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2014.05.23
ワクチン接種のあと、ほどほどに酒を飲んだ方がワクチンがよく効く
「注射の後は飲酒を控えましょう!」。当然のように考えられてきたこの注意は実は間違いかもしれません。今回、オレゴン健康科学大学の研究者Messaoudi Iらがサルを用いた実験で従来の常識を覆す興味深い結果を報告しています。
研究者は人間と免疫の似ている12匹のカニクイザルを使い、飼育部屋に4%のアルコール飲料を設置し、自由に飲めるようにしました。
カニクイザルは人間と同じように個体によって個性があります。中にはアルコールが好きになり大量に飲むサルもいれば、あまり飲まないサルもいました。研究者は飲酒量を元にサルを2つのグループに分け、アルコールを与えないサルのグループとあわせ3つのグループを作りました。そして全てのサルにスモールポックスウイルスのワクチンを接種し、ワクチンの効き目を比較しました。アルコール無し ほどほどに飲む
(0.02〜0.04%)大量に飲む
(0.08%以上)ワクチンの効き目 ○ ◎ △
大量に飲酒するサルのグループではワクチンの効果が飲まないサルより悪いことが分かりました。これは常識として考えられていた事で納得なのですが、面白いことに、ほどほどにアルコールを飲むサルのグループのワクチンの効果は全く飲酒しないグループよりも高いことが分かりました。
詳しくサルの免疫状態を調べると、大量飲酒したサルではCD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞、IgG(抗体)の反応が減っていましたが、ほどほどの飲酒をしたサルではとくにIgG(抗体)と、CD8陽性T細胞が活性化しており、抗腫瘍サイトカインとCD8陽性T細胞の分化を誘導するmiRNAの発現量が増加していました。
大量に飲むサルの平均血中アルコール濃度は0.08%でしたが、これは人間の飲酒運転の基準と同じアルコール濃度になります。今回報告された研究結果は飲酒運転にひっかからない程度の飲酒はワクチンの効果を高めることを示しています。
Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患
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