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免疫寛容


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2008/01/10
CD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞による急性/慢性移植拒絶の抑制臓器移植
Prevention of acute and chronic allograft rejection with CD4+CD25+Foxp3+ regulatory T lymphocytes
Nature Medicine 14, 88 - 92 (2007)

移植医療の主要な挑戦といえば、移植組織の拒絶につながる強力な免疫拒絶をコントロールすることだ、免疫抑制剤により急性の拒絶は効果的に抑制出来るが、一部の患者では、慢性的な免疫拒絶が起こり、最終的には移植臓器の機能が失われてしまう。移植組織に対する免疫寛容を作り出すことは免疫拒絶と人生を通じた免疫抑制剤による治療を避けることにつながる。

自己抗原に対する免疫寛容はいくつかのメカニズムで起こることが知られている。一つは制御性T細胞の働きによる。今回、研究者らはマウスにおいて臨床的に許容出来るレベルの放射線を用い、in vitroにおいて抗原により刺激されたCD4+CD25+Foxp3+制御T細胞を用いることで骨髄や皮膚、動脈の移植塊に対する長期間のトレランスを起こせることを示している。

適切に刺激された制御T細胞が将来的な人生を通じた免疫寛容を起こすことが出来る可能性がある。


2007/04/24
花粉症緩和米の安全性評価試験結果が発表される(プレスリリース)(sankei)【免疫・アレルギー・自己免疫疾患
発表したのは研究を行っている独立法人農業生物資源研究所。
この米はスギ花粉のアレルギー症状の原因物質(抗原)と同じ物質を含んでいる。人間の体は食べ物として体の中に入ってくる物質には免疫反応を起こさない仕組み(免疫寛容)があるので、この米を食べ続けることで体がスギ花粉を抗原と認識しなくなり、アレルギー症状が緩和されることを期待している。

今回の実験で、この米をマウスやサルに食べさせた。結果、遺伝毒性試験、長期毒性試験、生殖・発生毒性試験においてすべて異常は確認されなかった。

また、この花粉症緩和米を14週間食べたマウスと26週間食べたサルの血液を調べたが、スギ花粉に対する抗体は出来ておらず、この米が原因となりアレルギーを起こす可能性は低いと考えられる結果が出た。

この米が市場で販売されるのを心待ちにしている人も多いと思うが、厚生労働省の指摘で市場に出すには「医薬品」としての厳密な実験が必要となり、商品化は早くても6年後の2013年になる予定。厚生労働省の指摘が無ければ2010年にも商品化出来る見込みだったそうだ




免疫抑制剤


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2002/01/04
ヒトに臓器を移植可能なブタが作られた(science)(wired)【免疫・アレルギー・自己免疫疾患
ブタの臓器はヒトのものと似ており、ブタの臓器をヒトの治療に使おうという試みがなされている。しかしブタはある糖が細胞表面にくっついており、この糖はヒトには無いため、ブタの臓器をヒトに移植すると、この糖を異物として認識して急激な拒絶反応が起きる。今回、研究者らは、大きさがヒトに近いミニブタを遺伝子操作してこの糖を細胞表面に付加する酵素ガラクトシルトランスフェラーゼの遺伝子を持たないミニブタの作成に成功した。このブタの臓器はヒトに移植してもヒトからヒトへの移植程度の弱い拒絶反応しか起きないと考えれ、現在用いられている免疫抑制剤を使えばヒトに移植可能であると考えれる。

現在、免疫以外で問題となっているものに、ブタの遺伝子に含まれる未知のウイルスがヒトに移植された時に目覚めヒトに害をなすのでは無いかというのがある。
誰だ?そんなネガティブな事言っているヤツは?(笑

現在、再生医療の流れはブタなどに頼らずヒトの細胞を使って治療をしようという流れであるが、実現していないのに加えて実現してもかなりのコストがかかると予想される、このようなブタの臓器の移植は現実的な治療法として勧めていくべきである。
Clone pigs may help overcome rejection(Science vol.295 p.25-26)


2001/12/10
■脊髄損傷をサルをヒト胎児細胞を移植して治療に成功(脊髄損傷のサル、ヒト細胞で機能回復(読売新聞))幹細胞
神経細胞はいったん傷つくと元に戻らないため、脊髄損傷などの障害はほとんど回復しない。
今回、脊髄を損傷したサルにヒトの胎児から摘出した神経の元となる細胞を移植しサルの脊髄を回復させることに成功した。
慶應義塾大学医学部の岡崎教授らはサル5匹に中絶胎児から取り出した神経幹細胞を移植した。2ヶ月半後、10分の1まで弱っていたサルの運動能力が通常の半分にまで回復が見られた。
研究グループでは胎児の細胞はたくさん確保できないので、今後は大人から摘出した骨髄細胞を神経幹細胞に変化させて移植する計画も進めているそうだ

ん〜。すばらしい。
もちろんこの移植は免疫抑制剤使いまくりだろうから、出来ることなら脊髄を損傷している本人から摘出した細胞で治療が行えるとgoodですね。

ヒトの細胞で再構築されたあとにじわじわ免疫抑制剤の量を減らすことで本人の神経が補うように成長してきて最終的に本人の細胞で置き換わったりしないもんだろうか?
脊髄とか脳は免疫弱いから平気なのか?
これも分子生物学科での報告。論文はどこに出したんだろう。


2007/03/07
シクロスポリンの投与が「うつ」の原因になる?(mainichi)精神
臓器移植を受けた患者がうつ 状態になるのは免疫抑制剤 の副作用の可能性が高いそうだ。
自治医大の小林英司らの研究によると免疫抑制剤「シクロスポリン」を健康なマウスに投与し様子を観察したところ、通常は体を寄せ合って眠っているマウスがシクロスポリン投与により互いに警戒し1匹ずつ離れて眠るようになったとのこと。またシクロスポリンを投与したマウスは危険な場所におびえるようになるなど「うつ」を示す症状を見せた。

人間において不安感や社会性の低下が起こる原因としてドーパミンセロトニンなどの神経伝達物質の働きの低下が知られているが、マウス脳内のこえっらの神経伝達物質の量が通常の半分になっていることが分かった。


2001/08/21
■異種のすい臓細胞を使って免疫拒絶の無い人工すい臓を作った(動物細胞で人工すい臓開発(朝日新聞))人工すい臓・糖尿病
京大再生研の井上一知教授らのグループは、正常なマウスのすい臓から取り出した細胞を異なる種類の糖尿病マウスに移植して、免疫抑制剤無しに糖尿病症状を改善する事に成功した。現在はブタの細胞をイヌに移植する実験を計画しており、将来はブタ細胞を用いてヒトの糖尿病患者の治療を目指す。
今回、研究者らが取った方法は、取り出したすい臓細胞を免疫に関する物質は通さないが、インスリンは通過出来る特別な高分子膜で覆い、それをさらに高分子繊維のメッシュの袋に入れ人工すい臓として皮膚の下に移植した。結果、移植されたマウスは免疫抑制剤を投与することなく、3ヶ月間糖尿病の症状が改善した。

最後に高分子繊維のメッシュで包むのにはどういう意味があるのでしょう?
炎症反応を激しくして血管を血管を引っ張ってくるのかな?

っていうか、マウスのすい臓ってどこ?誰か教えてー
脂肪と見分けがつきません。
俺のお腹の中もこんな感じで脂肪がつまってるのかなぁ。。。。




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