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健康食品から再生医療・アンチエイジング、バイオハッキングまで、健康情報の根拠となる最先端の研究を分かりやすく紹介します。
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2017.09.22Fri/金

衰えて増殖しなくなった細胞において、核から細胞質に漏れ出したゲノムDNAが細胞の老化を引き起こす原因の一つのようだ
Leaky nuclei lead to senescence

↑BTW

老化のメカニズムがまた一つ明らかになりました。細胞内には感染したウイルス・微生物を検出するための防衛機構がありますが、この機構はウイルス・微生物のDNAを検出するSTING経路を介して防衛機構が働きます。今回、研究者らは衰えて増殖しなくなった細胞において細胞核から漏れ出したDNAがこの防衛機構を働かせ、結果として細胞老化が起こっていることを見つけ出しました。

報告では老化促進実験として、細胞核の構成分子の破壊により老化が促進されること、また、この防衛機構を働かなくした細胞では、細胞増殖、酸化ストレス、放射線照射などにより老化が起きないことを確認しています。

Category:アンチエイジング・老化抑制

 Keyword:放射線/12 ストレス/16
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2017.09.14Thu/木

老化してるのは卵子じゃなくて子宮だった。老齢マウスの胎児を若いマウスの子宮に移植するとリスク無く育つ

↑BTW

※まじめに忠告しますが、非常に嫌な表現が出てきますので、自分もしくはパートナーが妊娠中、今後妊娠の可能性がある人は読む価値はありませんし、読むべきではない研究です。
 母体の年齢は出産の成功に対するリスクであることはよく知られています。年齢があがってから受精した胎児は染色体異常を引き起こして妊娠初期の流産につながるからです。今回、研究者らは妊娠中盤移行の流産、死産につながる原因をマウスを使って分析しています。

 母マウスの年齢上昇とともに、胎児の異常が増加し、生存率が低下しましたが、

出典:Decidualisation and placentation defects are a major cause of age-related reproductive decline.Nat Commun. 2017 Sep 5;8(1):352. PMID:28874785マウスの妊娠E11.5(人間でいう妊娠40日目程度)の胎児の様子。

 老化したマウスの胎児を若いマウスの子宮に移植すると、胎児の異常率は低下し状況が改善しました。

出典:Decidualisation and placentation defects are a major cause of age-related reproductive decline.Nat Commun. 2017 Sep 5;8(1):352. PMID:28874785(同E11.5の時期の胎児の様子)

これは若いマウスの子宮細胞が老化したマウスの子宮細胞よりも1.5倍よく増殖すること、免疫細胞の数が若いマウスの方が多いこと、妊娠の維持に関わるホルモンに対する応答性が老化に伴い低下することが原因と考えられます。

ちなみに今回の実験で使った老化したマウスの年齢は生後10ヶ月〜1年とのこと。普通に飼育すると生後半年ぐらいから子供はなかなか生まれなくなりますのでかなりの高齢マウスということになります。

この研究はマウスでの話で、人間に当てはまるかどうかは不明です。もし人間に当てはまったとしても今のところ何の解決にもならない研究ですが、原因がはっきりしたことで、高齢でも問題なく出産出来るようにする薬の開発は可能かもしれません。

Category:性・生殖

 Keyword:子宮/22 妊娠/31
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2017.09.05Tue/火

理研、ハエ専用VR装置を開発、脳に電極差してマトリックスにぶちこみ脳信号を解読

↑BTW

またヘンタイな良い研究だな。

脳神経活動のモニタリングは脳に小型プローブ型顕微鏡カメラを挿入してカルシウムイメージングにより行い、調べたい部位を160×160ピクセルの解像度(1ピクセルは0.19μm四方)フレームレートは20fpsぐらいで分析している。約100個程度の神経をモニターしている感じかな?

ハエが今見ている映像だけに反応しているのではなく、物体の位置を記憶し、それに基づいて飛んでいることが初めて明らかになったそうです。研究はNature neuroscienceで発表。

Category:生物ー機械インターフェイス

 Keyword:カルシウム/11
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2017.09.01Fri/金

史上最大の薬害事件?ノンカロリー人工甘味料は逆に太りやすく、高血圧、糖尿病、心臓病、各種メタボ病リスクを上昇させる。

↑BTW

 「アスパールテーム」などのノンカロリーの人工甘味料はカロリー摂取を減らす目的で世界中で広く使われていますが、その長期的な健康への影響は不明です。研究者らはこれまで報告された多数の研究を調べるメタ研究を行ったところ、太りにくいどころか様々な健康への悪影響が報告されていることが分かりました。

 研究者は調査にあたり、対象者をランダムで選んでいたりする信頼性の高い試験のみをピックアップしています。1万1774の研究報告の中から、7つの試験(参加者1003名、6ヶ月間追跡調査)と30の調査(40万5907人を調査、10年間追跡調査)をメタ解析した結果、人工甘味料はBMIに与える有意な影響はないか若干BMI増加に働いており、逆に体重、ウエストの太さ、肥満発生、高血圧、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心血管障害の発生に関連している傾向が確認されました。

 人工甘味料がこのような悪影響を起こすメカニズムは諸説報告されています。摂取により糖分を摂取した時と同様にエネルギーため込みを指令するインスリンの分泌を促し、逆に低血糖状態を作り出し食欲を増進する、腸内細菌を変え、太りやすい体質にしてしまうなど様々です。

大企業も「ダイエットコーク」なんて名前でドリンク売るのは止めないとそろそろ訴えられるかもしれませんね。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:糖尿病/17 インスリン/63 腸内細菌/109 人工甘味料/28
         記事ごとのページ・コメント欄(8〜)



2017.08.25Fri/金

脳内のマイクロRNA「miR-7」「miR-671」を除去する機能が低下すると、不要情報を遮断することが出来なくなり、神経精神活動に影響が出る。
New potential mechanism for treating neuropsychiatric disorders

↑BTW

 脳の活動は、神経ネットワーク(回路)と、各種脳神経ホルモンの量によって決まると一般的には考えられていますが、著名な学術雑誌Sienceに、脳内のマイクロRNA(miRNA)が精神活動に影響を与えていることが報告されています。

 研究を発表したのはドイツの研究者ら。miRNAは近年盛んに注目されており、血中を浮遊する比較的短いRNAであり、mRNAのように自らタンパク質をコードしておりませんが、他の遺伝子の発現を制御する機能を持ち細胞、臓器間をつなぐシグナル因子として、各種メカニズム、疾患の発症に関わっていることが報告されています。(これらは昔は「ゲノム中のジャンク配列」と思われ、不要だと思われていた部分です)

 一方、今回の研究の主役は環状RNA(circRNA)。これはヒトやマウスの脳内に大量に存在している。環状のRNAで、マウスとヒトでほとんど同じ配列であることから進化の早い段階から保存されている重要な機能を持つと考えられていましたが、その機能はよく分かっていませんでした。今回、研究者らが環状RNAの一つCdr1as(別名CiRS-7)を作れないマウスを遺伝子操作により作り出したところ、このマウスは行動障害を起こすことが分かりました。

 調査の結果、このCdr1asはマイクロRNA「miR-7」や「miR-671」を70個以上吸着する能力があり、Cdr1asを除去したマウスの脳ではmiR-7、miR-671の量が増えて、通常とは異なる状態となっていたそうです。すなわち正常な状態ではCdr1asがこれらのマイクロRNAを吸着して脳内から除去するスポンジとして働いており、これが正常な精神・行動活動に必要であると考えられます。

 不要情報が除去出来成ることは様々な精神疾患の原因の一つと考えられており、今回見つかった新しいメカニズムを利用した新しい治療方法が開発出来るかもしれません。

 RNAは昔はDNAから転写され、タンパク質を作るための設計図として働くとのみ理解されていましたが、近年の研究では今回紹介したmiRNA、circRNAのようにタンパク質の設計図ではない様々な機能を持つ分子が存在することが分かり生命の奥深さの代表格となっています。

参考

Category:精神

 Keyword:タンパク質/63
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2017.08.22Tue/火

ブタの臓器で人間を救う時代まであと2年?、移植の障害となっていたブタ内在性ウイルス(PERV)をゲノム編集で除去したブタが作られる

↑BTW

 ブタは大きさ的にも人間に近く、近年は免疫抑制技術も発達しているためブタの臓器を人間の治療に使う選択肢が以前より考えられていました。しかし大きな障害となっているのがブタの全細胞のゲノム中に潜む内在性レトロウイルス「PERV(porcine endogenous retroviruses)」です。一見ゲノム中の遺伝子配列に過ぎませんが、ヒトに移植後、ウイルスとして再生し、自在に増え、また細胞のゲノム中に入り込むなどしてガン化の原因になることが知られています(ゲノム中に潜伏出来るのがレトロウイルスの特徴)

 今回、アメリカのバイオベンチャー企業eGenesis(イージェネシス)社の研究者らは、ブタのゲノム中に存在する内在性レトロウイルス「PERV」をゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いて除去したブタを初めて作り出し著名な学術雑誌Science誌で発表しています。研究者らによるとブタの全ゲノム配列を調べた結果、入り込んでいるPERV配列は62もあり、その中でウイルスとして出てくる可能性があるのは25カ所、これを全て取り除いたそうです。

 研究者らは今後2年でブタからヒトへの臓器移植が行われるだろうと言っています。

Category:臓器移植

 Keyword:CRISPR/Cas9/9 ブタ/13
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2017.08.18Fri/金

アレルギー・自己免疫疾患緩和用に寄生虫サプリメントが開発され、ドイツで販売して良いかどうか当局の審査中

↑BTW

 綺麗すぎる環境により通常存在するはずの適度の免疫刺激を無いことが、アレルギー、自己免疫疾患の原因の1つだとする「衛生仮説(The Hygiene Hypothesis)」として知られる考え方があります。似たような話で寄生虫に感染している人はアレルギー・自己免疫疾患になりにくいのと研究結果があり、このメカニズムを利用した治療を目的にタイのTanawisa Companyが人間には害の無いと言われている豚の寄生虫(鞭虫)Trichuris suisのタマゴ(TSO)を含むサプリメントを開発し、ドイツで販売承認を得ようとしています。

 NEWSWEEKの記事によると既に世界では6000〜7000人がこの薬を個人輸入して利用しているとのこと。効果に関してはかなり賛否両論ありますが、アレルギーなどの他に、クローン病や多発性硬化症などの免疫関連疾患への効果も報告されているようです。

 腸内細菌を薬にするという試みは研究段階ではかなり成功していて、一般販売が拡大していくと言われています。腸内細菌も寄生虫も害が無いなら同じかもしれません。

 同社では通信販売もしているようです。500匹の鞭虫が含まれたボトルが125ドル(14000円ぐらい)とのこと。

 効果に関しては今年に関して報告が多数出ています。
  • Immune responses and parasitological observations induced during probiotic treatment with medicinal Trichuris suis ova in a healthy volunteer.Immunol Lett. 2017 Aug;188:32-37. PMID:28602842(健康なボランティアにTSOを飲んでもらい免疫反応を分析した論文)
  • Trichuris suis secrete products that reduce disease severity in a multiple sclerosis model.Acta Parasitol. 2017 Mar 1;62(1):22-28. PMID:28030334(鞭虫の出す物質が多発性硬化症を緩和する)

Category:サプリメント

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2017.07.31Mon/月

「においだけで太っちゃう!!」は本当だった。嗅覚遮断で食事量を減らさなくても脂肪が減少するとの実験結果

↑BTW

 「におい」は食欲や、食べ物の選別を担っていますが、それ以上の働きがあることが分かりました。この研究を行ったのはアメリカ・カリフォルニア大学の研究者ら。研究者は遺伝子操作により嗅覚(Olfactory sensory neuron)を働かなくしたマウスが高脂肪食を食べさせても太らないことを実験で証明しています。

 驚くべきことに嗅覚除去により「におい」を感じなくなったマウスでも食べる量は変わりなく、脂肪細胞のβアドレナリン受容体が活性化し、脂肪分解を促進、熱を作り出す褐色脂肪細胞が増え、体重増加が抑制されるようです。さらに、インスリン抵抗性も改善するとのこと。

 研究者らは、逆に遺伝子工学的に一時的に嗅覚を高めることにより脂肪蓄積が起こり、インスリン抵抗性になることも実験で証明しています。

 これらの仕組みを活用したダイエット薬が開発可能かもしれません。また、ダイエット中の人は美味しい「におい」をかがないようにすることが重要かもしれません。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:褐色脂肪/5 褐色脂肪細胞/7 脂肪/34
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2017.07.28Fri/金

不老長寿薬開発の新候補!脳内視床下部から放出されるエキソソーム・miRNA(htNSC-derived exosomes)が無くなることが全身老化のトリガーだった。

↑BTW

 研究を行ったのはアメリカ・ニューヨークのアインシュタイン医科大学の研究者ら。2017.7.26のNature誌に発表しています。これまでにも脳の視床下部(hypothelamus)が全身の老化を引き起こしていることが報告されていましたが、その詳細な分子メカニズムは分かっていませんでした。

 研究者らによるとマウスを用いた実験において視床下部幹細胞(Sox2発現細胞)において、Bmi1遺伝子の機能を止めると、老化に伴う視床下部細胞の減少を伴わずに老化が始まるとのことです。この事は「視床下部細胞でBmi1遺伝子により制御される仕組みにより全身を若く保つ仕組みが動いている」ことを意味しています。

 研究者らは、中年マウス脳内に新鮮な視床下部幹細胞を移植する確認実験(すなわちBmi1遺伝子がきちんと働いている細胞を補充する)により老化が抑制されることも確認しています。

 この詳細なメカニズムを分析すると、視床下部幹細胞が脳脊髄液(CSF)中のエキソソーム内マイクロRNA(miRNA)の放出に関与しており、このCSF中のmiRNAが老化に伴い減少することが全身の老化を引き起こしているようです。

 放出されるmiRNAの配列の種類の詳細な解明はこれからのようですが、この研究により全身を若く保つメカニズムが明らかになりました。このmiRNAを人工的に注射してやることにより高齢においても全身の若さを保てる可能性があります。

Category:アンチエイジング・老化抑制

 Keyword:脊髄/7 幹細胞/49
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2017.07.25Tue/火

高学歴ほど病気リスクが低いとの統計分析結果、収入は関係無し

↑BTW

研究ではアメリカの13948人を調査、学歴や収入ごとにグループ分けして、心筋梗塞、心不全、脳卒中などの循環器疾患を発症するリスクを比較しています。

結果、大学院卒では循環器疾患を患うリスクが36.1%だったのに対し、高校卒業では41.7%、ここまではそれほど大きな差はありませんが、高校中退だと50.5%、高校に行ってないと55%のリスクがあり、高校教育を終えたかどうかが健康格差の分かれ目のようです。

また読売新聞が日本のマスゴミらしいミスリード全開なタイトル付けてますが、リスク差は「学歴」の原因となった「周辺環境」だろ、因果関係が逆で、疾患リスクの高い遺伝的背景の人が学歴に恵まれないのかもしれない。

と思ったら原文の研究内容報告もそういうフレーズで書かれているね。結論が
Our findings emphasize the need for further efforts to reduce CVD inequalities related to educational disparities.
だって、う〜ん、納得いかない。

Category:統計(寿命・その他)

 Keyword:脳卒中/6
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