キーワード分類ページ ↑B

ラパマイシン


ラパマイシン(Rapamycin)は別名シロリムス(Sirolimus)と呼ばれ、ファイザー社よりラパミューン(Rapamune)という名前で販売されている。元々は免疫抑制剤として開発された薬だが、最近ではガン治療作用や、寿命延長効果などが知られる注目の薬となっている。

.ラパマイシン - Wikipedia 2 users 7いいね

----------このキーワードを使っている記事----------
2024.06.06:50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ
2022.10.21:幼少期のマウスに45日間ラパマイシンを投与すると成長が遅く体が小さくなるが寿命が10%長くなる
2021.03.17:老化細胞除去薬の表現としてのSenolytics(セノリティクス)とSenomodifiers(セノモディファイアー)
2019.07.02:寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
2017.06.09:高齢まで子供が産める薬が作れるかも、「ラパマイシン」を2週間だけ投与し、メスねずみの生殖機能が長く保ち、高齢まで子供が産ませられるとの研究結果
2016.03.07:学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
2015.10.20:イギリス科学誌ネイチャーと日本抗加齢医学会がアンチエイジングに関する専門誌「npj Aging and Mechanisms of Disease」創刊、編集長は慶応大教授
2013.07.01:ラパマイシンの寿命延長効果は心臓機能の改善のおかげか?
2009.07.24:ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる

2024.06.06

50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ
50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ

↑BX.COM

これまでにもメトホルミンSGLT2阻害剤ラパマイシンなどの薬が寿命を延ばす効果があることが報告されています。今回、スイスの研究者がUKのバイオバンクのデータを用い50万人以上の患者を40年以上にわたり追跡調査を行い406種類の処方薬の服用経験と死亡率の相関関係を調査しました。


出典:Association between prescription drugs and all-cause mortality risk in the UK population
予想していた通り、多くの薬は生存率を低下させる方向に働いている結果が得られました。これは薬が身体に悪影響を及ぼしていると考えるほかに、薬は病気を治療するために飲んでいるわけで、薬の服用は何かの身体の異常が存在することを示しているためこのような結果になっているとも言えます。

そして面白いことに、統計上は一部の薬の服用者は死亡率が低いとの結果が出ています。もっとも死亡率を低下させているように見える薬4つは、高コレステロール治療薬として使われるatorvastatin、バイアグラの成分sildenafil、鎮痛薬naproxen ホルモン補充薬estradiolでした、次点でその他のエストラジオール補充薬や、外耳炎治療薬otomize、テトラサイクリン系抗生物質Lymecyclineが死亡率を平均的な人よりも下げているように見えることが分かりました。

(省略されています。全文を読む

Category:統計(寿命・その他)




2022.10.21

幼少期のマウスに45日間ラパマイシンを投与すると成長が遅く体が小さくなるが寿命が10%長くなる
幼少期のマウスに45日間ラパマイシンを投与すると成長が遅く体が小さくなるが寿命が10%長くなる

↑BX.COM


ゆっくり成長し、最終的な体の大きさが小さくなるが、寿命が10%長くなるそうです。

ちなみにミジンコでも同じことが起きるとか。


ラパマイシンの寿命延長効果は10年以上前から多数報告されていますが、幼少期のみに処理したのが新しいのかな?

これまでにも高齢で投与しても効果がある
とか、子供も高齢まで産めるようになるとか色々とあります。
(省略されています。全文を読む

Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2021.03.17

老化細胞除去薬の表現としてのSenolytics(セノリティクス)とSenomodifiers(セノモディファイアー)
老化細胞除去薬の表現としてのSenolytics(セノリティクス)とSenomodifiers(セノモディファイアー)

↑BX.COM

この記事ではRepurposed drug(当初の目的以外の薬効を目的に既存の薬を使用すること、ドラッグ・リポジショニング)としてrapamycin(ラパマイシン)とmetformin(メトホルミン)を紹介しています。

老化細胞除去薬としてSenolyticsとSenomodifiersと紹介されています。Senomodifiersって単語は初めて聞いた。紹介されているのはdasatinib(ダサチニブ、抗がん剤)とnavitoclax(ナビトクラックス、抗がん剤、Bcl-2阻害剤)、quercetin(ケルセチン、玉ねぎ成分)、fisetin(フィセチン、イチゴなど)。
(省略されています。全文を読む

Category:#Senolytics #老化細胞除去薬




2019.07.02

寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)

↑BX.COM

個人的な思考の整理のためにリストアップしてみました。
(1)アンチエイジングに焦点を絞った金のある米国スタートアップ企業に注目
Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身 /Amrit不老不死ラボ
不老長寿技術を開発するベンチャーにのみに投資するファンド「Longevity Fund」 /Amrit不老不死ラボ
(2)体内から老化した細胞を取り除く
老化した細胞のみを殺す「Senolytic薬」の開発とその効果 /Amrit不老不死ラボ 1 users
体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。 /Amrit不老不死ラボ
(3)「老化抑制」という「副作用」が知られる市販薬を飲む
医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる /Amrit不老不死ラボ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ /Amrit不老不死ラボ 2 users
癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。 /Amrit不老不死ラボ
ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる /Amrit不老不死ラボ
(4)寿命を延ばす効果が期待されて開発されているサプリメント・天然物質
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント /Amrit不老不死ラボ
2019年2月Nature Commun発表/アシタバの葉に含まれるポリフェノール(フラボノイド)にあらゆる生物に効く最強のアンチエイジング作用 /Amrit不老不死ラボ 1 users
赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。 /Amrit不老不死ラボ
ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中 /Amrit不老不死ラボ
(5)寿命を延ばす効果が期待されて開発されている開発中の薬
マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中 /Amrit不老不死ラボ
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い /Amrit不老不死ラボ 1 users
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)(Amrit不老不死研究所)
(6)未来の技術を信じて人体冷凍保存する
人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術 /Amrit不老不死ラボ 2 users
人体冷凍保存にも応用可能?3-O-メチル-D-グルコースで満たした臓器を過冷却現象で低温保存し3日間後に移植する事に成功 /Amrit不老不死ラボ
(6)脳だけになって生き残る
米国DARPAが脳内100万個の神経とコンピューターを接続する小型モジュール開発プロジェクトの提案を募集。70億円まで資金提供。 /Amrit不老不死ラボ
ラットに電子チップを埋め込み「第六感」的感覚を与えることに成功 /Amrit不老不死ラボ
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験 /Amrit不老不死ラボ
(7)コンピューターに意識を移す
ロシアの富豪が出資する脳の情報をコンピューター上にアップロードして永遠に生きるプロジェクト「2045イニシアティブ」 /Amrit不老不死ラボ
(8)臓器を新しいものに交換して長生きする
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ /Amrit不老不死ラボ
ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)(Amrit不老不死研究所)
(10)腸内細菌を最適化する
人体を構成する細胞以上の数の細菌が住み、これらの細菌が日夜作る種々の物質は腸から吸収されています。無限の可能性があります。寿命に直接影響するような研究は見つかりませんでしたが、病気を防ぐ作用に関する研究は多数あります。
効果が実証されつつある他人の「うんこ」移植治療、研究過程で難病を治す「癒しのうんこ」、他人を殺す「殺人うんこ」を出す能力者の存在が明らかに /Amrit不老不死ラボ
(11)生体内の細胞をリプログラムする
老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究 /Amrit不老不死ラボ
癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する /Amrit不老不死ラボ
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功 /Amrit不老不死ラボ
(12)癌を完全に治す
直接的な寿命延長ではありませんが、若返らせるような治療の多くは「若返りすぎ」ではありませんが、細胞の無限増殖(=癌)が克服出来ないために危なくて、人間での研究が進めにくい方法が多数あります。
細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療 /Amrit不老不死ラボ
(省略されています。全文を読む

Category:#エイジング関連まとめ




2017.06.09

高齢まで子供が産める薬が作れるかも、「ラパマイシン」を2週間だけ投与し、メスねずみの生殖機能が長く保ち、高齢まで子供が産ませられるとの研究結果
高齢まで子供が産める薬が作れるかも、「ラパマイシン」を2週間だけ投与し、メスねずみの生殖機能が長く保ち、高齢まで子供が産ませられるとの研究結果

↑BX.COM

 人間の女性で20〜30才に当たる、8週齢のマウスに2週間だけ「ラパマイシン(rapamycin)」という薬と投与する実験が行われました。ラパマイシンは非常に強い薬なため、投与直後は卵巣の働きがかなり乱されていましたが、それも2ヶ月で正常に戻り、驚くべきことにラパマイシンを投与しなかったネズミでは生後28週ぐらいから子供が出来なくなるのに対し、ラパマイシンを投与されたネズミでは36週ぐらいまで子供が産まれ続けました。

 また人間の女性で38〜47才にあたる8ヶ月齢のメスねずみにおいて同じ実験をしたところ、同様に長期間子供が出来続ける結果が得られました。

 ラパマイシンは寿命延長効果が報告されています。2016年に報告された研究では3ヶ月間投与するとネズミの寿命を最大60%延ばし、中年期の健康な期間を延ばすと報告されています。同様にラパマイシンが卵巣や生殖機能を若く保ち、より高齢まで子供が出来やすく効果があると考えられます。人間の女性でもより高齢まで生殖能力を維持出来るかもしれません。

ラパマイシン(Rapamyci)は別名「シロリムス(Sirolimus)」とも呼ばれ、臓器移植時の免疫抑止剤、抗癌剤などの用途で人間に既に使われている医師が処方するタイプの薬です。薬局では今のところ売られていません。メカニズムとしては各種老化現象への関わりが報告されているmTOR阻害剤です。


(省略されています。全文を読む

Category:#性・生殖・出産




2016.03.07

学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ

↑BX.COM

 老化とは何でしょうか?最新科学では「老化」が人体が古くなったという単純な現象ではないことを明らかにしています。ある特定の仕組みによって老化が進行しているようなのです。実は、すでに発売済みの薬や開発中の薬の中にはその老化を促進する仕組みをブロックし、結果として老化を抑制する副作用が報告されているものが数多くあります。そういった報告の多くは今のところ動物実験でのみ検証されており、大勢の人間が参加した大規模な「臨床試験」によって人間での効果が証明された薬は未だありません(もし、あったら既に皆飛びつきますよね?)。

今回、Nature Medicineという医学界で最も有名な学術雑誌がそのような薬のまとめ記事を掲載しています。

以下が記事中で取り上げられていた薬を表にしたものです。

薬の名前ターゲット(薬が作用する体内の分子)現在、何の用途に使われている薬か知られているリスク
ラパマイシン(Rapamycin)mTORC1mTORC2抗ガン剤、メタボ薬、心臓病薬免疫抑制、インスリン抵抗性、白内障
メトホルミン(Metformin)ミトコンドリアのAMPKmTOR糖尿病薬不明
レスベラトロール(Resveratrol)SIRT(サーチュイン)やAMPK肥満予防不明
Anti-CGRPCGRPやCGRPレセプター偏頭痛、メタボ薬、抗炎症薬痛覚の鈍化、低体温
食事中のメチオニンを制限メタボ対策脂肪肝、体重減少、鬱
Lilly社のLY2405319、Amgen社のペプチド薬IISFGF-21klothoPAPP-Aを減らすメタボ対策骨密度減少、高血糖、インスリン抵抗性

ラパマイシンメトホルミンレスベラトロールFGF-21に関してはこのサイトでも以前に紹介しています。下記は以前紹介した記事へのリンクです。

 大きなキーワードとしては「炎症」「代謝」でしょうか。

 人体は加齢に伴い「弱い炎症」が持続的に発生するようになり、この炎症が老化を促進する要因になっていると考えられています。たとえば鎮痛剤であるアスピリン(バファリン)や、nordihydroguaiaretic acid (NDGA; also called masoprocol)を投与することで平均寿命が8〜12%延びることが動物実験で報告されています。

 さらに、炎症により作られ、結果、加齢とともに血中に増えていくCGRP(Ccalcitonin gene-related peptide)という物質を減らすだけで寿命延長効果があることが報告されています。具体的には、この物質を持たないように遺伝子改変された動物は長寿になります。他にも、CGRPの受容体をブロックする低分子薬や抗体を投与し不老長寿的な効果を示させる研究が報告されています。

 また「カロリー制限」を行うことで多くの動物で寿命が延長することが報告されています。当初は、カロリー制限により無駄なエネルギー消費が低下しDNAを損傷する活性酸素の発生が抑えられる効果が寿命延長につながると考えられていましたが、近年これだけではなく、どうやら「低カロリー」時に細胞内で発生するシグナル自体に寿命延長効果があることが分かってきました。そして、代謝に作用する薬のいくつかが寿命に影響することが報告されています。たとえば代謝に深く関わる「インスリン」や「IGF-1」に関わる薬です。

 IGF-1が生まれつき少ない遺伝子改変動物は長寿命であることが報告されていますし、IGF-1を分解する働きのあるkotho遺伝子を増やした動物も寿命が延長します。またFGF-21やリリー社が開発中のLY2405319はIGF-1を阻害し寿命延長効果があるかもしれません。

 もっと簡単なメカニズムとしては食事中のメチオニンを減らすことで寿命が延長することが、酵母、線虫、ハエ、ネズミで報告されています。人間においても食事中のメニオニンを減らす作戦の他に、メチオニンが人体に吸収されにくくなる働きの薬が開発出来れば、寿命延長効果が期待出来ます。


(省略されています。全文を読む

Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2015.10.20

イギリス科学誌ネイチャーと日本抗加齢医学会がアンチエイジングに関する専門誌「npj Aging and Mechanisms of Disease」創刊、編集長は慶応大教授
イギリス科学誌ネイチャーと日本抗加齢医学会がアンチエイジングに関する専門誌「npj Aging and Mechanisms of Disease」創刊、編集長は慶応大教授

↑BX.COM

以下に現在掲載されている学術報告のタイトルを引用します。
  • Defining molecular basis for longevity traits in natural yeast isolates(酵母中の長寿遺伝子の分子機構の解明)
  • Aging science comes of age(加齢科学の時代が来た!)
  • Purpose in Life as a psychosocial resource in healthy aging: an examination of cortisol baseline levels and response to the Trier Social Stress Test(健康に老化するための心理社会的よりどころとしての人生の目的:コルチゾールレベルとストレステスト)
  • Markers of T-cell senescence and physical frailty: insights from Singapore Longitudinal Ageing Studies(シンガポールの老化研究から見いだされた免疫細胞の老化と身体的脆弱性に関して)
  • Late-onset dementia: a mosaic of prototypical pathologies modifiable by diet and lifestyle(食事とライフスタイルによる後期認知症の症状改善)
  • The mammalian target of rapamycin at the crossroad between cognitive aging and Alzheimer’s disease(認知力の老化とアルツハイマー病に関するラパマイシン投与による作用)

(省略されています。全文を読む

Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2013.07.01

ラパマイシンの寿命延長効果は心臓機能の改善のおかげか?
ラパマイシンの寿命延長効果は心臓機能の改善のおかげか?

↑BX.COM

 ラパマイシン(rapamycin)はmTORsシグナルを阻害する免疫抑制剤として既に医薬品として売られている薬ですが、面白いことに様々な哺乳類の寿命を延ばす効果が報告されています。しかしながらなぜラパマイシンが寿命を延ばす効果があるのかメカニズムは分かっていませんでした。

 今回、アメリカ・カリフォルニアのBuck研究所の Simon Melov博士らはラパマイシンが心臓の機能を著しく改善する効果があることを発見し報告しています。

 研究者らは人間でいうと70-75歳の老齢にあたる実験用ネズミ(生後24ヶ月)にラパマイシンを3ヶ月間投与し、様々な方法で心臓の機能を調べました。すると心臓の血管に「若返り」と呼べるほどの劇的な効果が見られ、血液を送り出す心臓のポンプ機能が大幅に改善していました。

 また、心臓のポンプ機能の改善に伴うと見られる効果として、老齢になり動きの鈍くなった実験用マウスがラパマイシンを投与することで活発に運動するようになり(回転する運動装置の中での滞在時間が増加した)、また、心臓組織を遺伝子解析したところカルシウム制御やミトコンドリアの機能に影響し、組織の炎症を抑え筋肉の肥大を抑制する効果を示していました。

 これらの結果はラパマイシンが老化した心臓の機能を若返らせる機能を有していることを示しています。研究者らは、現在この効果を人間で確かめることを目的に、心臓動脈の病気を患う患者を集め、少量のラパマイシンで治療する試験を計画しています。

※ラパマイシンは強い免疫抑制作用がある薬であり、医師の指導無しに勝手に若返りを目的として服用することは危険です。
mTOR(Mammalian Target of Rapamycin)・・・・・グルコースやアミノ酸などの栄養士、成長因子、各種ホルモンで活性化される経路


(省略されています。全文を読む

Category:心臓・人工心臓




2009.07.24

ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる
[[ラパマイシン]](Rapamycin)でマウスの寿命が延びる

↑BX.COM

アメリカJackson LaboratoryとUniv, Texas Jealth Science Centerの研究者がNatureに発表。

ヒトに換算すると60歳ぐらいのマウスにラパマイシン入りのエサを与えることで、寿命が9〜14%延長したそうです。
ただし通常のラパマイシンは経口投与では吸収されにくいため吸収性を上げる工夫をしているようです。

これまでの研究で、酵母や線虫、ハエでラパマイシンのターゲットとなる経路を阻害することで、遺伝的、薬物的に寿命を延ばすことが出来ることは報告されていました。
寿命が延びる原因としては、癌の抑制と老化の抑制の両方が考えられるとのこと。

Category:#アンチエイジング・老化抑制技術