カテゴリー:#Senolytics #老化細胞除去薬 TW↑B



2023.11.21Senolytics(老化細胞除去サプリ)として有名なケルセチンはアセトアルデヒド分解酵素を阻害するらしく、お酒を飲む日は控えた方が良い /4
2023.10.27高齢マウスの心臓→摘出して老化細胞除去薬(Senolytics)で処理→移植→若いマウスの心臓のように良好に動作 /12
2023.10.03アルツハイマー患者のダサチニブ・ケルセチンを使った老化細胞除去治療の臨床試験Ph-I結果が報告 /63
2023.09.25老化細胞除去効果(Senolytics)を期待してブドウの種粉末を大量に摂取してみる /68
2023.09.08ブドウ種子に含まれるPCC1(プロシアニジンC1=カテキン3量体)が老化細胞を自殺させ凄まじく寿命を延ばすことがマウスで報告される(2021年12月Nature Metabolism) /47
2023.09.05癌治療用として盛んに開発されている細胞療法「NKG2D CAR-T」で老化細胞も減らせることがマウスやサルで確認される /7
2023.04.25Unity Biotechnology社の老化細胞除去薬UBX1325のPh-II試験。1回投与で視力回復が48週間継続の結果 /24
2022.12.19免疫チェックポイント阻害で老化細胞の除去が起きることが報告される /12
2022.09.13Nature Medicineの2022年公開のSenolytics薬(老化細胞除去薬)レビュー論文、現在の臨床試験一覧とか、メカニズム一覧とか /5
2022.06.02老齢サルにフィセチン(100mg/kg)とダサチニブ(5mg/kg)を2日間投与するだけで皮膚の老化細胞減少がする /2
2011.11.08体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。 /1
2020.02.28FOXO4ペプチドを1日おきに注射して老化した細胞のみを自殺させマウスを若返らせる /107
2020.09.11老化細胞を除去するCAR-T治療法でマウスの若返りに成功 /19
2020.09.28玉ねぎ成分ケルセチンのみでも血管の老化細胞除去は可能かも。 /33
2020.11.06ワクチンで老化細胞を減らす世界初の成果。CD153を標的としたペプチドワクチンでの老化T細胞除去に阪大研究者がマウスで成功 /2
2020.11.11米ユニティーバイオテクノロジーが同社2種類目となる老化細胞除去薬UBX1325の臨床試験スタートを発表 /12
2021.12.24老化細胞除去ワクチンの実証実験にマウスで成功。ターゲットはGPNMB(glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B)、老化した脂肪細胞、血管内皮細胞などに高発現 /6
2020.09.15玉ねぎスゲー。老化細胞除去薬(DasatinibとQuercetin)で処理した臓器は移植成功率が向上。原因は老化細胞の出す遊離ミトコンドリアDNA量の低下 /212
2020.09.24玉ねぎ成分ケルセチンは単独でセノリティクスとしての(老化細胞除去)効果があるか? /762
2020.09.24玉ねぎ成分ケルセチンは単独でセノリティクスとしての(老化細胞除去)効果があるか? /66
2020.10.13現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics) /49
2021.01.22新しいセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)候補「GLS(グルタミナーゼ)1阻害剤」 /15
2021.03.17老化細胞除去薬の表現としてのSenolytics(セノリティクス)とSenomodifiers(セノモディファイアー) /3
2021.07.0970歳以上の高齢者にフィセチン、ダサチニブ、ケルセチンなどのセノリティクス(Senolytics/老化細胞除去薬)を投与する臨床試験が実施中 /7
2021.07.15玉ねぎ成分「ケルセチン」のプラセボ対照二重盲目臨床試験で認知機能の改善効果を確認 /9
2019.02.14老化した細胞のみを殺す「セノリティクス(Senolytic)薬」の開発とその効果 /19
2022.03.23太陽化学がケルセチンより25倍吸収されるSUNACTIVE QCD(サンアクティブQCD、ケルセチン配糖体&シクロデキストリン)を米国市場で販売開始 /2
2022.03.23気軽に服用出来る唯一のセノリティクス「ケルセチン」サプリメントをJarrow formula製に変更 /1


2023.11.21

Senolytics(老化細胞除去サプリ)として有名なケルセチンはアセトアルデヒド分解酵素を阻害するらしく、お酒を飲む日は控えた方が良い

↑BTW

飲み会の日はサプリ飲むの止めよう

そして、毎日赤ワイン飲んでいる人は私の周りにも多いですが、彼ら彼女らは老化細胞少なめなのかもしれません。昔から「赤ワインは体に良い」なんて話はありましたね。

そしてブドウの種子サプリも同じかと

 Keyword:ケルセチン/87


2023.10.27

高齢マウスの心臓→摘出して老化細胞除去薬(Senolytics)で処理→移植→若いマウスの心臓のように良好に動作

↑BTW

老化細胞除去薬としては定番のダサチニブとケルセチンを利用。処理濃度や処理時間等の情報はネットに公開されている情報には無いみたいです。

処理時間は短時間だと思うで、自分の各種臓器をいったん摘出して元のように移植するという手法で若返り可能でしょうか?

European Society for Organ Transplantation (ESOT) Congress 2023で発表

同じハーバード医科大学のStefan G. Tulliusの研究チームが継続的に論文出してますね。
研究室のWebページ


2023.10.03

アルツハイマー患者のダサチニブ・ケルセチンを使った老化細胞除去治療の臨床試験Ph-I結果が報告

↑BTW

老化細胞除去作用が知られるダサチニブ(もともと抗がん剤)とケルセチン(玉ねぎ成分で有名)の効果を5人に投与して安全性を確認するのが主目的のPh-I試験です。脳内のダサチニブ濃度は上昇、ケルセチンは検出されず。安全性は問題無さそうだが、この段階では治療効果は確認されていないようです。さすがにケルセチンは意味無いんじゃね?BBBを通過するケルセチン類縁体とか無いのか?

そもそもアルツハイマーって老化細胞除去で改善するって動物試験結果あったっけ?Alzheimer’Drug Discovery Foundation/アルツハイマー病治療薬開発財団的な組織から300万ドル得てPh-IIを行うみたいだけどパフォーマンス感感じるな

 Keyword:Alzheimer/66


2023.09.25

老化細胞除去効果(Senolytics)を期待してブドウの種粉末を大量に摂取してみる

↑BTW



先日紹介したこれ↓

購入したサプリメントはこれ
100カプセルで3000円。
(省略されています。全文を読む

 Keyword:ビタミンC/4 カルシウム/20


2023.09.08

ブドウ種子に含まれるPCC1(プロシアニジンC1=カテキン3量体)が老化細胞を自殺させ凄まじく寿命を延ばすことがマウスで報告される(2021年12月Nature Metabolism)

↑BTW

さっそくサプリ注文しちゃった。


人間の75〜90歳に相当する24〜27か月齢の老齢マウスに2週間に一度20mg/kgの量のPCC1(プロシアニジン(procyanidin)C1)を飲ませています。その効果はすさまじく投与開始した時点から平均余命が1.6倍に

(省略されています。全文を読む


2023.09.05

癌治療用として盛んに開発されている細胞療法「NKG2D CAR-T」で老化細胞も減らせることがマウスやサルで確認される

↑BTW


NKG2DはNK細胞のターゲット認識受容体で、NKG2Dリガンドは8種類知られ、MICA、MICB、ULBP1〜6が、間接リュウマチの原因細胞、一部のがん細胞、そして老化細胞に発現しているそうです。

NKG2D-CARは主に癌治療用途で多数の臨床試験が実施されています。
開発している会社は
他大学
下記の報告では別の老化細胞上の標的をターゲットしたCAR-T療法の成果が報告されています。

 Keyword:NKG2D/5 CAR-T/16


2023.04.25

Unity Biotechnology社の老化細胞除去薬UBX1325のPh-II試験。1回投与で視力回復が48週間継続の結果

↑BTW

UBX1325は老化細胞除去薬とはいえ、Bcl-xL阻害薬であまり目新しさが無い気がするんだよな・・・・

UNITY株を大量に買っていて含み損が50万円以上(涙)。どうにか復活して欲しいが・・・・

 Keyword:UNITY/9


2022.12.19

免疫チェックポイント阻害で老化細胞の除去が起きることが報告される

↑BTW

数か月前に老化細胞には広範にPD-L1が発現していることを報告されていますね。
注射薬は使いにくいし高いので、飲み薬化されたPD-1経路阻害剤に期待だな。

↓PD-1経路を阻害する低分子(飲み薬)薬の開発に関する総説
インサイト(Incyte)のINCB086550がPhase-II、Curis, Inc.のCA-170がPhase-2b/3か。Curis, Inc.は今にもつぶれそうな株価だな・・・・


老化細胞除去ワクチンとセットで使えばより効果的?

 Keyword:ワクチン/297 PD-1/33


2022.09.13

Nature Medicineの2022年公開のSenolytics薬(老化細胞除去薬)レビュー論文、現在の臨床試験一覧とか、メカニズム一覧とか

↑BTW

↓論文中より

出典:Chaib, S., Tchkonia, T. & Kirkland, J.L. Cellular senescence and senolytics: the path to the clinic. Nat Med 28, 1556?1568 (2022). https://doi.org/10.1038/s41591-022-01923-y
具体的な選択的ターゲットとしては、BCL-2経路の阻害剤として、Navitoclax、A1331852、A1155463、Procyanidin C1、Quercetin、Fisetin、Piperlongumine。SRC/PI3K阻害剤として、Dasatinib、Quercetin、Fisetin、Luteolin、Enzastaurin、HSP90阻害剤として、Geldanamycin、Tanespimycin、Alvespimycin(17-DMAG)、Ansamycin、Resorcinol、Purine- and Pyrimidine-like N-terminal inhibitors。が掲載されています。

QuercetinとFisetinはまったく同じターゲットなのか、現在Quercetin飲んでいるけどFisetinを足すのはあまり意味が無いかな?Dasatinibは一応、下流でQuercetinやFisetinも同じ作用をしているんだね。Dasatinibはかなり効果が検証されたSenolyticだと思うけど、この部分の候補化合物が非常に少ないね。

HSP90阻害剤を何か飲んでみたいところ。

↓論文中より。現在行われているSenolytics臨床試験一覧

出典:Chaib, S., Tchkonia, T. & Kirkland, J.L. Cellular senescence and senolytics: the path to the clinic. Nat Med 28, 1556?1568 (2022). https://doi.org/10.1038/s41591-022-01923-y

DがDasatinib、QがQuercetin、FがFisetin、これで臨床試験の大部分を占めている。

最後の2つはUnity Buitechnologyじゃないか!UBX0101もUBX1325もSenolyticsと分類される薬なのか。実はUnityの株たくさん買っていて、株価悲惨で大損しているので頑張ってほしい(^^;。


2022.06.02

老齢サルにフィセチン(100mg/kg)とダサチニブ(5mg/kg)を2日間投与するだけで皮膚の老化細胞減少がする

↑BTW

研究はアメリカ・ウィスコンシン大学とメイヨークリニックの研究者により発表。タイトル「EFFECT OF COMBINED DASATINIB AND FISETIN TREATMENT ON SENESCENT CELL CLEARANCE IN MONKEYS」

老齢(平均21歳)のメスザル6匹にDasatinib (5 mg/kg) and Fisetin (100 mg/kg) を2日間連続投与。投与から7週間後の検査で、皮膚の老化細胞(p16+細胞およびP21+細胞の減少が確認された。副作用は特に見られなかったとのこと。

100mg/kgってのはものすごい量だな。フィセチンのサプリメントは売っているけど体重60kgの人なら1日6000円かかることになる。。。
2日で効くなら頑張れるかもしれないけど、さすがに「1日1カプセル、絶対1日3カプセル以上飲まないこと」って書いてあるサプリメントを60カプセル飲む勇気は無いな(^^;絶対やっちゃダメだぞ。
それにしてもダサチニブは様々な研究で使われていて老化細胞除去効果が間違いない感じだな。もともとの薬効が抗がん剤ってことでなかなか敷居が高いけど飲みたいな。重い腰を上げて個人輸入するかね。ダサチニブは抗がん剤としての飲み方でも1日70mgを2回という飲み方らしい。これは体重60kgの人で2mg/kg程度の用量だから今回のサル試験の5mg/kgはかなり多い。個人輸入サイトを見ると70mg錠剤の価格は600円程度。費用的にはアリだね。

フィセチンもかなり情報が集まってきたし毎日飲むサプリメントに加えるかね。。。1日100mgとして1日100円かぁ。。

しかしフィセチン+ダサチニブで2日で肌が若返るなら美容業界でもてはやされそうな話だな〜。

フィセチンを1日20mg/kg、2日間の臨床試験は実施されている↓

 Keyword:フィセチン/218


2011.11.08

体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。

↑BTW

 タイトルを聞いて「当たり前」と思う人もいるかもしれない。しかし今のところ「細胞1つ1つの老化」と「全体としての老化」の関係はよく分かっていないのが実情だ。細胞の老化を止めてしまえば良いと思う人がいるかもしれないが、細胞の老化とはダメージを受け機能不全になった細胞の増殖を停止させる重要な作用であり細胞の老化を止めると癌細胞が発生してしまうことが分かっている。これに対し、この研究では「老化した細胞を除去する」という戦略が試みされている。

 とはいえ、老化した細胞のみを取り除く事は非常に難しい。高齢化した身体の全細胞のうち5%程度が老化細胞と考えられているが、これらは全身に散らばっており手術などの方法で取り除くことは困難だ。今回、研究者らは「老化細胞のみを自殺させることが出来る特殊なマウス」を遺伝子工学技術を用いて作り出し実験を行った。

(遺伝子改変マウスの設計(読み飛ばし可))
 研究者らはFKBP-Casp8というタンパクを使った。このタンパクは元はFabp4というスイッチ(プロモーター)の作用で作られ、従来は脂肪細胞のみに存在する。このタンパクはAP20187という薬が入ってくると細胞を自殺させるという働きを持つ。すなわち、AP20187という薬をマウスに投与した時、FKBP-Casp8を持つ細胞は自殺してしまう。

 一方、多くの老化細胞にP16(Ink4a)というタンパクが存在することが知られている。研究者らはこのタンパクのプロモーター(スイッチ部分(2617bp))の遺伝子を切り出し、FKBP-Casp8の元々のプロモーターFabp4と置き換えた遺伝子改変マウスを作り出した。このマウスの細胞は通常の細胞と異なり老化細胞でFKBP-Casp8が作られる。すなわち、このマウスにAP20187という薬を投与すると老化した細胞のみが自殺し無くなる。

結果
 老化した細胞が自殺するように遺伝子改変を行ったマウスを2つのグループに分け、片方のグループは老化細胞を自殺させ除去するための薬(AP20187)を3日ごとに体重1gあたり0.2?gずつ生涯にわたり投与した。もう片方のグループは薬を投与しなかった。そして生後10ヶ月目にマウスの老化具合を調べたところ、驚くべきことに薬を投与し老化細胞を除去したマウスは、すべての評価項目で薬を投与していないマウスよりも若々しいことが分かった。解析した項目は背中の曲がり具合、白内障の発生、筋肉繊維の太さ、運動能力(疲れ切るまでの時間、移動距離、エネルギー消費)、細胞の大きさなどである。

 また、老化細胞を除去するかどうかは薬の投与によりコントロール出来るのを利用し薬の投与を生後5ヶ月のマウス(人間で言えば老齢に当たる)から初めて行ったところ、老化細胞の除去により、すでにおこっていた老化現象がストップし、若々しく回復することが確認出来た。

 これまでの研究で、老化細胞は自身が老化してうまく働かないだけでなく細胞の周囲に生体の正常な機能を妨げる様々な物質を放出し組織全体の正常な活動を妨げる(老化を起こす)ことが報告されている。今回の研究は体内の少数の老化細胞が組織全体を老化させている原因であり、これを取り除いてやることでやれば組織全体を若々しく保ち、また蘇らせることが出来ることを初めて証明した研究と言える。
 
 残念ながら今回の実験は特殊な遺伝子改変マウスを用いた方法であるため、同じ方法をそのまま人間で行うことは出来ない。しかし、老化した細胞のみを除去する方法を開発することが出来れば人体のあらゆる老化現象をストップし若々しく健康な状態を長く保つことが出来た事は大きい。今後、この仕組みを利用した老化防止薬の開発が始まるかもしれない。

 この研究はアメリカ・ミネソタのメイヨークリニック病院の研究者らが行い科学技術雑誌Natureで発表された。

 Keyword:運動能力/11 筋肉/166 脂肪/217


2020.02.28

FOXO4ペプチドを1日おきに注射して老化した細胞のみを自殺させマウスを若返らせる

↑BTW

「老化細胞の選択的除去」って作戦を目指す薬物が次々と報告されていますね。研究者らは改変(分解されにくく)したFOXO4(forkhead box O4)ペプチドを1日おきに5mg/kg注射投与することで若返り効果が生じることを報告しています。

この改変FOXO4ペプチドはP53と結合し、老化した細胞のみを自殺させる機能を果たすそうです。この老化細胞の細胞死誘導により健康状態、毛髪密度、腎機能などが回復することをマウスの実験で確認出来たとのこと。


FOXO4ペプチドの改変は「レトロインベルソ型(D体にして配列を逆にする???)」にして元のFOXO4と同じようにP53タンパクと結合するようにしているとのこと。配列はH-ltlrkepaseiaqsileaysqngwanrrsggkrppprrrqrrkkrg-OHとのこと。

ペプチドの固相合成ぐらい本気になれば自宅でDIY出来なくもないかもしれないな。

老化細胞の除去は下記で12種類の戦略の1つに取り上げてます。この手のクスリを「Senolytic」薬と言うらしい。


2020.09.11

老化細胞を除去するCAR-T治療法でマウスの若返りに成功

↑BTW


図出典:Senolytic CAR T cells reverse senescence-associated pathologies, Nature volume 583, pages127?132(2020)
老化細胞を除去する作用のある薬を使用した延命の研究は色々と行われていますが、今回、CAR-T細胞を用いた老化細胞の除去と若返りに成功した研究が発表されています。

細胞の老化は細胞増殖の停止と分泌プログラムによる組織の微小環境の変化から構成される。これは生理学的には老化は癌形成を抑えるメカニズムであり、創傷治癒に重要な役割を担う。病理学的には異常な老化細胞の集積は炎症を引き起こし臓器の慢性的ダメージを引き起こし、肝臓や肺の繊維化、動脈硬化、糖尿病、変形関節症といった病気を引き起こす。老化細胞の除去はマウスにおいてこれらの病態を改善し、長寿を実現することが報告されている

今回研究者らは薬物投与ではなくCAR-T細胞療法(遺伝子改変した免疫細胞を細胞移植、癌治療のより強力な方法として盛んに研究されている)による老化細胞の除去を試みている。研究者らはuPARを老化細胞の目印として使用しin vitro、in vivoにおいて作用することをマウスにおいて示しています。治療のデモンストレーションでは老化が促進される薬を投与されたマウスの寿命を延ばし、人工的に肝臓の繊維化を起こさせたマウスの病態を改善しています。

これまでに報告されている老化細胞除去による延命作用に関しては下記の論文が引用されています。
  • He, S. & Sharpless, N. E. Senescence in health and disease. Cell 169, 1000-1011 (2017).
  • Sharpless, N. E. & Sherr, C. J. Forging a signature of in vivo senescence. Nat. Rev. Cancer 15, 397-408 (2015).
  • Baker, D. J. et al. Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236 (2011). PMID:22048312
  • Baar, M. P. et al. Targeted apoptosis of senescent cells restores tissue homeostasis in response to chemotoxicity and aging. Cell 169, 132-147 (2017). PMID:28340339
  • Childs, B. G. et al. Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477 (2016).PMID:27789842
uPARが老化細胞の目印になるという話は下記論文で元ネタのようです。
  • Smith, H. W. & Marshall, C. J. Regulation of cell signalling by uPAR. Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 11, 23?36 (2010).

 Keyword:糖尿病/102


2020.09.28

玉ねぎ成分ケルセチンのみでも血管の老化細胞除去は可能かも。

↑BTW

先日から抗がん剤「ダサチニブ」と玉ねぎ成分「ケルセチン」の併用で老化細胞を選択的に自殺させられるという研究を調べているのですが、下記の論文を見ると


図出典:The Achilles’ heel of senescent cells: from transcriptome to senolytic drugs
どうやらダサチニブとケルセチンは標的細胞が違うようです。ケルセチンのみ(5μM)で血管内細胞の老化細胞は選択除去されている。ただし脂肪細胞前駆細胞には効果が無い結果です。

逆にダサチニブは脂肪細胞前駆細胞にのみ効果があり、濃度を上げても血管内皮細胞への効果は無いようです。2種の細胞で何が違うのでしょう?

血管内皮に関してはケルセチンのみで効果はあるようですが、ただ20μMから増殖細胞(正常な細胞)にも害が出ている(in vitro試験、この濃度で3日間処理)。治療ウィンドウ(薬効ー毒性用量比)4倍かあ。。。。ただし3日で減らしたいわけじゃないのでもっと低濃度で飲み続けることでメリットだけを得られるでしょうか?ケルセチンサプリメントは容量が大きいもので1つ500mgってのがあります。ケルセチンの分子量が約300なので、5μM=1.5ug/mL、500mg i.v. 時にCmax=50μg/mL。BAと半減期は知らないけど一瞬は有効血中濃度に達しているんじゃないか?

↓このサプリメント注文中なんだけど
↓こんな商品も発見w

これ、玉ねぎの皮を取っておいて冷凍粉砕して頑張って食べれば良いかも。。。

下記サイトを見ると
玉ねぎ可食部には100gあたり20mgのケルセチン、玉ねぎの皮には100gあたり1000-1500mgのケルセチンとのこと。1日に100mg以上が害が出ると書いてあるね。。。。

う〜ん、1粒500mgのサプリメントをポチっちゃったんだけど(^^;


2020.11.06

ワクチンで老化細胞を減らす世界初の成果。CD153を標的としたペプチドワクチンでの老化T細胞除去に阪大研究者がマウスで成功

↑BTW

老化するとPD-1陽性&CD153陽性の老化T細胞が内臓脂肪で増えてくるそうです。これをCD153を標的とするペプチドワクチンで除去することに成功したとのこと。論文のDiscussionでは最終パラグラフで「Toward clinical application(臨床試験に向けて)」と2回も言ってるので、、、、臨床試験やるんだろうな?

報告ではマウスCD153の部分ペプチド
  • (A) 116-TKLSWNEDGT-125
  • (B) 182-CESGVQSK-189
  • (C) 101-KKSWAYLQ-108
  • (D) 76-TTEKAPLKGG-85
  • (E) 234-LYSSSD-239
をワクチンとして試しています。いずれのペプチドでも免疫原性を確認。実際のマウス実験ではより強力なアジュバントとしてCpGを使用しています。細胞除去が目的ならAlumよりもCpGの方が細胞性免疫を惹起しやすいとの方向性なのかもしれません。
またヒトの配列では(D)はVVQRTDSIPN 71-SPDNVPLKGG-80 NCSEDLLCIになるとのこと。ワクチンとして使えるカスタペプチドはBIOMATIKで購入可能ですので個人でDIYワクチンを作って使用可能ですね。やろうと思えば。
CpGはどうやって手に入れるかね。
こんなのベンチャー作って臨床試験目指せばお金集められないのかね?「脂肪細胞内の老化T細胞量」ってのをプライマリーエンドポイントには出来ないだろうから見せかけての適用疾患とか設定しないといけなくて色々と難しいか。。。。

ヒトのCD153の全配列情報はここ
        10         20         30         40         50
MDPGLQQALN GMAPPGDTAM HVPAGSVASH LGTTSRSYFY LTTATLALCL
60 70 80 90 100
VFTVATIMVL VVQRTDSIPN SPDNVPLKGG NCSEDLLCIL KRAPFKKSWA
110 120 130 140 150
YLQVAKHLNK TKLSWNKDGI LHGVRYQDGN LVIQFPGLYF IICQLQFLVQ
160 170 180 190 200
CPNNSVDLKL ELLINKHIKK QALVTVCESG MQTKHVYQNL SQFLLDYLQV
210 220 230
NTTISVNVDT FQYIDTSTFP LENVLSIFLY SNSD


研究者の中神啓徳氏がここで語ってますね。
中神氏は私と同じ考えのようで適用疾患どうするか。。。と悩んでいるようですが、対談している順天堂大学の南野氏はSAGP(Senescence-associated Glycoprotein)という老化抗原に対するワクチンの臨床試験を1年以内に始めたいと言及していますね。
PD-1陽性/CD153陽性細胞は「おなかぽっこり」の原因でもあるとのこと


2020.11.11

米ユニティーバイオテクノロジーが同社2種類目となる老化細胞除去薬UBX1325の臨床試験スタートを発表

↑BTW

10株ほど買い増した!同社は8月に最初の老化細胞除去薬UBX0101(作用メカニズムはp53/MDM2結合阻害剤)のPhase2試験で期待する効果が確認出来なかったと発表していました。
しかしその1か月前の7月にUBX1325という同社2種類目の老化細胞除去薬(Senolytic)の米国臨床試験申請(IND)提出していたそうです。この薬はBcl-xL阻害剤。老化細胞の中で働いている自殺抑制タンパク質を邪魔します。すなわち老化した細胞にはさっさと自殺してもらうことが出来ます。

臨床試験では10月に最初の患者への投与が始まったそうです。最初の結果は2021年のQ1(1〜6月)に得られるそうです。

この臨床試験の投与対象患者は目の加齢性疾患。来年前半にも薬効を確認する実験を確認するとのこと。

 Keyword:p53/64


2021.12.24

老化細胞除去ワクチンの実証実験にマウスで成功。ターゲットはGPNMB(glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B)、老化した脂肪細胞、血管内皮細胞などに高発現

↑BTW

マウスの実験ではオスだけ有意に寿命が延びている。

すぐにでもDIYで試したくなる話だな。
でも腐っても自己抗原。適切なエピトープとアジュバントを使わないとなかなかワクチンとして働かないだろうな



(省略されています。全文を読む


2020.09.15

玉ねぎスゲー。老化細胞除去薬(DasatinibとQuercetin)で処理した臓器は移植成功率が向上。原因は老化細胞の出す遊離ミトコンドリアDNA量の低下

↑BTW


 老化した臓器は臓器移植の需要と供給のアンバランスを解決する秘められた可能性があるが、老化した臓器は損傷や免疫原性の増加といった特徴があり移植時の成果はかんばしくない。

 今回、研究者らは老化した臓器の移植がうまくいかない理由が無細胞ミトコンドリアDNA(cf-mt-DNA)が老化細胞から放出されており、これが蓄積し免疫原性を起こしていることであることを示している。老化したマウスの血液中にはcf-mt-DNAが増加しており、また虚血再灌流により損傷を与えても末梢血中のcf-mt-DNAが増加する。これにともない血液中の樹状細胞(免疫細胞)は活性化状態となり炎症反応を引き起こす。同様の現象が実際の移植でも見られるそうで老化したドナーからの移植では血液中のcf-mt-DNAの量が増加するそうだ。

 実験では老化したマウスをセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)で処理し老化細胞を取り除いている、老化細胞の除去に伴い血中のcf-mt-DNA量が低下し老化特異的な免疫反応が低下する。そして実験的な心臓移植の成績が若いドナーを使った時と同程度に良くなることを実証している。

 この研究においては老化細胞除去薬としてはダサチニブ(Dasatinib) (5mg/kg)とケルセチン(Quercetin) (50mg/kg)を飲ませている。Dasatinibはチロシンキナーゼ阻害系の抗がん剤として承認された薬のようだ。Quercetinは。。。。なんと玉ねぎ成分らしい。サプリとして売られている。玉ねぎ凄いな!

それぞれ老化細胞除去作用が知られているようですが、今回の研究結果を見ると両方を同時に飲んだ時に非常に高い除去効果が見られるようです。

Dasatinib(ダサチニブ)は医薬品の個人輸入で手に入りますが抗がん剤として飲んだ場合の様々な副作用も知られており、ちょっと若返り目的に飲むには危ないですね。とりあえず玉ねぎ(ケルセチン)食べよう。

遊離ミトコンドリアDNA(cf-mt-DNA)が老化に伴う炎症に関わっているという話も初めて聞きました。調べてみます。

 Keyword:ミトコンドリア/70


2020.09.24

玉ねぎ成分ケルセチンは単独でセノリティクスとしての(老化細胞除去)効果があるか?

↑BTW

先日、抗がん剤ダサチニブ(Dasatinib)と玉ねぎ成分ケルセチン(Quercetin)を同時に服用することでマウスで老化細胞が除去されて臓器が若返るという研究報告を紹介しました。

抗がん剤は手を出しにくいので、玉ねぎ成分「ケルセチン」のみで老化細胞を除去出来ないか調べています。

ダサチニブとケルセチン同時服用の効果に関しては下記の論文で発見の経緯について触れられています。
ダサチニブとケルセチンの組み合わせは「最初の老化細胞除去薬」としてバイオインフォマティクスを活用したランダム機能スクリーニングより46種類の薬の投与の中から偶然見出された組み合わせとのこと。
↓ランダムスクリーニングの研究論文(2015年)
そして併用効果は臨床試験が実施され人間でも確認されていました。
下記の論文では
ダサチニブ100mgとケルセチン1250mgを週3回3週間にわたり飲んでもらっています。
以下の論文では
臨床試験では糖尿病性腎臓病の患者にダサチニブ100mgと、ケルセチン1000mgを3日連続で飲んでもらっています。その結果、たった3日の服用で脂肪組織中の老化細胞が減り、皮膚の中の老化細胞が減少、血液中の老化細胞が出す悪玉サイトカインの濃度が低下することが報告されています。
臨床試験の情報はここ↓試験名は「Senescence in Chronic Kidney Disease」
一方、ケルセチンのみも老化細胞除去効果は知られているようです。下記はダサチニブ、ケルセチン両方を服用する臨床試験を実施した論文です。
ケルセチンのみである程度の効果があると書いてますが、概要には老化細胞の除去効果に関しては触れられていません。
下記ではケルセチンのみは効果はあるが、毒性が出る量に近い量が無いと効果が無いとあります。すなわち老化してない細胞への毒性も強いとのことです。
う〜ん、玉ねぎ成分を大量に飲むという作戦は毒性の心配をしないといけないようです。
上記に紹介した臨床試験では1日にケセルチン1000mg以上を飲んでいます。

国内のケルセチンサプリメントは1粒あたり3.5mgとかちょっとしか入っておらず、これでは1日に300粒を服用しないといけません。
一方で海外のケルセチンサプリメントは1粒で500mg含まれており、これだと1日2粒でOKです。
海外ではケルセチンの老化細胞除去効果が知られて大量服用する人がいるのでしょうか?

 Keyword:quercetin/17


2020.09.24

玉ねぎ成分ケルセチンは単独でセノリティクスとしての(老化細胞除去)効果があるか?

↑BTW

先日、抗がん剤ダサチニブ(Dasatinib)と玉ねぎ成分ケルセチン(Quercetin)を同時に服用することでマウスで老化細胞が除去されて臓器が若返るという研究報告を紹介しました。

抗がん剤は手を出しにくいので、玉ねぎ成分「ケルセチン」のみで老化細胞を除去出来ないか調べています。

(省略されています。全文を読む


2020.10.13

現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)

↑BTW

Wikipediaに老化細胞除去薬(Senolytics)のエントリーがありました。

だんだん全体像が見えてきました。通常細胞は役に立たなくなるとアポトーシス(自殺)するメカニズムがありますが、そのメカニズムにストップがかかり自殺せずに生きながらえているのが老化細胞であり、それを解除するのが老化細胞除去薬のメカニズムのようです。癌細胞も同様にDNA変異が起きて生じるはずのアポトーシスを回避している細胞なこともあり抗がん剤が多く登場しているのが面白いです。
(1)FOXO4関連ペプチド。未承認、ペプチド、注射投与必要
(3)USP7(ユビキチン特異的タンパク分解酵素7)阻害剤、未承認薬物
(4)ダサチニブ(srcチロシンキナーゼ阻害剤)抗がん剤とケルセチン(bck-2ファミリー阻害剤)玉ねぎ成分
(5)フィセチン(bcl-2阻害剤)イチゴ成分
(6)ナビトクラックス(navitoclax)(Bcl-2阻害剤)抗がん剤
(7)Piperlongumine(ROS阻害剤)ロングペッパー成分
(8)アジスロマイシン(Azithromycin)とロキシスロマイシン(Roxithromycin)マクロライド系抗生物質
(9)SSK1 (senescence-specific killing compound 1)(老化細胞で活性でのみ活性化する抗がん剤ゲムシタビンプロドラック)未承認薬物
健康な身で抗がん剤や抗生物質を飲むのは少しためらわれるのですがロングペッパー成分の(7)が気になります。

 Keyword:ナビトクラックス/4 navitoclax/4 キチン/30 抗生物質/12


2021.01.22

新しいセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)候補「GLS(グルタミナーゼ)1阻害剤」

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東大医科研がScienceで発表。研究のキーポイントとして新しい老化細胞のみの純粋培養法を確立したそうです。方法はp53をG2期で発現させるというもの。この高純度の老化細胞を使ってスクリーニングを行い「老化の維持」に必要な遺伝子を探索したところグルタミンの代謝に関わるGLS1が見つかったそうです。
老化細胞は様々な種類があり多様性を持つにも関わらずいずれのタイプでもGLS1の1つであるKGA1の発現が増加していたとのこと。GLS1を老化細胞で阻害すると細胞内のpHが低下し老化細胞は死にいたるとのこと。このメカニズムはリソソームの膜が損傷されることによるようです。

この論文のマウス実験で用いられたGLS1阻害剤はBPTES [bis-2-(5-phenylacetamido-1,3,4-thiadiazol-2-yl)ethyl sulfide]。GLS1阻害剤は癌治療薬として研究開発が既に進んでいるそうです。

人間に投与実績のあるグルタミナーゼ阻害剤としては
CB-639(Telaglenastat/テラグレナスタット)。開発しているのは南SF拠点のCalithera Biosciences。
お、株買えるけど今年の1月4日に臨床試験のPrimary Endpoint未達を発表して株価激減してる(汗)

パイプライン豊富だな支援買いしておくか。
他の阻害剤としてはC968が紹介されているけどこれは中国のアカデミア発の化合物のようです。


2021.03.17

老化細胞除去薬の表現としてのSenolytics(セノリティクス)とSenomodifiers(セノモディファイアー)

↑BTW

この記事ではRepurposed drug(当初の目的以外の薬効を目的に既存の薬を使用すること、ドラッグ・リポジショニング)としてrapamycin(ラパマイシン)とmetformin(メトホルミン)を紹介しています。

老化細胞除去薬としてSenolyticsとSenomodifiersと紹介されています。Senomodifiersって単語は初めて聞いた。紹介されているのはdasatinib(ダサチニブ、抗がん剤)とnavitoclax(ナビトクラックス、抗がん剤、Bcl-2阻害剤)、quercetin(ケルセチン、玉ねぎ成分)、fisetin(フィセチン、イチゴなど)。

 Keyword:dasatinib/19 ラパマイシン/23 rapamycin/4 fisetin/5 メトホルミン/20 metformin/10


2021.07.09

70歳以上の高齢者にフィセチン、ダサチニブ、ケルセチンなどのセノリティクス(Senolytics/老化細胞除去薬)を投与する臨床試験が実施中

↑BTW

2020年3月開始。Mayoクリニックの医師Sundeep Khosla, M.D.による医師主導臨床試験(Phase II)
試験は2アーム。
(1)参加者はダサチニブ100mgを2日連続投与、その後ケルセチン1000mgを3日連続で投与。これを4週間に一度繰り返す(合計20週間)
(2)フィセチンを20mg/kg、3日連続投与(4週間に一度)、20週試験

評価は
A:血液中の骨の代謝マーカーであるI型コラーゲン-C-テロペプチド(ICTP)と?型プロコラーゲン-N-プロペプチドの濃度変化。


2021.07.15

玉ねぎ成分「ケルセチン」のプラセボ対照二重盲目臨床試験で認知機能の改善効果を確認

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24週間試験で60〜79歳対象に70人で試験のプラセボ対称二重盲目試験。プラセボとしてケルセチンを含まないホワイトオニオンを使用。

1日の摂取量はたった50mgなんだけど、使ったQuercetin Phytosomeは吸収が20倍よらしい。普通のケルセチンだと1000mg相当ことか?

認知能力の改善は求めるケルセチンのセノリティクス(Senolytics)としての老化細胞除去機能と関連しているかどうかは怪しいかもな。


2019.02.14

老化した細胞のみを殺す「セノリティクス(Senolytic)薬」の開発とその効果

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生体内のわずかな老化細胞の存在が体全体の老化現象を引き起こすことが報告されています。下図は

  • Senolytics improve physical function and increase lifespan in old age.Nat Med. 2018 Aug;24(8):1246-1256. doi: 10.1038/s41591-018-0092-9. Epub 2018 Jul 9.PMID:29988130
より抜粋した図です。実験的に少数の老化細胞を若いマウスに移植し、老化を促進せる実験を行っています。
Senolytics improve physical function and increase lifespan in old age.Nat Med. 2018 Aug;24(8):1246-1256. doi: 10.1038/s41591-018-0092-9. Epub 2018 Jul 9.PMID:29988130
具体的には17ヵ月齢の老化したネズミに50万個(0.5×10^6個)の老化した少量の細胞を移植し、その結果、グラフの赤字で示すように老化した細胞を投与されたネズミでは1年で50%が死亡したのに対し、細胞を投与されていないネズミや、若い細胞を投与されたネズミでは80%程度が生き残っている。すなわち少量の老化細胞が全身の老化をう誘導し死亡させていることを証明しています。

では老化した体から、老化した細胞を取り除くことが出来たら若返ることが出来るのでしょうか?

答えはイエスです。下記報告では肝臓内の老化した細胞のみを殺し除去することで脂肪肝の症状が改善することが報告されています。
  • Cellular senescence drives age-dependent hepatic steatosis.Nat Commun. 2017 Jun 13;8:15691. doi: 10.1038/ncomms15691.PMID:28608850
そしてこの報告でも使われていますが、既に販売されている薬とサプリメントの組み合わせで老化した細胞のみを殺すことが出来ることが分かっています。

★老化した細胞のみを殺すことが報告されている2つの薬の組み合わせ。
  • dasatinib(ダサチニブ)・・・・複数のチロシンキナーゼを標的とした分子ターゲッティングタイプの抗がん剤
  • quercetin(ケルセチン)・・・・玉ねぎ・柑橘類など含まれるフラボノイドの一種
知らなかったのですが、このような老化細胞のみを殺す作用を「Senolytic」というらしいです。

老化細胞除去の研究は実は2011年には既に報告されています。
既に様々な研究が進んでおり、AmazonのCEOらが出資するUNITY Biotehnologyという会社は老化細胞除去薬の臨床試験を行っています。


2022.03.23

太陽化学がケルセチンより25倍吸収されるSUNACTIVE QCD(サンアクティブQCD、ケルセチン配糖体&シクロデキストリン)を米国市場で販売開始

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ケルセチンは手軽にサプリメントとして飲める唯一のセノリティクス(老化細胞除去作用が知られる成分)ですが、実はケルセチンそのものは、ほとんど水に溶けず、サプリメントに含まれる成分のほんの一部しか体内に取り込まれませんでした。そのため、現在のサプリメントは1カプセルが500mg(0.5g)と巨大なものになっています。これを改良して体内に取り込まれやすくしたケルセチン成分が各社で開発されているようです。

 最近、サントリーが「ケルセチンゴールド」とか変な名前を付けて取り込まれやすくしたケルセチン配糖体を特茶に入れて売り込んでますね。

 今回紹介する太陽化学のサンアクティブQCDは、ケルセチンゴールドと同じ「ケルセチン配糖体」にさらに「シクロデキストリン」という環状の特殊な糖を混ぜることでさらに水に溶けやすく吸収されやすくしたようで、ケルセチンの25倍取り込まれれると報告されています。

ベースとなる「ケルセチン配糖体」だけでもケルセチンの3倍取り込まれるようです。
サントリーのページでも「ケルセチンゴールド(ケルセチン配糖体)を毎日110mg服用することで内臓脂肪が減少したと書いてあるので、1日500mgで効果が知られるケルセチンの3〜4分の1であることを考えると、吸収性としてはサンアクティブQCDで使われるケルセチン配糖体と、サントリーのケルセチンゴールドの吸収率は似たようなものでしょうか。
この110mgというのは、サントリーの特茶(500mL)に含まれる量と同じのようです。すなわち1日1本サントリー特茶を飲むのは500mgのケルセチンサプリメントを1粒毎日飲むのと同等って感じでしょうか。
特茶は1本あたり160円程度するので、サプリメントの方が圧倒的に安いね
検索しましたがケルセチンの25倍取り込まれやすい「サンアクティブQCD」を含むサプリメントはまだ売って無いようですね。。。。ただ吸収されにくいケルセチンのサプリメントがずいぶん安く手に入るので、普通のケルセチン500mg飲んでいればいいかもね。吸収されないケルセチンも「ポリフェノール、フラボノイド」として腸内細菌にエサになって身体に良さそうな気もします(※思い込みの勝手な予想です)

 Keyword:腸内細菌/164


2022.03.23

気軽に服用出来る唯一のセノリティクス「ケルセチン」サプリメントをJarrow formula製に変更

↑BTW



これまで↓この1日500mgあたり38円のやつを飲んでいたのですが

Jarrow社のやつに変更しました。200日分で4172円。1日21円まで安くなりましたが、なぜか俺が購入後にAmazon.co.jpでも海外の通販サイトでも売り切れちゃってる。↓ここではまだ購入可能。いそげー
↓オフィシャルサイトを見ると同じような値段で100日分になっている。2倍値上げ?
最近ケルセチンは新型コロナに効くみたいな研究が報告されたのでその影響だったりするのかな?


(省略されています。全文を読む





Cation!!注意:このページには動物実験などで得られた研究段階の情報が含まれています。これらはなんら、人間に適用した時の効果を保証するものではなく、これらの情報を元にとった行動によりいかなる不利益を被っても管理人は一切責任を負いません。このページの話はあくまで「情報」としてとらえてください。