キーワード分類ページ ↑B

ぜんそく



----------このキーワードを使っている記事----------
2017.01.18:医師は何でも「ぜんそく」と診断したがる?診断された人のほとんどが喘息ではないとの報告
2015.10.30:病院で処方されるアレルギー・ぜんそくの薬「モンテルカスト」で高齢ねずみの脳の若返りが起きると報告
2013.11.19:赤ちゃんに与える前に親がおしゃぶりをなめることで、子供のアレルギー・湿疹・ぜんそくが減少する。
2013.03.13:EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る
2012.07.03:「アトピー」発症メカニズムが解明され、このメカニズムの遮断薬が開発予定。ぜんそく治療薬として開発中の薬がアトピー性皮膚炎に効く可能性も。

2017.01.18

医師は何でも「ぜんそく」と診断したがる?診断された人のほとんどが喘息ではないとの報告
医師は何でも「ぜんそく」と診断したがる?診断された人のほとんどが喘息ではないとの報告

↑BTW

カナダで最近「喘息」と診断された703人を調査したところ、33%は喘息ではなかったとのこと。診断が間違っていたのか、症状が治ったのかは判断出来ないそうです。

Category:診断技術




2015.10.30

病院で処方されるアレルギー・ぜんそくの薬「モンテルカスト」で高齢ねずみの脳の若返りが起きると報告
病院で処方されるアレルギー・ぜんそくの薬「モンテルカスト」で高齢ねずみの脳の若返りが起きると報告

↑BTW

 モンテルカスト(montelukast)はアレルギー・ぜんそくの薬、日本でも「シングレア」「キプレス」の名前で病院で処方される薬です。作用は「ロイコトリエン受容体阻害剤」で、簡単に言うと炎症を抑える薬ですが、この薬が高齢者の脳に作用し、高齢ねずみを使った実験において認知能力を改善すると報告されています。

 研究者らは高齢(20ヶ月齢)のねずみに10mg/kgの量で毎日42日間にわたってこの薬を飲ませました。結果、学習能力と記憶力が改善し、また、神経炎症が減り、新しい神経細胞が出来ていることが観察されたそうです。これらの効果は若いねずみを用いた実験では変化は確認されませんでした。

 飲んでみたいと思う高齢者がいるかもしれませんが、10mg/kgという量はぜんそく・アレルギー治療に使う場合と比較しかなり多い量といえます(錠剤で1日50粒とか)。また、興奮、攻撃行動、不安、幻覚などといった精神活動への副作用があるため薬局で販売出来るようにするための申請は今のところ却下されています。

Category:知能改善・天才になる方法




2013.11.19

赤ちゃんに与える前に親がおしゃぶりをなめることで、子供のアレルギー・湿疹・ぜんそくが減少する。
赤ちゃんに与える前に親がおしゃぶりをなめることで、子供のアレルギー・湿疹・ぜんそくが減少する。

↑BTW

 アレルギー。ぜんそく・湿疹などの免疫疾患を持つ子供は20世紀に入ってから増加傾向にあり、今や3人に1人がなんらかの症状を持っていると言われています。

 今回、スウェーデンのクイーン・シルビア子供病院の研究者Hesselmarらにより、簡単な習慣で子供がこれらの症状を持つ可能性を減らしうることが報告されています。

 研究者はスウェーデン国内で妊娠中の女性をボランティアとして雇い、それらの女性から生まれた184人の幼児とその母親の生活習慣のアレルギー保有の有無を3歳になるまで調べました。

 親に「おしゃぶり(Pacifier)を使っているかどうか」「おしゃぶりを煮沸消毒しているかどうか」「水で水道水ですすいでいるかどうか」「おしゃぶりを与える時に親がしゃぶって綺麗にしているかどうか」などの質問をしたところ、下記のような結果になりました。

(省略されています。全文を読む

Category:子育て




2013.03.13

EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る
EPO、IL4RA、MMP9遺伝子を調べれば花粉症を発症しやすい体質かどうかを知ることが出来る

↑BTW

 杉花粉症(pollinosis)は杉を大量植林したことが原因となり、1960年代から日本で患者数を急増しています。その患者数は最も患者の多い神奈川県では全体の44.5%が花粉症を発症している一方、北海道では全体の2.2%しか発症していません。(都道府県毎の患者比率)

 要は花粉がたくさん飛んでいる地域ほど患者が多いわけですが、一方で、同じ場所に住んでいても花粉症を発症する人もいれば、発症しない人もおり、個人差があります。もし事前に自分が花粉症になりやすい体質であることが分かれば、花粉の飛ぶ季節には予防的にマスクを着用するなどして発症しないように対策することが可能となります。

 高知大学の研究者らは遺伝子の個人差が花粉症の発症しやすさに関係していることを発見し報告しています(文献1)

 研究者は品川区五反田に住む351人の住民をボランティアとして雇い、皮膚パッチテストや鼻腔刺激テスト、血液検査で花粉症の有無を調べました。ボランティアのうち、145人が花粉症を発症しており、206人が花粉症ではありませんでした。ただ花粉症を発症していない人の中にも花粉に対する血液中の抗体価(IgE)の値が高く発症前段階にあると思われる人が76人いました。

次に、各人の遺伝子の個人差(SNP)を調べました。すると以下2つの遺伝子の種類と花粉症の発症が関わっていることが分かりました。

★EPO(eosinophil_peroxidase)遺伝子。Pro358Leu変異
この遺伝子変異を持っている人は、花粉に対する抗体(IgE)の低い人のうち0.7%しかいなかったのに対し、抗体が多い人では4.8%と7倍近くも多いことが分かりました。この遺伝子を持つことで花粉に対する感受性が上昇することを意味しています。

★IL4RA(IL-4レセプターαチェーン)遺伝子。Ile50Val変異。Glu375Ala変異
Ile50Val変異を持つ人は花粉症で無い人のうち37%だったのに対し、花粉症の人で、この変異を持っているのは27%でした。またGlu375Ala変異も同様に、花粉症で無い人:9.2%。花粉症の人:3.5%でした。この遺伝子変化があると花粉症になり難いことを意味しています。

 また千葉大学の別の研究者はMMP9遺伝子で同じような関係を見つけ発表しています(文献2)。この研究者は670人の学生ボランティアを雇い同じような研究を行ったところ、この遺伝子のプロモーター(遺伝子を働かせる部分)の変化(-1590C/T, rs3918242)と構造遺伝子R668Q: rs17577の変化によりMMP9の働きが強くなると花粉症になりやすくなることを発見しています。このMMP9遺伝子の変化は既に喘息(ぜんそく)になりやすさに影響していることが報告されているそうです。

 現時点でこれらの遺伝子を調べてくれる施設、サービスは見つかりませんでしたが、近いうちに調べてくれるサービスが出てくるかもしれません。サービスが登場するまでは花粉症で無い人も花粉にはなるべく触れないように注意した方が良さそうです。


(省略されています。全文を読む

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患




2012.07.03

「アトピー」発症メカニズムが解明され、このメカニズムの遮断薬が開発予定。ぜんそく治療薬として開発中の薬がアトピー性皮膚炎に効く可能性も。
「アトピー」発症メカニズムが解明され、このメカニズムの遮断薬が開発予定。ぜんそく治療薬として開発中の薬が[[アトピー]]性皮膚炎に効く可能性も。

↑BTW

 アトピー性皮膚炎(Astopic Dermatitis)は「かゆみ」を伴った皮膚疾患で、普通のアレルギーと異なり、炎症の元になる物質に触れなくても持続的に炎症が続くことを特徴とする。似た症状を起こす疾患として他にぜんそく(Bronchial Asthma)が知られるが、これらの疾患で炎症が長く続いてしまうメカニズムは分かっていなかった。

 今回、日本の佐賀医科大学の研究者らはアレルギーを起こす物質「アレルゲン」により起こった炎症が、アレルゲンが無くなった後も皮膚で持続的に炎症を起こす仕組みを解明し発表した。以下に解明されたメカニズムの概要を示す。

 今回発見されたキーとなる物質はペリオスチン(Periostin)という物質である。皮膚にアレルゲンが入ってくると、外界からの異物を見つけ出す抗原提示細胞(APC)が異物を攻撃する実行部隊であるT細胞に異物への攻撃を指示する。指令を受けた未熟T細胞は攻撃を指示することの出来るTh2細胞(ヘルパーT細胞)に変化する。このTh2細胞はIL-4IL-13といったサイトカイン(生体内の情報伝達物質)を放出し免疫反応(特にIgEなどの抗体産生)を誘導する。

 IL-4やIL-13は免疫反応を起こすと同時に、皮下に存在するファイブロブラストに作用しペリオスチン大量に作らせることが分かった。アトピー性皮膚炎患者の皮膚を調べると普通の人よりもペリオスチンが4倍多く存在していた。ペリオスチンは皮膚細胞「ケラチノサイト」表面のα5インテグリンに結合し、免疫を刺激するサイトカインを放出させるため、アレルゲンが無くなった後も免疫反応が起こり続ける。

 マウスダニのアレルゲンを用いた実験では新しいアトピー性皮膚炎治療方法の可能性を感じる結果が得られている。例えば、ペリオスチンを持たない遺伝子改変マウスでは持続的な皮膚炎は起こらなかった。そして、インテグリンに対する抗体やペリオスチンに対する抗体を投与することで炎症が持続するのを抑えることが出来た。人間の持つペリオスタチンを無くすことは難しいかもしれないが、マウスに行ったようにインテグリンやペリオスタチンに対する抗体を投与するなどの方法でこの循環を止めることが出来ればアトピー性皮膚炎を治療することが出来るかもしれない。

 研究チームはマウスの実験で効果が確認出来たペリオスチンに対する抗体を作り2年以内に人間での治療を試みるつもりだと語っているそうだ。また「ぜんそく」治療薬としてIL-13に対する抗体医薬をロッシュ社が既に開発中である(「Lebrikizumab」という名前)。このぜんそく薬がアトピー性皮膚炎に効果がある可能性もあるかもしれない。


(省略されています。全文を読む

Category:免疫・アレルギー・自己免疫疾患