メタボリックシンドローム |
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2020.01.21:BMIよりも腹囲を使った新指標「RFM」の方がメタボ度を正確に算出出来る
2017.09.01:史上最大の薬害事件?ノンカロリー人工甘味料は逆に太りやすく、高血圧、糖尿病、心臓病、各種メタボ病リスクを上昇させる。
2016.12.20:ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功
2016.07.11:ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる
2012.12.14:医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
2007.03.29:アディポネクチンは肝臓表面の2種類のタンパク質に結合し、脂肪を燃焼させる。
2020.01.21
BMIよりも腹囲を使った新指標「RFM」の方がメタボ度を正確に算出出来る
BMIよりも腹囲を使った新指標「RFM」の方がメタボ度を正確に算出出来る
新しい指標「RFM」が発表されています。下記のグラフはBMIとRFMとX線撮影で算出した本当の体脂肪率(縦軸)の相関関係を示したグラフです。
出典:Relative fat mass (RFM) as a new estimator of whole-body fat percentage ─ A cross-sectional study in American adult individuals.Sci Rep. 2018 Jul 20;8(1):10980. doi: 10.1038/s41598-018-29362-1.
RFMでは男女とも体脂肪率とRFM値が一直線に乗っており高い相関関係があることが分かります。一方、BMIと体脂肪率の関係は男女でベースラインも傾きもズレが見られます。
RFMの求め方は:
男性:64 - ( 20 × 身長 / 腹囲 ) = RFM
女性:76 - ( 20 × 身長 / 腹囲 ) = RFM
自動で計算してくれるサイトが下記にあります。
身長と腹囲と性別を入力すると正常範囲かどうかを表示してくれます。正常の範囲は女性で体脂肪率:25-31%、男性で18-24%とのこと。
また下記の論文では子供に正確に対応させるための数式が掲載されています。
。。。。。。。性自認が人と違う人が騒ぎ出すのも時間の問題か?
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
2017.09.01
史上最大の薬害事件?ノンカロリー人工甘味料は逆に太りやすく、高血圧、糖尿病、心臓病、各種メタボ病リスクを上昇させる。
史上最大の薬害事件?ノンカロリー人工甘味料は逆に太りやすく、高血圧、糖尿病、心臓病、各種メタボ病リスクを上昇させる。
「アスパールテーム」などのノンカロリーの人工甘味料はカロリー摂取を減らす目的で世界中で広く使われていますが、その長期的な健康への影響は不明です。研究者らはこれまで報告された多数の研究を調べるメタ研究を行ったところ、太りにくいどころか様々な健康への悪影響が報告されていることが分かりました。
研究者は調査にあたり、対象者をランダムで選んでいたりする信頼性の高い試験のみをピックアップしています。1万1774の研究報告の中から、7つの試験(参加者1003名、6ヶ月間追跡調査)と30の調査(40万5907人を調査、10年間追跡調査)をメタ解析した結果、人工甘味料はBMIに与える有意な影響はないか若干BMI増加に働いており、逆に体重、ウエストの太さ、肥満発生、高血圧、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心血管障害の発生に関連している傾向が確認されました。
人工甘味料がこのような悪影響を起こすメカニズムは諸説報告されています。摂取により糖分を摂取した時と同様にエネルギーため込みを指令するインスリンの分泌を促し、逆に低血糖状態を作り出し食欲を増進する、腸内細菌を変え、太りやすい体質にしてしまうなど様々です。
大企業も「ダイエットコーク」なんて名前でドリンク売るのは止めないとそろそろ訴えられるかもしれませんね。
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
2016.12.20
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功
iPS細胞は、分化した(機能を持った)様々な細胞を脱分化(機能を失わせた幹細胞に戻し)することで作られます。脱分化したiPS細胞は、再び分化させることで別の細胞を造り出すことが出来るため、再生医療や病気の原因解明などの研究で非常に注目されていますが、この原理を利用することで生きた生物の老化を抑制する研究が生物学学術雑誌の最高峰Cell誌に掲載されています。
アメリカSalk Instituteの研究者は以前から、生きたマウスにiPS細胞形成を誘導する実験を行っていましたが、普通、生きた動物にiPS細胞誘導を行うと、体重が激減し、腫瘍、ガンが形成されてしまいます。これは身体中の機能を持った細胞が機能を持たず増殖するだけの細胞になってしまうためです。
今回、研究者は絶妙にiPS細胞誘導の条件をコントロールし、ガンが発生しないギリギリの条件で処理を行いました。具体的には2日間誘導し、5日間誘導を試すというのを繰り返します。
その結果、遺伝子異常があり急速に老化が進む早老症マウスの老化現象を抑制し平均寿命を延ばすことに成功しました。また、普通の高齢マウスのメタボリックシンドロームと、筋肉損傷の回復を促進することを見出しました。
これらの結果は「エピゲノム制御」が老化原因の一つである可能性を示唆しています。
今回行った2日間iPS誘導して5日間休むという絶妙なコントロールは、遺伝子操作した特殊マウスを用いることで可能になっており、同じように人間で行うことは出来ませんが、工夫し同じことを人間で行える可能性はあります。将来、この原理を利用した老化抑制、若返り治療が可能になるかもしれません。
Category:アンチエイジング・老化抑制
2016.07.11
ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる
ママの妊娠前のメタボな食生活は筋肉中ミトコンドリアにより3世代先の子孫まで「太りやすさ」として伝わる
Maternal Metabolic Syndrome Programs Mitochondrial Dysfunction via Germline Changes across Three Generations. Cell Rep. 2016
新しく産まれたって何もリセットされちゃいない。そんな現実が明らかになりました。妊娠中どころではありません、妊娠前のママの食生活が卵細胞のミトコンドリアに悪影響を与え、確実に子孫に「太りやすさ」という性質として受け継がれることをマウスを使った実験で実証に報告しています。
(省略されています。全文を読む)
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
2012.12.14
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌Nature Medicineが2012年に発表された重要な研究成果として8つの研究フィールドに分けて紹介しています。
★神経科学
自閉症の原因遺伝子についての発見があった。自閉症患者の遺伝子を1000人分調べ共通点を探したところ、変異すると自閉症になりうる共通変異が100以上見つかった。自閉症は父親の年齢が高いほど確率が高いが、高齢の男性の精子が遺伝子変異を起こしやすいことと関係していると思われる。
★ガンのメカニズムに関して
ガン細胞がどのように体内で増えていくのかに関して様々な知見が得られた。例えばガン細胞はエキソソームを放出して転移に適した環境を作り出すし、血管細胞や免疫細胞を制御して自身が生存しやすくしている。ガン細胞は転移出来る場所に落ち着くとBMP阻害因子であるCocoタンパクを産生するようだ。これらはいずれも新たなガン治療薬開発の可能性となる。
また、ガンの増殖に関して、周囲の正常部分の関与も報告された、抗ガン剤はガン細胞だけでなく周囲の正常細胞も傷つけるがそれらの正常細胞が元に戻ろうとする過程でガン細胞を増殖させる物質を出してしまっているようである。
★老化現象
以前報告された内容と異なり、カロリー制限を長期間行ってもサルの寿命が延びなかったとする結果が報告された。
赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」がカロリー制限と同じ働きをするメカニズムが報告された。レスベラトロールと同様にrolipramという物質が同様の効果を持つことが報告された。
★メタボリックシンドローム
これまでの研究では、脂肪をため込む「白色脂肪細胞」、エネルギーを燃やす「褐色脂肪細胞」に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」という概念が報告された。このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞と似ているがUCP1を発現しており褐色脂肪細胞のように効率的にエネルギーを燃やすことが出来ます。新しく見つかったホルモンirisinが白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させることが報告され、新しい肥満治療薬の開発につながるかもしれない。
冷たい外気に触れた時にも白色細胞が変化してベージュ脂肪細胞になりうることが報告された。またサーチュイン1タンパクがベージュ脂肪細胞への変化を誘導しうることも報告された。BMP 8bというタンパクが脂肪燃焼を誘導することが報告された。
★ガンの免疫治療
ガン細胞はなぜか体内の免疫により攻撃されない。最近、T細胞にPD-1(programmed cell death protein 1)というレセプターが発現していることが報告された。PD-L1などのリガンドが結合することでT細胞は攻撃するT細胞(エフェクターT細胞)としての機能が低下し、攻撃しないT細胞(制御性T細胞)としての機能が活性化する。ガン患者の一定数にはPD-L1が血液中に見られるが、PD-1に対する抗体を投与する臨床試験でガンの増殖を抑制する効果が見られた。
★ウイルス学
これまで様々なHIVワクチンが開発が試されたが、あまりうまくいっていない、今年新型のHIVワクチンの可能性が示された。HIVウイルスが免疫細胞(T細胞)に結合する時に使われるEnvタンパクをターゲットにしたワクチン療法である。
★胃腸
腸内の細菌環境が壊れることで大腸炎が起こりうることが報告された。こういった腸内環境の乱れは肝臓の病気や肥満、大腸ガンにつながる。研究者らは高脂肪食をマウスに食べさせると胆汁に変化が起こりグラム陰性菌が増え、大腸炎を起こしうることを報告した。また同様の細菌変化は栄養失調やタンパク質の少ない食事でも起こりうることが報告された。
幼児期に抗生物質に触れると免疫機能の確立が損なわれアレルギーになる可能性が増すことが報告された。
★生殖医療
精子と異なり卵子は生まれてきた後は増えないと考えられてきたが、少し前にマウスの卵巣ではちょっとだけ新たな卵子を作り出しうる細胞が存在していることが報告されていた。今年、人間の女性の卵巣にも新しい卵子を生み出しうる卵子幹細胞が含まれていることが報告された。これは生殖医療のあり方を変える可能性がある。現在、その細胞の取り出し精製方法が研究されている。
(省略されています。全文を読む)
Category:1年間のまとめ記事
2007.03.29
アディポネクチンは肝臓表面の2種類のタンパク質に結合し、脂肪を燃焼させる。
アディポネクチンは肝臓表面の2種類のタンパク質に結合し、脂肪を燃焼させる。
この研究を発表したのは東大病院の門脇孝ら。これまでにも、脂肪細胞はアディポネクチンというホルモンを作り、このホルモンには血糖値や、中性脂肪を下げる働きがあることが知られていた。
このアディポネクチンは内蔵脂肪が蓄積した状態では作られにくくなり、このことがメタボリックシンドロームとして知られる様々な生活習慣病の原因になることが知られていたが、アディポネクチンがどのように働いているのかは分かっていなかった。
研究者らは肝臓表面にアディポネクチンに結合する2種類のタンパク質を発見、アディポネクチンが肝臓細胞に結合することで、肝臓細胞の働きが活発になり、血糖値を下げ、脂肪分解を促す。
内蔵脂肪が蓄積した状態では、肝臓表面のこのアディポネクチンに結合するタンパク質の量も減らしていた。
肝臓細胞の表面にこのタンパク質を増やすことが出来れば糖尿病の治療に使えるかもしれない。
この研究はNat Medに発表された(2007/02/09の記事)
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム