マイクロRNA(miR-302b)入りのエキソソームを2週間に一度マウスに投与したら寿命が延びてしまった
↑BX.COM中国の研究者か。結果がヤバすぎてフェイクだった方が良いかもなレベル。本当だったら医薬品として正式に発売される前に街医者のエキソソーム補充ビジネスが捗りすぎそう
出典:Exosomal miR-302b rejuvenates aging mice by reversing the proliferative arrest of senescent cells, Cell Metabolism 2025
Step 1:人間のES細胞からとったエキソソーム(hESC-Exos)がマウスの寿命を伸ばすことを発見
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Step 2:エキソソームのうちどの成分が効いているかを分析しmiR-302bを発見。
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このmiR-302bは細胞分裂を抑制するCdkn1aとCcng2を標的としていた。
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Step 3:ヒトの培養細胞(HEK293/Thermofisher 293F)からとってきたエキソソームに合成したmiR-302bを入れてマウスに投与したら寿命が延びることを確認(平均寿命が892日→1029日と15%延長。最大寿命も100日ほど延長(1200日→1300日ぐらい)、ガンになる確率は変化無し。病気になる確率も変化なし。
実験では20週齢のマウス(人間だと30歳に相当)80匹(♂40匹、♀40匹)に2週間に一度2×10^10個のエキソソームを注射しています。作り方はmiR-302b mimics (GenePharma, China) were mixed with 293F-Exos in a 1:1 (w/w)で混ぜてエレクトロポレーションで導入
miR-302は多能性幹細胞特異的に存在するマーカーとして古くから知られているみたいですね。
Category:未分類
Keyword:平均寿命/29
ES細胞/13
iPS細胞/39
マイクロRNA/2
幹細胞/101
2025.01.16(木)
ダサチニブ&ケルセチン(D+Q)を半年間サルに投与した初めての長期試験結果が発表
↑BX.COM研究を実施したのはアメリカWake Forest大学(ノースカロライナ)の研究者ら。
研究者は人間でいう中年に相当するサル16匹を2つのグループにわけそのうち9匹にダサチニブ(D)とケルセチン(Q)を6か月にわたり月1回投与した(2日連続で5 mg/kg+ 50 mg/kgを月1回投与)(残りの7匹は比較対象)。さらに、両グループに6か月後に10%のカロリー制限を実施してその効果を評価した。
D+Qの投与により脂肪細胞中の老化遺伝子マーカー(p16、p21)と血中のPAI-1とMAP-9が減少した。さらに免疫細胞の改善が見られ、抗炎症的になり、microbial translocationに関するバイオマーカーに影響した。腸内細菌の状況に変化はなかった。血中の尿素窒素(urea nitrogen/BUN)は強く改善し、GDF15を減少させた。そしてD+Q後のカロリー制限によりHbA1cを劇的に減少させた。
論文中のグラフではD+Q後のカロリー制限により脂肪細胞中のM2マクロファージの量が劇的に減少しています(※M2マクロファージは肥満時に増えることが知られている)。また血中の白血球数、好中球数、好酸球数、
この研究により6か月間のD+Q投与は安全であり免疫を介した抗炎症作用に効果があること、腸内のバリア機能を改善すること、腎機能にメリットがあること、カロリー制限と併せて代謝を改善することを示しており今後のヒトでの高齢者による臨床試験の指針となると述べている。
かなりポジティブな効果が出ているように感じる。凄いな、さすが元抗がん剤、そこらのサプリのぬるい薬効とは違う
↓現在ダサチニブとケルセチンをそれぞれ100mgと1000mgずつ1か月1回程度飲んでいます。これは1.5mg/kgと15 mg/kgに相当する量。allometric scalling的にサルの3分の1の量で良いと考えると、まあちょうど良いぐらいかな。俺も2日連続で飲むことにしようか・・・・
Category:#Senolytics #老化細胞除去薬
Keyword:腸内細菌/166
dasatinib/22
quercetin/20
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ケルセチン/92
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2025.01.10(金)
マウス研究によるとノンレム睡眠中は50秒間隔でノルエピネフリン濃度が変動し血管を収縮させ脳の老廃物排泄を行っている。睡眠薬ゾルピデム(マイスリー)はこれを妨げる。
↑BX.COMゾルピデム(マイスリー)そのものはノンレム睡眠を増やす作用があることが報告されていますが、ノンレム睡眠中の作用として知られる脳老廃物の排泄に関しては逆に妨げていることになります。
年を取るとノンレム睡眠の長さが短くなることが知られています。そして脳液(CSF)の流れが悪くなることがアルツハイマーやALSなどの脳疾患の原因なのでという説を主張する研究はけっこうあります。
Category:睡眠
Keyword:ephrin/8
レム睡眠/8
睡眠/233
2025.01.08(水)
国民皆保険制度のイギリスの厳密なコスパ計算(医療経済計算)が分かる記事
↑BX.COMイギリスにおいて2000年〜2020年に新薬により、のべ375万年分の健康寿命を延ばしたそうです。これにかかった費用は750億ポンドでした。しかしこの分析ではその750億ポンドを新薬ではなく既存の医療に使っていたら500万年分の健康寿命を延ばせたと計算されるそうです。
新薬を使うと1年間の健康寿命を延ばすのに2万ポンド〜3万ポンド(400万円〜600万円)かかりますが、既存の医療では1年間の健康寿命を伸ばすのに1万?D000ポンド(300万円)しかかからないとのこと。
日本の無駄が多く若者の金を高齢者に使ってばかりの健康保険制度もしっかり定量的に分析して運営して欲しいものです。
Category:統計(寿命・その他)
2024.12.03(火)
一度太ると脂肪細胞は太っていた時の情報をエピゲノム(DNA修飾)に保存し維持するのでリバウンドは必然(Nature 2024年11月報告)
↑BX.COM海外ではセマグルチド(semaglutide)やチルゼパチド(tirzepatide)に代表されるグルカゴン受容体アゴニストを主成分とするダイエット薬が大人気のようですが、これらのダイエット薬を飲むの止めた後には、しっかりと体重増が再び増加する(ヨーヨー効果)があることは臨床試験結果からも明らかです。
今回の研究ではこのヨーヨー効果による体重のリバウンドが単なる食べ過ぎなどでは無いことを報告しています。すなわち、一度太ると脂肪細胞は太った時の代謝情報を保存しており、太る前よりも太りやすい状態を維持しているということです。
この太りやすい情報はエピゲノム(メチル化やアセチル化などのDNA修飾)で保存されているとのことです。
この論文ではこれらのエピゲノムのコントロールが今後の「リバウンド防止薬」の開発の糸口になるだろうと書いています。
(省略されています。全文を読む)
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
Keyword:CRISPR/Cas9/16
エピゲノム/10
メチル化/37
2024.11.29(金)
NMN前駆体の体内での分解を抑制するNNMT(ニコチンアミド-N-メチル基転移酵素)を投与することでアンチエイジング効果が確認される
↑BX.COMタイトルに書いたメカニズムは思い込みかも。NNMTの効果はNMNの量を増やすためというわけじゃなく他の作用点がある?
ニコチンアミド-N-メチル基転移酵素(NNMT)の阻害は老化筋肉の再生能力を底上げして筋力を高めることが知られています。University of Texas Medical Branch(UTMB)が作ったNNMT阻害薬(NNMTi)・5-amino-1-methylquinolinium(5A-1MQ)で老化マウスの筋機能指標・握力が改善し、その効果は運動によるその効果を2倍上回りました。
また、5A-1MQ投与と運動の組み合わせで握力は一層向上しました。
2018年のこんな報告も
2022年
2023年
Category:ニコチンアミド・NMN
2024.11.22(金)
ついにダサチニブ(Dasatinib)をゲット!やるぞD+Q!
↑BX.COMいつから俺はアンチエイジングのために抗がん剤を個人輸入して勝手に飲むような悪い子になったのか。
抗がん剤と言ってもダサチニブは増殖している細胞を無差別に殺す古くからある抗がん剤とはちょっと違います。その薬効は「チロシンキナーゼ阻害」であり結果的に異常増殖する癌細胞のみを殺す薬であり、まあ世の中の抗がん剤の中では癌細胞にのみを殺す傾向の強い抗がん剤と言えます。
そして、玉ねぎ成分でお馴染みのケルセチン(Q)と組み合わせる事で老化細胞を殺すセノリティクスとしての作用が見いだされています。マウスでは体内の老化細胞を減らすとともに、実際に寿命が延長することが報告されました。
人間の臨床試験(PhaseI)も行われており安全性に問題は無さそうであることが報告されています。人間で本当に「アンチエイジング効果」があるかどうかは明確な結果が出ていない状況と思います。逆に言うと飲んだからといって「みるみる若返る」なんてことは無いことは明らかになっていると言っても良いかな。
(省略されています。全文を読む)
Category:#Senolytics #老化細胞除去薬
2024.11.17(日)
↑BX.COM
ずいぶん見やすくなってきたと思うんだがどうだろう。
Category:動画で紹介
2024.11.15(金)
老化に伴う変化と免疫グロブリンGの蓄積に相関関係が見られることから、免疫グロブリンの蓄積抑制をターゲットにした抗老化薬(genoprotector)開発が可能かもしれない。
↑BX.COM中国の研究者によるCellへの投稿です。臓器内においても老化の進んだ部分SSS(senescence-sensitive spots)に同じように免疫グロブリンGの蓄積が見られるとのこと。これはマウス、ヒトで共通して確認されるそうです。
また免疫グロブリンGはマクロファージやマイクログリアに前老化的特徴を生じさせるとのこと。
加齢に伴い血中の免疫グロブリンG量が増加していくという話は聞いたことがないですが、組織への蓄積量だけが増えていくのでしょうか。だとすると自己反応性の抗体が増加していくことが老化の原因になるということでしょうか?
細胞性免疫/T細胞は胸腺の機能低下により衰えていくと言われていますが、液性免疫/B細胞機能の衰えを抑制するにはどうしたら良いんでしょう。
Category:未分類
2024.11.11(月)
ダイエット目的で葛根(カッコン)を1か月毎日1グラム飲んでみた結果。思わぬ副作用が・・・生薬ってすごい。
↑BX.COM↓自分で砕いた葛根(葛(くず)の根)をコップに入れたところ。
生薬って粉末の量が多いのでとても飲みにくい。下記のようなゼラチンカプセルに自分で詰めることも考えたけどそれも面倒だし。何か良い方法はないものか・・・
カッコンの粉末はお湯には溶けるが、ぬるま湯程度では溶けにくい。有効成分の熱安定性が分からないので、あまり高温のお湯にも入れにくいし
餃子の皮に包んで食べるってのはどうだろう。1回分ずつチョコで固めてしまうのも手かな。
先日、葛根(カッコン)が腸の微絨毛の数を減らしダイエットに有効という研究報告を見かけ1か月間飲んでいました。
明らかに感じた薬効としては下記の2つ
1つ目の利尿作用や、尿圧の変化に関しては「葛根湯」の副作用に「排尿障害」と書かれているのがこの事なのかもしれません。二つ目は衝撃でしたね。飲むのを止めたらすぐに復活したので間違いないと思います。
お目当てのダイエット効果は1か月程度では効果が分かりませんでしたが、2つ目の副作用が嫌なので(笑)もう飲むのは止めようかと思います。
そのあたりに雑草として生えている植物の根を飲むだけで体に影響があるってのは新しい体験でした。生薬ってすごい!。
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム