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バクテリア



----------このキーワードを使っている記事----------
2014.06.13:歯周病はバクテリア「P. gingivalis」が口の中の免疫システムを自分に都合良く制御する事で起こる
2012.06.01:腸内バクテリアの種類で太りやすさが変化する。
2012.04.11:ダノン社「BIO」ヨーグルトの効果
2012.03.31:前立腺ガンの原因の一部が「感染」である証拠が揃いつつある。包茎手術が前立腺ガンのリスクを減らす可能性と理由。
2011.08.22:ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント

2014.06.13

歯周病はバクテリア「P. gingivalis」が口の中の免疫システムを自分に都合良く制御する事で起こる
歯周病はバクテリア「P. gingivalis」が口の中の免疫システムを自分に都合良く制御する事で起こる

↑BTW


 ヒトの身体には膨大な数のバクテリアが住みついています。その数は我々自身の細胞数の10倍に及びますが、健康な人ではこれらのバクテリアは無害で、病気を引き起こすバクテリアを排除したりと有益に働くこともあります。

 近年、様々な病気がこの従来は味方であるバクテリア集団を失うことで起こることが分かってきています。今回、ペンシルベニア大学の研究者George Hajishengallisらは、歯周病もまたバクテリアが原因で起きていることを報告しています。

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Category:#歯の健康テクノロジー




2012.06.01

腸内バクテリアの種類で太りやすさが変化する。
腸内[[バクテリア]]の種類で太りやすさが変化する。

↑BTW

 世界中、特に先進国で肥満者の増加が大きな問題になっている。肥満はカロリーの取りすぎや運動不足が第一の原因であることには間違いはないだろうが本当にそれだけなのだろうか。なぜ人により太りやすさが違うのか。

 科学者らは近年、腸内バクテリアと肥満の関係に注目している。腸内には溢れんばかりのバクテリアが住んでいる。一部のバクテリアはビタミンB12などを作りだし我々の身体に供給するなどの依存関係が知られているが、最近の研究で腸内バクテリアは従来考えられてきた以上に我々の健康に影響を与えることが分かってきた。

 1つに肥満への影響がある。太った動物と痩せた動物は異なる腸内バクテリアを持っていることが報告されている。腸内バクテリアの種類により食物の吸収や脂肪として蓄積されやすさが影響を受けていると考えられている。

 今回、フランス農業研究機関(INRA)の研究者Frank Ducaらは、肥満個体の腸内バクテリアを別個体の腸に移す実験を行いサンディエゴに開催されたアメリカ栄養学学会(American Society of Nutrition)で発表した。

 まず、肥満のマウス肥満になりにくいマウスの腸内バクテリアを集め、事前に腸内バクテリアを全て取り除いた別のマウスに移した。そして、いくつかのグループに分け、通常のエサのみを食べるグループや、高カロリーのエサを食べるグループなどについて8週間にわたり観察した。すると予想通り、肥満マウスの腸内バクテリアを移されたマウスは肥満になり、肥満になりにくいマウスの腸内バクテリアを移されたマウスは太ることは無かった。

研究者らは以下の2つの現象があるのでは無いかと考えている。

バクテリアは様々な物質を作り出すことが出来る。腸管で作られたそれらの物質は容易に体内に取り込まれる(腸管は栄養を取り込む部分である)。取り込まれた物質の中には身体の様々な部分に働きかける物質があるだろうし、脳に影響し行動に変化をもたらす物質が含まれていても不思議は無いかもしれない。

研究者らは、腸内バクテリアを制御することで肥満リスクを低減出来る方法が確立出来るのでは無いかと考えている。自分で出来る腸内バクテリアを制御する方法としては菌が生きたまま腸に届くヨーグルトなどがあるだろう。

  • Gut organisms could be clue in controlling obesity risk (EurekAlert)

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Category:ダイエット・メタボリックシンドローム




2012.04.11

ダノン社「BIO」ヨーグルトの効果
ダノン社「BIO」ヨーグルトの効果

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現在、毎日食べているヨーグルト「ダノンBIO」について調べたので紹介します。このヨーグルトに含まれているのは「BE80ビフィズス菌」です。この菌はダノン社が見つけ出したビフィズス菌で、市販のヨーグルトの中では「最も腸に生きて届く菌」とのことです。効果としてはDANONE社説明ページによると

などが分かっているそうです。BE80菌の正式名称は
  • Bifidobacterium animals subspecies lactis DN-173 010
といい、学術論文がいくつか発表されています。一部を紹介すると文献1では36人の健康な女性ボランティアでの実験を紹介しています。1日おきに3パック(125g×3)のヨーグルトを食べてもらったところ「腸管の通過時間の短縮」が確認されました。排便量、便のpH、便のバクテリア量、含まれる胆汁酸の量などは変化しませんでした。
文献2、3では便秘がちの子供への影響を調べています。「便秘がち」の定義としては1週間の排便回数が3回以下としています。2つの試験のうち文献2の試験では159名で試験を行いヨーグルトを食べたグループの排便回数の増加が確認されたもののヨーグルトを食べてない子供の排便回数が増える結果となってしまい差は出ませんでいたが、文献3の試験では160名の子供(年齢3〜16歳)で試験を実施し排便回数の増加効果が確認されています。この試験では1日あたり150g(2パック)のヨーグルトを3週間連続で食べさせる実験となっています。また文献4では腹部膨満感と過敏性腸炎の症状の改善効果があることが報告されています。

 現在、我が家ではダノンBIOを1パックを使い「ヨーグルトメーカー」と「牛乳」で増やして食べています。毎日2〜3パック食べるとそれなりの値段になってしまいますが、ヨーグルトメーカーを使うことで少しコストを減らせるかもしれません(もちろん雑菌の繁殖などリスクもあるので自己責任で行ってください)

  • 文献1:Bifidobacterium animalis strain DN-173 010 shortens the colonic transit time in healthy women: a double-blind, randomized, controlled study. Aliment Pharmacol Ther. 2002 Mar;16(3):587-93. PMID:11876714
  • 文献2:Fermented milk containing Bifidobacterium lactis DN-173 010 in childhood constipation: a randomized, double-blind, controlled trial. Pediatrics. 2011 Jun;127(6):e1392-9. Epub 2011 May 23. PMID:21606153
  • 文献3:Effect of the consumption of a fermented dairy product containing Bifidobacterium lactis DN-173 010 on constipation in childhood: a multicentre randomised controlled trial (NTRTC: 1571).BMC Pediatr. 2009 Mar 18;9:22. PMID:19296845
  • 文献4:Clinical trial: the effects of a fermented milk product containing Bifidobacterium lactis DN-173 010 on abdominal distension and gastrointestinal transit in irritable bowel syndrome with constipation.Aliment Pharmacol Ther. 2009 Jan;29(1):104-14. PMID:18801055

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Category:サプリメント




2012.03.31

前立腺ガンの原因の一部が「感染」である証拠が揃いつつある。包茎手術が前立腺ガンのリスクを減らす可能性と理由。
前立腺ガンの原因の一部が「感染」である証拠が揃いつつある。包茎手術が前立腺ガンのリスクを減らす可能性と理由。

↑BTW

 これまで実施された様々な研究で前立腺ガンの原因の一部が細菌・ウイルス・バクテリアなどの「感染」である可能性が指摘されている。例えば、若いうちに初めてのSEXをした人や、多くのパートナーとSEXをした人は前立腺ガンの指標であるPSAの値が高い事が報告されている。(下図)

各グループの男性のPSA値平均(文献2より引用)
パートナー数:20人以下20人以上
初めてのSEXが16歳より前0.441.2
初めてのSEXが16歳より後、0.510.45

PSA:prostate specific antigen(前立腺特異抗原)


 他にも、性感染症にかかったことがある人は前立腺ガンになりやすい事。また。途上国の一部などで行われている割礼(若いうちにペニスの余剰皮(foreskin)を切除すること)によりHIVやクラミジアなどの感染症になるリスクが減ることが報告されています。


 今回、アメリカ・ワシントン医科大学の研究者らは前立腺ガンの患者1754人と、健康な人1645人を調査した結果を報告しました(文献1)。研究者らは参加者に「割礼の有無」「割礼した年齢」「最初の性交の年齢」「性感染症の有無」を自己申告してもらい統計的解析を行った。

 その結果、最初の性交前に割礼を行った人は、行っていない人に比べて前立腺ガンになる確率が15%低下していることが分かりました。前立腺ガンには「悪性前立腺ガン」と「良性前立腺ガン」がありますが両方の発生確率とも低下していました。

 割礼により前立腺ガンが減少する理由ですがペニスの余剰皮(foreskin)は性交時に細かい傷を生じさせ、結果・バクテリアなどの感染を起こしやすくすることが知られています。これを取り除くことで相対的に細菌・ウイルスの感染が起こりにくくなり、結果、前立腺ガンになりにくくなる効果があると考えられます。日本においても見栄えや女性ウケなどの点からペニスの余剰皮を除去するいわゆる「包茎手術」を行う人がいますが、前立腺ガン予防の点からも意味があるかもしれません。
noadoption
用語:
Circumcision:割礼、包皮切除

  • Circumcision tied to lower prostate cancer risk: study(REUTERS)
  • 文献1Circumcision and the risk of prostate cancer.Cancer. 2012 Mar 12. doi: 10.1002/cncr.26653. PMID:22411189
  • 文献2Influence of circumcision and sexual behaviour on PSA levels in patients attending a sexually transmitted disease (STD) clinic.Prostate Cancer Prostatic Dis. 2001;4(4):228-231. PMID:12497023
  • 文献3The effectiveness of male circumcision for HIV prevention and effects on risk behaviors in a posttrial follow-up study. AIDS. 2012 Mar 13;26(5):609-15. PMID:22210632

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Category:感染による腫瘍形成




2011.08.22

ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内の[[ポリアミン]]濃度がポイント

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 ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌等のバクテリアが腸の腐敗を防止し、健康、老化予防に効果があることがMetchnikoffらにより報告されて100年になるが、寿命が延びることはこれまで報告された事はなかった。今回、京都大学と共同乳業の共同研究で初めてこれらのバクテリアを定期的に食べることで寿命が延びることを動物実験で確認された。

日本語では
ヨーグルトでマウスの寿命延長(iza)と報道されている。
原文はPLos One誌で発表されている。
Longevity in Mice Is Promoted by Probiotic-Induced Suppression of Colonic Senescence Dependent on Upregulation of Gut Bacterial Polyamine Production(プロバイオテックにより腸内のバクテリアが作り出すポリアミンの量が増えることにより腸の老化が抑制されマウスの寿命が延長する). PLoS ONE 6(8): e23652. doi:10.1371/journal.pone.0023652

 研究者らは人間で言えば老齢にあたる生後10ヶ月のマウス40匹を2つのグループに分けLKM512乳酸菌(ビフィズス菌)を11ヶ月食べさせた。そして投与から45週間後(生後21ヶ月、超高齢)のマウスの生存率を調べると、乳酸菌を食べさせていないマウスは全体の75%が既に死亡していたが、乳酸菌を食べさせたマウスは全体の25%しか死亡していなかった。すなわち乳酸菌を食べさせることにより平均寿命が上昇することが確認された。寿命以外にも乳酸菌を食べさせたマウスは皮膚の潰瘍やガンの発生頻度が低く、小腸の炎症も少なく大腸の粘膜の動きも活発だった。DNAチップで双方のグループのマウスの遺伝子発現を解析した結果では乳酸菌を食べさせたマウスは超高齢でも若いマウスと同様の遺伝子発現を保っていた。双方のグループの体重に差は無かった。

生後21ヶ月後(超高齢)に生き残っている匹数
通常エサを食べさせたマウス5匹
乳酸菌を食べさせたマウス15匹
※20匹からスタート

 どのような仕組みで平均寿命が延びたのかを調べ過程で、乳酸菌を食べさせたマウスの糞便中のポリアミン、特にスペルミン量が増えていることに着目した。ポリアミンは有機カチオンの一種であり、細胞の増殖や分化など様々な作用を持ち、特にマクロファージが炎症性サイトカインを出すのを抑制することで身体の中で起こる炎症を抑えることが知られている。哺乳類では体内や腸管内のポリアミン量は老化に伴い減少していく。そして、LKM512乳酸菌(ビフィズス菌)は酸に耐性を持ち生きて腸管に到達し、腸管の粘膜に張り付き、腸管の中で増殖し腸管内のポリアミンを増やすことが知られている。

 研究者らは、乳酸菌の代わりにポリアミン(スペルミン)をエサに多く加える実験を行った。するとポリアミンを食べさせたマウスでも乳酸菌を食べさせたマウスに劣らず寿命が延長することを発見した。(45週間後に死亡率40%)。日常の食事の中にも実は多くのポリアミンは含まれているが食事由来のポリアミンは腸の下部(大腸)に到達する前に吸収されるため、通常は大腸の中のポリアミン濃度は低い、大量のポリアミンを含むエサを食べさせた場合は、吸収しきれないポリアミンが大腸まで到達することで、大腸のポリアミン濃度が高くなり、また乳酸菌を食べさせた時は、腸管内で乳酸菌がポリアミンを作り出すため、腸管の中のポリアミン濃度が高くなると考えられる。(これらの実験でポリアミンを食べさせたマウスと乳酸菌を食べさせたマウスは糞便中に同じ程度のポリアミンが排出される条件(大腸内のポリアミン濃度は同じ程度と予想される))

生後21ヶ月後に生き残っている匹数
通常エサを食べさせたマウス5匹
乳酸菌を食べさせたマウス15匹
ポリアミンを食べさせたマウス12匹
※20匹からスタート

 今回のマウスで実施された実験における「乳酸菌」や「ポリアミン」の投与量は次のとおりである。乳酸菌を食べさせる実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり10の9乗匹の乳酸菌を食べさせた。ポリアミンを投与する実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり3mg(1回マウス1匹あたり0.15mg程度)のポリアミンを食べさせた。乳酸菌の量を人間がヨーグルトを食べた場合に換算すると、週に3回、150mlのヨーグルトを食べた場合に相当するそうだ。ポリアミンの投与量を人間の食生活に換算することは難しいが、マウスの通常のエサの中にも0.03mg/g程度のポリアミンが含まれている。マウスは1日あたり数グラムのエサを食べることを考えると今回の実験では食事中のポリアミンの量を2〜3倍程度に上昇させた計算だ。寿命を延長させる手段としてヨーグルトのほかにポリアミンの多い食事をとるという方法も可能かもしれない。

 老化の原因は様々なメカニズムが知られているが、多くのメカニズムでは弱い慢性的な炎症が関わっている。また、これらの慢性的な炎症はアルツハイマー糖尿病などの原因でもある。今回の研究は、乳酸菌が寿命を延長する効果を持つという結果を示すとともに、腸管の下部(大腸)で炎症を抑える作用を持つポリアミンの濃度を増加させることで平均寿命を延長しうる可能性を示している。

※人間の腸には少なくとも1000種類以上のバクテリアが見つかっており、1人の腸内には少なくとも160種類のバクテリアが住み、その種類は人によって異なる。また、種類は食生活や老化によって変化する。そして、腸管内のバクテリア数は10の14乗匹と人間の身体を構成する細胞の10倍以上である。この大量のバクテリアの状態は人体に大きな影響を与えることが解明されつつある。


(省略されています。全文を読む

Category:アンチエイジング・老化抑制