カテゴリー:アンチエイジング・老化抑制 TW↑B
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書籍紹介:最新老化の科学がわかる本(3)  →AGEs(糖化最終産物)(6)




2017.07.28不老長寿薬開発の新候補!脳内視床下部から放出されるエキソソーム・miRNA(htNSC-derived exosomes)が無くなることが全身老化のトリガーだった。 /10
2017.04.25マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中 /3
2017.04.20さい帯血中に多く存在するタンパク質「TIMP2」は老化マウスに投与すると脳に移行して認知能力を回復させる /5
2017.03.24ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中 /6
2017.01.17若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、年老いた血液に「老化促進物質」が含まれている /11
2016.12.20ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功 /2
2016.11.01Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身 /33
2016.08.13「若者の血液を輸血して健康になる」というによるスタートアップがアメリカに登場、80万円 /126
2016.06.20女性CEO自らテロメア延長遺伝子導入治療を行う延命専門アメリカBioViva社 /21
2016.03.07学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ /88
2016.01.07癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。 /160
2015.12.02医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる /15
2015.10.20イギリス科学誌ネイチャーと日本抗加齢医学会がアンチエイジングに関する専門誌「npj Aging and Mechanisms of Disease」創刊、編集長は慶応大教授 /11
2015.07.07老化に伴い血中に増加するβ2ミクログロブリンは記憶力低下を引き起こす、しかし作用は可逆的で血中から無くなると30日で記憶力回復 /191
2013.09.06老化に伴い記憶力低下の原因となるタンパク"RbAp48"と免疫力低下の原因となるタンパク"DUSP6"が発見される。
2013.07.22空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い
2011.11.08体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。
2007.05.01男性の40〜50歳が最も男性ホルモンが少ないようだ(yomiuri)
2007.06.09テストステロン量の少ない男性は寿命が短い傾向になる
2011.08.22ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント /11
2011.07.25ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3) /32
2011.07.22ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(2)
2011.07.15ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1) /31
2009.07.24絶食による寿命の延長は細菌感染の無い環境でのみ有効かもしれない
2009.07.2420年にも及ぶ検討でカロリー制限による寿命の延長がサルで証明出来た
2009.07.24ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる /14
2008.11.17癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する /8
2008.10.07「オキサロ酢酸で寿命を延ばし、加齢関連疾患の発症を遅らせる」という特許
2008.06.13長生きするには運動だけではダメで、食事制限も必要。
2008.03.10長寿に人に共通の遺伝子変異が見つかる /54


2017.07.28

不老長寿薬開発の新候補!脳内視床下部から放出されるエキソソーム・miRNA(htNSC-derived exosomes)が無くなることが全身老化のトリガーだった。

↑BTW

 研究を行ったのはアメリカ・ニューヨークのアインシュタイン医科大学の研究者ら。2017.7.26のNature誌に発表しています。これまでにも脳の視床下部(hypothelamus)が全身の老化を引き起こしていることが報告されていましたが、その詳細な分子メカニズムは分かっていませんでした。

 研究者らによるとマウスを用いた実験において視床下部幹細胞(Sox2発現細胞)において、Bmi1遺伝子の機能を止めると、老化に伴う視床下部細胞の減少を伴わずに老化が始まるとのことです。この事は「視床下部細胞でBmi1遺伝子により制御される仕組みにより全身を若く保つ仕組みが動いている」ことを意味しています。

 研究者らは、中年マウス脳内に新鮮な視床下部幹細胞を移植する確認実験(すなわちBmi1遺伝子がきちんと働いている細胞を補充する)により老化が抑制されることも確認しています。

 この詳細なメカニズムを分析すると、視床下部幹細胞が脳脊髄液(CSF)中のエキソソーム内マイクロRNA(miRNA)の放出に関与しており、このCSF中のmiRNAが老化に伴い減少することが全身の老化を引き起こしているようです。

 放出されるmiRNAの配列の種類の詳細な解明はこれからのようですが、この研究により全身を若く保つメカニズムが明らかになりました。このmiRNAを人工的に注射してやることにより高齢においても全身の若さを保てる可能性があります。

 Keyword:脊髄/7 幹細胞/49
         記事ごとのページ・コメント欄(10〜)


2017.04.25

マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中

↑BTW

BMS社が開発しているPEG化FGF-21薬(コードネーム:BMS-986036)の脂肪肝治療効果が人間で確認されたと報告されています。74人の患者を治療したところ、投与から16週目の時点において、治療を行った患者では最大で6.8%脂肪肝が5.2%減少していました。

  • [[http://www.businesswire.com/news/home/20170421005815/en/Bristol-Myers-Squibb%E2%80%99s-BMS-986036-Pegylated-FGF21-Shows-Consistent]
この薬は体内にも存在、特に空腹時に分泌されることが知られるFGF-21というタンパク質に血中に長く留まるようにPEGという物質を結合した医薬品です。

FGF-21はアンチエイジング分野での関わりが報告されているタンパク質で、下記の報告では持続的に大量のFGF-21を作用させることでマウスで寿命が30%延長することが報告されています。

 Keyword:空腹/18 脂肪/34 タンパク質/63
         記事ごとのページ・コメント欄(3〜)


2017.04.20

さい帯血中に多く存在するタンパク質「TIMP2」は老化マウスに投与すると脳に移行して認知能力を回復させる

↑BTW

 アメリカ・スタンフォード医科大学のTony Wyss-Corayらのグループはこれまで若いマウスの血液に含まれる若返り因子の研究をしており、近年、同じ作用をする因子がさい帯血中にも含まれることを発見し分析を進めた結果、TIMP2(Tissue inhibitor of metalloproteinases 2/組織メタロプロテアーゼ阻害物質2)が若返り因子だと突き止めました。

 実験では老化したマウスに2日に一度50μg/kgのTIMP2タンパクを投与しています。すると穴から抜け出す方法を学習する試験において投与していないマウスよりも効率的に抜け出す方法を学んでおり、投与開始から2日目にはその効果が現れだし、4日目にはさらに学習効果が高まっていました(Fig4a)。血液中のTIMP2量は老齢になっても若い時の70%程度は残っているようですが、30%減ることにより認知能力が低下しているようです。

 将来、TIMP2が薬として開発され高齢者の認知能力を改善することが出来るかもしれません。

 Keyword:さい帯血/3 臍帯/8
         記事ごとのページ・コメント欄(5〜)


2017.03.24

ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中

↑BTW

ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が腸内細菌により分解されウロリチンA(urolithin A)を作り、この物質が細胞内のミトコンドリアの分解と再構築(マイトファジー)を促進し、結果として原始的な動物である線虫の寿命を延ばし、またネズミの筋肉機能を向上させるそうです。

ネズミを使った実験では一晩に飼育ケージに入れた回転するオモチャの中で走る距離が0.5km→0.75kmと1.5倍に上昇しています。この実験では1日あたり50mg/kgのurolithin Aを与えています。ザクロに含まれるエラジタンニンの全てがウロリチンAに変換され吸収されるわけではありませんが、人間に換算すると1日あたり3g食べていることになります。

↓の報告を見るとブラックベリーに88μg/g、ザクロに17μg/g、イチゴに17μg/g含まれているとのこと。イチゴの場合1日に176キログラム食べればよい計算です。。。。。。ちょっと無理ですね(笑)

ウロリチンA(urolithin A)はスイスのAmazentis社によりアンチエイジングの薬として開発されているとのことですのでそちらに期待しましょう。

 Keyword:筋肉/27 ミトコンドリア/26 腸内細菌/109
         記事ごとのページ・コメント欄(6〜)


2017.01.17

若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、年老いた血液に「老化促進物質」が含まれている

↑BTW

動物実験においては若いマウスの血液を老化したマウスに輸血することで臓器に若返り効果があることが報告されています。

この事から、若い血液には「若返り物質が含まれている」と考えられ、下記のようなスタートアップも存在しましかし、今回報告された研究では逆に老化したマウスの血液を若いマウスに投与し、若いマウスに老化に伴う現象が確認されています。これらの事から、若い血液に「若返り物質」が含まれているのではなく、老化した血液に「老化促進物質」が含まれていると考えられます。

実際に何が「老化促進物質」なのかはハッキリ分かっていませんが、下記の報告ではβ2Mというタンパク質が原因物質として報告されています。

         記事ごとのページ・コメント欄(11〜)


2016.12.20

ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功

↑BTW

 iPS細胞は、分化した(機能を持った)様々な細胞を脱分化(機能を失わせた幹細胞に戻し)することで作られます。脱分化したiPS細胞は、再び分化させることで別の細胞を造り出すことが出来るため、再生医療や病気の原因解明などの研究で非常に注目されていますが、この原理を利用することで生きた生物の老化を抑制する研究が生物学学術雑誌の最高峰Cell誌に掲載されています。

 アメリカSalk Instituteの研究者は以前から、生きたマウスにiPS細胞形成を誘導する実験を行っていましたが、普通、生きた動物にiPS細胞誘導を行うと、体重が激減し、腫瘍、ガンが形成されてしまいます。これは身体中の機能を持った細胞が機能を持たず増殖するだけの細胞になってしまうためです。

 今回、研究者は絶妙にiPS細胞誘導の条件をコントロールし、ガンが発生しないギリギリの条件で処理を行いました。具体的には2日間誘導し、5日間誘導を試すというのを繰り返します。

 その結果、遺伝子異常があり急速に老化が進む早老症マウスの老化現象を抑制し平均寿命を延ばすことに成功しました。また、普通の高齢マウスのメタボリックシンドロームと、筋肉損傷の回復を促進することを見出しました。

 これらの結果は「エピゲノム制御」が老化原因の一つである可能性を示唆しています。

 今回行った2日間iPS誘導して5日間休むという絶妙なコントロールは、遺伝子操作した特殊マウスを用いることで可能になっており、同じように人間で行うことは出来ませんが、工夫し同じことを人間で行える可能性はあります。将来、この原理を利用した老化抑制、若返り治療が可能になるかもしれません。

 Keyword:再生医療/53 平均寿命/18 iPS細胞/16
         記事ごとのページ・コメント欄(2〜)


2016.11.01

Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身

↑BTW

 この会社が注目しているのは「老化した細胞のみを排除し、身体を若返らせること」。細胞老化は、細胞が壊れて無限増殖しガンになるのを防ぐための生体の防御システムですが、いったん「細胞老化」して増殖しなくなった細胞は長く体内に残り、周辺の細胞に害をなす炎症性の分子を出します。この細胞を除去することで身体が若返るとこの会社は考えています。

 かなり壮大な目標を立てている会社ですがビジネスモデルは堅実です。今後の会社の戦略にあたるパイプラインを見ると、「炎症性関節炎」「眼の老化」領域で効く薬の開発が先行しており、「動脈硬化」「肺線維症」「慢性腎臓病」の治療薬を次に考えているようです。これらの疾患はいずれも最終目標である「老化関連現象の制御」で治療可能な病気ばかりです。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:p53/9
         記事ごとのページ・コメント欄(33〜)


2016.08.13

「若者の血液を輸血して健康になる」というによるスタートアップがアメリカに登場、80万円

↑BTW

Ambrosiaというスタートアップが実施、臨床試験の形をとって80万円で週に一度、4週間にわたり輸血してもらえるらしい。

記事の中で触れられているGDF11というタンパクに関する研究は2013年、2014年と2年連続でNature Medicineのインパクトのある研究として取り上げられています。

         記事ごとのページ・コメント欄(126〜)


2016.06.20

女性CEO自らテロメア延長遺伝子導入治療を行う延命専門アメリカBioViva社

↑BTW



 同社の女性CEO(45歳)がウイルスベクターを用いて自身の身体にテロメア延長を実現する遺伝子治療を行ったそうです。その結果、テロメアの長さは6710から7330に延長、これは20年分の延命に相当するそうです。

 染色体の両端に存在する「テロメア」は分裂するたびに短くなっていき限界まで短くなると細胞分裂することは出来なくなります。このため「細胞分裂の回数券」とも言われています。

 今回遺伝子導入したのは「テロメラーゼ」という酵素の遺伝子でテロメア配列を追加する作用があります。この酵素は通常の細胞は持っていないため加齢によりテロメアが短くなっていきます(精子や卵子などは持っておりこのおかげで、子供は長いテロメアを持った状態で生まれてきます)

 今回行われた治療がどれぐらい科学的に行われたかなどの詳細は不明ですし、動物実験などで報告されている内容を考えてもテロメアを伸ばしたからといって寿命が延びるかどうかは議論のあるところですが、こうした方向性の企業としてBioViva社を覚えておいても損は無いでしょう。

 Keyword:精子/17 テロメア/17
         記事ごとのページ・コメント欄(21〜)


2016.03.07

学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
Drugs targeting molecular players of aging

↑BTW

 老化とは何でしょうか?最新科学では「老化」が人体が古くなったという単純な現象ではないことを明らかにしています。ある特定の仕組みによって老化が進行しているようなのです。実は、すでに発売済みの薬や開発中の薬の中にはその老化を促進する仕組みをブロックし、結果として老化を抑制する副作用が報告されているものが数多くあります。そういった報告の多くは今のところ動物実験でのみ検証されており、大勢の人間が参加した大規模な「臨床試験」によって人間での効果が証明された薬は未だありません(もし、あったら既に皆飛びつきますよね?)。

今回、Nature Medicineという医学界で最も有名な学術雑誌がそのような薬のまとめ記事を掲載しています。

以下が記事中で取り上げられていた薬を表にしたものです。

薬の名前ターゲット(薬が作用する体内の分子)現在、何の用途に使われている薬か知られているリスク
ラパマイシン(Rapamycin)mTORC1mTORC2抗ガン剤、メタボ薬、心臓病薬免疫抑制、インスリン抵抗性、白内障
メトホルミン(Metformin)ミトコンドリアのAMPKmTOR糖尿病薬不明
レスベラトロール(Resveratrol)SIRTAMPK肥満予防不明
Anti-CGRPCGRPやCGRPレセプター偏頭痛、メタボ薬、抗炎症薬痛覚の鈍化、低体温
食事中のメチオニンを制限メタボ対策脂肪肝、体重減少、鬱
Lilly社のLY2405319、Amgen社のペプチド薬IISFGF-21klothoPAPP-Aを減らすメタボ対策骨密度減少、高血糖、インスリン抵抗性

(省略されています。全文を読む

 Keyword:IGF-1/5 アスピリン/7 骨密度/7 メトホルミン/8 Resveratrol/8 インスリン/63 糖尿病/17 活性酸素/42 ラパマイシン/12
         記事ごとのページ・コメント欄(88〜)


2016.01.07

癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。

↑BTW

 老化に伴い、血液中の「造血細胞(新しい血液を作り出す細胞)」が衰えます。これらの細胞は死んでしまえば新たな若い細胞が作られるメカニズムが人体にはあるのですが、実際は衰えたまま生き残り、若い細胞は作られません。この衰えた細胞がうまく役割を果たさないために人体のあちこちで老化現象が起きることが知られています。

 今回、研究者らは細胞の自殺プログラム「アポトーシス」にストップをかけている細胞内因子BCL-2とBCL-xLの働きを妨害する薬物「ABT263(Navitoclax)」を投与することにより、「衰えた血液細胞」にのみが自殺し、結果として血液の状態が若返ることを見出しました。

 この薬は老化防止薬や、放射線を浴びてしまった場合の治療薬として使える可能性があります。

 この研究を発表したのはアメリカ・ミネソタのMayoクリニックの研究者らです。ABT263(Navitoclax)は癌細胞を殺す薬として研究が進められている薬です。癌細胞も「おかしくなっているのにBCL-2やBCL-xLの働きにより自殺しなくなっている」という点で老化細胞と同じと言えます。

 Keyword:放射線/12
         記事ごとのページ・コメント欄(160〜)


2015.12.02

医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる

↑BTW

糖尿病薬「メトホルミン」は糖尿病患者に処方される一般的な薬ですが、癌を治したりとか様々な良い副作用が報告されています。

その中の一つが寿命を延ばすというもの↓統計をとると糖尿病になりメトホルミンを飲んでいる人の平均寿命が、健康な人よりも長かったというもの。
これが本当ならメトホルミンを作っている会社は大もうけ出来ます。ただし寿命を延ばす目的でメトホルミンを売るなら、その効果が本当か、厳しい医薬規制当局(アメリカではFDA、日本では厚生労働省)の審査をパスしなければいけません。今回行われるのはそのための健康なボランティアにメトホルミンを飲んでもらう試験です。

試験ではアメリカで3000人の健康な70〜80歳のボランティアを雇い、60億円をかけて5〜7年間メトホルミンを飲んでもらうという試験です。

(※注意、下記のタイトルにあるように120歳まで伸びるなんて証拠はありません。ちょっとだけ伸びるという統計データがあるだけです)

 Keyword:metformin/6
         記事ごとのページ・コメント欄(15〜)


2015.10.20

イギリス科学誌ネイチャーと日本抗加齢医学会がアンチエイジングに関する専門誌「npj Aging and Mechanisms of Disease」創刊、編集長は慶応大教授

↑BTW

以下に現在掲載されている学術報告のタイトルを引用します。
  • Defining molecular basis for longevity traits in natural yeast isolates(酵母中の長寿遺伝子の分子機構の解明)
  • Aging science comes of age(加齢科学の時代が来た!)
  • Purpose in Life as a psychosocial resource in healthy aging: an examination of cortisol baseline levels and response to the Trier Social Stress Test(健康に老化するための心理社会的よりどころとしての人生の目的:コルチゾールレベルとストレステスト)
  • Markers of T-cell senescence and physical frailty: insights from Singapore Longitudinal Ageing Studies(シンガポールの老化研究から見いだされた免疫細胞の老化と身体的脆弱性に関して)
  • Late-onset dementia: a mosaic of prototypical pathologies modifiable by diet and lifestyle(食事とライフスタイルによる後期認知症の症状改善)
  • The mammalian target of rapamycin at the crossroad between cognitive aging and Alzheimer’s disease(認知力の老化とアルツハイマー病に関するラパマイシン投与による作用)

 Keyword:ストレス/16 Alzheimer/50
         記事ごとのページ・コメント欄(11〜)


2015.07.07

老化に伴い血中に増加するβ2ミクログロブリンは記憶力低下を引き起こす、しかし作用は可逆的で血中から無くなると30日で記憶力回復

↑BTW

 将来の老化抑制薬開発のカギとなる現象が発見されました。

 加齢に伴い、健康な人の脳内であっても、認知能力と再生能力に問題が生じ、神経が変成していくことが知られています。動物実験で若い個体と老化した個体を血管でつなぐと、老化した個体の脳が若返ることが報告され血液中に老化を促進する物質があることが予想されていました。

 今回、研究者らはβ2ミクログロブリン(β2-microgloblulin, B2M)がこの現象を引き起こす原因物質であり、成人脳(海馬)の認識能力と再生能力を劣化させることを発見しました。β2Mはマウスだけでなく人間の血中でも老化に伴って量が増加することが報告されており、β2Mを欠損させたマウスでは老化しても神経の活動が活発なこと、若いマウスにβ2Mを注射すると認識能力が衰えることも確認されています。β2Mによる作用の一部は海馬のTap1 (transporter associated with antigen processin 1)を介して起こっているようです。

 血中のβ2Mを減らす薬は抗体医薬などを使えば比較的簡単に作ることが出来ると予想されます。老化した身体の記憶能力も回復させることが出来るのは面白いですね。中外製薬さん、Smart-IgG技術の出番ですよー

         記事ごとのページ・コメント欄(191〜)


2013.09.06

老化に伴い記憶力低下の原因となるタンパク"RbAp48"と免疫力低下の原因となるタンパク"DUSP6"が発見される。

↑BTW

 人間は高齢になると記憶力であったり運動能力であったり、免疫力など様々な衰えが生じます。それぞれの衰えには原因となるメカニズムがあり、メカニズムが解明出来れば老化全体を止めることは出来なくても、個々の老化現象を止めることは出来ると考えられます。

記憶力低下の原因RbAp48
 アメリカ・コロンビア大学のPavlopoulos Eらの研究チームは老化に伴う記憶力低下に着目し、亡くなられた8名の脳(33歳〜85歳)ののサンプルの遺伝子発現を比較し老化に伴い変化している17種類の遺伝子を見つけ出しました。

(省略されています。全文を読む

         記事ごとのページ・コメント欄


2013.07.22

空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い

↑BTW

 これまでの研究で摂取カロリーを減らす食事制限により寿命が伸びる事が様々な動物で報告されています。これらの動物で寿命が延びるメカニズムに関しては、余分な脂肪が無く動脈硬化に成りにくいなどの分かりやすい理由の他に、もっと根本的に「空腹を感じることこそが重要」との報告されていますが、詳細はまだ明確ではありません。

 今回、アメリカ・テキサス大学の研究者Mangelsdorf DJらが、空腹時に肝臓で作られるホルモンFGF-21こそが寿命を延ばす原因であることを報告しています。

 FGF-21は空腹時に肝臓で作られ、様々な臓器に「飢餓状態に備える」ように指令をする働きをするホルモンです。例を挙げると、肝臓では蓄えていた脂肪を分解してエネルギーを作り出します。また、筋肉ではインスリンに対する感受性を向上させ効率的に少ないエネルギーを取り込めるように指令を出します。全身の細胞はこの指令を受け細胞分裂を抑え「低エネルギーモード」に移行します。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:mTORシグナル/3
         記事ごとのページ・コメント欄


2011.11.08

体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。

↑BTW

 タイトルを聞いて「当たり前」と思う人もいるかもしれない。しかし今のところ「細胞1つ1つの老化」と「全体としての老化」の関係はよく分かっていないのが実情だ。細胞の老化を止めてしまえば良いと思う人がいるかもしれないが、細胞の老化とはダメージを受け機能不全になった細胞の増殖を停止させる重要な作用であり細胞の老化を止めると癌細胞が発生してしまうことが分かっている。これに対し、この研究では「老化した細胞を除去する」という戦略が試みされている。

 とはいえ、老化した細胞のみを取り除く事は非常に難しい。高齢化した身体の全細胞のうち5%程度が老化細胞と考えられているが、これらは全身に散らばっており手術などの方法で取り除くことは困難だ。今回、研究者らは「老化細胞のみを自殺させることが出来る特殊なマウス」を遺伝子工学技術を用いて作り出し実験を行った。

(遺伝子改変マウスの設計(読み飛ばし可))
 研究者らはFKBP-Casp8というタンパクを使った。このタンパクは元はFabp4というスイッチ(プロモーター)の作用で作られ、従来は脂肪細胞のみに存在する。このタンパクはAP20187という薬が入ってくると細胞を自殺させるという働きを持つ。すなわち、AP20187という薬をマウスに投与した時、FKBP-Casp8を持つ細胞は自殺してしまう。

 一方、多くの老化細胞にP16(Ink4a)というタンパクが存在することが知られている。研究者らはこのタンパクのプロモーター(スイッチ部分(2617bp))の遺伝子を切り出し、FKBP-Casp8の元々のプロモーターFabp4と置き換えた遺伝子改変マウスを作り出した。このマウスの細胞は通常の細胞と異なり老化細胞でFKBP-Casp8が作られる。すなわち、このマウスにAP20187という薬を投与すると老化した細胞のみが自殺し無くなる。

結果
 老化した細胞が自殺するように遺伝子改変を行ったマウスを2つのグループに分け、片方のグループは老化細胞を自殺させ除去するための薬(AP20187)を3日ごとに体重1gあたり0.2µgずつ生涯にわたり投与した。もう片方のグループは薬を投与しなかった。そして生後10ヶ月目にマウスの老化具合を調べたところ、驚くべきことに薬を投与し老化細胞を除去したマウスは、すべての評価項目で薬を投与していないマウスよりも若々しいことが分かった。解析した項目は背中の曲がり具合、白内障の発生、筋肉繊維の太さ、運動能力(疲れ切るまでの時間、移動距離、エネルギー消費)、細胞の大きさなどである。

 また、老化細胞を除去するかどうかは薬の投与によりコントロール出来るのを利用し薬の投与を生後5ヶ月のマウス(人間で言えば老齢に当たる)から初めて行ったところ、老化細胞の除去により、すでにおこっていた老化現象がストップし、若々しく回復することが確認出来た。

 これまでの研究で、老化細胞は自身が老化してうまく働かないだけでなく細胞の周囲に生体の正常な機能を妨げる様々な物質を放出し組織全体の正常な活動を妨げる(老化を起こす)ことが報告されている。今回の研究は体内の少数の老化細胞が組織全体を老化させている原因であり、これを取り除いてやることでやれば組織全体を若々しく保ち、また蘇らせることが出来ることを初めて証明した研究と言える。
 
 残念ながら今回の実験は特殊な遺伝子改変マウスを用いた方法であるため、同じ方法をそのまま人間で行うことは出来ない。しかし、老化した細胞のみを除去する方法を開発することが出来れば人体のあらゆる老化現象をストップし若々しく健康な状態を長く保つことが出来た事は大きい。今後、この仕組みを利用した老化防止薬の開発が始まるかもしれない。

 この研究はアメリカ・ミネソタのメイヨークリニック病院の研究者らが行い科学技術雑誌Natureで発表された。

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2007.05.01

男性の40〜50歳が最も男性ホルモンが少ないようだ(yomiuri)

帝京大学病院の安田弥子らが国際メンタルヘルス学会誌に発表したところによると

これまで年齢と共に減少すると考えられてきた男性ホルモンの量が40〜50代男性で最も少なく、60代男性では若干平均値が回復しているという意外な結果が得られたそうだ。

研究では20〜30代、40〜50代、60代〜の3グループに分けた健康な男性81人のテストステロン(男性ホルモン)量を2時間おきに採取して変化を調べている。テストステロンなどのホルモンはストレスを受けると減少することも知られており40〜50代男性にストレスが多いことが今回の結果につながったのではないかと考えられるそうだ。

テストステロン量の低下は性欲や性機能の低下、不安、不眠、認識力の低下、肩こり、腰痛などの原因にもなるそうだ。

 Keyword:テストステロン/8


2007.06.09

テストステロン量の少ない男性は寿命が短い傾向になる

50歳以上の男性800人を18年間にわたって調査したところ男性ホルモン「テストステロン」の量が少ない男性は33%も死ぬリスクが高いことが分かった。

研究者らはこれらを避けるために活動的に行動しテストステロンレベルを上げることを勧めている。テストステロンは人間を活動的にすることも知られており、運動、活動的な生活を続け、絶えずテストステロン量を高く保つことが長生きにつながる可能性がある。

発表したのはカリフォルニア大学のDr Gail Laughlin、Elizabeth Barrett-Connorら

同様の発表が別のグループからも発表されているようです。


2011.08.22

ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント

↑BTW

 ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌等のバクテリアが腸の腐敗を防止し、健康、老化予防に効果があることがMetchnikoffらにより報告されて100年になるが、寿命が延びることはこれまで報告された事はなかった。今回、京都大学と共同乳業の共同研究で初めてこれらのバクテリアを定期的に食べることで寿命が延びることを動物実験で確認された。

日本語では
ヨーグルトでマウスの寿命延長(iza)と報道されている。
原文はPLos One誌で発表されている。
Longevity in Mice Is Promoted by Probiotic-Induced Suppression of Colonic Senescence Dependent on Upregulation of Gut Bacterial Polyamine Production(プロバイオテックにより腸内のバクテリアが作り出すポリアミンの量が増えることにより腸の老化が抑制されマウスの寿命が延長する). PLoS ONE 6(8): e23652. doi:10.1371/journal.pone.0023652

 研究者らは人間で言えば老齢にあたる生後10ヶ月のマウス40匹を2つのグループに分けLKM512乳酸菌(ビフィズス菌)を11ヶ月食べさせた。そして投与から45週間後(生後21ヶ月、超高齢)のマウスの生存率を調べると、乳酸菌を食べさせていないマウスは全体の75%が既に死亡していたが、乳酸菌を食べさせたマウスは全体の25%しか死亡していなかった。すなわち乳酸菌を食べさせることにより平均寿命が上昇することが確認された。寿命以外にも乳酸菌を食べさせたマウスは皮膚の潰瘍やガンの発生頻度が低く、小腸の炎症も少なく大腸の粘膜の動きも活発だった。DNAチップで双方のグループのマウスの遺伝子発現を解析した結果では乳酸菌を食べさせたマウスは超高齢でも若いマウスと同様の遺伝子発現を保っていた。双方のグループの体重に差は無かった。

生後21ヶ月後(超高齢)に生き残っている匹数
通常エサを食べさせたマウス5匹
乳酸菌を食べさせたマウス15匹
※20匹からスタート

 どのような仕組みで平均寿命が延びたのかを調べ過程で、乳酸菌を食べさせたマウスの糞便中のポリアミン、特にスペルミン量が増えていることに着目した。ポリアミンは有機カチオンの一種であり、細胞の増殖や分化など様々な作用を持ち、特にマクロファージが炎症性サイトカインを出すのを抑制することで身体の中で起こる炎症を抑えることが知られている。哺乳類では体内や腸管内のポリアミン量は老化に伴い減少していく。そして、LKM512乳酸菌(ビフィズス菌)は酸に耐性を持ち生きて腸管に到達し、腸管の粘膜に張り付き、腸管の中で増殖し腸管内のポリアミンを増やすことが知られている。

 研究者らは、乳酸菌の代わりにポリアミン(スペルミン)をエサに多く加える実験を行った。するとポリアミンを食べさせたマウスでも乳酸菌を食べさせたマウスに劣らず寿命が延長することを発見した。(45週間後に死亡率40%)。日常の食事の中にも実は多くのポリアミンは含まれているが食事由来のポリアミンは腸の下部(大腸)に到達する前に吸収されるため、通常は大腸の中のポリアミン濃度は低い、大量のポリアミンを含むエサを食べさせた場合は、吸収しきれないポリアミンが大腸まで到達することで、大腸のポリアミン濃度が高くなり、また乳酸菌を食べさせた時は、腸管内で乳酸菌がポリアミンを作り出すため、腸管の中のポリアミン濃度が高くなると考えられる。(これらの実験でポリアミンを食べさせたマウスと乳酸菌を食べさせたマウスは糞便中に同じ程度のポリアミンが排出される条件(大腸内のポリアミン濃度は同じ程度と予想される))

生後21ヶ月後に生き残っている匹数
通常エサを食べさせたマウス5匹
乳酸菌を食べさせたマウス15匹
ポリアミンを食べさせたマウス12匹
※20匹からスタート

 今回のマウスで実施された実験における「乳酸菌」や「ポリアミン」の投与量は次のとおりである。乳酸菌を食べさせる実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり10の9乗匹の乳酸菌を食べさせた。ポリアミンを投与する実験では、週に3回マウスの体重1kgあたり3mg(1回マウス1匹あたり0.15mg程度)のポリアミンを食べさせた。乳酸菌の量を人間がヨーグルトを食べた場合に換算すると、週に3回、150mlのヨーグルトを食べた場合に相当するそうだ。ポリアミンの投与量を人間の食生活に換算することは難しいが、マウスの通常のエサの中にも0.03mg/g程度のポリアミンが含まれている。マウスは1日あたり数グラムのエサを食べることを考えると今回の実験では食事中のポリアミンの量を2〜3倍程度に上昇させた計算だ。寿命を延長させる手段としてヨーグルトのほかにポリアミンの多い食事をとるという方法も可能かもしれない。

 老化の原因は様々なメカニズムが知られているが、多くのメカニズムでは弱い慢性的な炎症が関わっている。また、これらの慢性的な炎症はアルツハイマー糖尿病などの原因でもある。今回の研究は、乳酸菌が寿命を延長する効果を持つという結果を示すとともに、腸管の下部(大腸)で炎症を抑える作用を持つポリアミンの濃度を増加させることで平均寿命を延長しうる可能性を示している。

※人間の腸には少なくとも1000種類以上のバクテリアが見つかっており、1人の腸内には少なくとも160種類のバクテリアが住み、その種類は人によって異なる。また、種類は食生活や老化によって変化する。そして、腸管内のバクテリア数は10の14乗匹と人間の身体を構成する細胞の10倍以上である。この大量のバクテリアの状態は人体に大きな影響を与えることが解明されつつある。

 Keyword:ポリアミン/2 ヨーグルト/11 乳酸菌/7 バクテリア/5 マクロファージ/24
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2011.07.25

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3)

↑BTW

 レスベラトロールで老化を遅らせるにはレスベラトロールをどの程度とる必要があるのでしょうか。(1)で紹介した実験動物による研究では中年期のマウスに体重1kgあたり5mgのレスベラトロールを毎日与えると効果が確認出来る事を報告しています。これは人間(体重60kg)に換算した場合、毎日300mgのレスベラトロールをとることを意味します。これは非常に多い量と言えます。理由は普通のワイン1本に含まれるレスベラトロール量はそれほど多くないからです。

 ワインが含有するレスベラトロール量に関しては1997年にメルシャンの研究者の報告があります。
  • Contents of resveratrol, piceid, and their isomers in commercially available wines made from grapes cultivated in Japan, Biosci Biotechnol Biochem. 1997 Nov;61(11):1800-5. PMID: 9404057
 レスベラトロール、およびレスベラトロールの類似物質「ピセイド(piceid)」の含有量は赤ワインで1リットルあたり4.37mg、白ワインで0.68mgでした。この値から、1日300mgのレスベラトロールをとるために必要な量を考えると、毎日70本の赤ワインを1人で飲まないといけません

※ピセイド(picceid,resveratrol-3-β-D-glucopyranoside)・・・・・レスベラトロールのβグルコシド体

 メルシャンはレスベラトロールを多く含有するワインの研究も行っているようです。
 上記は2005年に発表されたニュースですが、このワインでも含まれる量は1リットルあたり10mg程度で、このワインでも1日300mgのレスベラトロールをとるためには毎日40〜50本のワインを飲む必要があります。それではワイン以外にレスベラトロールを多く含む食品は無いのでしょうか?下記の研究によるとワインの次にレスベラトロールを多く含むのはチョコレートのようです。

  • Survey of the trans-Resveratrol and trans-Piceid Content of Cocoa-Containing and Chocolate Products
J. Agric. Food Chem., 2008, 56 (18), pp 8374–8378 PMID:18759443 この研究はアメリカ、ペンシルベニアの研究者によって行われました。この研究者らはアメリカで購入可能な19種類のココア、チョコレート製品を調べています。以下が結果です。
レスベラトロール量(μg/g)ピセイド(レスベラトロール類似物質)量(μg/g)
ココアパウダー1.85 ± 0.437.14 ± 0.80
甘くない焼きチョコ1.24 ± 0.224.04 ± 0.14
ほどほど甘いチョコ0.52 ± 0.142.01 ± 0.18
ダークチョコ0.35 ± 0.081.82 ± 0.36
ミルクチョコ0.10 ± 0.050.44 ± 0.06
チョコレートシロップ0.09 ± 0.020.35 ± 0.06

 同じ重量で換算するとココアパウダーなどは赤ワインの半分程度のレスベラトロールを含みますが、ココアパウダーをワインと同じ重量だけ食べることは困難ですので、残念ながらレスベラトロールを摂取するのに適しているとは言えません(報告ではチョコレートを食べると1回につき0.014〜0.019mgのレスベラトロールが摂取出来ると言っています)。

 老化を防止出来るだけの量のレスベラトロールを自然の食品からとるのはなかなか難しそうです。それではサプリメントとしてとる方法はどうでしょうか?楽天市場でレスベラトロールのサプリメントを検索すると含まれるレスベラトロール量として

などの商品がヒットします。一番上の製品で1日あたり3粒飲むとして1日2000円、一番下で1日あたり20粒飲むとして1日あたり400円程度でしょうか。少し高く付きますが不可能では無い値段です。もう少し値段が下がってくれれば良いのですが・・・・

 Keyword:ポリフェノール/11 Sirtris/4 レスベラトロール/8
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2011.07.22

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(2)

↑BTW

 ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」が老化を抑制する働きを示すことを紹介しましたが、毎日ワインを飲み続けたり、ブドウを食べ続けたりするのは大変です。レスベラトロールと同程度、またはより強い効果を持つ薬を人工的に作ることが出来れば大変有望な老化抑制薬になります。そんな薬に取り込んでいるメーカーが2004年設立のSirtris社です。

Sirtris社はレスベラトロールの構造を調べ、その構造と似た物質の中から、レスベラトロールと同等かさらに強い効果を持つ物質を探索しました。レスベラトロールの効果はこれまでの研究から、人間のSIRT1を活性化であることが分かっていますので細胞を用いた実験で、SIRT1を活性化出来る物質を探索しています。Sirtris社のWebページによると、彼らは9000を超える物質を人工的に作り調べたようです。その結果、レスベラトロールより5倍吸収されやすいSRT501という物質を発見しました。SRT501は特にミトコンドリアの活性を上昇させるそうです。

Sirtris社はこのSRT501を人間の薬として販売するために臨床開発をスタートしました。「老化防止薬」では、効果が曖昧ですし評価が難しいこともあってか、最初は「糖尿病治療薬」として開発されています。それらの結果は2008年1月の学会で発表されました。

 試験では98人の糖尿病患者に参加してもらい28日間、1日1回、開発したSRT501を飲ませています。その結果、薬による副作用も見られず、糖尿病の症状である血糖値上昇を抑制するなど良好な結果を得ることが出来ました。

 この後、Sirtris社の取り組みは大きなお金になると期待され、Sirtis社は大手製薬会社であるGSK社(グラクソ・スミス・クライン社)により2008年におよそ7億2000万ドル(当時の値段でおよそ7億円)で買収されています。この後SRT501は、さらに骨髄腫などいくつかの病気に対する薬として開発が進められていましたが、残念な事に腎臓に対する悪影響が見られたなどの理由で2010年に開発中止が発表されています。効果のある薬とは人体に様々な作用を施します。このように良い効果がある薬であっても副作用が上回れば薬として販売することは出来ません。

 SRT501は断念しましたが、この後もSirtris社は開発を続けています。次にSirtris社はレスベラトロールより1000倍強力な薬としてSRT1460SRT1720SRT2183とコードネームを付けた薬を候補にしました。最初に開発したSRT501がレスベラトロールの5倍でしたので、この3種類の候補はSRT501の100倍以上の効果を持つことになります。これらの薬に関しては2007年に有名な科学雑誌Natureに掲載されています。

  • Small molecule activators of SIRT1 as therapeutics for the treatment of type 2 diabetes(2型糖尿病治療に用いることの出来る低分子SIRT1活性化剤). Nature. 2007 Nov 29;450(7170):712-6.PMID:18046409
 しかしながら残念なことに、この新しい3種類の候補の効果については、その後の研究で否定されています。
 これらの報告では開発中の3種類どころか、元となるレスベラトロール自身の効果も疑っているようです。報告によると、レスベラトロールや開発中の化合物が持つ効果は、それらの物資に実験がしやすいように結合していた蛍光物質(クマリンなど)による影響であるとのことです。

 Sirtris社はこりずに今も別の薬を開発しているようです。現在(2011年7月)の段階のWebページでは、すでに新しい2つの薬が臨床試験に進んでおり(SRT2104SRT2379)。もう一つ(SRT3025)は今年中に臨床試験に進むそうです。SRT2104とSRT2379の臨床試験の最初の報告は今年中に行われる予定です。

これまでの流れ(2011年7月現在)
レスベラトロールブドウ由来の天然物質
SRT501レスベラトロールより5倍吸収されやすい開発断念
SRT1460、SRT1720、SRT2183レスベラトロールより1000倍強力開発断念
SRT2104、SRT2379、SRT3025開発中

 Keyword:GSK/2
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2011.07.15

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1)

↑BTW

テレビでワイン(ブドウ)に含まれるポリフェノール「レスベラトロール(Resveratrol))」のサプリメントが紹介され人気を集めているそうです。

 レスベラトロールの作用が発見されたのはもう10年近くも前になります。アメリカ、ペンシルベニアの研究者が2003年に有名な科学雑誌Natureで発表しました(1)

  • (1)Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 2003 Sep 11;425(6954):191-6 PMID:12939617
 これまでの研究で、酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの単純な動物では栄養制限(摂取カロリー制限)すると、Sir2という遺伝子が活性化され寿命が延びることが知られていました。研究者はカロリー制限を行わずにSir2遺伝子を活性化させることの出来る物質を探索した結果、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロール(Resveratrol)を発見しました。レスベラトロールを与えた酵母は栄養制限をした時と同様にSir2遺伝子が活性化し寿命が70%延長しました。

 また、人間のSir2にあたるSIRT1にレスベラトロールが与える影響を調べたところ、同様な効果を与えることも分かりました。SIRT1は腫瘍抑制遺伝子であるp53タンパクの脱アセチル化を促進することで作用を発揮しているようです。この研究者らはオリーブオイルに含まれるクェルセチン(quercetin)にも同じ作用があることを報告しています。

 この研究以降、酵母のSir2や、マウスのSirt1、ヒトのSIRT1は老化を抑制する作用のあるものとしてサーチュイン遺伝子(Sirtuin gene)と呼ばれ研究が盛んに行われています。そして、この発表以降、酵母に引き続き、線虫やショウジョウバエなどの様々な無脊椎動物で寿命を延ばす効果が報告され、ついに2008年に哺乳類(マウス)でも作用があることが報告されました。

 アメリカの研究者らがPloS ONEという雑誌に報告(2)した内容では、中年(生後14ヶ月)〜老齢(生後30ヶ月)のマウスにレスベラトロール(4.9mg/kg/day)を食べさせて実験を行いました。そして、全身の臓器の遺伝子発現を調べたところ、カロリー制限した時と同じような遺伝子発現プロファイルを示し、脳、心臓、骨格筋などで老化に伴い起こる遺伝子発現変化を抑制し、加齢に伴う心臓疾患を防ぐことが分かりました。例えば筋肉ではカロリー制限により起こるのと同じようなインスリンに関連したグルコース吸収の変化が起こっているようです。レスベラトロールはカロリー制限と同様に、加齢に伴う染色体の構造変化や、転写の変化を遅らせるなど様々な部分で働いているようです。

  • (2)A Low Dose of Dietary Resveratrol Partially Mimics Caloric Restriction and Retards Aging Parameters in Mice. PLoS ONE. 2008,3(6):e2264、PMID:18523577
 しかしながら、マウスでは酵母などとは違い寿命を延長することは無さそうだという結果も報告されています。2008年に報告された研究(3)では、中年期(12ヶ月)移行にレスベラトロールを与えられたマウスと普通のエサを食べているマウスとでは寿命の差は無かったと報告しています。ただ、こちらの研究でも、老化のサインであるタンパク尿(albuminuria)の減少、炎症の減少、血管内皮細胞のアポトーシスの減少、動脈の柔軟性の増加、身体の動きの改善、白内障の減少、骨量減少の抑制などの老化抑制効果は見られており、この点での効果はありそうです。

  • (3)Resveratrol Delays Age-Related Deterioration and Mimics Transcriptional Aspects of Dietary Restriction without Extending Life Span. Cell Metabolism 2008, 8(2) 157-168. PMID:18599363
霊長類の実験でレスベラトロルの抗肥満作用が確認された

この他に下記の研究はキツネザルを使った研究ですが、1日あたり体重1kgあたり200mgのレスベラトロールで体重低減効果があることが報告されています。食欲も減少するようでエネルギー摂取量が19%減り、安静時の基礎代謝が29%増加したことを報告しています。

  • Resveratrol suppresses body mass gain in a seasonal non-human primate model of obesity. BMC Physiology 2010, 10:11PMID:20569453
単語:primate(霊長類)

次回はレスベラトロールのメカニズムを参考に開発されている医薬品について紹介します。

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2009.07.24

絶食による寿命の延長は細菌感染の無い環境でのみ有効かもしれない(EurekAlert)

The Role of Anorexia in Resistance and Tolerance to Infections in Drosophila
PLos Biology 2009/7/14 publish

ほとんどの寿命に関する研究が無菌条件で行われているが、細菌感染が起こる環境では必ずしも寿命は延長しないかもしれないそうです。

2009.07.24

20年にも及ぶ検討でカロリー制限による寿命の延長がサルで証明出来た

↑BTW

エサの摂取量を50%に制限したサルの方が、80%に制限したサルよりも加齢に伴う様々な指標がでなかったそうです。

         記事ごとのページ・コメント欄


2009.07.24

ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる

↑BTW

アメリカJackson LaboratoryとUniv, Texas Jealth Science Centerの研究者がNatureに発表。

ヒトに換算すると60歳ぐらいのマウスにラパマイシン入りのエサを与えることで、寿命が9〜14%延長したそうです。
ただし通常のラパマイシンは経口投与では吸収されにくいため吸収性を上げる工夫をしているようです。

これまでの研究で、酵母や線虫、ハエでラパマイシンのターゲットとなる経路を阻害することで、遺伝的、薬物的に寿命を延ばすことが出来ることは報告されていました。
寿命が延びる原因としては、癌の抑制と老化の抑制の両方が考えられるとのこと。

         記事ごとのページ・コメント欄(14〜)


2008.11.17

癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する

↑BTW

テロメアは徐々に短縮していき、細胞分裂を抑制することで老化をもたらすと考えられていますが、テロメアを長いままで維持することはガンの発現促進につながり、生体における役割の解析が進んでいませんでした。

今回、研究者らはテロメアを延長させるテロメラーゼ(TERT)と共に、ガンの発生を抑制するためにガン抑制因子(p53、p16、p19ARF)を同時に過剰発現させたマウスを作製しました。

すると、これらのマウスは全人生に渡って、皮膚や腸管でのバリア能が維持され老化スピードが40%低下したそうです。ただし、寿命が延長するかどうかについての確認は無いようです。

  • Telomerase Reverse Transcriptase Delays Aging in Cancer-Resistant Mice. Cell, Volume 135, Issue 4, 609-622. PMID:19013273

 Keyword:テロメラーゼ/9
         記事ごとのページ・コメント欄(8〜)


2008.10.07

「オキサロ酢酸で寿命を延ばし、加齢関連疾患の発症を遅らせる」という特許

↑BTW

特表2008-524256
出願人、アメリカ、キャッシュ・アラン・ビー

実施例ではオキサロ酢酸16mMで平均寿命が23.6%、最大寿命が40%上昇上昇、2mMから効果があること、ショウジョウバエにおいて、平均寿命が20%上昇すること

またマウスにおいて、体重減少が見られることが示されています。

怪しい感じだけど一応紹介。

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2008.06.13

長生きするには運動だけではダメで、食事制限も必要。

↑BTW

カロリー制限により寿命が延びるが、運動により寿命が延びることは無い。この違いに関する原因はこれまで明らかでは無かった。

研究者らは今回、マウスとトレッドミルを持ちいて24週間の下記の実験を行った。

  • (1)好きなだけ食事(ad libitum)
  • (2)9%のカロリー制限
  • (3)カロリー制限は行わないが、運動により体重を(2)と同じに維持
  • (4)18%のカロリー制限
  • (5)9%のカロリー制限+食事制限で体重を(4)と同じに維持
見た目では自然にしているマウスが太っていくのに対して、カロリー制限または運動を行ったマウスは太らなかったが、運動を行ったマウスの方が引き締まって(liner)いた。運動をしているが食事制限を行っていないマウスでは自然にしているマウスに比べて血中のIGF-1レベルの低下は見られたが、インスリンレベルは低下していなかった。一方、9%のカロリー制限を行ったマウスではインスリンレベルの低下が見られ、18%のカロリー制限によりインスリンに加えIGF-1レベルの低下も見られた。

カロリー制限による寿命の延長が起こる時にはインスリンやIGF-1レベルの低下が起こる事が知られているが、運動とカロリー制限ではこれらのホルモンに与える影響が異なるようだ。

また、運動により組織のHSP(ヒートショックプロテイン)増加は見られたが、酸化ダメージの増加は確認されず、これが寿命延長を妨げているとは考えにくい。

Effect of exercise and calorie restriction on biomarkers of aging in mice
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 294: R1618-R1627, 2008、PMID: 18321952

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2008.03.10

長寿に人に共通の遺伝子変異が見つかる

↑BTW

近年、IGF-1(インスリン様増殖因子1)経路により寿命がコントロールされている証拠が実験動物において多数見つかっている。IGF-1経路を欠損させた動物の検討では、酵母、線虫、ハエ、マウスなどで寿命の延長が確認されている。しかしこれらは本当に人間でもあてはまるのか?

研究者らはユダヤ人の長寿者(100才以上の老人:Centenarians)とその子孫を調べた。IGF-1とIGF-1受容体の遺伝子を調べたところ、IGF-1Rに長寿者に特有の変異を見つけ出した。この変異によりIGF-1とIGF-1Rの結合性が悪くなることが考えられる。実際にこの変異を持つ人はIGF-1RとIGF-1の結合性が悪いことが理由と推定されるIGF1の血中濃度が通常よりも高いという現象が見られた。(長寿者の子孫105名と通常の人67名の比較)

ただし、この変異は長寿者の子孫においては女性にのみ受け継がれているようであった。

またこの変異の結果として、成長が遅れることが考えられるが、この変異を持つ人の平均身長は通常よりも低いことが分かった。

Functionally significant insulin-like growth factor I receptor mutations in centenarians.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Mar 4;105(9):3438-42、PMID: 18316725

 Keyword:遺伝子変異/8
         記事ごとのページ・コメント欄(54〜)



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