米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験
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2019.04.18

米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験

この研究を実施したのは米イェール大学の研究者ら、中二病的とは言われそうな研究を世界最高の頭脳集団が最先端技術を使ってやっちゃった感じです。いくつか報告中から図を紹介します。

出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
研究者らが「Brain Ex」というシステムの概念図です。どうやら実際の生体内と同じように脈動(心臓の拍動による血流の波)も再現して、血液を循環させ、温度や酸素濃度をコントロールする装置のようです。この装置に摘出したブタの脳全体の血管をつなげた研究です。


出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
これは使っている血液成分組成。リストのトップに「Hemopure」の文字が見えます。これは古くから開発されているウシのヘモグロビンを使って作られた人工赤血球(酸素運搬体)。人間への使用は一時的に許可されたけど何か問題があって取り下げられた人工血液成分だったと思います。他は細胞保護成分が多種類とカビないよな抗生物質です。

新しい技術というよりは既存の要素技術を組み合わせて最先端の方法で死んだ脳の復活を試みて、最先端の方法で脳の活動を分析したという研究のようです。

報告ではこのような装置を使い人工血液を適切な方法で循環させることで脳の各細胞レベル、組織構造レベルではそれなりに正常に回復しているように見えると報告しています。ただし倫理的にヤバいと思っているようで、GIGAZINEの記事に書いてありますが、「意識の回復」の兆候が見られた時に、麻酔や温度低下で即脳活動を停止させる準備をして実験したそうですw。

資金の出どころはカブリ(The Kavli Foundation)みたい

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