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2024.11.15:老化に伴う変化と免疫グロブリンGの蓄積に相関関係が見られることから、免疫グロブリンの蓄積抑制をターゲットにした抗老化薬(genoprotector)開発が可能かもしれない。
2016.01.05:睡眠の質が悪いと癌が増殖する
2013.08.19:腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要
2011.08.22:ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント
2004.11.01:細胞融合を積極的に利用した骨髄細胞移植による肝臓再生の試み(マクロファージ系細胞が有用!)
2003.04.24:骨髄細胞を移植すると先天異常のある肝臓も再生するがそれは細胞融合によるものだった
2003.03.10:末梢血中の単球を様々な細胞に分化させる事に成功
2024.11.15
老化に伴う変化と免疫グロブリンGの蓄積に相関関係が見られることから、免疫グロブリンの蓄積抑制をターゲットにした抗老化薬(genoprotector)開発が可能かもしれない。
老化に伴う変化と免疫グロブリンGの蓄積に相関関係が見られることから、免疫グロブリンの蓄積抑制をターゲットにした抗老化薬(genoprotector)開発が可能かもしれない。
中国の研究者によるCellへの投稿です。臓器内においても老化の進んだ部分SSS(senescence-sensitive spots)に同じように免疫グロブリンGの蓄積が見られるとのこと。これはマウス、ヒトで共通して確認されるそうです。
また免疫グロブリンGはマクロファージやマイクログリアに前老化的特徴を生じさせるとのこと。
加齢に伴い血中の免疫グロブリンG量が増加していくという話は聞いたことがないですが、組織への蓄積量だけが増えていくのでしょうか。だとすると自己反応性の抗体が増加していくことが老化の原因になるということでしょうか?
細胞性免疫/T細胞は胸腺の機能低下により衰えていくと言われていますが、液性免疫/B細胞機能の衰えを抑制するにはどうしたら良いんでしょう。
Category:未分類
2016.01.05
睡眠の質が悪いと癌が増殖する
睡眠の質が悪いと癌が増殖する
断片的な睡眠により腫瘍関連マクロファージとTLR4シグナルを介して癌の増殖が誘導されるそうです。
まあ、ねずみちゃんを一晩中連日にわたりずっと2分以上連続して寝れなくしたヒドイ実験の結果ではありますが。
これで人間の睡眠の質を議論するとか研究者狂ってる。
Category:ガン・腫瘍
2013.08.19
腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要
腸内の善玉菌を増やすためには「食事の種類」よりも「摂取カロリー」の方が重要
腸内細菌は人体に大きな影響を与え、乳酸菌などの善玉菌が多いと寿命が延び、反対に有害物質であるLPSなどを多く作る悪玉菌が多いと寿命が短くなることが動物実験により証明されています。腸内で作られたLPSは吸収されて人体の様々な臓器に悪影響を及ぼします。
腸内の善玉菌を増やすにはどうしたら良いのでしょうか?ヨーグルトと食べる?肉を減らす?中国の上海Jiao Tong大学のLiping Zhaoらはマウスを使った実験を行い、カロリー制限により効率的に善玉菌を増やすことが出来ることを報告しています。
(省略されています。全文を読む)
Category:#腸内細菌 #う〇こ移植治療
2011.08.22
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内の[[ポリアミン]]濃度がポイント
ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌等のバクテリアが腸の腐敗を防止し、健康、老化予防に効果があることがMetchnikoffらにより報告されて100年になるが、寿命が延びることはこれまで報告された事はなかった。今回、京都大学と共同乳業の共同研究で初めてこれらのバクテリアを定期的に食べることで寿命が延びることを動物実験で確認された。
日本語では
原文はPLos One誌で発表されている。ヨーグルトでマウスの寿命延長(iza)と報道されている。 Longevity in Mice Is Promoted by Probiotic-Induced Suppression of Colonic Senescence Dependent on Upregulation of Gut Bacterial Polyamine Production(プロバイオテックにより腸内のバクテリアが作り出すポリアミンの量が増えることにより腸の老化が抑制されマウスの寿命が延長する). PLoS ONE 6(8): e23652. doi:10.1371/journal.pone.0023652
研究者らは人間で言えば老齢にあたる生後10ヶ月のマウス40匹を2つのグループに分けLKM512乳酸菌(ビフィズス菌)を11ヶ月食べさせた。そして投与から45週間後(生後21ヶ月、超高齢)のマウスの生存率を調べると、乳酸菌を食べさせていないマウスは全体の75%が既に死亡していたが、乳酸菌を食べさせたマウスは全体の25%しか死亡していなかった。すなわち乳酸菌を食べさせることにより平均寿命が上昇することが確認された。寿命以外にも乳酸菌を食べさせたマウスは皮膚の潰瘍やガンの発生頻度が低く、小腸の炎症も少なく大腸の粘膜の動きも活発だった。DNAチップで双方のグループのマウスの遺伝子発現を解析した結果では乳酸菌を食べさせたマウスは超高齢でも若いマウスと同様の遺伝子発現を保っていた。双方のグループの体重に差は無かった。
※20匹からスタート生後21ヶ月後(超高齢)に生き残っている匹数 通常エサを食べさせたマウス 5匹 乳酸菌を食べさせたマウス 15匹
どのような仕組みで平均寿命が延びたのかを調べ過程で、乳酸菌を食べさせたマウスの糞便中のポリアミン、特にスペルミン量が増えていることに着目した。ポリアミンは有機カチオンの一種であり、細胞の増殖や分化など様々な作用を持ち、特にマクロファージが炎症性サイトカインを出すのを抑制することで身体の中で起こる炎症を抑えることが知られている。哺乳類では体内や腸管内のポリアミン量は老化に伴い減少していく。そして、LKM512乳酸菌(ビフィズス菌)は酸に耐性を持ち生きて腸管に到達し、腸管の粘膜に張り付き、腸管の中で増殖し腸管内のポリアミンを増やすことが知られている。
研究者らは、乳酸菌の代わりにポリアミン(スペルミン)をエサに多く加える実験を行った。するとポリアミンを食べさせたマウスでも乳酸菌を食べさせたマウスに劣らず寿命が延長することを発見した。(45週間後に死亡率40%)。日常の食事の中にも実は多くのポリアミンは含まれているが食事由来のポリアミンは腸の下部(大腸)に到達する前に吸収されるため、通常は大腸の中のポリアミン濃度は低い、大量のポリアミンを含むエサを食べさせた場合は、吸収しきれないポリアミンが大腸まで到達することで、大腸のポリアミン濃度が高くなり、また乳酸菌を食べさせた時は、腸管内で乳酸菌がポリアミンを作り出すため、腸管の中のポリアミン濃度が高くなると考えられる。(これらの実験でポリアミンを食べさせたマウスと乳酸菌を食べさせたマウスは糞便中に同じ程度のポリアミンが排出される条件(大腸内のポリアミン濃度は同じ程度と予想される))
※20匹からスタート生後21ヶ月後に生き残っている匹数 通常エサを食べさせたマウス 5匹 乳酸菌を食べさせたマウス 15匹 ポリアミンを食べさせたマウス 12匹
今回のマウスで実施された実験における「乳酸菌」や「ポリアミン」の投与量は次のとおりである。乳酸菌を食べさせる実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり10の9乗匹の乳酸菌を食べさせた。ポリアミンを投与する実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり3mg(1回マウス1匹あたり0.15mg程度)のポリアミンを食べさせた。乳酸菌の量を人間がヨーグルトを食べた場合に換算すると、週に3回、150mlのヨーグルトを食べた場合に相当するそうだ。ポリアミンの投与量を人間の食生活に換算することは難しいが、マウスの通常のエサの中にも0.03mg/g程度のポリアミンが含まれている。マウスは1日あたり数グラムのエサを食べることを考えると今回の実験では食事中のポリアミンの量を2〜3倍程度に上昇させた計算だ。寿命を延長させる手段としてヨーグルトのほかにポリアミンの多い食事をとるという方法も可能かもしれない。
老化の原因は様々なメカニズムが知られているが、多くのメカニズムでは弱い慢性的な炎症が関わっている。また、これらの慢性的な炎症はアルツハイマーや糖尿病などの原因でもある。今回の研究は、乳酸菌が寿命を延長する効果を持つという結果を示すとともに、腸管の下部(大腸)で炎症を抑える作用を持つポリアミンの濃度を増加させることで平均寿命を延長しうる可能性を示している。
※人間の腸には少なくとも1000種類以上のバクテリアが見つかっており、1人の腸内には少なくとも160種類のバクテリアが住み、その種類は人によって異なる。また、種類は食生活や老化によって変化する。そして、腸管内のバクテリア数は10の14乗匹と人間の身体を構成する細胞の10倍以上である。この大量のバクテリアの状態は人体に大きな影響を与えることが解明されつつある。
(省略されています。全文を読む)
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2004.11.01
細胞融合を積極的に利用した骨髄細胞移植による肝臓再生の試み(マクロファージ系細胞が有用!)
細胞融合を積極的に利用した骨髄細胞移植による肝臓再生の試み([[マクロファージ]]系細胞が有用!)
Myelomonocytic cells are sufficient for therapeutic cell fusion in liver
Nature Medicine vol.10 p.744-8(2004)(7月号)
Holger Willenbring, Markus Grompe et al.
これまでの研究により遺伝的な肝臓疾患(Fah欠乏症)のネズミ肝臓に骨髄細胞を移植する事により骨髄由来肝細胞(BMHs)が出現し肝臓を再生させてを治療出来る事が報告されている。
骨髄の細胞が肝臓の細胞にどのように変化するのかという点に関しては2種類の経路がある事が分かっており、1つはいわゆる「分化」により骨髄細胞が肝臓の細胞に変化するという事、そしてもう一つは骨髄細胞が元からある肝臓の細胞と細胞融合することにより肝臓の細胞になるという経路である。
今回、研究者らはこの2つ目の細胞融合を効率よく起こすための研究を行った。
Rag1遺伝子欠損マウスの血液幹細胞をFah欠損マウスに移植しどれぐらいの細胞が細胞融合を起こすか調べたところ、顆粒球由来マクロファージ前駆細胞(GMPs)や骨髄細胞由来マクロファージ(BMMs)を移植した時、BMHsの誕生が効率的に起きる事が分かった。
すなわち骨髄細胞全体を移植するよりも骨髄細胞中に含まれるマクロファージや高い増殖能を持ったマクロファージ前駆細胞を移植することにより、より効率的な細胞融合を起こすことが出来、細胞融合による免疫拒絶の心配のない組織再生に用いる事が出来ると考えられる。
Category:肝臓の治療・再生
2003.04.24
骨髄細胞を移植すると先天異常のある肝臓も再生するがそれは細胞融合によるものだった
骨髄細胞を移植すると先天異常のある肝臓も再生するがそれは[[細胞融合]]によるものだった
肝臓の機能に生まれつき異常のあるマウスに正常な肝臓を持つマウスの骨髄を移植すると骨髄細胞が移植したマウスの細胞に置き換わるだけでなく、肝臓の細胞も正常なマウスの物に置き換わることが知られている。これは置き換わった骨髄細胞の一部が肝臓細胞に変化した為であると考えられてきたが、この報告ではこれらの置き換わった細胞はドナー骨髄細胞とホスト肝細胞が融合した物であることを示している。
骨髄移植後、2ヶ月ほどして肝臓が置き換わり出すことから、研究者らは、肝臓細胞と細胞融合するのは移植した骨髄細胞そのものでは無く、骨髄細胞から作られた成熟細胞(T細胞、B細胞、マクロファージなど)が肝細胞と融合している可能性があると推測している。
研究者らは骨髄細胞が他の細胞に変化する能力は実は無く、細胞融合する能力があるだけでは無いかと考えている。
(Cell fusion is the principal source of bone-marrow-derived hepatocytes(Nature vol.422 p.897-901))
この論文の次のTransplanted bone marrow regenerates liver by cell fusion.(Nature 2003/4/24 ,vol.422 p.901-904)も同様の事を示している。
Category:肝臓の治療・再生
2003.03.10
末梢血中の単球を様々な細胞に分化させる事に成功
末梢血中の単球を様々な細胞に分化させる事に成功
研究者らはヒトの末梢血中に存在する単球中に様々な細胞に分化しうる細胞が存在することを発見した。この細胞は繊維芽細胞に形態がよく似ていた。MCSF存在化で増殖し、様々な幹細胞マーカーを発現していた。この細胞はLPS刺激によりマクロファージになり、IL-2刺激によりT細胞になった。またEGF(上皮細胞増殖因子)刺激により上皮細胞になり、NGF(神経増殖因子)刺激により神経細胞になった。またHGF刺激により肝細胞になった。またこの細胞は保存することが出来るため、患者から血液を採取して治療に用いるという治療方法に用いることの出来る可能性がある。
Category:成体幹細胞