2024.05.22
イーロンマスク氏のスタートアップNeuralinkが最初の患者の脳に埋め込んだ電極付きスレッドは手術後に位置がズレてしまいもはや15%しか正常に機能していない
イーロンマスク氏のヘルスケアスタートアップ企業Neuralinkは脳内に電極を埋め込むブレインマシンインターフェイスの臨床試験を行っており先日最初の1人の全身麻痺患者に電極が埋め込まれ考えるだけでチェスが出来るようになった成果が発表されています。電極には1024個の電極があり、この電極が脳内の神経の動きを検出する仕組みですが、その後、電極の位置が脳内でズレてしまい既に電極の85%がもう使えなくなっているそうです。脳内で電極がこれほど大きく動くとは想定していなかったそうです。
一方で安全性には問題が無かったためアメリカFDAは2人目の患者での臨床試験を承認しました。2人目の患者では電極が動いてしまう問題を回避するために1人目の患者の時と比べて少し大きめの電極を埋め込む計画だそうです。具体的には1個目の電極の大きさが3~5mmなのに対し、2人目の患者には8mmの電極の埋め込みが計画されているようです。
いったん機能を回復しその後、再度その機能を失った1人目の被験者は少し気の毒ですが、臨床試験の最初の一人としては安全性も確保され大成功の臨床試験だったと思います。
Category:#生物ー機械インターフェイス
Keyword:Neuralink/4
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