EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る
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2013.03.13

EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る

 杉花粉症(pollinosis)は杉を大量植林したことが原因となり、1960年代から日本で患者数を急増しています。その患者数は最も患者の多い神奈川県では全体の44.5%が花粉症を発症している一方、北海道では全体の2.2%しか発症していません。(都道府県毎の患者比率)

 要は花粉がたくさん飛んでいる地域ほど患者が多いわけですが、一方で、同じ場所に住んでいても花粉症を発症する人もいれば、発症しない人もおり、個人差があります。もし事前に自分が花粉症になりやすい体質であることが分かれば、花粉の飛ぶ季節には予防的にマスクを着用するなどして発症しないように対策することが可能となります。

 高知大学の研究者らは遺伝子の個人差が花粉症の発症しやすさに関係していることを発見し報告しています(文献1)

 研究者は品川区五反田に住む351人の住民をボランティアとして雇い、皮膚パッチテストや鼻腔刺激テスト、血液検査で花粉症の有無を調べました。ボランティアのうち、145人が花粉症を発症しており、206人が花粉症ではありませんでした。ただ花粉症を発症していない人の中にも花粉に対する血液中の抗体価(IgE)の値が高く発症前段階にあると思われる人が76人いました。

次に、各人の遺伝子の個人差(SNP)を調べました。すると以下2つの遺伝子の種類と花粉症の発症が関わっていることが分かりました。

★EPO(eosinophil_peroxidase)遺伝子。Pro358Leu変異
この遺伝子変異を持っている人は、花粉に対する抗体(IgE)の低い人のうち0.7%しかいなかったのに対し、抗体が多い人では4.8%と7倍近くも多いことが分かりました。この遺伝子を持つことで花粉に対する感受性が上昇することを意味しています。

★IL4RA(IL-4レセプターαチェーン)遺伝子。Ile50Val変異。Glu375Ala変異
Ile50Val変異を持つ人は花粉症で無い人のうち37%だったのに対し、花粉症の人で、この変異を持っているのは27%でした。またGlu375Ala変異も同様に、花粉症で無い人:9.2%。花粉症の人:3.5%でした。この遺伝子変化があると花粉症になり難いことを意味しています。

 また千葉大学の別の研究者はMMP9遺伝子で同じような関係を見つけ発表しています(文献2)。この研究者は670人の学生ボランティアを雇い同じような研究を行ったところ、この遺伝子のプロモーター(遺伝子を働かせる部分)の変化(-1590C/T, rs3918242)と構造遺伝子R668Q: rs17577の変化によりMMP9の働きが強くなると花粉症になりやすくなることを発見しています。このMMP9遺伝子の変化は既に喘息(ぜんそく)になりやすさに影響していることが報告されているそうです。

 現時点でこれらの遺伝子を調べてくれる施設、サービスは見つかりませんでしたが、近いうちに調べてくれるサービスが出てくるかもしれません。サービスが登場するまでは花粉症で無い人も花粉にはなるべく触れないように注意した方が良さそうです。

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