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健康食品から再生医療・アンチエイジング、バイオハッキングまで、健康情報の根拠となる最先端の研究を分かりやすく紹介します。
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2024.03.14(木)

OneSkin, Incの見つけ出した皮膚の老化細胞を除去する新しいペプチドセノリティクス。「OS-01」として化粧品販売中(旧名:Pep14)

↑BTW

当然の事ながらペプチド配列は公開してないか。

↓顔用の30日ボトルが120ドルで売っている

2020年の論文(ペプチドの発見)
長さ164aaのアミノ酸の700程度のペプチドライブラリーからスクリーニング。
2022年の論文(毒性試験の結果)
2023年の論文(細胞レベルやプレート上での皮膚レベルでペプチドの効果を確認した論文)
2024年の臨床試験の論文
22名のボランティアを使って二重盲目臨床試験を実施した結果。塗布により肌状態の改善を確認しているが、Senolyticsとして老化細胞を減らしているかどうかは確認していない。
臨床試験の分析の仕方がパッとしないな。そもそもペプチドが細胞膜を透過してスルスルと細胞内に入るとも思えないし、入るなら毒性ありそうだしね。。。

Category:#アンチエイジングを目指す企業




2024.03.05(火)

Berlin Cures(ベルリンキュアーズ)社のコロナ後遺症治療薬BC007の臨床試験Phase-IIが予定する募集患者数の50%を達成(合計114名予定)

↑BTW

コロナ後遺症(英語でLong-COVID)患者の40%に自己抗体「fAAB」が発生していることが知られています。特にGタンパク質共役受容体に対する自己抗体が発生することで心臓の筋肉への影響が発生することが分かっています。Berlin Cures社のBC007は血液中のこの自己抗体に結合するアプタマー(Gタンパク質共役受容体にそっくりな構造をした核酸で出来た医薬品)です。

このようにコロナ後遺症と呼ばれる症状の一部が、コロナ感染により生じた過剰な免疫反応の中で自己の正常なタンパク質に対する抗体が発生し、自己免疫疾患が生じてしまうことが原因と分かっています。

参考:

Category:#感染症 #新型コロナ

 Keyword:筋肉/170



2024.03.01(金)

吸収量を爆増させる作用を持つブラックペッパー入りの最強クルクミン(ターメリック)サプリメント

↑BTW

右のボトルから左のボトルに乗り換えました。


クルクミン成分も1粒665mg→670mgとほぼ変わらず、ここにジンジャー40mgとブラックペッパー10mgが追加されている。

以前にも紹介しましたが、クルクミン(ターメリック)の吸収性はブラックペッパーに含まれるピペリンを同時に服用することでP-gpの排出阻害というメカニズムで劇的に上昇することが報告されています。
クルクミンは老化細胞を減らすSenolyticsとしての作用が報告されています。

Category:#サプリメント

 Keyword:フィセチン/219 ケルセチン/88 クルクミン/24 ウコン/12 糖尿病/113



2024.02.22(木)

話題の次世代ダイエット薬は飲むのを止めるとすっかり元通りの体重に。との臨床試験追跡結果(2024年2月報告)

↑BTW



この臨床試験は16〜65歳のBMIが32〜43の肥満患者166人で実施されています。患者はまず8週間のカロリー制限(1日800kcal)により平均13.1kgをダイエットしてからダイエット薬や運動などで体重を維持します。ダイエット約は1日1回3mgのリラグルチドを自己皮下注射。運動は1週間に平均4時間程度実施実施されていました。
結果は上記の通り、ダイエット薬を用いて、運動に勝る体重維持効果を示しています。ダイエット薬+運動ではさらなる体重減少効果が確認されています。

しかしながらダイエット薬や運動を止めたあとは1年間で着実に体重が増加していることが分かります。

しかしこのダイエット薬、運動と組み合わせないと体重を維持する程度の効果しかなく、止めると一気にリバウンド。悲惨ですね。

カロリー制限が一番なのかもしれません。

リラグルチドはずいぶん前から糖尿病治療薬として使用されてきて最近ダイエット用途でも承認されています。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:リラグルチド/2 GLP-1/7



2024.02.14(水)

Cellular Longevity, Inc.の大型犬専用の寿命延長薬「LOY-001」を条件付き承認する条件についてFDAが合意。2026年に販売開始へ

↑BTW

FDAはLOY-001を投与した犬と投与していない犬の寿命比較試験無しに(寿命延長効果を示す数値データを元に「寿命を延長しそうだ)と判断し、あとは安全性を確認して製造方法を確立すれば「条件付き承認」を得てとりあえず販売開始にOKを出しました。販売後に実際に寿命延長しているかの確認を行い本当の有効性を確認します。

LOY-001はIGF-1阻害剤とのこと。

As a result of selective breeding. large dogs produce more IGF-1 hormone than required post-maturity. This is believed to reduce their lifespan relative to smaller dogs.(選択的な交配を続けた結果、大型犬は生後に必要以上に多くのIFG-1ホルモンを産生するようになり、これが犬達の寿命を縮めている)と説明されています。

前回紹介した時からパイプライン(開発中の薬)は一つ増えてLOY-003が加わって3つの薬を開発中ですね。

LOY-002の販売時期は前回紹介した時は2024年となっていましたが、現在は2025年早期と少し開発が遅れているようです。LOY-002は高齢犬に投与するメタボ治療薬らしい。あまり革新的な薬ではない気配がします。LOY-003はLOY-001と同じIGF-1阻害剤ですが、LOY-001が注射薬なのに対し、LOY-003は飲み薬になっているようです。

Category:#アンチエイジングを目指す企業

 Keyword:IGF-1/8



2024.02.09(金)

早産の10人に1人がプラスチックによく含まれているフタル酸エステルと関係(2024年2月報告)

↑BTW

妊婦の尿中のフタル酸エステル濃度を測定すると濃度が高いほど早産の可能性が高くなっていたそうです。

Category:#性・生殖・出産



2024.02.01(木)

これまでに実施されたNMN(ニコチンアミド)の臨床試験のまとめレビュー(2023年11月報告)

↑BTW

下記の図は論文に掲載されているもので、左側にマウス動物実験から得られている効果の一覧、右側が臨床試験において人間で効果が確認された作用の一覧になっています。

出典:The Safety and Antiaging Effects of Nicotinamide Mononucleotide in Human Clinical Trials: an Updateより

★マウスで確認された効果

  • 脳:脳機能の向上と神経変性からの保護、ミエリン新生の促進
  • 肺:線維化の抑制、呼吸機能の改善
  • 肝臓:肝臓機能の向上、脂肪肝の減少、再生能力の向上
  • 心臓:心筋細胞の障害からの保護
  • 眼:光受容体における神経保護作用
  • 筋肉:筋萎縮の減少、ミトコンドリア機能の改善、身体機能の向上
  • 血管:血管保護作用、血管新生の促進、血流増加
  • 炎症:免疫細胞機能の改善、炎症の低減
  • 皮膚:UVからの皮膚保護作用
  • 生殖:卵細胞の品質向上、精子数の増加
★臨床試験で確認された効果
  • 安全性:基本的に安全
  • 睡眠:改善無し
  • 生理的能力:加齢に伴う筋肉の機能不全からの保護、身体機能の向上
  • 眼:効果は見られてない
  • 聴力:高齢者での聴覚の改善
  • 認知能力:効果は見られていない
  • 糖尿病:筋肉のインスリン抵抗性の改善
  • テロメア:テレメアの延長作用
う〜ん。。。。。改めて非常に効果がショボいような気がする。
俺の理解が間違ってなければ、NMN投与でマウスの寿命は変わらないんだよね。健康寿命が延びれば平均寿命に影響は与えると思うんだけど。。。。

マカとビタミンBで得られる効果程度じゃないか?

Category:ニコチンアミド・NMN

 Keyword:NMN/59 平均寿命/27 ビタミンB/15 テロメア/59 精子/25 インスリン/81 睡眠/159 ミトコンドリア/72 脂肪/226



2024.01.26(金)

Xプライズ財団が10年若返り技術を達成した団体に1億ドルを与えるコンペ「HEALTHY AGING MADE POSSIBLE」開催。期間は7年間

↑BTW

「老化は病気であり、治療出来る」との機運が高まっており達成のヒントとなる方法も山ほどありますからね。



理想的な達成条件は?の欄に
A cost-effective therapeutic that restores muscle, cognition, and immune function by a minimum of 10 years, with a goal of 20 years, in persons aged 65-80 within 12 or fewer months of treatment.(コスパの良い治療により、筋肉、認知能力、免疫システムを最低でも10年間、目標20年間回復させる。また65〜80歳に12か月以内の治療を実施してこれを達成させる。)

と書いてあり、ちと難易度高そう。

(省略されています。全文を読む

Category:未分類



2024.01.10(水)

人工冬眠、人体冷凍保存にも応用出来る?電圧をかけて冷凍させることでイチゴを長期保存する技術

↑BTW


過去にも磁場などを使い分子を振動させながら凍結することで、氷の結晶が出来ない(臓器に影響が出無いように)冷凍する技術がありましたが、電圧をかけるってのは初めて聞いた。振動させるなら交流電源使うのかな?

Category:#冬眠 #凍結保存 #クライオニクス



2024.01.03(水)

血液を調べるだけで11の臓器の老化進行具合を判定し老化関連疾患の存在を判別可能(2023年12月発表、Nature・スタンフォード大学)

↑BTW

 動物実験では「老化」は個体ごとに異なり、そして個々の個体の中でも臓器ごとに老化の進行具合が異なることが証明されているが、これが人間に当てはまるのか、そして加齢に関連する疾患と関係があるのかは明らかではなかった。研究者らは血液中のたんぱく質を調べた。血液中のたんぱく質には様々な臓器に由来するたんぱく質が含まれており、これを調べることでそれぞれの臓器ごとの老化具合を判別することを試みた。

 ディープラーニングを用いて5676人の人の11の臓器の推定生物学的年齢を判別した。結果、20%の人は特定の臓器が急速に老化していることが分かった。1.7%は複数の臓器が急速に老化していた。老化が加速した臓器を有する人は死亡リスクが20〜50%高く、老化が加速している臓器はその臓器特異的な疾患の存在と関係していた。

 さらに心臓が急速に老化していると判定された人は心臓疾患のリスクが250%高かった。そして脳と血管の老化が進んでいると判定された人はアルツハイマー病の進行の予測に用いることが出来た。

 いい研究だなあ。。。控えめに言って血液診断の革命だ。

Category:未分類

 Keyword:体内時計/9