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抗生物質



----------このキーワードを使っている記事----------
2024.06.06:50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ
2020.10.13:現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)
2019.07.17:人工子宮の概念が示されて50年、ついに完全子宮外胎児生命維持システム(TEFLS)完成
2019.04.18:米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験
2017.03.01:DNAをズタズタに砕く「CRISPR/Cas3」を抗生物質が効かない細菌退治に使う試み
2015.11.25:抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる
2013.07.09:自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
2012.12.14:医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
2009.08.27:カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)

2024.06.06

50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ
50万人を40年追跡調査した研究から服用していると長生きする市販薬が4つ発見される。1つはバイアグラ

↑BX.COM

これまでにもメトホルミンSGLT2阻害剤ラパマイシンなどの薬が寿命を延ばす効果があることが報告されています。今回、スイスの研究者がUKのバイオバンクのデータを用い50万人以上の患者を40年以上にわたり追跡調査を行い406種類の処方薬の服用経験と死亡率の相関関係を調査しました。


出典:Association between prescription drugs and all-cause mortality risk in the UK population
予想していた通り、多くの薬は生存率を低下させる方向に働いている結果が得られました。これは薬が身体に悪影響を及ぼしていると考えるほかに、薬は病気を治療するために飲んでいるわけで、薬の服用は何かの身体の異常が存在することを示しているためこのような結果になっているとも言えます。

そして面白いことに、統計上は一部の薬の服用者は死亡率が低いとの結果が出ています。もっとも死亡率を低下させているように見える薬4つは、高コレステロール治療薬として使われるatorvastatin、バイアグラの成分sildenafil、鎮痛薬naproxen ホルモン補充薬estradiolでした、次点でその他のエストラジオール補充薬や、外耳炎治療薬otomize、テトラサイクリン系抗生物質Lymecyclineが死亡率を平均的な人よりも下げているように見えることが分かりました。

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Category:統計(寿命・その他)




2020.10.13

現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)
現在知られている9種類のセノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)

↑BX.COM

Wikipediaに老化細胞除去薬(Senolytics)のエントリーがありました。

だんだん全体像が見えてきました。通常細胞は役に立たなくなるとアポトーシス(自殺)するメカニズムがありますが、そのメカニズムにストップがかかり自殺せずに生きながらえているのが老化細胞であり、それを解除するのが老化細胞除去薬のメカニズムのようです。癌細胞も同様にDNA変異が起きて生じるはずのアポトーシスを回避している細胞なこともあり抗がん剤が多く登場しているのが面白いです。
(1)FOXO4関連ペプチド。未承認、ペプチド、注射投与必要
(3)USP7(ユビキチン特異的タンパク分解酵素7)阻害剤、未承認薬物
(4)ダサチニブ(srcチロシンキナーゼ阻害剤)抗がん剤とケルセチン(bck-2ファミリー阻害剤)玉ねぎ成分
(5)フィセチン(bcl-2阻害剤)イチゴ成分
(6)ナビトクラックス(navitoclax)(Bcl-2阻害剤)抗がん剤
(7)Piperlongumine(ROS阻害剤)ロングペッパー成分
(8)アジスロマイシン(Azithromycin)とロキシスロマイシン(Roxithromycin)マクロライド系抗生物質
(9)SSK1 (senescence-specific killing compound 1)(老化細胞で活性でのみ活性化する抗がん剤ゲムシタビンプロドラック)未承認薬物
健康な身で抗がん剤や抗生物質を飲むのは少しためらわれるのですがロングペッパー成分の(7)が気になります。
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Category:#Senolytics #老化細胞除去薬




2019.07.17

人工子宮の概念が示されて50年、ついに完全子宮外胎児生命維持システム(TEFLS)完成
人工子宮の概念が示されて50年、ついに完全子宮外胎児生命維持システム(TEFLS)完成

↑BX.COM


図:An extra-uterine system to physiologically support the extreme premature lamb. Nat Commun. 2017 Apr 25;8:15112. doi: 10.1038/ncomms15112
フィラデルフィア子供病院の研究者による研究です。写真の通り超未熟児のヒツジを長期間(研究では人間の胎児よりも大きいヒツジの胎児を1か月間)埋没した液体の中で、まるで人工子宮のように生命維持し、元気に誕生させています。肺がまだ成熟しておらず自ら呼吸出来ない超未熟児の治療に革命を起こすことが期待されます。SF作品で出てくる「治療カプセル」みたいな応用は出来ないんでしょうかね?

研究はNature Communicationsで発表されており、また、この研究は全世界で特許出願されています(WO2014/145494)。日本での該当出願は特表2016-513571。発明の名称は「体外生命維持装置およびその使用方法」(元特許名称:Extracorporeal life support system and methods of use thereof)。

 最初に人工胎盤や人工子宮の概念が発表されたのは50年以上も前だそうですが、様々な技術的制約から実現していませんでした。論文や特許から今回の研究がこれまでの試みと何が違うのかを読み解くと
  • 胎児の体外に循環させている血液の循環に外部ポンプを使用せず胎児の心臓の力のみで循環させる(ポンプの脈流があると心臓への負担が大きいとのこと)
  • 胎児心臓のみで駆動する必要があるため酸素を取り込むプロセスの圧損が小さく40mmHg(1.5L/分時)である(酸素を取り込む装置は小児用の病院の装置(Quadrox-iD)を使用しているようです。)
  • QUADROX-i Adult and Small Adult
  • 胎児が無菌液を含む培養室に液没されて無菌的に飼育される。(無菌溶液は外部から濾過システムを経由して送り込まれる)
  • 体温を維持するために加温されている
  • 栄養補給されながら飼育されること(完全栄養を血液を通じて供給(3.5g/kgのアミノ酸、5〜10%ブドウ糖、3g/kgの脂質)
  • プライミング液量(胎児から対外に持ち出される血液容積は81mL)である。この分は胎児の血液または母体の血液を使用して補充、また定期的に母体血を追加し胎児の血液を維持。
  • 胎児が暴れる時は鎮静剤を投与
また血液を対外に人工のチューブを用いて取り出すカニューレでの血液の凝固を防ぐためにヘパリン、プロスタグランジンE1など、また細菌の増殖を防ぐために抗生物質が添加されています。今回はヒツジの子供での実験ですが、人間の子供の場合はこの3分の1サイズでOKとのことです。

特許にはこのシステムで飼育されて健康に生まれたヒツジの写真が掲載されています。

写真:Extracorporeal life support system and methods of use thereof(WO2014/145494)
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Category:#性・生殖・出産




2019.04.18

米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験

↑BX.COM

この研究を実施したのは米イェール大学の研究者ら、中二病的とは言われそうな研究を世界最高の頭脳集団が最先端技術を使ってやっちゃった感じです。いくつか報告中から図を紹介します。

出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
研究者らが「Brain Ex」というシステムの概念図です。どうやら実際の生体内と同じように脈動(心臓の拍動による血流の波)も再現して、血液を循環させ、温度や酸素濃度をコントロールする装置のようです。この装置に摘出したブタの脳全体の血管をつなげた研究です。


出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
これは使っている血液成分組成。リストのトップに「Hemopure」の文字が見えます。これは古くから開発されているウシのヘモグロビンを使って作られた人工赤血球(酸素運搬体)。人間への使用は一時的に許可されたけど何か問題があって取り下げられた人工血液成分だったと思います。他は細胞保護成分が多種類とカビないよな抗生物質です。

新しい技術というよりは既存の要素技術を組み合わせて最先端の方法で死んだ脳の復活を試みて、最先端の方法で脳の活動を分析したという研究のようです。

報告ではこのような装置を使い人工血液を適切な方法で循環させることで脳の各細胞レベル、組織構造レベルではそれなりに正常に回復しているように見えると報告しています。ただし倫理的にヤバいと思っているようで、GIGAZINEの記事に書いてありますが、「意識の回復」の兆候が見られた時に、麻酔や温度低下で即脳活動を停止させる準備をして実験したそうですw。

資金の出どころはカブリ(The Kavli Foundation)みたい


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Category:生命維持システム




2017.03.01

DNAをズタズタに砕く「CRISPR/Cas3」を抗生物質が効かない細菌退治に使う試み
DNAをズタズタに砕く「CRISPR/Cas3」を抗生物質が効かない細菌退治に使う試み

↑BX.COM


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Category:遺伝子・バイオインフォマティクス




2015.11.25

抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる
抗生物質を1回投与されただけで1年間にわたり継続して腸内細菌の多様性が低下しうる

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 腸内細菌の多様性低下が様々な病気の発症に関わっている可能性が報告されています。これは腸内細菌の作り出す各種物質が腸から吸収されて体内のあちこちで役立っているからです。抗生物質を投与されると、健康維持に重要な各種物質を作り出す細菌が死滅し、いわゆる「悪玉菌」のみが生き残る傾向があるようです。

 今回、研究者らは74人のボランティアにプラセボ対照二重盲目テスト(試験が終了するまで、誰が本物の抗生物質を飲んだか分からない状態で行い、思いこみによる効果を排除する試験方法)で実験を行いました。

 試験の結果、抗生物質を1回だけ服用しただけであっても腸内細菌の多様性が失われ1年後でも回復しない場合があることが分かりました。詳しくはclindamycinという抗生物質の場合は4ヶ月間多様性低下が続き、 ciprofloxacinという抗生物質の場合は多様性低下が1年間持続していました。

 子供が熱を出し病院に行くたびに抗生物質を処方されるのでちょっと心配です。

 抗生物質自体の抗菌効果は続いても数日のはずです。ので、一度失われた腸内細菌の多様性を回復されることはなかなか難しいことは明らかなようですが、腸内細菌の多様性を素早く回復させる方法は無いものでしょうか。


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Category:#腸内細菌 #う〇こ移植治療




2013.07.09

自閉症発症と腸内細菌の状態の密接な関係
[[自閉症]]発症と[[腸内細菌]]の状態の密接な関係

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 世界中で自閉症患者が増加傾向にありパンデミック状態と言えます。現在では児童の50人に一人が自閉症であると言われていますが、いったい何が増加の原因なのでしょうか。

 自閉症には遺伝的な要因もあり、自閉症を発症しやすい家系も存在しますが、近年の研究で自閉症腸内細菌の密接な関係が明らかになっています。昔から自閉症患者の大部分が胃腸障害を併発するため、関係が疑われていましたが、近年の高速遺伝子解析技術により腸内細菌の種類の詳細な解析が可能となり研究が進みつつあります。

 それらの研究によると、病原性微生物が腸内に住み着くことが自閉症発症の原因の一つであると考えられています。これらの微生物は腸内で有害物質を作り出し、この物質は吸収され全身の臓器にダメージを与えます。特に脳が重篤なダメージを受け、自閉症の原因となります。

 ラットを使った実験では病原性微生物Clostridiumを投与することで自閉症症状が悪化することが報告されています。

 また人間においても、生後3年以内に大量の抗生物質(微生物を殺す薬)を投与されたことのある児童では自閉症の発症割合が高いことが報告されています。抗生物質は腸内の菌を無差別に殺すため、腸内環境が不安定化し病原性の微生物が住み着きやすくなると考えられています。

 またアメリカ・アリゾナ州立大学のRosa Krajmalnik-Brownらが自閉症児童20人と健康な児童20人の腸内細菌を比較したところ、自閉症児童では無害な微生物も含めて腸内の微生物の種類が少ないことを報告しています。この事も自閉症発症に関係があるかもしれません。また、このように腸内細菌の種類を調べることで自閉症発症のリスクをチェックすることが出来るかもしれないと研究者らは考えています。


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Category:#腸内細菌 #う〇こ移植治療




2012.12.14

医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果

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 医学分野の最も有名な学術雑誌Nature Medicineが2012年に発表された重要な研究成果として8つの研究フィールドに分けて紹介しています。

★神経科学
 自閉症の原因遺伝子についての発見があった。自閉症患者の遺伝子を1000人分調べ共通点を探したところ、変異すると自閉症になりうる共通変異が100以上見つかった。自閉症は父親の年齢が高いほど確率が高いが、高齢の男性の精子が遺伝子変異を起こしやすいことと関係していると思われる。

★ガンのメカニズムに関して
 ガン細胞がどのように体内で増えていくのかに関して様々な知見が得られた。例えばガン細胞はエキソソームを放出して転移に適した環境を作り出すし、血管細胞免疫細胞を制御して自身が生存しやすくしている。ガン細胞は転移出来る場所に落ち着くとBMP阻害因子であるCocoタンパクを産生するようだ。これらはいずれも新たなガン治療薬開発の可能性となる。

 また、ガンの増殖に関して、周囲の正常部分の関与も報告された、抗ガン剤はガン細胞だけでなく周囲の正常細胞も傷つけるがそれらの正常細胞が元に戻ろうとする過程でガン細胞を増殖させる物質を出してしまっているようである。

  • Melanoma exosomes educate bone marrow progenitor cells toward a pro-metastatic phenotype through MET.Nat Med. 2012 Jun;18(6):883-91. PMID:22635005
  • The BMP inhibitor Coco reactivates breast cancer cells at lung metastatic sites.Cell. 2012 Aug 17;150(4):764-79.PMID:22901808
  • A CXCL1 paracrine network links cancer chemoresistance and metastasis.Cell. 2012 Jul 6;150(1):165-78. PMID:22770218
  • Tumour micro-environment elicits innate resistance to RAF inhibitors through HGF secretion.Nature. 2012 Jul 26;487(7408):500-4.PMID:22763439
  • Treatment-induced damage to the tumor microenvironment promotes prostate cancer therapy resistance through WNT16B.Nat Med. 2012 Sep;18(9):1359-68.PMID:22863786
★老化現象
 以前報告された内容と異なり、カロリー制限を長期間行ってもサルの寿命が延びなかったとする結果が報告された。

 赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」がカロリー制限と同じ働きをするメカニズムが報告された。レスベラトロールと同様にrolipramという物質が同様の効果を持つことが報告された。


★メタボリックシンドローム
 これまでの研究では、脂肪をため込む「白色脂肪細胞」、エネルギーを燃やす「褐色脂肪細胞」に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」という概念が報告された。このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞と似ているがUCP1を発現しており褐色脂肪細胞のように効率的にエネルギーを燃やすことが出来ます。新しく見つかったホルモンirisinが白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させることが報告され、新しい肥満治療薬の開発につながるかもしれない。

 冷たい外気に触れた時にも白色細胞が変化してベージュ脂肪細胞になりうることが報告された。またサーチュイン1タンパクがベージュ脂肪細胞への変化を誘導しうることも報告された。BMP 8bというタンパクが脂肪燃焼を誘導することが報告された。

  • A PGC1-α-dependent myokine that drives brown-fat-like development of white fat and thermogenesis.Nature. 2012 Jan 11;481(7382):463-8.PMID:22237023
★ガンの免疫治療
 ガン細胞はなぜか体内の免疫により攻撃されない。最近、T細胞にPD-1(programmed cell death protein 1)というレセプターが発現していることが報告された。PD-L1などのリガンドが結合することでT細胞は攻撃するT細胞(エフェクターT細胞)としての機能が低下し、攻撃しないT細胞(制御性T細胞)としての機能が活性化する。ガン患者の一定数にはPD-L1が血液中に見られるが、PD-1に対する抗体を投与する臨床試験でガンの増殖を抑制する効果が見られた。

  • Safety, activity, and immune correlates of anti-PD-1 antibody in cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2443-54.PMID:22658127
  • Safety and activity of anti-PD-L1 antibody in patients with advanced cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2455-65.PMID:22658128
★ウイルス学
 これまで様々なHIVワクチンが開発が試されたが、あまりうまくいっていない、今年新型のHIVワクチンの可能性が示された。HIVウイルスが免疫細胞(T細胞)に結合する時に使われるEnvタンパクをターゲットにしたワクチン療法である。

  • Immune-correlates analysis of an HIV-1 vaccine efficacy trial.N Engl J Med. 2012 Apr 5;366(14):1275-86.PMID:22475592
  • Increased HIV-1 vaccine efficacy against viruses with genetic signatures in Env V2.Nature. 2012 Oct 18;490(7420):417-20. PMID:22960785
★胃腸
 腸内の細菌環境が壊れることで大腸炎が起こりうることが報告された。こういった腸内環境の乱れは肝臓の病気や肥満、大腸ガンにつながる。研究者らは高脂肪食をマウスに食べさせると胆汁に変化が起こりグラム陰性菌が増え、大腸炎を起こしうることを報告した。また同様の細菌変化は栄養失調やタンパク質の少ない食事でも起こりうることが報告された。

 幼児期に抗生物質に触れると免疫機能の確立が損なわれアレルギーになる可能性が増すことが報告された。

  • Commensal bacteria-derived signals regulate basophil hematopoiesis and allergic inflammation.Nat Med. 2012 Mar 25;18(4):538-46.PMID:22447074
  • Microbial exposure during early life has persistent effects on natural killer T cell function.Science. 2012 Apr 27;336(6080):489-93.PMID:22442383
  • ACE2 links amino acid malnutrition to microbial ecology and intestinal inflammation.Nature. 2012 Jul 25;487(7408):477-81. PMID:22837003
  • Dietary-fat-induced taurocholic acid promotes pathobiont expansion and colitis in Il10-/- mice.Nature. 2012 Jul 5;487(7405):104-8.PMID:22722865
★生殖医療
 精子と異なり卵子は生まれてきた後は増えないと考えられてきたが、少し前にマウスの卵巣ではちょっとだけ新たな卵子を作り出しうる細胞が存在していることが報告されていた。今年、人間の女性の卵巣にも新しい卵子を生み出しうる卵子幹細胞が含まれていることが報告された。これは生殖医療のあり方を変える可能性がある。現在、その細胞の取り出し精製方法が研究されている。

  • Oocyte formation by mitotically active germ cells purified from ovaries of reproductive-age women.Nat Med. 2012 Feb 26;18(3):413-21. PMID:22366948

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Category:#エイジング関連まとめ




2009.08.27

カナダのオンタリオ州。住民全員のインフルエンザワクチン無料接種実施で抗生物質の使用量が減少(medpage TODAY)
カナダのオンタリオ州。住民全員の[[インフルエンザ]]ワクチン無料接種実施で[[抗生物質]]の使用量が減少(medpage TODAY)

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カナダのオンタリオ州では、2000年より住民全員へのインフルエンザワクチン無料接種を開始した。その結果、無料化開始の2000年以降、インフルエンザ関連での抗生物質の使用回数が住民1000人あたり17.9回から6.4回と64%減少した。さらに緊急医療サービスを患者が受診する回数も減少した。

抗生物質の過度の使用は薬剤耐性ウイルス発生の原因となることが知られており、これらの報告はインフルエンザワクチンの接種率を上げることで抗生物質の使用回数を減らせることを意味している。

オンタリオ州では無料化に伴い、病院に加えて、学校やショッピングモールでも接種が受けられる。無料化に伴い摂取率は18%から38%まで上昇したそうだ。

発表者:カナダ、トロント大学のJeffery C. Kwong et al

Category:#感染症 #新型コロナ