。この技術では抗原となるスギ花粉の2種類のタンパク質「Cry j1」「Cry j2」がリソソーム膜タンパク(LAMP)と一緒に発現する仕組みになっており、結果的に基本的なDNAワクチンに比べて効率的に免疫がなされるとのこと。以前までは「JRC2-LAMP-vax」と呼ばれていましたが、現在は「ASP4070」と呼ばれています。

アステラスは同じDNAワクチン技術を用いた「ピーナッツアレルギー治療ワクチン」をアメリカで開発しています。↓
 臨床試験の情報を見ると2週間に一度投与を続けたのち、数週間後に、チャンバーの中に顔をつっこみスギ花粉に晒してもらった後2〜3時間の鼻の状態(Total Nasal Symptom Score (3TNSS))を数値化することで効果を定量化する試験を行っているようです。↓
世の中に一般的に使われているDNAワクチンはまだ無いと思いますが、最初の1つがスギ花粉ワクチンになるんでしょうか?

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2014.04.04

世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が4月に保険適用、6月から処方開始予定
世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が4月に保険適用、6月から処方開始予定

↑BTW

 これまで花粉症の症状を飲んでいる間だけ抑える薬はありましたが、花粉症体質を改善する薬はありませんでした。今回、鳥居薬品より世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が開発され発売間近になっています。名前の最初の「シダ」とは、英語で(cedar、シダー)を表す言葉です。

 この薬を使うには病院に行き、医師に処方してもらうことが必要です。処方してもらった後は、1週間に1回、口の中(舌の下)に自分で薬を滴下します。中にはスギ花粉成分が含まれています。

(省略されています。全文を読む

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2013.03.13

EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る
EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る

↑BTW

 杉花粉症(pollinosis)は杉を大量植林したことが原因となり、1960年代から日本で患者数を急増しています。その患者数は最も患者の多い神奈川県では全体の44.5%が花粉症を発症している一方、北海道では全体の2.2%しか発症していません。(都道府県毎の患者比率)

 要は花粉がたくさん飛んでいる地域ほど患者が多いわけですが、一方で、同じ場所に住んでいても花粉症を発症する人もいれば、発症しない人もおり、個人差があります。もし事前に自分が花粉症になりやすい体質であることが分かれば、花粉の飛ぶ季節には予防的にマスクを着用するなどして発症しないように対策することが可能となります。

 高知大学の研究者らは遺伝子の個人差が花粉症の発症しやすさに関係していることを発見し報告しています(文献1)

 研究者は品川区五反田に住む351人の住民をボランティアとして雇い、皮膚パッチテストや鼻腔刺激テスト、血液検査で花粉症の有無を調べました。ボランティアのうち、145人が花粉症を発症しており、206人が花粉症ではありませんでした。ただ花粉症を発症していない人の中にも花粉に対する血液中の抗体価(IgE)の値が高く発症前段階にあると思われる人が76人いました。

次に、各人の遺伝子の個人差(SNP)を調べました。すると以下2つの遺伝子の種類と花粉症の発症が関わっていることが分かりました。

★EPO(eosinophil_peroxidase)遺伝子。Pro358Leu変異
この遺伝子変異を持っている人は、花粉に対する抗体(IgE)の低い人のうち0.7%しかいなかったのに対し、抗体が多い人では4.8%と7倍近くも多いことが分かりました。この遺伝子を持つことで花粉に対する感受性が上昇することを意味しています。

★IL4RA(IL-4レセプターαチェーン)遺伝子。Ile50Val変異。Glu375Ala変異
Ile50Val変異を持つ人は花粉症で無い人のうち37%だったのに対し、花粉症の人で、この変異を持っているのは27%でした。またGlu375Ala変異も同様に、花粉症で無い人:9.2%。花粉症の人:3.5%でした。この遺伝子変化があると花粉症になり難いことを意味しています。

 また千葉大学の別の研究者はMMP9遺伝子で同じような関係を見つけ発表しています(文献2)。この研究者は670人の学生ボランティアを雇い同じような研究を行ったところ、この遺伝子のプロモーター(遺伝子を働かせる部分)の変化(-1590C/T, rs3918242)と構造遺伝子R668Q: rs17577の変化によりMMP9の働きが強くなると花粉症になりやすくなることを発見しています。このMMP9遺伝子の変化は既に喘息(ぜんそく)になりやすさに影響していることが報告されているそうです。

 現時点でこれらの遺伝子を調べてくれる施設、サービスは見つかりませんでしたが、近いうちに調べてくれるサービスが出てくるかもしれません。サービスが登場するまでは花粉症で無い人も花粉にはなるべく触れないように注意した方が良さそうです。


(省略されています。全文を読む

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2008.11.13

花粉症の減感作療法を3回の注射、3ヶ月で行うことに成功
花粉症の減感作療法を3回の注射、3ヶ月で行うことに成功

↑BTW

チューリッヒ大学の研究チームが成功してPNASに発表。
原文タイトルは

 花粉症などのアレルギー症状を緩和出来る減感作療法は原因抗原(ここでは花粉エキス)を少量ずつ何十回も約3年かけて注射する必要があり、通院・費用の面から非常に負担の大きい治療となっており普及していません。今回、研究者らは抗原をリンパ節に直接投与するという方法を1ヶ月おきに3回行うだけでアレルギー症状が劇的に改善することを発見したそうです。患者は平均すると、治療前に比べ10倍量の花粉が無いと鼻炎が起きなくなっていたとのこと。評価は183人の花粉アレルギー患者を使って実施しています。

 これは凄い!!花粉症の人には朗報ですね。体内には「細胞性免疫(異物を細胞が食べる)」という免疫と「液性免疫(抗体で異物を排除)」という2種類の免疫がありますが、1つの抗原に対しどちらか1つの免疫を重点的に起こす仕組みになっています。アレルギーは後者の免疫(液性免疫)が過剰に起こっている状態で、治療のためには今回発表された新しい方法も従来から行われている脱感作療法も同じで、花粉に対する免疫反応を「細胞性免疫」が重点的に起こすように転換させる治療方法です。今回の「リンパ節に投与」という方法は細胞性免疫を担当する細胞が多いリンパ節に直接抗原に投与することで、従来の方法よりも迅速に細胞性免疫を重点的に起こすことが出来るようになると予想されます。

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2007.04.24

花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される
花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される

↑BTW

発表したのは研究を行っている独立法人農業生物資源研究所。
この米はスギ花粉のアレルギー症状の原因物質(抗原)と同じ物質を含んでいる。人間の体は食べ物として体の中に入ってくる物質には免疫反応を起こさない仕組み(免疫寛容)があるので、この米を食べ続けることで体がスギ花粉を抗原と認識しなくなり、アレルギー症状が緩和されることを期待している。

今回の実験で、この米をマウスやサルに食べさせた。結果、遺伝毒性試験、長期毒性試験、生殖・発生毒性試験においてすべて異常は確認されなかった。

また、この花粉症緩和米を14週間食べたマウスと26週間食べたサルの血液を調べたが、スギ花粉に対する抗体は出来ておらず、この米が原因となりアレルギーを起こす可能性は低いと考えられる結果が出た。

この米が市場で販売されるのを心待ちにしている人も多いと思うが、厚生労働省の指摘で市場に出すには「医薬品」としての厳密な実験が必要となり、商品化は早くても6年後の2013年になる予定。厚生労働省の指摘が無ければ2010年にも商品化出来る見込みだったそうだ

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患