カテゴリー:免疫・アレルギー・自己免疫疾患 TW↑B



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2023.05.10なぜBCGワクチンは癌や糖尿病、自己免疫疾患が改善する副作用があるのか
2023.01.22モデルナのRSウイルスに対するmRNAワクチンがPhase 3試験で素晴らしい成績 /5
2018.03.23アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始 /55
2016.11.02ワクチン接種は午前中に受けると効果4倍。マウスを用いた実験で交感神経の活動との相関関係が明らかに /19
2016.02.03自然分娩が帝王切開より勝っているのは「腟(ちつ)内微生物」のおかげ、これを人為的に帝王切開で産まれた子供にも触れさせる試み。大人にも良い効果ある? /76
2015.09.18キスやセックスで皮膚アレルギーやアトピーの改善することを報告した日本の研究者がイグ・ノーベル賞受賞!その研究方法 /207
2015.02.05アステラス製薬が数回の投与でスギ花粉症を「根治」出来る「DNAワクチン」の日本発売を計画 /1
2015.01.28花粉症根治が期待できる薬「シダトレン」を発売している鳥居薬品、同じメカニズムのダニアレルギー根治が期待出来る薬を日本で承認申請 /1153
2014.12.18世界初の花粉症根治が期待できる新薬が10月に発売済み。来年春に楽になるには12月中に治療開始が必要 /4
2014.08.28クロストリジウム属(Clostridia)の細菌が腸管で働き食物アレルギーを防いでいる。 /7
2014.06.19ぜんそくは細菌が引き起こす?健康な人とぜんそくの人では肺に住み着いている細菌の種類が違う。 /12
2014.05.23ワクチン接種のあと、ほどほどに酒を飲んだ方がワクチンがよく効く /1
2014.04.04世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が4月に保険適用、6月から処方開始予定 /10
2014.01.30ペットを飼っている家の子供がアレルギーや喘息になりにくいのは微生物を含んだホコリが口から入り腸の微生物を豊かにするため /8
2013.03.13EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る /10
2012.08.21幼児が頻繁に具合が悪くなる理由が解明される。TGFβの働き過ぎ /5
2012.07.03「アトピー」発症メカニズムが解明され、このメカニズムの遮断薬が開発予定。ぜんそく治療薬として開発中の薬がアトピー性皮膚炎に効く可能性も。 /10
2010.11.03妊娠中に母親がピーナッツを食べると、生まれた子供がピーナッツアレルギーになる可能性が高まるという報告(CNN) /8
2008.11.17骨髄移植でHIV治療が可能 /6
2008.11.13花粉症の減感作療法を3回の注射、3ヶ月で行うことに成功 /9
2007.05.23Toll-like receptor:TLR様受容体 /12
2007.05.23獲得免疫の仕組み /1
2007.05.23樹状細胞(dendritic cell)
2007.04.25ADCC活性 /5
2007.05.23CD34抗原
2007.05.23レギュラトリーT細胞(regulatory T cell)
2007.04.24花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される /9
2005.02.27韓国の科学者、移植用のブタ改造中 /6
2004.03.03ハーバード大学、α-GalT遺伝子ノックアウトブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植して80日以上生着させる
2003.11.02Janus Kinase 3特異的阻害剤による臓器免疫拒絶の抑制


2023.05.10

なぜBCGワクチンは癌や糖尿病、自己免疫疾患が改善する副作用があるのか

↑BTW

一型糖尿病患者が多発性硬化症などの自己免疫疾患にBCGワクチンが効果があることが報告されていますが、このメカニズムを解析した報告です。

これらの自己免疫疾患では免疫制御に重要なヘルパーT細胞(CD4+T)の表面の受容体発現に重要な遺伝子が過剰にメチル化されているそうです。そしてBCGワクチンは3年かけてこの不具合を脱メチル化し改善させるとのこと。

 Keyword:糖尿病/96 メチル化/24 ワクチン/275


2023.01.22

モデルナのRSウイルスに対するmRNAワクチンがPhase 3試験で素晴らしい成績

↑BTW



評価基準が少し違うみたいで少し語弊があるけど、これまでのタンパクワクチンの効果が40%程度だったのが、新しいmRNAワクチンでは80%以上と高い効果らしい

 Keyword:モデルナ/17


2018.03.23

アステラスの2週間に一度注射するタイプのスギ花粉症治療DNAワクチン「ASP4070」が年内にも承認に向けた最終試験開始

↑BTW


DNA VACCINE TECHNOLOGY - A Vaccine Breakthrough That Could Change Lives & Enable Vaccine Development Programs | Articles | drug development and delivery back issues | Drug Development & Delivery
すでに舌下に投与するタイプのワクチンは承認されていますが、これは数年間毎日自分で服用しないといけず患者への負担が大きい点が問題でした。↓

今回アステラスが開発しているのは注射するタイプのワクチン。しかも「DNAワクチン」です。
 このワクチンはアメリカの製薬会社Immunomic Therapeuticsから導入したものです。基本的なDNAワクチンと異なりLAMP-vaxという技術を採用しています。この技術では抗原となるスギ花粉の2種類のタンパク質「Cry j1」「Cry j2」がリソソーム膜タンパク(LAMP)と一緒に発現する仕組みになっており、結果的に基本的なDNAワクチンに比べて効率的に免疫がなされるとのこと。以前までは「JRC2-LAMP-vax」と呼ばれていましたが、現在は「ASP4070」と呼ばれています。

アステラスは同じDNAワクチン技術を用いた「ピーナッツアレルギー治療ワクチン」をアメリカで開発しています。↓
 臨床試験の情報を見ると2週間に一度投与を続けたのち、数週間後に、チャンバーの中に顔をつっこみスギ花粉に晒してもらった後2〜3時間の鼻の状態(Total Nasal Symptom Score (3TNSS))を数値化することで効果を定量化する試験を行っているようです。↓
世の中に一般的に使われているDNAワクチンはまだ無いと思いますが、最初の1つがスギ花粉ワクチンになるんでしょうか?

 Keyword:花粉症/13


2016.11.02

ワクチン接種は午前中に受けると効果4倍。マウスを用いた実験で交感神経の活動との相関関係が明らかに

↑BTW

 交感神経の活動が高まるタイミング(人間では昼間午前中、マウスだと夜間の早い時間)にワクチン接種を受けると、よりワクチンが強く効く結果がマウスの実験で得られています。

 メカニズムとしては、交感神経の活動が高まるとノルアドレナリンが分泌、これが作用しリンパ節からリンパ球が流出するのが抑制され、結果としてリンパ節中のリンパ球数が増加します。このリンパ節中のリンパ球数が強いワクチン効果につながっているとのこと。

 マウスの実験ではリンパ節中のリンパ球の数は交感神経の活動に応じて1日周期で2倍も変動しているようです。

 マウスの実験結果では昼に投与した場合と、夜に投与した場合で、ワクチンの効果を示す投与1ヶ月後の「抗体価」が、最適タイミングで投与することにより、逆のタイミングで投与した場合より4倍高まっています。


2016.02.03

自然分娩が帝王切開より勝っているのは「腟(ちつ)内微生物」のおかげ、これを人為的に帝王切開で産まれた子供にも触れさせる試み。大人にも良い効果ある?

↑BTW

 帝王切開は母胎への負担が少なく楽という理由で海外の一部の国では50%以上が帝王切開で産まれる情況となっていますが、近年、可能な限り自然分娩が望ましいのではないかという報告が相次いでいます。

  • 帝王切開で産まれた子供は免疫系が弱いことが原因で気管支炎になりやすい(Hospitalisation for bronchiolitis in infants is more common after elective caesarean delivery.Arch Dis Child. 2012 May;97(5):410-4. PMID:22039179)
  • 帝王切開で産まれた子供は成人後、太りやすい(Mode of delivery and offspring body mass index, overweight and obesity in adult life: a systematic review and meta-analysis.PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e87896.PMID:24586295)
 これは自然分娩においては、新生児が産まれる過程で膣(ちつ)内の細菌群に晒され、この細菌群により免疫が刺激、または呼吸器や消化管にこの細菌の一部が住み着くことが良い影響を及ぼすと考えられています。

(省略されています。全文を読む


2015.09.18

キスやセックスで皮膚アレルギーやアトピーの改善することを報告した日本の研究者がイグ・ノーベル賞受賞!その研究方法

↑BTW

これはアレルギーのある彼女を口説く時に使えるかもしれません!

受賞内容の説明で紹介されている学術論文は下記の4つ

  • Kissing reduces allergic skin wheal responses and plasma neurotrophin levels(キスにより皮膚のアレルギー反応と血液中の炎症性サイトカインが減少する). Physiol Behav. 2003 Nov;80(2-3):395-8. PMID:14637240
  • Reduction of Allergic Skin Weal Responses by Sexual Intercourse in Allergic Patients(セックスにより皮膚のアレルギー反応が減少), Hajime Kimata, Sexual and Relationship Therapy, vol 19, no. 2, May 2004, pp. 151-4. link
  • Kissing Selectively Decreases Allergen-Specific IgE Production in Atopic Patients(キスがアレルギー患者のアレルギー症状に関わるIgE産生を減少させる), Hajime Kimata, Journal of Psychosomatic Research, vol. 60, 2006, pp. 545– 547. PMID:16650596
 具体的な実験方法としては例えば一番目の研究報告ではアレルギー症状の無い人30人、アレルギー性鼻炎の人30人、アレルギー性皮膚炎の人30人、合計90人のボランティアを使って実験を行っています。まずそれぞれの人とそのパートナーを密室に入れリラックスした音楽を聴かせながら30分間好きなようにキスしてもらいました。そして様々なアレルギーの指標を密室に入る前と比較したところ、アレルギー性鼻炎の人とアレルギー性皮膚炎の人で指標の低下が見られました。正常な人には変化はありませんでした。

 Keyword:アレルギー/30 アトピー/3


2015.02.05

アステラス製薬が数回の投与でスギ花粉症を「根治」出来る「DNAワクチン」の日本発売を計画

↑BTW

 スギ花粉症の根治が期待出来るワクチンは鳥居薬品が「シダトレン」をすでに国内で発売していますが、治療のためには1年程度毎週自分で舌の下にワクチンの薬液を滴下する必要がありました。

 アステラス製薬が導入するワクチンは数回の投与で根治が期待出来ますが、そのメカニズムは「DNAワクチン」というものです。スギ花粉の成分を作り出すDNAを我々の人体の細胞に一時的に入れます。これにより一定期間、身体の中でスギ花粉成分が持続的に作り出され繰り返しワクチンを投与するのと同じ作用が得られるのです。

 「遺伝子導入」という技術にあたりますが、「プラスミドベクター」という技術による遺伝子導入のため一定期間後には導入された遺伝子は分解されて無くなってしまうので安全性は高いと考えます。


2015.01.28

花粉症根治が期待できる薬「シダトレン」を発売している鳥居薬品、同じメカニズムのダニアレルギー根治が期待出来る薬を日本で承認申請
Torii pharmaceuticals plans to sell a drug for house dust allergy

↑BTW

 花粉症治療薬の多くは症状を抑えるだけで花粉症体質を改善するものではありませんが、鳥居薬品は昨年に「花粉症という体質そのもの」を改善することの出来る「シダトレン」を発売しました。今度は同じメカニズムでハウスダストアレルギーなどの原因であるダニアレルギーを治療出来る薬をデンマークのALK-Abelló A/S社から導入し日本で発売できるように承認申請しています。

 薬の名前は販売が承認された後に命名されますが、ダニトレンとかになるんでしょうか?

 Keyword:ハウスダスト/1


2014.12.18

世界初の花粉症根治が期待できる新薬が10月に発売済み。来年春に楽になるには12月中に治療開始が必要

↑BTW

毎日、舌の下に薬液をポタっと垂らす地道な努力が必要ですが治るならがんばってみたいですね。

薬の詳細に関しては以前紹介しています。↓


2014.08.28

クロストリジウム属(Clostridia)の細菌が腸管で働き食物アレルギーを防いでいる。
Identify a bacterial community that protects against sensitization

↑BTW

 クロストリジウム属(Clostridia)という細菌が腸管内で免疫反応を起こし、免疫反応により生じるサイトカインIL-22により腸管の透過性が低下、アレルギー物質が体内に入りにくくなるそうです。同じアレルギーの予防はIL-22の投与によっても可能でした。

 研究者は将来的にはこの細菌を含む機能性食物を開発し食物アレルギーを防ぐことが出来るのではないかと考えています。

 Keyword:IL-22/2 腸内細菌/128


2014.06.19

ぜんそくは細菌が引き起こす?健康な人とぜんそくの人では肺に住み着いている細菌の種類が違う。

↑BTW

 近年、人間の肺の中にも大量の細菌が住み着いていることが明らかになっています。これらの細菌はぜんそくなどの呼吸器の病気とどのような関係があるのでしょうか?今回、イギリス、カーディフ大学のvan Woerden HCらが30人のぜんそく患者と、13人の健康な人の肺の中の細菌を比較した結果を発表しています。

 研究者らは、それぞれの人の「タン」を採取しPCRで増やした後に最新のDNAシークエンサーでどのような細菌が含まれているかを調べました。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:ぜんそく/13


2014.05.23

ワクチン接種のあと、ほどほどに酒を飲んだ方がワクチンがよく効く

↑BTW

 「注射の後は飲酒を控えましょう!」。当然のように考えられてきたこの注意は実は間違いかもしれません。今回、オレゴン健康科学大学の研究者Messaoudi Iらがサルを用いた実験で従来の常識を覆す興味深い結果を報告しています。

 研究者は人間と免疫の似ている12匹のカニクイザルを使い、飼育部屋に4%のアルコール飲料を設置し、自由に飲めるようにしました。

 カニクイザルは人間と同じように個体によって個性があります。中にはアルコールが好きになり大量に飲むサルもいれば、あまり飲まないサルもいました。研究者は飲酒量を元にサルを2つのグループに分け、アルコールを与えないサルのグループとあわせ3つのグループを作りました。そして全てのサルにスモールポックスウイルスのワクチンを接種し、ワクチンの効き目を比較しました。

アルコール無しほどほどに飲む
(0.02〜0.04%)
大量に飲む
(0.08%以上)
ワクチンの効き目

(省略されています。全文を読む

 Keyword:飲酒/12 アルコール/26


2014.04.04

世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が4月に保険適用、6月から処方開始予定

↑BTW

 これまで花粉症の症状を飲んでいる間だけ抑える薬はありましたが、花粉症体質を改善する薬はありませんでした。今回、鳥居薬品より世界初のスギ花粉症体質改善薬「シダトレンスギ」が開発され発売間近になっています。名前の最初の「シダ」とは、英語で(cedar、シダー)を表す言葉です。

 この薬を使うには病院に行き、医師に処方してもらうことが必要です。処方してもらった後は、1週間に1回、口の中(舌の下)に自分で薬を滴下します。中にはスギ花粉成分が含まれています。

(省略されています。全文を読む


2014.01.30

ペットを飼っている家の子供がアレルギーや喘息になりにくいのは微生物を含んだホコリが口から入り腸の微生物を豊かにするため

↑BTW

 犬や猫を飼っている家で育った子供は統計的にアレルギーになりにくい事が知られていますが、具体的に何が原因となりこの差が出来るのでしょうか。ペットに直接触れることでしょうか?

 今回、カリフォルニア大学の研究者Kei E. Fujimuraらはその理由を解き明かしました。研究者は2軒の家から掃除機を使い空気中に漂うホコリを集めました。片方は犬を飼っている家で、もう片方は犬を飼っていない家です。

 集まったホコリの量は、犬を飼っている家の方が4倍も多く、また、大量の微生物が含まれていることが分かりました。このホコリの量や質の違いに意味があるのでしょうか?

(省略されています。全文を読む

 Keyword:乳酸菌/10 ヨーグルト/16


2013.03.13

EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る

↑BTW

 杉花粉症(pollinosis)は杉を大量植林したことが原因となり、1960年代から日本で患者数を急増しています。その患者数は最も患者の多い神奈川県では全体の44.5%が花粉症を発症している一方、北海道では全体の2.2%しか発症していません。(都道府県毎の患者比率)

 要は花粉がたくさん飛んでいる地域ほど患者が多いわけですが、一方で、同じ場所に住んでいても花粉症を発症する人もいれば、発症しない人もおり、個人差があります。もし事前に自分が花粉症になりやすい体質であることが分かれば、花粉の飛ぶ季節には予防的にマスクを着用するなどして発症しないように対策することが可能となります。

(省略されています。全文を読む


2012.08.21

幼児が頻繁に具合が悪くなる理由が解明される。TGFβの働き過ぎ

↑BTW

 なぜ幼児・子どもは頻繁に具合が悪くなるのでしょうか。ミシガン医科大学の研究者らがそのメカニズムを解明して報告しています。これまで「歩くこと」「話すこと」と同様に単に「ウイルス・細菌と戦う能力」も大人にならないと身につかないためと考えてきましたが、この考えは少し違うようです。

 最新の研究によると、幼児の身体でもウイルス・細菌と戦う能力はすでに出来上がってはいるようです。ただ、その働きはブロックされていて、うまく機能しないようなのです。この妨害物質はTGFβと言う名前の物質です。TGFβは免疫を抑制する働きを持っており、特に細菌やウイルスを撃退するナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを妨害します。どうやら、幼児の身体ではTGFβが働きすぎるためにNK細胞がうまく増えて成熟することが出来ず、結果として細菌やウイルスに感染し頻繁に具合が悪くなるようなのです。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:子ども/15 母乳中/1 母乳/128


2012.07.03

「アトピー」発症メカニズムが解明され、このメカニズムの遮断薬が開発予定。ぜんそく治療薬として開発中の薬がアトピー性皮膚炎に効く可能性も。

↑BTW

 アトピー性皮膚炎(Astopic Dermatitis)は「かゆみ」を伴った皮膚疾患で、普通のアレルギーと異なり、炎症の元になる物質に触れなくても持続的に炎症が続くことを特徴とする。似た症状を起こす疾患として他にぜんそく(Bronchial Asthma)が知られるが、これらの疾患で炎症が長く続いてしまうメカニズムは分かっていなかった。

 今回、日本の佐賀医科大学の研究者らはアレルギーを起こす物質「アレルゲン」により起こった炎症が、アレルゲンが無くなった後も皮膚で持続的に炎症を起こす仕組みを解明し発表した。以下に解明されたメカニズムの概要を示す。


(省略されています。全文を読む

 Keyword:タンパク質/73


2010.11.03

妊娠中に母親がピーナッツを食べると、生まれた子供がピーナッツアレルギーになる可能性が高まるという報告(CNN)

↑BTW

アメリカ、マウントシナイ医科大の医師らがJACIに発表。母親が妊娠中にピーナッツをたくさん食べた場合ほど、子供が陽性を示す率が高まることが分かった。(ただし、アレルギーテストのみで実際に子供がピーナッツアレルギーを示すかどうかは分からない)

この研究結果には賛否両論あるようです。

 Keyword:妊娠/51


2008.11.17

骨髄移植でHIV治療が可能

↑BTW

HIVウイルスは免疫担当細胞のCCR5受容体を目印に感染します。
今回、アメリカ人の白血病患者にCCR5受容体が通常と異なり、HIVウイルスに耐性を持つであろう遺伝子を持つドナーからの移植を行ったところ、白血病が治ったのはもちろん、HIVウイルスも消え去ったそうです。

近い将来、白血病以外にもエイズ治療のために骨髄移植を行う可能性があるかもしれません。

 Keyword:HIV/66


2008.11.13

花粉症の減感作療法を3回の注射、3ヶ月で行うことに成功

↑BTW

チューリッヒ大学の研究チームが成功してPNASに発表。
原文タイトルは

  • Intralymphatic allergen administration renders specific immunotherapy faster and safer:A randomized controlled trial. PMID:19001265
 花粉症などのアレルギー症状を緩和出来る減感作療法は原因抗原(ここでは花粉エキス)を少量ずつ何十回も約3年かけて注射する必要があり、通院・費用の面から非常に負担の大きい治療となっており普及していません。今回、研究者らは抗原をリンパ節に直接投与するという方法を1ヶ月おきに3回行うだけでアレルギー症状が劇的に改善することを発見したそうです。患者は平均すると、治療前に比べ10倍量の花粉が無いと鼻炎が起きなくなっていたとのこと。評価は183人の花粉アレルギー患者を使って実施しています。

 これは凄い!!花粉症の人には朗報ですね。体内には「細胞性免疫(異物を細胞が食べる)」という免疫と「液性免疫(抗体で異物を排除)」という2種類の免疫がありますが、1つの抗原に対しどちらか1つの免疫を重点的に起こす仕組みになっています。アレルギーは後者の免疫(液性免疫)が過剰に起こっている状態で、治療のためには今回発表された新しい方法も従来から行われている脱感作療法も同じで、花粉に対する免疫反応を「細胞性免疫」が重点的に起こすように転換させる治療方法です。今回の「リンパ節に投与」という方法は細胞性免疫を担当する細胞が多いリンパ節に直接抗原に投与することで、従来の方法よりも迅速に細胞性免疫を重点的に起こすことが出来るようになると予想されます。


2007.05.23

Toll-like receptor:TLR様受容体

↑BTW

様々な病原体を関知して自然免疫(not 獲得免疫)を作動させる受容体。17種類が知られているらしい。ヒトには10種類がある。
獲得する抗原としてはLPS、べん毛に含まれるフラジェリン、ウイルスの二本鎖RNA,細菌やウイルスに見られる非メチル化CpG

多くのTLRはホモ二量体として働くが、一部は別の種類のTLRとヘテロ二量体を作る。
TLR3二本鎖RNA
TLR5フラフェリン
TLR9CpG

 Keyword:LPS/2


2007.05.23

獲得免疫の仕組み

↑BTW

樹状細胞などの抗原提示細胞はMHCクラスII分子を持っており、取り込んだ抗原をMHCクラスII分子にのせてヘルパーT細胞(CD4+)に提示する。
活性化したヘルパーT細胞はCTL(キラーT細胞)(CD8+)を活性化する因子を出したり、B細胞を活性化する因子を出したりする。

すべての細胞はMHCクラスI分子を持っており、そこに自己の抗原を提示している。CTLはMHCクラス1に提示された抗原を認識するが、この時、ヘルパーT細胞などが出す刺激因子シグナルが入ると細胞傷害活性を示す。CTLの攻撃としてはperforin、granzyme,TNF,Fasなどがある。

HIVウイルスが感染するのはCD4陽性のヘルパーT細胞である。活性化したCTLの一部はメモリーT細胞となる。

ヘルパーT細胞はTh1細胞とTh2細胞の2種類があり、Th1は細胞性免疫を活性化、Th2は液性免疫を活性化する。Th1/Th2のバランスがアレルギーに関わっていると考えられている。
Th1+Th2の数は一定に保たれているためか、アレルギーと自己免疫疾患を同時に生じることは少ないそうだ。


2007.05.23

樹状細胞(dendritic cell)

↑BTW

抗原提示細胞(APC)として知られる。皮膚細胞や様々な粘膜組織に存在し、名前のとおり周囲に突起を伸ばしている。皮膚の樹状細胞はランゲルハンス細胞と呼ばれる。抗原を取り込みと脾臓やリンパ管に移動し、T細胞やB細胞の産生を促進する。

発見は1973年。ロックフェラー大学のスタインマン(Steinman)
MHCクラスIIを持っており、これを介してヘルパーT細胞に抗原を提示する。

wikipedia
日本樹状細胞学会


2007.04.25

ADCC活性

↑BTW

=Antibody-dewpendent cellular cytotoxicity活性
NK細胞や単球などの白血球が抗体を介してガン細胞などの標的細胞を殺傷する活性
転移性乳ガン治療薬のハーセプチン(Herceptin)や非ホジキンリンパ腫治療薬のリツキサン(Rituxan)の主要な抗腫瘍メカニズムがADCC活性

協和発酵は抗体の糖鎖のうちフコース量を減らすことでADCC活性を飛躍的(100倍程度)に向上させる技術(ポテリジェント技術)を確立している。

協和発酵の説明ページ


2007.05.23

CD34抗原

↑BTW

未分化な細胞のマーカーとして知られる。血液幹細胞が主だが、CD34陽性細胞の一部が血液以外の細胞に分化することも報告されており、「CD34陽性細胞を移植する」といった細胞治療も試みられている。


2007.05.23

レギュラトリーT細胞(regulatory T cell)

↑BTW

T細胞の活性化を抑制する働きがある。以前、サプレッサーT細胞という免疫反応を抑制する細胞の存在が信じられていたが、現在では存在に疑問が持たれているそうだ

この細胞を利用して生物は自己免疫疾患を防いでいる。この細胞の機能の低下が自己免疫疾患発症の原因の一部と考えられる。


2007.04.24

花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される

↑BTW

発表したのは研究を行っている独立法人農業生物資源研究所。
この米はスギ花粉のアレルギー症状の原因物質(抗原)と同じ物質を含んでいる。人間の体は食べ物として体の中に入ってくる物質には免疫反応を起こさない仕組み(免疫寛容)があるので、この米を食べ続けることで体がスギ花粉を抗原と認識しなくなり、アレルギー症状が緩和されることを期待している。

今回の実験で、この米をマウスやサルに食べさせた。結果、遺伝毒性試験、長期毒性試験、生殖・発生毒性試験においてすべて異常は確認されなかった。

また、この花粉症緩和米を14週間食べたマウスと26週間食べたサルの血液を調べたが、スギ花粉に対する抗体は出来ておらず、この米が原因となりアレルギーを起こす可能性は低いと考えられる結果が出た。

この米が市場で販売されるのを心待ちにしている人も多いと思うが、厚生労働省の指摘で市場に出すには「医薬品」としての厳密な実験が必要となり、商品化は早くても6年後の2013年になる予定。厚生労働省の指摘が無ければ2010年にも商品化出来る見込みだったそうだ

 Keyword:免疫寛容/2


2005.02.27

韓国の科学者、移植用のブタ改造中

↑BTW

韓国のファン・ウスク博士らの研究チームは別の種の生物に移植しても拒絶反応が起こらないように遺伝子を改変したブタの研究を行っている。
現在までに1500件の遺伝子改変を行った。これまでに生まれたブタの心臓をイヌに移植する手術は成功しており、今年度中にはサルへの移植を試みる。そして5〜10年以内にはヒトへの移植も可能にする予定だそうだ

また、博士らの研究チームは昨年2月にヒトのES細胞作成にも成功しており、世界初の例として注目を集めている。


2004.03.03

ハーバード大学、α-GalT遺伝子ノックアウトブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植して80日以上生着させる

2月28日に開催された第7回異種移植研究会でハーバード大学のDabid H. Sachsと山田和彦、アメリカImmerge Bio Therapeutics社の研究チームが発表

  • 米Harvard大、α-GalT遺伝子ノックアウト・ブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植し80日以上生着 - ニュース - nikkei BPnet(リンク切れ)

 Keyword:ブタ/30


2003.11.02

Janus Kinase 3特異的阻害剤による臓器免疫拒絶の抑制

研究者らはJanus kinase 3に特異的な阻害剤CP-690、550を開発したそうです。JAK3は免疫関係の細胞内シグナルで重要な機能を持っているキナーゼであり、この阻害剤は経口投与で心臓移植や腎臓移植したカニクイサルの生存期間を延長させたそうです。また高血圧などの副作用も見られなかったそうです

  • Prevention of Organ Allograft Rejection by a Specific Janus Kinase 3 Inhibitor. Science Oct 31 2003: 875-878


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Cation!!注意:このページには動物実験などで得られた研究段階の情報が含まれています。これらはなんら、人間に適用した時の効果を保証するものではなく、これらの情報を元にとった行動によりいかなる不利益を被っても管理人は一切責任を負いません。このページの話はあくまで「情報」としてとらえてください。