↑B
2014.05.16
運動が老化防止に良い影響をもたらすことは疑いようが無い事実だと思われますが、老化を遅らせ健康に老後を過ごすためには若いうちから運動を行う必要があるのでしょうか?
フランスの研究者Matelot Dらが欧州心臓学会会議でこの問題を調査し報告しています。研究者らは心臓疾患の無い40人の男性ボランティア(年齢55歳〜70歳)を集め、次のような研究を行いました。
まず、聞き取り調査を行いこれまでの運動経験により3グループにボランティアを分けしました。
40人のうち10人は1週間に2時間以上の運動を行う習慣があったことは一度もありませんでした(グループ1)。残りの30人は運動習慣がありました。そのうち16人が30歳以前から運動を始めており平均41年間運動していました(グループ2)、残りの14人は40歳以降に運動を開始し平均で18年間続けていました(グループ3)。主な運動方法はランニングとサイクリングでした。平均運動期間 安静時心拍数 最大酸素取り込み量 左心室サイズ 血管壁 運動経験無し
(10人)0年 69.7bpm 33.0ml/min/kg 小 厚い 30歳以前に運動を開始
(16人)41年間 56.8bpm 47.3ml/min/kg 大 薄い 40歳以降に運動を開始
(14人)18年間 58.1bpm 44.6ml/min/kg 大 薄い
検査を行ったところ、安静時における1分間の心拍数が運動をしたことのある2グループは運動したことの無いグループよりも少ない事が分かりました。これは1回の拍動で多くの血液を送り出せることを示し、ポンプとしての心臓の能力が優れていることを示しています。
また、最大酸素取り込み量も運動したことのあるグループの平均値が高い値を示していました。この数値は酸素消費量をどれぐらい増やすことが出来るかを表し有酸素運動能力(持久力)を示します。
さらに心臓エコー調査では、運動している両グループで左心室が大きく血管も大きい事が分かりました。また運動していないグループの血管壁はその他のグループよりも厚い事が分かりました。これは動脈硬化の徴候を示しています。
このように持久力トレーニングを40歳以降になって始めた人も若い頃からトレーニングを行っていた人と同程度の心臓機能を持っていることが分かりました。
持久力トレーニングは心臓機能の他にも、骨密度や筋肉量、酸化ストレスへの耐性にも影響します。これらもまた老化防止に良い影響を与えることが知られています。
持久力トレーニングを始める時期に遅すぎるということは無いようです。
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