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健康食品から再生医療・アンチエイジング、バイオハッキングまで、健康情報の根拠となる最先端の研究を分かりやすく紹介します。
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2025.02.13(木)

高齢者777人参加の大規模臨床試験「DO-HEALTH」でオメガ3オイル(DHAなど)を3年間毎日飲むだけで2.9〜3.8カ月のDNAメチル化抑制(老化抑制効果)が確認される【Nature Aging 2025/02】

↑BX.COM

3年で3〜4か月、30年続ければ3年は長生き出来る感じ?

出典:Individual and additive effects of vitamin D, omega-3 and exercise on DNA methylation clocks of biological aging in older adults from the DO-HEALTH trial | Nature Aging

老化抑制効果はDNAのメチル化(エピジェネティッククロック)で測定。そしてオメガ3オイル(1日1g)と併せ「ビタミンDの摂取(1日2000UI)」「運動(週3回30分のウォーキング)」と併せて行うことでさらに老化抑制効果が見られている。

毎日飲んでいるDHAサプリがちょうど1日1gだね。
ビタミンDは毎日飲んでいるマルチビタミンに入っているけど含有量が1日あたり5μg=200IUなので少なすぎ?ビタミンDを1日に2000IUも服用するのは普通のことなのかな?
(省略されています。全文を読む

Category:#サプリメント

 Keyword:EPA/13 ビタミンD/7 DHA/15 メチル化/51 脂肪/356




2025.02.10(月)

Meta、AIと磁気スキャナーで電極手術無しで最大80%の精度で考えている事を読みだす技術を発表も少しトリックあり

↑BX.COM

俺の英語聞き取り能力より精度良いんじゃないか!?

面白いことに脳波を使用すると誤り率が67%なのに対し、脳磁気を使うことで誤り率が平均32%、最もよく読み取れる人で誤り率19%を達成とのこと。

これ脳磁気ってMRIで全脳の活動をモニタリングしている感じ。そりゃ「脳波」よりも情報量が多くて読み取り率が高そう。この方式をモバイル出来る目途は無いな、やはり電極埋め込むしか無いんだろうか。攻殻機動隊で夢想されたワイヤレスのセンサーナノ粒子を埋め込める目途は無いんだろうか。

さらに上記実験にはトリックがあり実験は
文章を暗記させる→その文章をキーボードで入力させる。
の過程でキーボードで入力している時の脳の活動から文書を言い当てています。

分析によると思い浮かべた事というよりは、手の運動を活用して読み取っているのが大部分であると考察されています。

Category:#生物ー機械インターフェイス

 Keyword:脳波/13



2025.02.04(火)

全ての細胞にある細胞骨格タンパクF-actinが少なくともショウジョウバエでは脳の老化に関わっている。

↑BX.COM

ショウジョウバエを使った研究において脳の老化にF-actinが関わっていることを報告した論文です。老化した脳でF-actinの量を減らす処理をすることで加齢に伴う現象が抑制され健康寿命が延長しています。

原理は細胞のリサイクリング機構であるオートファジーが変性したF-actinにより機能しなくなることとのこと。加齢した動物でアクチンの重合を妨害するとオートファジー機能と若々しさが改善することを実験で検証しています。

Category:未分類



2025.01.31(金)

GLP-1に続く新たなダイエットホルモンが発見される。RCN2(reticulocalbin-2)が切断されて出来るその名もラプチン(raptin)

↑BX.COM

↓RaptinはRCN2の28〜240番目のアミノ酸が切り出されたペプチド。マウスでも人間でも寝ている間に血中濃度の上昇がみられる。

出典:Raptin, a sleep-induced hypothalamic hormone, suppresses appetite and obesity(Cell Research (2025))

↓40ng/h/gのRaptinを脳内に直接投与すると体重増加が抑制される。食事量も減少しており「食欲抑制」が効果であることが分かる。

出典:Raptin, a sleep-induced hypothalamic hormone, suppresses appetite and obesity(Cell Research (2025))

ペプチドと言っても200アミノ酸分のサイズがあり飲んでも血液中に注射してもダメそう。脳内に到達する性質を持ったRaptinそっくりさんの開発が新しいダイエット薬開発に必要かもしれません。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:GLP-1/11



2025.01.30(木)

新型コロナワクチンを接種している人は感染した時に免疫の過剰反応が抑制されるとの研究結果(Science Tranaslational Medicine(2025年1月))

↑BX.COM

原因不明と言われているものも含め、色々な病気・疾患が自己免疫(免疫が自身のたんぱく質を攻撃するようになる)で起こることが知られています。この自己免疫のトリガーの一つと考えられているのが免疫の過剰反応です。

まあワクチンによる免疫反応がトリガーとなり一緒に自己免疫を起こす可能性の報告もあれば、ワクチンで生じる免疫により自己免疫が生じにくくなるという報告もありますが。これはどれが正しいではなく個体(個人)によって可能性として色々生じることを意味していると考えます。

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患

 Keyword:糖尿病/165 ワクチン/343



2025.01.29(水)

精子には男性が幼少期に経験したストレスの痕跡が残っており子供に影響するという研究結果

↑BX.COM

マウス実験に父親のストレス、体験が子供にDNAメチル化を通じて遺伝することが証明されています。ミームの一部は物質だったんだねぇ。

Category:遺伝子・バイオインフォマティクス

 Keyword:ストレス/37 精子/28



2025.01.28(火)

老化研究最新レビュー(mpj Aging 2024年11月)老化細胞を検出する分子マーカーSenoprobes(セノプローブス)も重要

↑BX.COM


老化細胞に対する薬のアプローチ。出典:Emerging insights in senescence: pathways from preclinical models to therapeutic innovations. npj Aging 10, 53 (2024).
老化細胞除去薬としてセノリティクス(Senotherapeutics)が盛んに研究されているが老化細胞は生体内で役に立っている場合もあることは注意する必要がある。具体的には創傷治癒や若年時の発達に役立っており、若年時に除去すると影響が出ることも報告されている。

また研究には老化度合いを評価する手法、バイオマーカーの拡充と体系化が必要。老化細胞を検出する分子をSenoprobes (セノプローブ)という。老化マーカーであるSA-β-Gal活性を検出するための(C12FDG、DDAOG、SPiDER-β-Gal、SG1、Gal-Proなど)が開発されている。

Category:#Senolytics #老化細胞除去薬



2025.01.24(金)

イーロンマスク氏の脳内デバイススタートアップ「ニューラリンク(Neuralink)」の2025年の計画とは

↑BX.COM

  • 2025年には最大で20〜30日に埋め込む予定
  • 昨年は公開されている1月と8月の患者に加え合計3名に埋め込みを実施
  • 既に米国で追加の2名の患者に埋め込みが決定している。
  • カナダでも臨床試験開始。6名の予定
1月17日にニューラリンクの公式x.comアカウントが「ディープラーニングによる脳活動のシミュレーション」という動画を公開している。


Wikipediaを見るとニューラリンクは電力は48または96のワイヤを持ち、それぞれに32の電極が搭載されているとのこと。また1536電力の信号を記録可能な独自のプロセッサ(ASIC)を開発しているそうです。

Category:#生物ー機械インターフェイス

 Keyword:Neuralink/4



2025.01.20(月)

マイクロRNA(miR-302b)入りのエキソソームを2週間に一度マウスに投与したら寿命が延びてしまった

↑BX.COM

中国の研究者か。結果がヤバすぎてフェイクだった方が良いかもなレベル。本当だったら医薬品として正式に発売される前に街医者のエキソソーム補充ビジネスが捗りすぎそう


出典:Exosomal miR-302b rejuvenates aging mice by reversing the proliferative arrest of senescent cells, Cell Metabolism 2025

Step 1:人間のES細胞からとったエキソソーム(hESC-Exos)がマウスの寿命を伸ばすことを発見

Step 2:エキソソームのうちどの成分が効いているかを分析しmiR-302bを発見。

このmiR-302bは細胞分裂を抑制するCdkn1aとCcng2を標的としていた。

Step 3:ヒトの培養細胞(HEK293/Thermofisher 293F)からとってきたエキソソームに合成したmiR-302bを入れてマウスに投与したら寿命が延びることを確認(平均寿命が892日→1029日と15%延長。最大寿命も100日ほど延長(1200日→1300日ぐらい)、ガンになる確率は変化無し。病気になる確率も変化なし。

実験では20週齢のマウス(人間だと30歳に相当)80匹(♂40匹、♀40匹)に2週間に一度2×10^10個のエキソソームを注射しています。作り方はmiR-302b mimics (GenePharma, China) were mixed with 293F-Exos in a 1:1 (w/w)で混ぜてエレクトロポレーションで導入

miR-302は多能性幹細胞特異的に存在するマーカーとして古くから知られているみたいですね。

Category:未分類

 Keyword:平均寿命/29 ES細胞/13 iPS細胞/39 マイクロRNA/2 幹細胞/101



2025.01.16(木)

ダサチニブ&ケルセチン(D+Q)を半年間サルに投与した初めての長期試験結果が発表

↑BX.COM

研究を実施したのはアメリカWake Forest大学(ノースカロライナ)の研究者ら。

研究者は人間でいう中年に相当するサル16匹を2つのグループにわけそのうち9匹にダサチニブ(D)とケルセチン(Q)を6か月にわたり月1回投与した(2日連続で5 mg/kg+ 50 mg/kgを月1回投与)(残りの7匹は比較対象)。さらに、両グループに6か月後に10%のカロリー制限を実施してその効果を評価した。

D+Qの投与により脂肪細胞中の老化遺伝子マーカー(p16、p21)と血中のPAI-1とMAP-9が減少した。さらに免疫細胞の改善が見られ、抗炎症的になり、microbial translocationに関するバイオマーカーに影響した。腸内細菌の状況に変化はなかった。血中の尿素窒素(urea nitrogen/BUN)は強く改善し、GDF15を減少させた。そしてD+Q後のカロリー制限によりHbA1cを劇的に減少させた。

論文中のグラフではD+Q後のカロリー制限により脂肪細胞中のM2マクロファージの量が劇的に減少しています(※M2マクロファージは肥満時に増えることが知られている)。また血中の白血球数、好中球数、好酸球数、

この研究により6か月間のD+Q投与は安全であり免疫を介した抗炎症作用に効果があること、腸内のバリア機能を改善すること、腎機能にメリットがあること、カロリー制限と併せて代謝を改善することを示しており今後のヒトでの高齢者による臨床試験の指針となると述べている。

かなりポジティブな効果が出ているように感じる。凄いな、さすが元抗がん剤、そこらのサプリのぬるい薬効とは違う

↓現在ダサチニブとケルセチンをそれぞれ100mgと1000mgずつ1か月1回程度飲んでいます。これは1.5mg/kgと15 mg/kgに相当する量。allometric scalling的にサルの3分の1の量で良いと考えると、まあちょうど良いぐらいかな。俺も2日連続で飲むことにしようか・・・・

Category:#Senolytics #老化細胞除去薬

 Keyword:腸内細菌/166 dasatinib/22 quercetin/20 ダサチニブ/17 ケルセチン/92