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2024.02.14:Cellular Longevity, Inc.の大型犬専用の寿命延長薬「LOY-001」を条件付き承認する条件についてFDAが合意。2026年に販売開始へ
2016.03.07:学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
2013.07.22:空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い
2008.06.13:長生きするには運動だけではダメで、食事制限も必要。
2008.03.10:長寿に人に共通の遺伝子変異が見つかる
2005.08.26:Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)
2024.02.14
Cellular Longevity, Inc.の大型犬専用の寿命延長薬「LOY-001」を条件付き承認する条件についてFDAが合意。2026年に販売開始へ
Cellular Longevity, Inc.の大型犬専用の寿命延長薬「LOY-001」を条件付き承認する条件についてFDAが合意。2026年に販売開始へ
FDAはLOY-001を投与した犬と投与していない犬の寿命比較試験無しに(寿命延長効果を示す数値データを元に「寿命を延長しそうだ)と判断し、あとは安全性を確認して製造方法を確立すれば「条件付き承認」を得てとりあえず販売開始にOKを出しました。販売後に実際に寿命延長しているかの確認を行い本当の有効性を確認します。
LOY-001はIGF-1阻害剤とのこと。As a result of selective breeding. large dogs produce more IGF-1 hormone than required post-maturity. This is believed to reduce their lifespan relative to smaller dogs.(選択的な交配を続けた結果、大型犬は生後に必要以上に多くのIFG-1ホルモンを産生するようになり、これが犬達の寿命を縮めている)と説明されています。
前回紹介した時からパイプライン(開発中の薬)は一つ増えてLOY-003が加わって3つの薬を開発中ですね。
LOY-002の販売時期は前回紹介した時は2024年となっていましたが、現在は2025年早期と少し開発が遅れているようです。LOY-002は高齢犬に投与するメタボ治療薬らしい。あまり革新的な薬ではない気配がします。LOY-003はLOY-001と同じIGF-1阻害剤ですが、LOY-001が注射薬なのに対し、LOY-003は飲み薬になっているようです。
Category:#アンチエイジングを目指す企業
2016.03.07
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
老化とは何でしょうか?最新科学では「老化」が人体が古くなったという単純な現象ではないことを明らかにしています。ある特定の仕組みによって老化が進行しているようなのです。実は、すでに発売済みの薬や開発中の薬の中にはその老化を促進する仕組みをブロックし、結果として老化を抑制する副作用が報告されているものが数多くあります。そういった報告の多くは今のところ動物実験でのみ検証されており、大勢の人間が参加した大規模な「臨床試験」によって人間での効果が証明された薬は未だありません(もし、あったら既に皆飛びつきますよね?)。
今回、Nature Medicineという医学界で最も有名な学術雑誌がそのような薬のまとめ記事を掲載しています。
以下が記事中で取り上げられていた薬を表にしたものです。薬の名前 ターゲット(薬が作用する体内の分子) 現在、何の用途に使われている薬か 知られているリスク ラパマイシン(Rapamycin) mTORC1とmTORC2 抗ガン剤、メタボ薬、心臓病薬 免疫抑制、インスリン抵抗性、白内障 メトホルミン(Metformin) ミトコンドリアのAMPKとmTOR 糖尿病薬 不明 レスベラトロール(Resveratrol) SIRT(サーチュイン)やAMPK 肥満予防 不明 Anti-CGRP CGRPやCGRPレセプター 偏頭痛、メタボ薬、抗炎症薬 痛覚の鈍化、低体温 ? 食事中のメチオニンを制限 メタボ対策 脂肪肝、体重減少、鬱 Lilly社のLY2405319、Amgen社のペプチド薬 IIS、FGF-21、klotho、PAPP-Aを減らす メタボ対策 骨密度減少、高血糖、インスリン抵抗性
(省略されています。全文を読む)
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2013.07.22
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い
これまでの研究で摂取カロリーを減らす食事制限により寿命が伸びる事が様々な動物で報告されています。これらの動物で寿命が延びるメカニズムに関しては、余分な脂肪が無く動脈硬化に成りにくいなどの分かりやすい理由の他に、もっと根本的に「空腹を感じることこそが重要」との報告されていますが、詳細はまだ明確ではありません。
今回、アメリカ・テキサス大学の研究者Mangelsdorf DJらが、空腹時に肝臓で作られるホルモンFGF-21こそが寿命を延ばす原因であることを報告しています。
FGF-21は空腹時に肝臓で作られ、様々な臓器に「飢餓状態に備える」ように指令をする働きをするホルモンです。例を挙げると、肝臓では蓄えていた脂肪を分解してエネルギーを作り出します。また、筋肉ではインスリンに対する感受性を向上させ効率的に少ないエネルギーを取り込めるように指令を出します。全身の細胞はこの指令を受け細胞分裂を抑え「低エネルギーモード」に移行します。
研究者らは、このホルモンFGF-21を常に作るように遺伝子改変を行ったマウスを作りました。このマウスは空腹を感じていない時でもFGF-21が常時作られ、体内に大量に存在します。
生み出した遺伝子改変マウスを飼育してみると、オスで30%、メスで40%平均寿命が長いことが分かりました。普通のマウスでは3年を超えて生きる個体のはいませんでしたが、遺伝子改変マウスのうちメスの何匹かは4年近く生きました。
体内の細胞の状態を調べると、空腹時に起こるNAD+代謝経路や、AMPキナーゼ、mTORシグナルの活性化、成長ホルモンやIGF-1シグナル経路を妨害など、空腹時と同じ反応が常に起きていることが確認されました。
これらのマウスは寿命が延びますが、副作用も見られました。これらのマウスはどの個体もやせ気味で、大量のエサを食べても太りませんでいた。また、骨密度が少く、メスは不妊で子供を生むことが出来ませんでした。ただ、どの個体も運動量は変わらず一見健康そうでした。
今回の結果を元にFGF-21の作用を真似した長寿薬が作れるかもしれません。
(省略されています。全文を読む)
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2008.06.13
長生きするには運動だけではダメで、食事制限も必要。
長生きするには運動だけではダメで、食事制限も必要。
カロリー制限により寿命が延びるが、運動により寿命が延びることは無い。この違いに関する原因はこれまで明らかでは無かった。
研究者らは今回、マウスとトレッドミルを持ちいて24週間の下記の実験を行った。
見た目では自然にしているマウスが太っていくのに対して、カロリー制限または運動を行ったマウスは太らなかったが、運動を行ったマウスの方が引き締まって(liner)いた。運動をしているが食事制限を行っていないマウスでは自然にしているマウスに比べて血中のIGF-1レベルの低下は見られたが、インスリンレベルは低下していなかった。一方、9%のカロリー制限を行ったマウスではインスリンレベルの低下が見られ、18%のカロリー制限によりインスリンに加えIGF-1レベルの低下も見られた。
カロリー制限による寿命の延長が起こる時にはインスリンやIGF-1レベルの低下が起こる事が知られているが、運動とカロリー制限ではこれらのホルモンに与える影響が異なるようだ。
また、運動により組織のHSP(ヒートショックプロテイン)増加は見られたが、酸化ダメージの増加は確認されず、これが寿命延長を妨げているとは考えにくい。
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2008.03.10
長寿に人に共通の遺伝子変異が見つかる
長寿に人に共通の[[遺伝子変異]]が見つかる
近年、IGF-1(インスリン様増殖因子1)経路により寿命がコントロールされている証拠が実験動物において多数見つかっている。IGF-1経路を欠損させた動物の検討では、酵母、線虫、ハエ、マウスなどで寿命の延長が確認されている。しかしこれらは本当に人間でもあてはまるのか?
研究者らはユダヤ人の長寿者(100才以上の老人:Centenarians)とその子孫を調べた。IGF-1とIGF-1受容体の遺伝子を調べたところ、IGF-1Rに長寿者に特有の変異を見つけ出した。この変異によりIGF-1とIGF-1Rの結合性が悪くなることが考えられる。実際にこの変異を持つ人はIGF-1RとIGF-1の結合性が悪いことが理由と推定されるIGF1の血中濃度が通常よりも高いという現象が見られた。(長寿者の子孫105名と通常の人67名の比較)
ただし、この変異は長寿者の子孫においては女性にのみ受け継がれているようであった。
またこの変異の結果として、成長が遅れることが考えられるが、この変異を持つ人の平均身長は通常よりも低いことが分かった。
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
2005.08.26
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)
この研究者らはKlothoという遺伝子の発現を失ったマウスは老化に伴う様々な症状が早まる事を以前に報告している。今回、マウスにKlothoを過剰に作らせたところ寿命を延ばすことが出来た。
Klothoは体内を循環するホルモンであり、細胞表面のレセプターに結合し、そして細胞内のインスリンとIGF-1のシグナルを抑制する。
Klotho欠損マウスの老化の特徴はインスリンやIGF-1シグナルの異常でも確認されるものである。
これらの事はKlothoによるインスリンやIGF-1シグナルの抑制が老化防止に役立つ事を意味しており、Klothoタンパクが老化抑制ホルモンとして機能するかもしれない。
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術