漢方薬「葛根(カッコン)」に含まれるプエラリン(puerarin)が腸の微絨毛を減らし脂肪の吸収を減らし体重を減らす
↑BTW脂肪は重要なエネルギー原だが、過剰に摂取すると肥満につながる。腸での脂肪の吸収は自然吸収と考えられてきたが、脳と腸をつなぐ神経によりその度合いがコントロールされるかは不明であった。
この研究で研究者らはDMV(dprsal motor nucleus of vagus)がこのプロセスに重要な役割を担っていることを発見し報告している。
DMV神経を不活性化すると腸での脂肪の吸収が減少し体重が減った。逆にDMV神経を活性化すると脂肪の吸収が増えて体重が増加した。DMV神経を不活性化した時には空腸の微絨毛の長さが短くなっており、これにより脂肪の吸収が減少したと思われる。
さらに研究者らは天然成分プエラリン(puerarin)がこの神経を抑制し、脂肪吸収を減少させることを見出した。
プエラリンは漢方薬「葛根(カッコン)」に含まれる成分。葛根は葛根湯のいち成分。葛根湯の大ブームが起きるんじゃないか?
葛根湯は風邪薬として知られていますが、2000年の歴史がある最古の漢方薬らしく、日常的に飲んでも副作用の心配は小さいかな?
しかし面白い話ですね。太りやすい人、太らない人の違いは腸の微絨毛の量が一部関係しているのでしょうか。
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
2024.09.10(火)
米UNITY Biotechnology社のBCL-xL阻害剤UBX1325のPhase I試験の結果がNature medicineの論文に
↑BTW
出典:Unity社Webページ
米Unity社は老化に関する新規医薬品を開発するスタートアップです。UBX1325はUnity社の2つ目の臨床開発医薬品で(1つ目のUBX0101は失敗して終了)その薬効メカニズムBCL-xL阻害作用はSenolytics(老化細胞除去作用)が知られています。臨床試験自体は糖尿病性の視力障害治療薬として開発されています。
BCL-xL選択的阻害剤はまだ承認されていないとの理解で良いのかな?いくつか承認されているBCL-2阻害剤とは硬化が違うんでしょか?無事に承認されたら用途展開は期待出来そうな気がしますので同社が軌道に乗るかどうかの重要な開発プログラムだと思います。
Unity社のWebページに掲載されているUBX1325の薬効はかなり良さそうなので(本記事の一番上のグラフ)このままいけば承認まで行ける?同社の株でとんでもない額の含み損が出ているのでどうにか再浮上して欲しいと切に願います(笑)
Category:#Senolytics #老化細胞除去薬
Keyword:UNITY/10
UBX1325/5
糖尿病/164
2024.09.06(金)
そろそろ体内の老化細胞がまた増えてそうだし再びケルセチン(Querceptin)を飲みだした。前回より1回あたり増量
↑BTW
購入したのはこちら
500mgのケルセチン入りのカプセルが100粒で3737円。1カプセルあたり37円の計算です。以前は1日1粒飲んでいましたが、今回は2日に1回2粒(1000mg)を飲む予定です。一時的にでも摂取量をガツンと上げた方がSenolyticsとしての効果は高いんじゃないかとの想像からです。
このサプリメントの製造元Now Foodsはサプリメント販売企業としてはかなりの大手だと思いますので信頼度は高いと思いますが、同社のWebページを見ても何由来のケルセチンかどこにも情報が無いのはちょっと気になります。
ケルセチンに関しては、国産の玉ねぎの皮パウダーが110gで1000円などで販売されていますが
玉ねぎの皮の中の重量の1%がケルセチンらしいので、ケルセチン含有量として1100mgが1000円って考えるとサプリメントの方が圧倒的に効率が良いと思います。
(省略されています。全文を読む)
Category:#Senolytics #老化細胞除去薬
Keyword:フィセチン/221
クルクミン/25
ウコン/15
quercetin/18
ケルセチン/92
2024.08.30(金)
多数の学術論文のメタ解析によるとコンドロイチン硫酸とグルコサミンは関節痛に効果が無い/非常に効果が低いという結果で厚生労働省に「3大アヤシイサプリメントの1つ」扱いされている。
↑BTW
一つ目のリンクは厚生労働省が作成した一般消費者向けのページでダイエタリーサプリメントについて
と書かれており、3大ウソッこサプリメントの一つのようです。いくつかのサプリメントに関する研究は、それらの主張の裏付けとなっていません。例えば、複数の研究において、エキナセアは風邪の治癒に役立つことはなく、イチョウ葉も認知症に有用ではないという結果が得られています。また、グルコサミンとコンドロイチンが変形性関節症の症状を緩和するかどうかなど、ダイエタリーサプリメントについて相反する結果を示す研究も数多くあります。
コンドロイチン硫酸はいまだに第3種医薬品として認められており薬局で販売されたり、医師により処方されたり
多数のサプリメントが販売されています、
Category:#サプリメント
Keyword:筋肉/189
2024.08.23(金)
陣痛促進剤(プロスタグランジンF2α)が老化マウスの衰えた脳の老廃物除去機能を回復されることが判明
↑BTW脳内の液体を排泄する髄膜リンパ管(Cervical lymphatic vessels (cLVs) )は加齢に伴いその機能が衰えていき、老化したマウスでは若いマウスから63%もこの排泄機能の流れが悪くなっているそうです。この機能を陣痛促進剤や人工妊娠中絶薬として使われるプロスタグランジンF2αが老化マウスの脳脊髄液の流れを若いマウスと同程度まで回復させたそうです。
プロスタグランジンF2αは平滑筋の収縮を促進しますが、脳液を排泄させる髄膜リンパ管も平滑筋で出来ているそうです。また、このホルモンは女性の体内では月経を誘発させるために月1回子宮から分泌されているそうです。
髄膜リンパ管の流れが悪くなることはアルツハイマー病やパーキンソン病などの発症と関連していると考えられており、研究者はこの仕組みを使った治療が出来ないかと考えています。
(省略されています。全文を読む)
Category:未分類
2024.08.20(火)
高齢者が強いインターバル運動(4分運動、3分休憩)×4を週3回6か月間行うと5年後まで脳機能の改善が継続する。中程度では効果無し。
↑BTW運動は加齢に伴う認知法リスクを低減するかもしれませんが、世の中には様々な報告があり、どれぐらいの強度の運動が効果があるのか理解するのが難しい状況です。この研究ではどれぐらいの強度の運動が効果があるのかを比較評価しました。
研究者は65歳から85歳の高齢者151名に3種類の運動を週3回(1回30分)半年間実施してもらい、脳機能を5年間継続評価しました。
3種類の運動は下記の通りです。低強度の運動 30分間のストレッチ、バランス、リラックスした運動 中強度の運動 30分間のルームランナーでの早歩き 高強度の運動 ルームランナーでの4分間ランニング(最大心拍数の80ー95%になる程度)、と3分間の回復を4回繰り返す(合計28分)
6か月後、高強度の運動(HIT)を行ったグループでのみ明確な脳の認知機能を司る海馬機能の向上が見られました。さらにMRIによる評価では加齢に伴う脳体積の減少も解消しており、血液検査ではBDNF(brain-derive neurotropic factor:脳由来神経成長因子)の濃度や、認知機能に改善に関わるコルチゾールの増加も見られました。
(省略されています。全文を読む)
Category:#運動 #エクササイズ
Keyword:ジョギング/5
平均寿命/28
テロメア/60
ランニング/11
2024.08.06(火)
肝障害で病院送りになる報告が最も多い6つのサプリメント(アメリカでの統計研究)紅麹もランクイン
↑BTW6つの内訳は「ターメリック(ウコン)、緑茶(カテキン)、アシュワガンダ、ガルシニア、紅麹(赤麹)、ブラックコホシュ」。紅麹は海外でも頑張ってるんですね。
これらの成分が体に悪いというわけではなく、これら成分は健康に良いことが報告されている一方で、製造管理が悪いと有害な不純物が入りうることが問題となっています。研究者はサプリメントの規制をもっとしっかりすることを問題提起しています。
(省略されています。全文を読む)
Category:#サプリメント
2024.07.31(水)
1か月ごとに5日間の絶食を行い免疫を高めることでガン治療効果を高める臨床試験の結果
↑BTW
出典:Fasting-Mimicking Diet Is Safe and Reshapes Metabolism and Antitumor Immunity in Patients with Cancer(Cancer Discov (2022) 12 (1): 90?107.)
マウス実験ではFMD(fasting-mimicking diets)で全身の代謝および、抗腫瘍免疫が上昇することにより抗がん剤治療効果が高まることが報告されていますが、今回、研究者らは同様の効果が人間で起こりえるかを確認する臨床試験を行いました。
101人の患者には標準の癌治療を受けてもらいながら1か月(28日間)に一度5日間の食事制限を行いました。この5日間は完全な絶食ではなく1日目は600kcalの食事のみ、2〜5日目は300kcalの食事のみ食べることが出来ます。
臨床試験の結論としてがん患者のFMDダイエットは安全であることが確認されました。またマウスと同じように抗腫瘍免疫の上昇も確認されました。これは血液中の免疫抑制性ミエロイド細胞数の減少や制御T細胞の減少によるものという結果でした。
またこれらと矛盾せず、腫瘍内の細胞性免疫細胞の数が増え、IFNガンマなど免疫の上昇を示すホルモンの上昇も確認されました。
今回の研究では直接的な「癌の治療効果」については言及されていませんが、かなり効果があることを示している結果ではないかと個人的には思います。また健康な時からこれをやっていると癌になりにくいのかもしれませんね。
Category:ガン・腫瘍
2024.07.23(火)
臨床試験が進行中のIL-11に対する抗体医薬は老齢から投与してもマウスの寿命をオスで22.5%、メスで25%延長する
↑BTW寿命や、健康寿命にとってERKやAMPK、mTORC1は重要な役割を担い「炎症」が中心的な役割を担っていることが報告されています。今回、研究者らはIL-6ファミリーである炎症誘発性サイトカインIL-11が寿命や加齢関連疾患に影響するかを実験しました。
マウスでは加齢とともに様々な臓器でIL-11量が増加し、ERK-AMPK-mTORC1経路を通じて細胞的、組織的、臓器的レベルで加齢を進めます。
研究者がIL11またはIL-11受容体を遺伝子的に欠損させると老化に伴う代謝的な衰えが消失しました。また遺伝子操作無しにIL-11に対する抗体を老齢になったマウス(75週齢)から25週間投与しても代謝や、筋肉の機能が改善し、老化に伴うバイオマーカーがオスメス問わず回復することが分かります。
そしてその結果、驚くべきことに遺伝子操作でIL-11を遺伝子的に欠損したマウスではオスメス平均で寿命が24.9%延長しました。そしてIL-11に対する抗体を75週齢から死ぬまで投与したマウスではオスで22.5%寿命が延び、メスでは寿命が25%延長しました。
IL-11に対する抗体は人間において肺の繊維症に対する治療薬として臨床試験が行われています。この臨床試験が進めば今回マウスで確認されたこの抗体医薬の加齢症状抑制効果や、寿命延長効果が人間でも起こるかどうかのトランスレーション研究が出来ると研究者は考えています。
IL-11に対する抗体医薬「BI765423」を開発しているのはベーリンガーインゲルハイム社ですね。
また米サンディエゴ拠点のLassen社は抗IL-11受容体抗体「LASN01」を開発しているようです
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2024.07.13(土)
現在までに分かっている2種類の「間欠断食ダイエット」が我々の健康に与えるメリットとデメリット
↑BTW間欠絶食ダイエット(Intermittent Fasting:IF)は現在、人気のある健康増進&ダイエット方法の一つです。IFには大きく分けて2つの方法があり
があります。
1日おきの断食の場合は、完全に断食する場合と1食だけ(500ー600キロカロリー)食べるパターンなどがあり、少しだけ食べれる日が多い「5:2ダイエット」と言われる方法では1週間のうち2日間の絶食を行う方法もあります。
1日のうちで食べれる時間を減らす「Time-restricted eating」ではカロリーを摂取する時間を5ー10時間の範囲で減らします。名前のついている「16:8ダイエット」と言われる方法では1日に食事を出来る時間を8時間に限定し、残りの16時間は絶食します。
2種類のダイエットでの効果は似ており、研究によって異なりますが、脂肪の減少や体重の減少に加えて、血液中の健康に関わる指標の改善、血圧の低下が報告されており、Time-restricted eatingでは睡眠周期が安定し、記憶力と認知能力が上昇すると報告している研究もあります。また病気の改善という点では糖尿病症状の改善や、癌に対する免疫の向上などの報告もあります。
次にデメリットに関してです。
ある研究では性ホルモンの減少が報告されています。エストロゲンとテストステロンの減少が報告されており、これは女性では生理周期の不安定化と生殖能力の低下、男性では性欲の減退を起こし得ることを意味しますが、別の試験ではこれらのホルモン濃度の平均値は変わってないとする研究もあります。
全体と通して、筋肉が減少する根拠はなく体重減少は脂肪と筋肉両方が減っていきます。絶食によりリバウンド的にジャンクフードに走る傾向が想像されるが、研究ではこれらの傾向は確認されておらず、血糖値や飽和脂肪酸濃度への影響、カフェイン摂取量や食習慣に関する影響も確認されていません。また病気を増やす証拠は報告されていません。
摂食障害を増やす証拠は報告されていませんが、臨床研究ではいつも除外される若い世代や摂食障害経験のある人では研究されていない点は注意が必要です。
まとめますと基本的に間欠断食ダイエットの悪影響は大きくなく、安全性は単純なカロリー制限ダイエットや地中海ダイエット、低GIダイエットと同程度であると結論されています。
Category:未分類
Keyword:カフェイン/13
テストステロン/11
睡眠/193