人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術
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2017.03.06

人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術

 臓器を凍結保存することが出来れば臓器移植に大きな可能性が開けますし、人体凍結保存が可能になれば、一種の未来へのタイムマシンとして使うことが出来ます。今回、アメリカ・ミネソタ大学の研究者がこの生体組織の凍結保存に関する新しい方法を報告しています。

 生体組織は超低温で保存することにより活動を完全に停止させることは可能ですが、通常の状態で凍結すると水の結晶が出来て生体組織を破壊してしまいます。これを回避するために超低温でも凍らない「不凍液」や、水の結晶が出来ないように凍結させる「ガラス化」という技術が開発されています。この技術により生体組織を破壊せずに凍結は一瞬で出来るようになりましたが、まだ元の温度に素早く戻す技術には課題がありました。

 今回、研究者らはmsIONPと呼ばれる磁性ナノ粒子を開発しています。これは大きさ10nmの酸化鉄を不活性のシリカが覆い、表面をPEGやTMSでコートしてある直径50nm程度のナノ粒子です。このサイズのナノ粒子はあらゆる生体組織を通過することが出来ますが、これを凍結容器に混ぜることで、凍結させた溶液に、電子レンジのようにマイクロ波を当てた場合に、溶液全体を速やかに均一に加熱出来るとのことです。

 この技術により従来は1mL程度の溶液して凍結保存出来なかったのが、80mL程度まで保存出来るようになるとのことです。実験ではブタの血管の保存をデモンストレーションしています。

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コメント

いいっすね!=9
001 [03.08 06:48]。。。:ハインラインの夏への扉ですな! (3)

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