↑B
2013.11.29
「オキシトシン鼻スプレー」は連れがいる男性が他の女性と近付くのを防ぐ
人間を含めいくつかの動物はオスとメスが1対のペア(一夫一婦制)を作る習性があります(一部、人間でも例外的な文化もありますが)。我々が一夫一婦制を維持するのは「倫理感」からと考えているかもしれませんが、倫理感など関係無い人間以外の動物で、どうして一夫一婦制の習性がある動物種と、無い動物種がいるのかはよく分かっていません。
今回、ドイツのボン大学の研究者Dirk Scheeleらは別名「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」というホルモンが一夫一婦制の維持に関与していることを報告しています。異性とペアを作ることにより男性の脳内で分泌されるオキシトシンは他の女性に近づくのを妨げているようなのです。
研究者らは既婚・独身合わせて86人の健康な男性ボランティアを雇いました(平均年齢26歳)。そしてこの男性にオキシトシン鼻スプレーまたは、偽のスプレーを投与し、45分後に次のようなテストを行いました。(どちらのスプレーを誰に投与したかはボランティアの男性も研究者も、実験終了後まで分からなくしてあります(プラセボ対照ダブルブラインドテスト))
●実験1/現実の女性
ボランティアの男性と魅力的な女性(ボランティアで採用)を最初2mの距離をあけて立ってもらいます。その後、徐々に近づいてもらい、ボランティアの男性が「近すぎる」と感じる距離を測定しました。
●実験2/女性の写真
コンピューター画面に魅力的な女性の写真を表示し、ボランティア男性がどれぐらいのスピードで画面に近づくかの速度を測定しました。
★結果
面白いことに、偽スプレーを投与された既婚男性は平均55cmの距離で「近すぎる」と感じたのに対し、オキシトシンスプレーを投与された既婚男性は、その距離が広がり平均70cmで「近すぎる」と感じました。
面白いことに独身男性の場合、偽スプレーを投与された場合も、オキシトシンスプレーを投与された場合も「近すぎる」と感じる距離は同じでした。
また同様の結果が写真を用いた実験2でも確認され、オキシトシンを投与された既婚男性は、魅力的な女性の写真に近づくスピードが遅くなっていました。
オキシトシンは「幸せを感じさせるホルモン」として知られていますが、今回の報告は、オキシトシンが異性とペアを作った場合に「幸せ」を感じさせ、かつ、「他の異性と近づくのを妨げ、ペアを維持する」ように働いていることを示しています。
これらの効果が独身男性では起こらなかった点は疑問として残りますが、今回観察された現象はオキシトシンのみで起きているのでは無く、既婚男性の体内にのみ存在する別のホルモンなどとの相乗効果が起こっているのかもしれません。
ちなみにオキシトシン鼻スプレーは「媚薬」などとして市販されており、通販で購入することが出来ます。
旦那さんの浮気が心配な女性の方はこのスプレーを購入して毎日旦那さんにスプレーしてみてはどうでしょうか?ただ、オキシトシンは「幸せ」を感じると脳内で作られるホルモンですので、旦那さんにより幸せを感じさせれば、こんなスプレーを使わなくても同じ効果が得られるはずです。
Category:#性・生殖・出産
Keyword:オキシトシン/5
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