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オキシトシン



----------このキーワードを使っている記事----------
2019.12.06:ピルを飲んでいる女性は脳の視床下部が小さい傾向
2017.09.28:偏頭痛患者が光を嫌がるのは当然だった。視神経は感情を司る部位に直接つながり感情を左右しうる。
2013.11.29:「オキシトシン鼻スプレー」は連れがいる男性が他の女性と近付くのを防ぐ
2013.08.01:幸せホルモン「オキシトシン」は嫌な記憶を強める2面性を持っている。「幸せ過ぎて不安なの〜」は正常な反応

2019.12.06

ピルを飲んでいる女性は脳の視床下部が小さい傾向
ピルを飲んでいる女性は脳の視床下部が小さい傾向

↑BTW

50人の健康な女性をMRIで調査。うち21名が経口避妊薬(ピル)を服用。結果、視床下部の大きさがピルを飲んでいる女性で有意に小さかったそうです。研究ではピル服用により視床下部の大きさに変化が生じたとの論調で語られていますが、因果が逆の可能性は無いのだろうか?

また、視床下部の大きさと認知能力テストの結果に相関関係は見られませんでしたが、激しい怒り(greater anger)と「うつ病」傾向との相関関係が見られたそうです。

視床下部は脳の0.3%、4グラム程度ですが、幸せホルモンとして知られる「オキシトシン」を分泌したりしている部位です。

この発表は2019年12月5日のRSNAという学会(Radiological society of North America)でMichael L. Lipton, MD, PhD bronx, NYらにより「Oral Contraceptive Use Is Associated with Smaller Hypothalamic Volumes in Healthy Women」というタイトルで発表されてます。

日本の新聞社は海外のサイエンスニュースをまったく流さなくなりましたねぇ。。。。俺の人生、今のところピルを飲んでいる女性とのご縁は無いなぁ

Category:性・生殖




2017.09.28

偏頭痛患者が光を嫌がるのは当然だった。視神経は感情を司る部位に直接つながり感情を左右しうる。
偏頭痛患者が光を嫌がるのは当然だった。視神経は感情を司る部位に直接つながり感情を左右しうる。

↑BTW

 偏頭痛患者(Migraineurs)は光を嫌がりますが、これは気分的な問題では無いようです。今回、研究者はラットを用いた研究で、目の網膜ガングリオン細胞の軸索が視床下部神経に伸び収束していることを発見しました。この部位は交感神経と副交感神経の制御に繋がる、各種ホルモン(ドーパミン、ヒスタミン、オレキシン、メラトニン関連ホルモン、オキシトシン、パソプレシンを制御しています)。

 光により直接これらのホルモン制御が起こり、偏頭痛を感じている間の負の感情を増大させていると考えられます。

 通常、人間は光を浴びるとポジティブな気持ちになるものですが、こういった仕組みも「精神的なもの」というよりは目から伸びる神経経路によりかなり直接的な作用だと言えます。

Category:#精神活動 #高次脳機能




2013.11.29

「オキシトシン鼻スプレー」は連れがいる男性が他の女性と近付くのを防ぐ
「[[オキシトシン]]鼻スプレー」は連れがいる男性が他の女性と近付くのを防ぐ

↑BTW

 人間を含めいくつかの動物はオスとメスが1対のペア(一夫一婦制)を作る習性があります(一部、人間でも例外的な文化もありますが)。我々が一夫一婦制を維持するのは「倫理感」からと考えているかもしれませんが、倫理感など関係無い人間以外の動物で、どうして一夫一婦制の習性がある動物種と、無い動物種がいるのかはよく分かっていません。

 今回、ドイツのボン大学の研究者Dirk Scheeleらは別名「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」というホルモンが一夫一婦制の維持に関与していることを報告しています。異性とペアを作ることにより男性の脳内で分泌されるオキシトシンは他の女性に近づくのを妨げているようなのです。

(省略されています。全文を読む

Category:性・生殖




2013.08.01

幸せホルモン「オキシトシン」は嫌な記憶を強める2面性を持っている。「幸せ過ぎて不安なの〜」は正常な反応
幸せホルモン「オキシトシン」は嫌な記憶を強める2面性を持っている。「幸せ過ぎて不安なの〜」は正常な反応

↑BTW

fear オキシトシンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、親しい人とのスキンシップや性的快感、他人に親切をした場合など肉体的・精神的に満たされた時に脳で分泌されるホルモンです。

 分泌されたホルモンは気分を安定させ疲労感を緩和させたり、人に対する信頼感を上昇させることが報告されています。ネズミではこのホルモンが一夫一婦制を維持するために重要な役割を果たしているそうです。

 このように「オキシトシン」は幸せを増やすホルモンとこれまでは単純に考えられてきましたが、最近の研究でこのホルモンが全く逆の働きを示すことが次々報告されています。

 文献1や文献2では雇った70人以上の男性ボランティアにオキシトシンを投与した結果、オキシトシンを投与することにより不安が増強され、嫌な思い出を思い出しやすくなったり、嫌な刺激に強い反応を示すことが報告されています。

 また、文献3ではアメリカのノースウェスタン大学の研究者Radulovic J.らがネズミを使った実験を報告しています。実験では3種類のマウスを使っています。

グループ1オキシトシンが働かない遺伝子改変ネズミ
グループ2オキシトシンが通常より多い遺伝子改変ネズミ
グループ3普通のネズミ

 それぞれのグループのネズミは凶暴なネズミと同じ飼育ケージに入れられ社会的ストレスを与えさせました。その後、いったん別の飼育ケージに離し、6時間後に再び凶暴なマウスと同じケージに入れました。

 すると、第1グループのオキシトシンが作用しないマウスは凶暴なマウスの事を綺麗に忘れており特別な反応は示しませんでしたが、通常よりオキシトシンが多い第2グループのマウスは過剰に怖がることが分かりました。

 このように、オキシトシンは幸せな環境で分泌され幸せを高めてくれるものの、その作用の一つとして嫌な記憶を思い出させ、不安を増強する作用があるようです。よく彼氏とラブラブな女性が「幸せすぎて不安なの〜♪」と言っているらしいですが(直接聞いたことはありませんが)、この反応はオキシトシンの作用に基づいた正常な反応なのかもしれません。

 オキシトシンは体内で脳以外の場所でも働き、有名なところでは、子宮収縮(分娩促進)や、母乳分泌を増やすための医療行為への使用が海外では試みられ、オキシトシン鼻スプレーが海外では売られています。その気になれば個人輸入も可能なようです。


(省略されています。全文を読む

Category:#精神活動 #高次脳機能