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ブタ



----------このキーワードを使っている記事----------
2000.09.07:クローンブタの作成(nature)
2023.10.31:温虚血(冷やさずに血液が供給されない状態)が長引いた後でも細胞の回復をある程度まで促すことができる全身潅流技術「OrganEx」(2022年8月報告)
2023.10.19:寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)
2023.10.13:人間に移植可能なブタまであと少し!米eGenesis社の69遺伝子改変ブタの腎臓を移植されたサルが2年以上生存
2023.04.07:ブタ臓器はどれぐらい移植出来るようになったか
2021.10.21:ブタ臓器の人間への移植にまた1歩。ヒト化ブタ腎臓を脳死患者につないで2日間問題無く動作確認。開発会社の株価爆上げ
2019.11.15:米eGenesis社、ゲノム編集でヒトに近づけたブタ腎臓移植の臨床開発へ109億円調達
2019.07.02:寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
2019.04.18:米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験
2018.01.19:インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック
2017.10.25:文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ
2017.08.22:ブタの臓器で人間を救う時代まであと2年?、移植の障害となっていたブタ内在性ウイルス(PERV)をゲノム編集で除去したブタが作られる
2017.03.06:人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術
2008.10.07:マウスとブタの肝臓を凍結後、移植に用いることに成功(newscieneist)
2007.10.31:ブタのES細胞は免疫抑制剤無しで糖尿病のサルを治療しうる
2005.02.22:ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)
2004.03.03:ハーバード大学、α-GalT遺伝子ノックアウトブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植して80日以上生着させる
2002.08.15:ブタとヤギの精子をマウスで作ることに成功
2002.02.21:クローンネコ作成に成功
2002.01.04:ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた

2000.09.07

クローンブタの作成(nature)
クローン[[ブタ]]の作成(nature)

原文題名:
Cloned pigs produced by nuclear transfer from adult somatic cells.
Nature. 2000 Sep 7;407(6800):86-90.

Category:クローン




2023.10.31

温虚血(冷やさずに血液が供給されない状態)が長引いた後でも細胞の回復をある程度まで促すことができる全身潅流技術「OrganEx」(2022年8月報告)
温虚血(冷やさずに血液が供給されない状態)が長引いた後でも細胞の回復をある程度まで促すことができる全身潅流技術「OrganEx」(2022年8月報告)

↑BTW

研究者らは、以前このBrainExとしてブタの脳に適用した研究を報告してきましたが今回はブタの全身に適用しています。

1時間に温虚血(冷やさずに血液を供給しない状態)で放置し、その後にOrganExを適用し、複数の重要臓器で組織の崩壊や細胞死の減少が確認されたそうです。

特殊な血液を模倣した溶液を使うのがポイントみたい。人工赤血球Hemopureなどが含まれているようです。

Category:未分類




2023.10.19

寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)
寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)

↑BTW

同様のタイトルで2019年に書いてますが、大きく着眼点が変わってますね。2019年にピックアップした12項目はそのままに進捗や状況についてコメントしています。


(省略されています。全文を読む

Category:#エイジング関連まとめ




2023.10.13

人間に移植可能なブタまであと少し!米eGenesis社の69遺伝子改変ブタの腎臓を移植されたサルが2年以上生存
人間に移植可能なブタまであと少し!米eGenesis社の69遺伝子改変ブタの腎臓を移植されたサルが2年以上生存

↑BTW

69遺伝子の改変により、3つのブタ特有の糖鎖遺伝子を潰して、拒絶を抑えるために7つのヒト遺伝子を導入、そしてブタ固有の内在性ウイルスを削除する改変を行っています。

このブタ腎臓を移植されたサル15匹のうち3匹は758日まで生存しました(758日目に安楽死させて分析を行ったみたい)。

eGenesis社のWebページを見ると移植用の腎臓の前にブタ肝臓を使った体外循環による治療の臨床試験を計画しているようです。

今年の4月に公開されたレビュー記事でブタ腎臓移植の最高記録が499日と書かれていましたので、記録更新ですね。
eGenesis社に関してはこれまで何度も紹介しています。
2017年にブタの内在レトロウイルスを除去するブタが開発

2019年に109億円調達
着実に研究が進んでいる感じに見えます。
移植用のブタ開発に関してはUnited Therapeutics社の子会社のRevivicor社も紹介してますね。
今見ると株価が着実に伸びていますね。こんな医療ベンチャーもあるんだ笑
(省略されています。全文を読む

Category:#臓器移植




2023.04.07

ブタ臓器はどれぐらい移植出来るようになったか
ブタ臓器はどれぐらい移植出来るようになったか

↑BTW

ブタ→サルの異種移植の生着期間(日数)の記録

腎臓が499日、心臓が195日、肝臓が29日、肺が14日ってのが移植した臓器が生きた最長記録らしい。

まだまだですかね。


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Category:#臓器移植




2021.10.21

ブタ臓器の人間への移植にまた1歩。ヒト化ブタ腎臓を脳死患者につないで2日間問題無く動作確認。開発会社の株価爆上げ
ブタ臓器の人間への移植にまた1歩。ヒト化ブタ腎臓を脳死患者につないで2日間問題無く動作確認。開発会社の株価爆上げ

↑BTW

実施したのは米国の医師Dr. Robert Montgomery。ブタ腎臓はUnited Therapeutics社の子会社のRevivicor社が制作した腎臓

この会社のブタは拒絶反応を起こすブタ固有の細胞表面の糖鎖を除去した感じ?United Theraputics社のページを見ると腎臓(Unikidney)、心臓(Uniheart)、肺(Unilung、U-lung)ってのもあるね。

ふおーーー、株価めっちゃ上がっている。1株ぐらい買っておくか!
この糖鎖除去ブタの研究は20年前にすでに紹介してますね。研究開発は時間がかかるなぁ
遺伝子改変ブタに関しては拒絶反応抑制の他にブタ特有の内在性ウイルス(PERV、ゲノムに隠れているウイルス)を除去したブタをeGenesis社が作っているのを以前紹介しました。

(省略されています。全文を読む

Category:#臓器移植




2019.11.15

米eGenesis社、ゲノム編集でヒトに近づけたブタ腎臓移植の臨床開発へ109億円調達
米eGenesis社、ゲノム編集でヒトに近づけたブタ腎臓移植の臨床開発へ109億円調達

↑BTW

2017年の40億円の第1回目の資金調達に続く2回目の資金調達(シリーズB)に成功。2017年に人間への移植時に問題となるブタのウイルスを除去したブタを作成しScienceで発表してます。


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Category:#臓器移植




2019.07.02

寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)

↑BTW

個人的な思考の整理のためにリストアップしてみました。
(1)アンチエイジングに焦点を絞った金のある米国スタートアップ企業に注目
Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身 /Amrit不老不死ラボ
不老長寿技術を開発するベンチャーにのみに投資するファンド「Longevity Fund」 /Amrit不老不死ラボ
(2)体内から老化した細胞を取り除く
老化した細胞のみを殺す「Senolytic薬」の開発とその効果 /Amrit不老不死ラボ 1 users
体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。 /Amrit不老不死ラボ
(3)「老化抑制」という「副作用」が知られる市販薬を飲む
医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる /Amrit不老不死ラボ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ /Amrit不老不死ラボ 2 users
癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。 /Amrit不老不死ラボ
ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる /Amrit不老不死ラボ
(4)寿命を延ばす効果が期待されて開発されているサプリメント・天然物質
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント /Amrit不老不死ラボ
2019年2月Nature Commun発表/アシタバの葉に含まれるポリフェノール(フラボノイド)にあらゆる生物に効く最強のアンチエイジング作用 /Amrit不老不死ラボ 1 users
赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。 /Amrit不老不死ラボ
ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中 /Amrit不老不死ラボ
(5)寿命を延ばす効果が期待されて開発されている開発中の薬
マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中 /Amrit不老不死ラボ
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い /Amrit不老不死ラボ 1 users
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)(Amrit不老不死研究所)
(6)未来の技術を信じて人体冷凍保存する
人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術 /Amrit不老不死ラボ 2 users
人体冷凍保存にも応用可能?3-O-メチル-D-グルコースで満たした臓器を過冷却現象で低温保存し3日間後に移植する事に成功 /Amrit不老不死ラボ
(6)脳だけになって生き残る
米国DARPAが脳内100万個の神経とコンピューターを接続する小型モジュール開発プロジェクトの提案を募集。70億円まで資金提供。 /Amrit不老不死ラボ
ラットに電子チップを埋め込み「第六感」的感覚を与えることに成功 /Amrit不老不死ラボ
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験 /Amrit不老不死ラボ
(7)コンピューターに意識を移す
ロシアの富豪が出資する脳の情報をコンピューター上にアップロードして永遠に生きるプロジェクト「2045イニシアティブ」 /Amrit不老不死ラボ
(8)臓器を新しいものに交換して長生きする
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ /Amrit不老不死ラボ
ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)(Amrit不老不死研究所)
(10)腸内細菌を最適化する
人体を構成する細胞以上の数の細菌が住み、これらの細菌が日夜作る種々の物質は腸から吸収されています。無限の可能性があります。寿命に直接影響するような研究は見つかりませんでしたが、病気を防ぐ作用に関する研究は多数あります。
効果が実証されつつある他人の「うんこ」移植治療、研究過程で難病を治す「癒しのうんこ」、他人を殺す「殺人うんこ」を出す能力者の存在が明らかに /Amrit不老不死ラボ
(11)生体内の細胞をリプログラムする
老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究 /Amrit不老不死ラボ
癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する /Amrit不老不死ラボ
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功 /Amrit不老不死ラボ
(12)癌を完全に治す
直接的な寿命延長ではありませんが、若返らせるような治療の多くは「若返りすぎ」ではありませんが、細胞の無限増殖(=癌)が克服出来ないために危なくて、人間での研究が進めにくい方法が多数あります。
細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療 /Amrit不老不死ラボ
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Category:#エイジング関連まとめ




2019.04.18

米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験

↑BTW

この研究を実施したのは米イェール大学の研究者ら、中二病的とは言われそうな研究を世界最高の頭脳集団が最先端技術を使ってやっちゃった感じです。いくつか報告中から図を紹介します。

出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
研究者らが「Brain Ex」というシステムの概念図です。どうやら実際の生体内と同じように脈動(心臓の拍動による血流の波)も再現して、血液を循環させ、温度や酸素濃度をコントロールする装置のようです。この装置に摘出したブタの脳全体の血管をつなげた研究です。


出典:Restoration of brain circulation and cellular functions hours post-mortem. Naturevolume 568, pages336?343 (2019)
これは使っている血液成分組成。リストのトップに「Hemopure」の文字が見えます。これは古くから開発されているウシのヘモグロビンを使って作られた人工赤血球(酸素運搬体)。人間への使用は一時的に許可されたけど何か問題があって取り下げられた人工血液成分だったと思います。他は細胞保護成分が多種類とカビないよな抗生物質です。

新しい技術というよりは既存の要素技術を組み合わせて最先端の方法で死んだ脳の復活を試みて、最先端の方法で脳の活動を分析したという研究のようです。

報告ではこのような装置を使い人工血液を適切な方法で循環させることで脳の各細胞レベル、組織構造レベルではそれなりに正常に回復しているように見えると報告しています。ただし倫理的にヤバいと思っているようで、GIGAZINEの記事に書いてありますが、「意識の回復」の兆候が見られた時に、麻酔や温度低下で即脳活動を停止させる準備をして実験したそうですw。

資金の出どころはカブリ(The Kavli Foundation)みたい


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Category:生命維持システム




2018.01.19

インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック
インフルエンザに効く?明治ヨーグルトR1に関するこれまでの12研究論文を疑いの目でチェック

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ツマが明治ヨーグルトR1を買いまくっているので調べてみました。何このヨーグルト?あるある的番組で人気なの?含まれている乳酸菌はWikipediaによると「OLL1073R-1」

この乳酸菌に関する論文をPubmedで検索すると出てくるのはたった12の論文。極めて限られた研究しかしてない乳酸菌であり、この時点で十分注意すべき情況であると感じます。長々と書いているので、めんどうな人は一番下の結論を見て下さい。

(1).全ての始まりの論文
発表:2002年1月、発表者:明治の中央研究所の研究者のみ?
タイトル:R1ヨーグルトを与えたネズミは関節炎(リウマチ)の症状が緩和する(Oral intake of Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1 prevents collagen-induced arthritis in mice. PMID:11808787
  • 別の乳酸菌(OLL1102)との比較実験を行い、R1株が優れていることを示している。
  • スキムミルクを使わず研究用の培地で培養しても同じ効果が得られる。
  • リンパ節細胞のIFNγ産生が減少させる作用がR1株の出す多糖にあるようだ。
(2).1番目の論文の詳細メカニズムを分析
発表:2002年10月、発表者:明治乳業の研究者のみ
タイトル:R1乳酸菌ヨーグルトをネズミに与えると、炎症誘導性サイトカインが出来るのを抑制する(Oral administration of milk fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 to DBA/1 mice inhibits secretion of proinflammatory cytokines. PMID:19003106
  • IFNγ、IL-6、TNFα、MCP-1などの分泌を抑制するがIL-2、IL-4は減らさない。作用はT細胞ではなく、その他の免疫補助細胞(accessory cells)を介して起こる。
(3).★ヨーグルト中のどの分子が効いているか
発表:2006年、発表者:明治乳業と東北大学
タイトル:R1乳酸菌の多糖の免疫調製作用を分析(Immunomodulatory effects of polysaccharides produced by Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1. PMID:16840603
  • R1乳酸菌の出す多糖の中で、高分子の酸性多糖が脾臓細胞からのIFNγ産生を促進し、経口投与するとNK細胞の機能を促進する。
(4).★初めての人間ボランティアによる実験
発表:2010年、発表者、明治乳業の研究者のみ
タイトル:R1ヨーグルトを飲んだ高齢者において感染が減る(Reducing the risk of infection in the elderly by dietary intake of yoghurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1. PMID:20487575
2つの独立した実験を実施、1つは平均年齢74.5歳の57人をボランティアで雇う、もう一つは平均年齢67.7歳の89人を雇う。それぞれ2グループにわけR1乳酸菌で作ったヨーグルトか、発酵させていない牛乳を飲んでもらった。量は毎日90gのヨーグルトまたは100mLのドリンク。期間は8〜12週間飲んでもらって効果を比較
R1乳酸菌を食べることにより風邪をひく確率が2.6倍低くなった(風邪を引く人が100人→39人になる感じ)。またNK細胞の活性が高まっていた。

(5).★インフルエンザへの感染予防性
発表:011年、発表者、明治乳業と北里大学
タイトル:R1ヨーグルトおよび、その多糖のインフルエンザウイルス感染防御性をネズミで実験(Effects of oral administration of yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 and its exopolysaccharides against influenza virus infection in mice. PMID:21986509
ネズミに1日あたり0.4mLまたは、多糖を1日20μg、21日間飲ませた後で、インフルエンザAに感染させる。
ヨーグルトでも多糖でもインフルエンザで生き延びる期間が延長した(飲んでないと100%死亡するが、飲むことで40%弱が生き残る、1群9匹の実験)。インフルエンザウイルス数も減少、感染4日後の肺の中のインフルエンザに対する抗体も増加。脾臓細胞のNK細胞活性も増加。
これらの作用は多糖の中でも酸性多糖(APS)でのみ見られ、中性多糖(NPS)では見られなかった。

(6)ヨーグルト製造工程における重要分子について
発表:2013年、発表者、東北大と明治
タイトル:R1ヨーグルトを作る過程において、多糖産生におけるギ酸の効果(Effect of Formic Acid on Exopolysaccharide Production in Skim Milk Fermentation by Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:24936359
R1ヨーグルトが出来て、効果に必要な多糖が細胞外に分泌されるのにギ酸は重要。

(7)アトピー性皮膚炎に対する効果(ただしネズミ実験)
発表:2013年、発表者、明治の研究者
タイトル:マウスアトピー性皮膚炎モデルにおいて、R1ヨーグルトはIL-6反応を抑制することで炎症を抑える(
Oral administration of Lactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus OLL1073R-1 suppresses inflammation by decreasing interleukin-6 responses in a murine model of atopic dermatitis.PMID:23548305

(8)R1乳酸菌の出す多糖分子の構造、ただし効果の無い方の中性多糖に関して(?)
発表:2015年、発表者、カナダの研究者、東北大、明治
タイトル:R1乳酸菌の出す中性多糖の構造分析と他の乳酸菌との比較(Structure determination of the neutral exopolysaccharide produced by Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:26117825

(9)★R1乳酸菌と他の乳酸菌(139種)の比較
発表:2016年、発表者:明治、順天堂大学
タイトル:R1乳酸菌に含まれる多糖によるNK細胞の活性化(Enhanced natural killer cell activation by exopolysaccharides derived from yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1.PMID:26686726
  • 139の乳酸菌を調べてR1株が最も大量の多糖を分泌することを報告している。そしてR1株のみがIFNγを分泌させる。
(10)R1ヨーグルトによる免疫抑制は心臓移植を長持ちさせる
発表:2017年、発表者:帝京大学、中国の大学、順天堂大学、(明治関係なし)
タイトル:R1ヨーグルトでHMC不適合心臓移植のネズミが長生きする。
Yogurt Feeding Induced the Prolongation of Fully Major Histocompatibility Complex-Mismatched Murine Cardiac Graft Survival by Induction of CD4+Foxp3+ Cells.PMID:28736026
  • 仕組みhCD4+FoxP3+陽性細胞が誘導されることによる。
  • 明治関係無しの謎研究、なぜこの研究をしようと思った?
(11)★R1乳酸菌の多糖は腸管で何をしているか
発表:2017年、発表者:東北大学、宮城大学、明治
タイトル:ブタの腸管上皮細胞における抗ウイルス免疫の制御(Exopolysaccharides from Lactobacillus delbrueckii OLL1073R-1 modulate innate antiviral immune response in porcine intestinal epithelial cells.PMID:28800975
  • TLR3リガンドとして働いてるっぽい。TLR3は1本鎖、2本鎖RNAを認識するリガンド
(12)★粘膜の抗体量を増やしている
発表:2017年、発表者、神奈川歯科大学、福岡女子大学、寒川の老人ホーム(明治関係なし)
タイトル:ヨーグルトを食べると口の中に分泌されるIgAの量が増える。(Effects of yogurt fermented with Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1 on the IgA flow rate of saliva in elderly persons residing in a nursing home: A before-after non-randomised intervention study.PMID:28836348
結論
なるほど、人間を用いた実験が(4)と(12)のみではありますが、かなりハッキリと効果が出ています。また(5)のネズミの実験ではありますが、インフルエンザウイルスを死ぬほど与えて救う実験はかなり分かりやすいですね。

そのメカニズムに関しても(3)(9)の論文が説得力があります。乳酸菌の出す酸性多糖がその免疫活性化のキーであり、他の139種類の乳酸菌と比較したところR1株が最も多く多糖類を細胞外に分泌し、かつそこに含まれる多糖にIFNγ分泌促進などの効果があるとの結果から、乳酸菌の中でもっとも免疫活性化能が高いものとして選ばれたということになります。その含まれる多糖類は(11)の研究によると腸管内で全身の免疫を誘導しうるメカニズムであるTLR3のリガンドとして働いているようで、作用メカニズムの筋は比較的分かりやすい感じです。(12)の論文の腸管内で免疫活性化が起きた場合にIgA分泌が促進されるのはおこりうる生体反応と思います。

ふむ、これらを読んだ限りでは世間で言われているインフルエンザ予防効果があってもおかしくないかなと思えます。これなら飲んでも良いかな。

ただしヨーグルトの中でR1ヨーグルトがナンバーワンということは言えるかもしれませんが、食品による腸管、そして全身免疫の活性化を起こす方法は他にも色々考えられ、同程度のインフルエンザ予防効果も起こせるかもしれません。

R1ヨーグルトのみに頼らず他の免疫活性化方法との比較実験をやって欲しいですね。
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Category:#サプリメント




2017.10.25

文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ

↑BTW

最新の研究成果を踏まえると人間のiPS細胞を動物の発生過程の集合胚に注入しても、人の言語を話すなど高い認知機能を持つ可能性は極めて低いとのこと。

とりあえずは人間の臓器を持つ動物を作って、新しい医薬品の人間の臓器への影響を評価するのに使用するのを目的としているようで、「現時点では安全性などの理由から作り出した臓器の人間への移植は認められない。」としています。

医薬品研究ならマウスにiPSを注入することになると予想します。文部科学省の元文章を見つけられなかったんだけど、記事の文章のどこにも「ブタ」なんて書いてないのにブタのイラストを載せているのは朝日らしい。政治であんなヒドイ報道をする新聞社ですから、科学関連ニュースも注意が必要です。

ちなみに、このニュースとは関係なく、来年↓の学会に行きたいと思ってる。

(省略されています。全文を読む

Category:#臓器移植




2017.08.22

ブタの臓器で人間を救う時代まであと2年?、移植の障害となっていたブタ内在性ウイルス(PERV)をゲノム編集で除去したブタが作られる
ブタの臓器で人間を救う時代まであと2年?、移植の障害となっていたブタ内在性ウイルス(PERV)をゲノム編集で除去したブタが作られる

↑BTW

 ブタは大きさ的にも人間に近く、近年は免疫抑制技術も発達しているためブタの臓器を人間の治療に使う選択肢が以前より考えられていました。しかし大きな障害となっているのがブタの全細胞のゲノム中に潜む内在性レトロウイルス「PERV(porcine endogenous retroviruses)」です。一見ゲノム中の遺伝子配列に過ぎませんが、ヒトに移植後、ウイルスとして再生し、自在に増え、また細胞のゲノム中に入り込むなどしてガン化の原因になることが知られています(ゲノム中に潜伏出来るのがレトロウイルスの特徴)

 今回、アメリカのバイオベンチャー企業eGenesis(イージェネシス)社の研究者らは、ブタのゲノム中に存在する内在性レトロウイルス「PERV」をゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いて除去したブタを初めて作り出し著名な学術雑誌Science誌で発表しています。研究者らによるとブタの全ゲノム配列を調べた結果、入り込んでいるPERV配列は62もあり、その中でウイルスとして出てくる可能性があるのは25カ所、これを全て取り除いたそうです。

 研究者らは今後2年でブタからヒトへの臓器移植が行われるだろうと言っています。


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Category:#臓器移植




2017.03.06

人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術
人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術

↑BTW

 臓器を凍結保存することが出来れば臓器移植に大きな可能性が開けますし、人体凍結保存が可能になれば、一種の未来へのタイムマシンとして使うことが出来ます。今回、アメリカ・ミネソタ大学の研究者がこの生体組織の凍結保存に関する新しい方法を報告しています。

 生体組織は超低温で保存することにより活動を完全に停止させることは可能ですが、通常の状態で凍結すると水の結晶が出来て生体組織を破壊してしまいます。これを回避するために超低温でも凍らない「不凍液」や、水の結晶が出来ないように凍結させる「ガラス化」という技術が開発されています。この技術により生体組織を破壊せずに凍結は一瞬で出来るようになりましたが、まだ元の温度に素早く戻す技術には課題がありました。

 今回、研究者らはmsIONPと呼ばれる磁性ナノ粒子を開発しています。これは大きさ10nmの酸化鉄を不活性のシリカが覆い、表面をPEGやTMSでコートしてある直径50nm程度のナノ粒子です。このサイズのナノ粒子はあらゆる生体組織を通過することが出来ますが、これを凍結容器に混ぜることで、凍結させた溶液に、電子レンジのようにマイクロ波を当てた場合に、溶液全体を速やかに均一に加熱出来るとのことです。

 この技術により従来は1mL程度の溶液して凍結保存出来なかったのが、80mL程度まで保存出来るようになるとのことです。実験ではブタの血管の保存をデモンストレーションしています。


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Category:#冬眠 #凍結保存 #クライオニクス




2008.10.07

マウスとブタの肝臓を凍結後、移植に用いることに成功(newscieneist)
マウスと[[ブタ]]の肝臓を凍結後、移植に用いることに成功(newscieneist)

↑BTW

血管のある臓器の凍結は24時間以内に行わなければいけませんでした。今回、研究者らが試みた方法では80%以上の細胞が生きており、移植された肝臓は胆汁を精製することが出来たそうです。
凍結装置を作ったのはCore Dynamicsという会社で、1分間に0.3℃ずつ下げ1.5時間でー20℃まで下げるそうです。

このグループはラットの肝臓をー80℃で保存することで、3週間まで機能を保持出来ることも確かめているそうです。

Cryopreservation of Whole Murine and Porcine Livers
Rejuvenation Research. August 1, 2008, 11(4): 765-772

Category:#冬眠 #凍結保存 #クライオニクス




2007.10.31

ブタのES細胞は免疫抑制剤無しで糖尿病のサルを治療しうる
[[ブタ]]のES細胞は[[免疫抑制剤]]無しで糖尿病のサルを治療しうる

↑BTW

発表したのはワシントンメディカルスクールの研究者

ヒトの糖尿病における移植医療はドナーの不足により限定的なものに留まっている。また移植した場合も免疫拒絶などの理由により細胞は徐々に死滅し効果が低下していく。

本発表の研究者らは以前より発生段階のブタE28由来のすい臓β細胞を移植することにより糖尿病ラットを治療する研究を行い成果を発表してきた。

今回の研究では、E28ブタ胚を糖尿病のサルに移植した。移植したブタのβ細胞は長期間にわたり肝臓、すい臓、リンパ節の中で生存しインスリンを産生した。そして移植後22ヶ月にわたって効果を示した。

Category:人工すい臓・糖尿病




2005.02.22

ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)
[[ブタ]]の胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)

↑BTW

イスラエルの研究チームがブタの肝臓や膵臓をマウスの体内で作ることに成功した。
研究者らは、受精後の様々な時期(E2〜E100)のブタの胚細胞を取り出し、マウス体内に移植した。
移植からしばらくたって出来た組織を調べてみたところ、E28の細胞を移植した場合にもっとも良い肝臓が出来、膵臓はE42〜E56が最も良かった。胚はE56の細胞が最もうまく出来た。

これまでに、ブタやヒヒの臓器を人間に移植する異種移植の実験が行われていたが、いずれも強い免疫拒絶反応のためにうまくいっていない。今回の実験は免疫の無いマウスを使った実験だが、胚の細胞は通常の細胞よりも免疫拒絶されにくいため、ヒトへの応用が期待できる。

原文:
Embryonic pig liver, pancreas, and lung as a source for transplantation: Optimal organogenesis without teratoma depends on distinct time windows
PNAS vol.102(8) p.2928-2933

Category:#細胞移植 #幹細胞




2004.03.03

ハーバード大学、α-GalT遺伝子ノックアウトブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植して80日以上生着させる
ハーバード大学、α-GalT遺伝子ノックアウトブタの腎臓と胸腺をヒヒに移植して80日以上生着させる

2月28日に開催された第7回異種移植研究会でハーバード大学のDabid H. Sachsと山田和彦、アメリカImmerge Bio Therapeutics社の研究チームが発表

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2002.08.15

ブタとヤギの精子をマウスで作ることに成功
ブタとヤギの[[精子]]をマウスで作ることに成功

アメリカ、ペンシルベニア大学の研究者グループは生後まもないマウスとブタ、ヤギから未発達の精巣細胞を取りだし免疫の無い生後6週間のマウスの背中に移植した。
移植した細胞の60%以上はマウスの皮膚の下で成長して元の動物の精子を作り始めた。
この方法を使うと、絶滅に瀕した動物の精子を作ることが可能となるほか、ガン治療で精子形成能力の無くなった患者への応用も可能となるかもしれない。
これまでの精子の冷凍保存と代わり、精巣細胞を保存し、マウスに移植することで精子が無限に得られる可能性もある。また毒物試験や、男性避妊薬のテストにも使えるだろう

Category:#性・生殖・出産




2002.02.21

クローンネコ作成に成功
クローンネコ作成に成功

これまでにも、ヒツジ、マウス、ヤギ、ウシ、ブタなどのクローンの作成には成功しているが、今回研究者らは、ネコのクローン作成に成功した。
研究者らは最初、オスネコの口の中から繊維芽細胞という細胞をとり(ちょっとひっかけば取れる)、培養して少し増殖させた後、実験するまで液体窒素で冷凍保存した。
別のメスネコから採取した卵細胞の核を除き、解凍したこの繊維芽細胞の核を移植し188個のクローン卵細胞を作成した。そしてこれらのうち82個を7匹の代理母の子宮にもどし、受精させたところ、1匹が妊娠したが、途中で成長が止まってしまい生まれる事は無かった。
次にメスネコから卵丘細胞という細胞を摘出し、この核を移植したところクローンネコが生まれた。
DNAを検査した所、確かにクローンネコであったが、カラダの模様はクローンの元になったネコとは異なった模様であった。研究者らは複数のカラダの色を持つ動物の模様は遺伝的要素だけでなく生まれる過程で有る程度はランダムに作られるのでは無いかと考えている。

読売新聞によるとこの研究は愛犬のクローン作りを望んでいる資産家が370万ドル(4億9000万円)の資金を提供して実施されたそうです。またペットのクローン作りを請け負うベンチャー企業も設立しており、現在はクローン作りにむけてペットのDNAの冷凍保存を請け負っているそうです。

ペットのクローンってもうかりそー。と思ったが、カラダの模様が違うのはけっこう致命的カモね
残念でした。病死したネコのクローンなら、病死した方の皮はがして移植するかい?
拒絶反応も無いだろうし

あと、卵丘細胞ってのがどんな細胞か詳しくは知らないけど、クローンと言っても卵内の核を卵に移植している時点で、ちょっとあやしいな。
まあ卵細胞を持つメスネコのクローンなら作成可能という事でしょう。
ちなみにネコの学名は「Felis Domesticus」というらしい。ちょっとかっこいい

この資産家、きなくさ〜い。でもかっこいい
世の中金やなぁ。。。。

情報元:

WIRED NEWS
クローン猫、外見も性格もオリジナルとは「別の猫」

Category:クローン




2002.01.04

ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた
ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた

ブタの臓器はヒトのものと似ており、ブタの臓器をヒトの治療に使おうという試みがなされている。しかしブタはある糖が細胞表面にくっついており、この糖はヒトには無いため、ブタの臓器をヒトに移植すると、この糖を異物として認識して急激な拒絶反応が起きる。今回、研究者らは、大きさがヒトに近いミニブタを遺伝子操作してこの糖を細胞表面に付加する酵素ガラクトシルトランスフェラーゼの遺伝子を持たないミニブタの作成に成功した。このブタの臓器はヒトに移植してもヒトからヒトへの移植程度の弱い拒絶反応しか起きないと考えれ、現在用いられている[[免疫抑制剤]を使えばヒトに移植可能であると考えれる。

現在、免疫以外で問題となっているものに、ブタの遺伝子に含まれる未知のウイルスがヒトに移植された時に目覚めヒトに害をなすのでは無いかというのがある。
誰だ?そんなネガティブな事言っているヤツは?(笑

現在、再生医療の流れはブタなどに頼らずヒトの細胞を使って治療をしようという流れであるが、実現していないのに加えて実現してもかなりのコストがかかると予想される、このようなブタの臓器の移植は現実的な治療法として勧めていくべきである。

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患