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レスベラトロール



----------このキーワードを使っている記事----------
2023.10.11:tally Health社の月額59ドルからのサブスク。DNAメチル化測定による生物学的年齢測定と日々のアンチエイジングサプリのセット
2022.05.22:自腹2万円!質量分析装置(MS)で6ブランドのNMNサプリメントの有効成分量をチェックしてみた
2020.12.18:2020年12月版:今飲んでいる老化抑制サプリ7つの種類と量と費用、今後追加したい薬3つ
2020.09.25:善玉腸内細菌にエサあげて増やすぞ!ポリフェノールサプリメントの種類変えました。
2019.08.26:若返り技術の会社に投資するJuvenescence社が2回目の資金獲得で約100億円を獲得
2019.07.02:寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
2017.11.08:赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。
2016.03.07:学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
2012.12.14:医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
2011.07.25:ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3)
2011.07.22:ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(2)
2011.07.15:ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1)

2023.10.11

tally Health社の月額59ドルからのサブスク。DNAメチル化測定による生物学的年齢測定と日々のアンチエイジングサプリのセット
tally Health社の月額59ドルからのサブスク。DNAメチル化測定による生物学的年齢測定と日々のアンチエイジングサプリのセット

↑BTW



★サプリは「Vitality」と「Amplify」の2種類
Vitalityサプリの中身は
  • Calcium Alpha-Ketoglutarate 1000 mg
  • ケルセチン 500 mg
  • レスベラトロール500 mg
  • フィセチン 100 mg
  • スペルミジン 900μg
★サプリ「Amplift」の中身は
  • Glycine 1000 mg
  • Berberine 600 mg
  • Urolithin A 250 mg
★検査「TallyAge」はDNAのメチル化をチェックする試験で、実年齢でなく「生物学的年齢」を18〜100歳で評価していれるようです。85万のDNAサイトを評価して8000人のデータをもとに算出するとのこと。

あ〜、残念ながら現在はアメリカ国内のみからしから購入不可みたい。

Category:#アンチエイジングを目指す企業




2022.05.22

自腹2万円!質量分析装置(MS)で6ブランドのNMNサプリメントの有効成分量をチェックしてみた
自腹2万円!質量分析装置(MS)で6ブランドのNMNサプリメントの有効成分量をチェックしてみた

↑BTW

↓購入したのは下記の6ブランド。半分が「国内製造」を売りにしているものです。


A:MAAC10(以前購入したことあり)MAAC10社 NMN 250mg 配合30粒入り海外直送品 | MAAC 10 | ビタミンB
B:ProHealthProHealth Longevity NMN Pro 300? Enhanced Absorption Featuring Uthever? NMN (60 capsules) | prohealth longevity | B3
C:Jarrow Formulas(以前購入したことあり)「お得な2本セット」Jarrow Formulas社 NMNナイアシンアミド60粒入り×2本 | Jarrow Formulas | B3
D:TOKYOサプリ(株)東京通販Amazon | TOKYOサプリ THE NMN 5000mg プレミアム 6冠達成 高純度99%以上 日本製 30日分 純度そのまま腸まで届く特殊カプセル採用 GMP認定工場 | TOKYOサプリ(医師や薬剤師が監修したみんなで作るサプリ) | B3
E:REVUM(株)充実生活Amazon | NMN サプリメント 原料から 純 日本製 国産 5000mg 高純度 100% 製薬会社共同開発 40カプセル 医薬品GMP工場製造 プレミアムジャパンメイド レスベラトロール コエンザイムQ10 | REVUM | B3
F:リプサ(株)(以前購入したことあり)【リプサ公式】 NMN 約1か月分×3袋 T-802-3 | リプサ | 抗酸化マルチサプリメント

↓それぞれの錠剤をどれがどれか分からないようにして知り合いの研究者に送って分析してもらいました。K大学のS博士スペシャルサンクス!!!!


(省略されています。全文を読む

Category:ニコチンアミド・NMN




2020.12.18

2020年12月版:今飲んでいる老化抑制サプリ7つの種類と量と費用、今後追加したい薬3つ
2020年12月版:今飲んでいる老化抑制サプリ7つの種類と量と費用、今後追加したい薬3つ

↑BTW

内容はコスパの考慮してどんどん改良してますが、今現在飲んでいるサプリメントの組みあわせを紹介します。

●今飲んでいるサプリの種類と量とコスト
(1)ケルセチン500mg
飲んでいるのはこれ。1回あたり38円



根拠
この量で骨格筋、脂肪組織内の老化細胞除去が可能と報告されている量には達しているかと。むしろ飲み過ぎか?「老化細胞の除去」という不可逆的な作用なので、休薬期間をもうけて90日飲んで、90日休む。という形にしても良いかもしれません。

(2)NMN 125mg
飲んでいるのはこれ

1日あたり64円。(※2023年11月価格修正)

根拠はこのあたり
正直、NADアナログの効果は微妙に信じて無いのですが、あまりにブームなので飲んでいます。有名なハーバードの教授は1日1000mg飲んでいるそうなので、全然量が足りてないがこのサプリ高い。。。。せめて3倍ぐらいに増やしたいところだが。。。。。安い商品が出てくるのに期待したい。あとは後述するピペリンとの組み合わせでどれぐらいBAが上がっているかを調査したい。

(3)ピペリン 20mg

1日あたり20円。これは独自なんだけど、ピペリンはP-gp阻害剤という物質で様々な化学物質の腸管から体内への移行を高めうる。このへんで説明している。
少なくともウコンの成分クルクミンの吸収量を20倍にする。NMNやポリフェノール、ケルセチンの吸収量増加を期待している。どれぐらい増加させているかは不明。もしかしたらやばいぐらい吸収されている可能性もある。このピペリンとの併用はあらゆる薬、サプリメントの「安全性」をぶち壊す可能性があるハックなので自己責任で、少なくても薬と一緒に飲んじゃダメだからね。

(4)霊芝(βグルカン):115mg

1日20円。1日の推奨量は5粒だけど2粒だけ飲んでいる。

アンチエイジングの効果が知られているわけじゃないけどダイエット効果と腸内細菌に対する強力な効果が報告されている。
以前飲んだことがあり、やせなかったけど(笑)、なんかう〇こが無臭になった。不思議。でも1日5粒飲むとなんか体調悪くなる気がするので2粒に落として飲んでいる。

(5)ルテイン:16mg

1日37円。最近、老眼が・・・・・

臨床試験で効果は確認されているようだ
これ高いな。。。。他のサプリの老化抑制効果で代用出来ないもんだろうか?そもそも飲んでいるけど効果がある実感無いしこういう個別の対症療法的なサプリは止めたい。
(6)ポリフェノール(7種混合):500mg

1日20円

ポリフェノールの中ではブドウ由来のレスベラトロールがアンチエイジングに有名だけど、まあポリフェノール類なら似たようなものだろう。量が重要ということで安いこの商品を使っている。
直接効果がある薬物を服用するのも良いけど、腸内細菌がガンガン身体に良い影響や悪い影響を与える薬物を作り出しては腸から吸収されており、腸内細菌のコントロールこそ最重要!!!との考えは結構信じています。

(7)カルシウム:240mg

1日8円。推奨量は3粒だけど2粒しか飲んでない。カルシウムは貯金らしいので。ふだん全然カルシウムを食物からとってない気がする。

これで合計1回あたり248円。けっこうかかってるね。普段は週5日、平日しか飲まないので1か月あたりの費用は5314円。う〜ん。高いな。焼き鳥屋に1回多く行った方が幸せかもしれないw。

●今後追加したいサプリ
(8)アスピリン。バファリンの成分とか
けっこうガチに証拠がある。
(9)メトホルミン
糖尿病治療用の処方薬なので手に入らない。個人輸入するか・・・・
(10)ダサチニブ
抗がん剤(といっても毒素というよりは分子標的薬)なので癌にならないと手に入らない。個人輸入するか・・・・
ケルセチンとは違う臓器で生体内の老化細胞を自殺させる作用が知られています。
2020年12月版のまとめは以上です。
う〜ん、長生きするには金かかるな。
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Category:#サプリメント




2020.09.25

善玉腸内細菌にエサあげて増やすぞ!ポリフェノールサプリメントの種類変えました。
善玉腸内細菌にエサあげて増やすぞ!ポリフェノールサプリメントの種類変えました。

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複数入っていてバリエーションありそうだなと下記のサプリに乗り換えました。。1日分4粒の含有量は「赤ワインエキス末80mg、紅茶葉末40mg、トマトパウダー40mg、モロヘイヤ末40mg、ヤーコン葉末40mg、緑茶(べにふうき)エキス末40mg、リンゴ末40mg」で合計125mgとのこと。

腸内細菌は「多様性」が重要です。その点で7種類の由来の異なるポリフェノール高含有粉末を含むこのサプリが良いなと。


↓裏面


ワインのポリフェノール(レスベラトロール)は1日200〜300mgで効果が報告されています。
お茶のポリフェノール、カテキンは1回200〜300mgでの臨床試験が報告されています。
下記の研究では体重1kgあたり80mg、大人一人だと4800mgの大量のフラボノイド(ポリフェノールの一種)で体重増加抑制効果を報告しています。アシタバに含まれるポリフェノールは1000mg近くを投与した研究が報告されています。
サプリの容器に書かれている4粒1日125mgってのはちょっと少なすぎるかもしれませんが、その他の3食の健康的な食生活を心掛けるとしてサポートとしてこれを飲もうと思います。90日分で1700円(1日あたり20円)と安価ですし、毎日2〜3倍飲む分には問題無いかなとも思います。

ポリフェノールの良いところは体内に吸収されるわけではなく、腸内細菌により消費されると考えられるため過剰摂取による毒性は考えなくても良いところかなと思ってます。


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Category:#サプリメント




2019.08.26

若返り技術の会社に投資するJuvenescence社が2回目の資金獲得で約100億円を獲得
若返り技術の会社に投資するJuvenescence社が2回目の資金獲得で約100億円を獲得

↑BTW

若い「Juvenile」+科学「Science」でJuvenescienceとベタベタな名前だな。同社はUKの会社でCEOはGreg Bailey氏、Jim Mellon氏とDeclan Doogan氏と共に2017年に設立されたそうです。過去18ヵ月に約165億円を調達しているそうです。けっこうスゴイかも。気のせいでしょうか?アンチエイジング関連に投資が集まってきている気がします。

アンチエイジング企業に投資する会社って感じみたいです。現在出資しているのは10社。Lygenesis社、AgeX Therapeutics社、FoxBio社、Insilico Medicine社、generait Pharmaceuticals社、Netrapharma社、Souvien Therapeutics社、BYOMass社、BHB Therapeutics社、NAPA Therapeutics社。
LyGenesis社は再生医療のスタートアップで、Juvenescence社により2018年5月に約3億円の出資を受けているとのこと。

2020年に肝臓再生の臨床試験開始と書かれています。CEOはERIC LAGASSE氏、異所性移植の世界的リーダーと書かれています。会社の本拠地はピッツバーグ
Juvenescence社に今アンチエイジングに取り組むべき根拠として
  • 1984年:テロメア発見
  • 1996年:IFG-1と成長ホルモンの遺伝子操作でマウスの寿命が50%伸びた実験
  • 2003年:遺伝子改変でマウスを5年間(人間で180歳に相当)生かすことが出来る実験をMethusaleh Mouse Prize(Mprize)が発表
  • 2005年:パラバイオシス実験により若い血液中に若返い前駆細胞が存在することをマウスで実証
  • 2006年:レスベラトロールがマウスの寿命を延ばす実験
  • 2011年:マウスで老化細胞の除去が早老マウスの老化発症を遅らせることの実証
  • 2013年:心臓の老化をまきもどすキーとなるタンパク質が若いマウスの血液から発見
  • 2014年:糖尿病薬メトホルミンが老化抑制に効果があることの発見
  • 2016年:普通のマウスで老化細胞の除去が健康寿命を延ばすことの発見
  • 2017年:追うか細胞の除去による変形関節炎の緩和に成功
  • 2018年:老化に伴うNAD+の減少を薬で抑制することで老化に伴う代謝的機能不全を緩和することにマウスで成功
と書いてあります。同社の世界観が分かって面白いですね。

3つ目は知らなかったのですが、Methusaleh Fundationという非営利団体があるようです。

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Category:#アンチエイジングを目指す企業




2019.07.02

寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)

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個人的な思考の整理のためにリストアップしてみました。
(1)アンチエイジングに焦点を絞った金のある米国スタートアップ企業に注目
Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身 /Amrit不老不死ラボ
不老長寿技術を開発するベンチャーにのみに投資するファンド「Longevity Fund」 /Amrit不老不死ラボ
(2)体内から老化した細胞を取り除く
老化した細胞のみを殺す「Senolytic薬」の開発とその効果 /Amrit不老不死ラボ 1 users
体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。 /Amrit不老不死ラボ
(3)「老化抑制」という「副作用」が知られる市販薬を飲む
医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる /Amrit不老不死ラボ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ /Amrit不老不死ラボ 2 users
癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。 /Amrit不老不死ラボ
ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる /Amrit不老不死ラボ
(4)寿命を延ばす効果が期待されて開発されているサプリメント・天然物質
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント /Amrit不老不死ラボ
2019年2月Nature Commun発表/アシタバの葉に含まれるポリフェノール(フラボノイド)にあらゆる生物に効く最強のアンチエイジング作用 /Amrit不老不死ラボ 1 users
赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。 /Amrit不老不死ラボ
ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中 /Amrit不老不死ラボ
(5)寿命を延ばす効果が期待されて開発されている開発中の薬
マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中 /Amrit不老不死ラボ
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い /Amrit不老不死ラボ 1 users
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)(Amrit不老不死研究所)
(6)未来の技術を信じて人体冷凍保存する
人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術 /Amrit不老不死ラボ 2 users
人体冷凍保存にも応用可能?3-O-メチル-D-グルコースで満たした臓器を過冷却現象で低温保存し3日間後に移植する事に成功 /Amrit不老不死ラボ
(6)脳だけになって生き残る
米国DARPAが脳内100万個の神経とコンピューターを接続する小型モジュール開発プロジェクトの提案を募集。70億円まで資金提供。 /Amrit不老不死ラボ
ラットに電子チップを埋め込み「第六感」的感覚を与えることに成功 /Amrit不老不死ラボ
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験 /Amrit不老不死ラボ
(7)コンピューターに意識を移す
ロシアの富豪が出資する脳の情報をコンピューター上にアップロードして永遠に生きるプロジェクト「2045イニシアティブ」 /Amrit不老不死ラボ
(8)臓器を新しいものに交換して長生きする
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ /Amrit不老不死ラボ
ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)(Amrit不老不死研究所)
(10)腸内細菌を最適化する
人体を構成する細胞以上の数の細菌が住み、これらの細菌が日夜作る種々の物質は腸から吸収されています。無限の可能性があります。寿命に直接影響するような研究は見つかりませんでしたが、病気を防ぐ作用に関する研究は多数あります。
効果が実証されつつある他人の「うんこ」移植治療、研究過程で難病を治す「癒しのうんこ」、他人を殺す「殺人うんこ」を出す能力者の存在が明らかに /Amrit不老不死ラボ
(11)生体内の細胞をリプログラムする
老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究 /Amrit不老不死ラボ
癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する /Amrit不老不死ラボ
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功 /Amrit不老不死ラボ
(12)癌を完全に治す
直接的な寿命延長ではありませんが、若返らせるような治療の多くは「若返りすぎ」ではありませんが、細胞の無限増殖(=癌)が克服出来ないために危なくて、人間での研究が進めにくい方法が多数あります。
細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療 /Amrit不老不死ラボ
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Category:#エイジング関連まとめ




2017.11.08

赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。
赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。

↑BTW

赤ワインに含まれるポリフェノールの1つ「レスベラトロール(resveratrol)」はSIRTやAMPKなどの経路を介して老化抑制効果を果たすと考えられていましたが、今回、アメリカ・エクセター大学の研究者がレスベラトロールがこれまで知られている経路とは別に遺伝子から転写されたmRNAのスプライシング関連経路を介してテロメアを伸ばし、老化した細胞の増殖性を回復させていることを報告しています。

 研究者はレスベラトロールに加えて、ちょっと構造の異なる5種類のレスベラトロールそっくりさんをつくり、合計6種の薬物の細胞に対する反応を比較検討することでこの結論を導き出しています。

図1ではSIRT1の活性、図2では炎症性タンパクの量、図3ではスプライシング因子の量、図4では細胞老化マーカーの比較、図5ではテロメアの長さと、細胞増殖性を評価しています。

レスベラトロールに関しては当サイトではこれまでにも色々と紹介しています。


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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2016.03.07

学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ

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 老化とは何でしょうか?最新科学では「老化」が人体が古くなったという単純な現象ではないことを明らかにしています。ある特定の仕組みによって老化が進行しているようなのです。実は、すでに発売済みの薬や開発中の薬の中にはその老化を促進する仕組みをブロックし、結果として老化を抑制する副作用が報告されているものが数多くあります。そういった報告の多くは今のところ動物実験でのみ検証されており、大勢の人間が参加した大規模な「臨床試験」によって人間での効果が証明された薬は未だありません(もし、あったら既に皆飛びつきますよね?)。

今回、Nature Medicineという医学界で最も有名な学術雑誌がそのような薬のまとめ記事を掲載しています。

以下が記事中で取り上げられていた薬を表にしたものです。

薬の名前ターゲット(薬が作用する体内の分子)現在、何の用途に使われている薬か知られているリスク
ラパマイシン(Rapamycin)mTORC1mTORC2抗ガン剤、メタボ薬、心臓病薬免疫抑制、インスリン抵抗性、白内障
メトホルミン(Metformin)ミトコンドリアのAMPKmTOR糖尿病薬不明
レスベラトロール(Resveratrol)SIRT(サーチュイン)やAMPK肥満予防不明
Anti-CGRPCGRPやCGRPレセプター偏頭痛、メタボ薬、抗炎症薬痛覚の鈍化、低体温
食事中のメチオニンを制限メタボ対策脂肪肝、体重減少、鬱
Lilly社のLY2405319、Amgen社のペプチド薬IISFGF-21klothoPAPP-Aを減らすメタボ対策骨密度減少、高血糖、インスリン抵抗性

ラパマイシンメトホルミンレスベラトロールFGF-21に関してはこのサイトでも以前に紹介しています。下記は以前紹介した記事へのリンクです。

 大きなキーワードとしては「炎症」「代謝」でしょうか。

 人体は加齢に伴い「弱い炎症」が持続的に発生するようになり、この炎症が老化を促進する要因になっていると考えられています。たとえば鎮痛剤であるアスピリン(バファリン)や、nordihydroguaiaretic acid (NDGA; also called masoprocol)を投与することで平均寿命が8〜12%延びることが動物実験で報告されています。

 さらに、炎症により作られ、結果、加齢とともに血中に増えていくCGRP(Ccalcitonin gene-related peptide)という物質を減らすだけで寿命延長効果があることが報告されています。具体的には、この物質を持たないように遺伝子改変された動物は長寿になります。他にも、CGRPの受容体をブロックする低分子薬や抗体を投与し不老長寿的な効果を示させる研究が報告されています。

 また「カロリー制限」を行うことで多くの動物で寿命が延長することが報告されています。当初は、カロリー制限により無駄なエネルギー消費が低下しDNAを損傷する活性酸素の発生が抑えられる効果が寿命延長につながると考えられていましたが、近年これだけではなく、どうやら「低カロリー」時に細胞内で発生するシグナル自体に寿命延長効果があることが分かってきました。そして、代謝に作用する薬のいくつかが寿命に影響することが報告されています。たとえば代謝に深く関わる「インスリン」や「IGF-1」に関わる薬です。

 IGF-1が生まれつき少ない遺伝子改変動物は長寿命であることが報告されていますし、IGF-1を分解する働きのあるkotho遺伝子を増やした動物も寿命が延長します。またFGF-21やリリー社が開発中のLY2405319はIGF-1を阻害し寿命延長効果があるかもしれません。

 もっと簡単なメカニズムとしては食事中のメチオニンを減らすことで寿命が延長することが、酵母、線虫、ハエ、ネズミで報告されています。人間においても食事中のメニオニンを減らす作戦の他に、メチオニンが人体に吸収されにくくなる働きの薬が開発出来れば、寿命延長効果が期待出来ます。


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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2012.12.14

医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果
医学分野の最も有名な学術雑誌「Nature Medicine」が選ぶ2012年の重要な研究成果

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 医学分野の最も有名な学術雑誌Nature Medicineが2012年に発表された重要な研究成果として8つの研究フィールドに分けて紹介しています。

★神経科学
 自閉症の原因遺伝子についての発見があった。自閉症患者の遺伝子を1000人分調べ共通点を探したところ、変異すると自閉症になりうる共通変異が100以上見つかった。自閉症は父親の年齢が高いほど確率が高いが、高齢の男性の精子が遺伝子変異を起こしやすいことと関係していると思われる。

★ガンのメカニズムに関して
 ガン細胞がどのように体内で増えていくのかに関して様々な知見が得られた。例えばガン細胞はエキソソームを放出して転移に適した環境を作り出すし、血管細胞免疫細胞を制御して自身が生存しやすくしている。ガン細胞は転移出来る場所に落ち着くとBMP阻害因子であるCocoタンパクを産生するようだ。これらはいずれも新たなガン治療薬開発の可能性となる。

 また、ガンの増殖に関して、周囲の正常部分の関与も報告された、抗ガン剤はガン細胞だけでなく周囲の正常細胞も傷つけるがそれらの正常細胞が元に戻ろうとする過程でガン細胞を増殖させる物質を出してしまっているようである。

  • Melanoma exosomes educate bone marrow progenitor cells toward a pro-metastatic phenotype through MET.Nat Med. 2012 Jun;18(6):883-91. PMID:22635005
  • The BMP inhibitor Coco reactivates breast cancer cells at lung metastatic sites.Cell. 2012 Aug 17;150(4):764-79.PMID:22901808
  • A CXCL1 paracrine network links cancer chemoresistance and metastasis.Cell. 2012 Jul 6;150(1):165-78. PMID:22770218
  • Tumour micro-environment elicits innate resistance to RAF inhibitors through HGF secretion.Nature. 2012 Jul 26;487(7408):500-4.PMID:22763439
  • Treatment-induced damage to the tumor microenvironment promotes prostate cancer therapy resistance through WNT16B.Nat Med. 2012 Sep;18(9):1359-68.PMID:22863786
★老化現象
 以前報告された内容と異なり、カロリー制限を長期間行ってもサルの寿命が延びなかったとする結果が報告された。

 赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」がカロリー制限と同じ働きをするメカニズムが報告された。レスベラトロールと同様にrolipramという物質が同様の効果を持つことが報告された。


★メタボリックシンドローム
 これまでの研究では、脂肪をため込む「白色脂肪細胞」、エネルギーを燃やす「褐色脂肪細胞」に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」という概念が報告された。このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞と似ているがUCP1を発現しており褐色脂肪細胞のように効率的にエネルギーを燃やすことが出来ます。新しく見つかったホルモンirisinが白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させることが報告され、新しい肥満治療薬の開発につながるかもしれない。

 冷たい外気に触れた時にも白色細胞が変化してベージュ脂肪細胞になりうることが報告された。またサーチュイン1タンパクがベージュ脂肪細胞への変化を誘導しうることも報告された。BMP 8bというタンパクが脂肪燃焼を誘導することが報告された。

  • A PGC1-α-dependent myokine that drives brown-fat-like development of white fat and thermogenesis.Nature. 2012 Jan 11;481(7382):463-8.PMID:22237023
★ガンの免疫治療
 ガン細胞はなぜか体内の免疫により攻撃されない。最近、T細胞にPD-1(programmed cell death protein 1)というレセプターが発現していることが報告された。PD-L1などのリガンドが結合することでT細胞は攻撃するT細胞(エフェクターT細胞)としての機能が低下し、攻撃しないT細胞(制御性T細胞)としての機能が活性化する。ガン患者の一定数にはPD-L1が血液中に見られるが、PD-1に対する抗体を投与する臨床試験でガンの増殖を抑制する効果が見られた。

  • Safety, activity, and immune correlates of anti-PD-1 antibody in cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2443-54.PMID:22658127
  • Safety and activity of anti-PD-L1 antibody in patients with advanced cancer.N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2455-65.PMID:22658128
★ウイルス学
 これまで様々なHIVワクチンが開発が試されたが、あまりうまくいっていない、今年新型のHIVワクチンの可能性が示された。HIVウイルスが免疫細胞(T細胞)に結合する時に使われるEnvタンパクをターゲットにしたワクチン療法である。

  • Immune-correlates analysis of an HIV-1 vaccine efficacy trial.N Engl J Med. 2012 Apr 5;366(14):1275-86.PMID:22475592
  • Increased HIV-1 vaccine efficacy against viruses with genetic signatures in Env V2.Nature. 2012 Oct 18;490(7420):417-20. PMID:22960785
★胃腸
 腸内の細菌環境が壊れることで大腸炎が起こりうることが報告された。こういった腸内環境の乱れは肝臓の病気や肥満、大腸ガンにつながる。研究者らは高脂肪食をマウスに食べさせると胆汁に変化が起こりグラム陰性菌が増え、大腸炎を起こしうることを報告した。また同様の細菌変化は栄養失調やタンパク質の少ない食事でも起こりうることが報告された。

 幼児期に抗生物質に触れると免疫機能の確立が損なわれアレルギーになる可能性が増すことが報告された。

  • Commensal bacteria-derived signals regulate basophil hematopoiesis and allergic inflammation.Nat Med. 2012 Mar 25;18(4):538-46.PMID:22447074
  • Microbial exposure during early life has persistent effects on natural killer T cell function.Science. 2012 Apr 27;336(6080):489-93.PMID:22442383
  • ACE2 links amino acid malnutrition to microbial ecology and intestinal inflammation.Nature. 2012 Jul 25;487(7408):477-81. PMID:22837003
  • Dietary-fat-induced taurocholic acid promotes pathobiont expansion and colitis in Il10-/- mice.Nature. 2012 Jul 5;487(7405):104-8.PMID:22722865
★生殖医療
 精子と異なり卵子は生まれてきた後は増えないと考えられてきたが、少し前にマウスの卵巣ではちょっとだけ新たな卵子を作り出しうる細胞が存在していることが報告されていた。今年、人間の女性の卵巣にも新しい卵子を生み出しうる卵子幹細胞が含まれていることが報告された。これは生殖医療のあり方を変える可能性がある。現在、その細胞の取り出し精製方法が研究されている。

  • Oocyte formation by mitotically active germ cells purified from ovaries of reproductive-age women.Nat Med. 2012 Feb 26;18(3):413-21. PMID:22366948

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Category:#エイジング関連まとめ




2011.07.25

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3)
ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3)

↑BTW

 レスベラトロールで老化を遅らせるにはレスベラトロールをどの程度とる必要があるのでしょうか。(1)で紹介した実験動物による研究では中年期のマウスに体重1kgあたり5mgのレスベラトロールを毎日与えると効果が確認出来る事を報告しています。これは人間(体重60kg)に換算した場合、毎日300mgのレスベラトロールをとることを意味します。これは非常に多い量と言えます。理由は普通のワイン1本に含まれるレスベラトロール量はそれほど多くないからです。

 ワインが含有するレスベラトロール量に関しては1997年にメルシャンの研究者の報告があります。
  • Contents of resveratrol, piceid, and their isomers in commercially available wines made from grapes cultivated in Japan, Biosci Biotechnol Biochem. 1997 Nov;61(11):1800-5. PMID: 9404057
 レスベラトロール、およびレスベラトロールの類似物質「ピセイド(piceid)」の含有量は赤ワインで1リットルあたり4.37mg、白ワインで0.68mgでした。この値から、1日300mgのレスベラトロールをとるために必要な量を考えると、毎日70本の赤ワインを1人で飲まないといけません

※ピセイド(picceid,resveratrol-3-β-D-glucopyranoside)・・・・・レスベラトロールのβグルコシド体

 メルシャンはレスベラトロールを多く含有するワインの研究も行っているようです。
 上記は2005年に発表されたニュースですが、このワインでも含まれる量は1リットルあたり10mg程度で、このワインでも1日300mgのレスベラトロールをとるためには毎日40〜50本のワインを飲む必要があります。それではワイン以外にレスベラトロールを多く含む食品は無いのでしょうか?下記の研究によるとワインの次にレスベラトロールを多く含むのはチョコレートのようです。

  • Survey of the trans-Resveratrol and trans-Piceid Content of Cocoa-Containing and Chocolate Products
J. Agric. Food Chem., 2008, 56 (18), pp 8374?8378 PMID:18759443 この研究はアメリカ、ペンシルベニアの研究者によって行われました。この研究者らはアメリカで購入可能な19種類のココア、チョコレート製品を調べています。以下が結果です。
レスベラトロール量(μg/g)ピセイド(レスベラトロール類似物質)量(μg/g)
ココアパウダー1.85 ± 0.437.14 ± 0.80
甘くない焼きチョコ1.24 ± 0.224.04 ± 0.14
ほどほど甘いチョコ0.52 ± 0.142.01 ± 0.18
ダークチョコ0.35 ± 0.081.82 ± 0.36
ミルクチョコ0.10 ± 0.050.44 ± 0.06
チョコレートシロップ0.09 ± 0.020.35 ± 0.06

 同じ重量で換算するとココアパウダーなどは赤ワインの半分程度のレスベラトロールを含みますが、ココアパウダーをワインと同じ重量だけ食べることは困難ですので、残念ながらレスベラトロールを摂取するのに適しているとは言えません(報告ではチョコレートを食べると1回につき0.014〜0.019mgのレスベラトロールが摂取出来ると言っています)。

 老化を防止出来るだけの量のレスベラトロールを自然の食品からとるのはなかなか難しそうです。それではサプリメントとしてとる方法はどうでしょうか?楽天市場でレスベラトロールのサプリメントを検索すると含まれるレスベラトロール量として

などの商品がヒットします。一番上の製品で1日あたり3粒飲むとして1日2000円、一番下で1日あたり20粒飲むとして1日あたり400円程度でしょうか。少し高く付きますが不可能では無い値段です。もう少し値段が下がってくれれば良いのですが・・・・
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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2011.07.22

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(2)
ワインに含まれる老化抑制物質「[[レスベラトロール]]([[Resveratrol]])」これまでの研究まとめ(2)

↑BTW

 ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」が老化を抑制する働きを示すことを紹介しましたが、毎日ワインを飲み続けたり、ブドウを食べ続けたりするのは大変です。レスベラトロールと同程度、またはより強い効果を持つ薬を人工的に作ることが出来れば大変有望な老化抑制薬になります。そんな薬に取り込んでいるメーカーが2004年設立のSirtris社です。

Sirtris社はレスベラトロールの構造を調べ、その構造と似た物質の中から、レスベラトロールと同等かさらに強い効果を持つ物質を探索しました。レスベラトロールの効果はこれまでの研究から、人間のSIRT1(サーチュイン遺伝子)を活性化であることが分かっていますので細胞を用いた実験で、SIRT1を活性化出来る物質を探索しています。Sirtris社のWebページによると、彼らは9000を超える物質を人工的に作り調べたようです。その結果、レスベラトロールより5倍吸収されやすいSRT501という物質を発見しました。SRT501は特にミトコンドリアの活性を上昇させるそうです。

Sirtris社はこのSRT501を人間の薬として販売するために臨床開発をスタートしました。「老化防止薬」では、効果が曖昧ですし評価が難しいこともあってか、最初は「糖尿病治療薬」として開発されています。それらの結果は2008年1月の学会で発表されました。

 試験では98人の糖尿病患者に参加してもらい28日間、1日1回、開発したSRT501を飲ませています。その結果、薬による副作用も見られず、糖尿病の症状である血糖値上昇を抑制するなど良好な結果を得ることが出来ました。

 この後、Sirtris社の取り組みは大きなお金になると期待され、Sirtis社は大手製薬会社であるGSK社(グラクソ・スミス・クライン社)により2008年におよそ7億2000万ドル(当時の値段でおよそ7億円)で買収されています。この後SRT501は、さらに骨髄腫などいくつかの病気に対する薬として開発が進められていましたが、残念な事に腎臓に対する悪影響が見られたなどの理由で2010年に開発中止が発表されています。効果のある薬とは人体に様々な作用を施します。このように良い効果がある薬であっても副作用が上回れば薬として販売することは出来ません。

 SRT501は断念しましたが、この後もSirtris社は開発を続けています。次にSirtris社はレスベラトロールより1000倍強力な薬としてSRT1460SRT1720SRT2183とコードネームを付けた薬を候補にしました。最初に開発したSRT501がレスベラトロールの5倍でしたので、この3種類の候補はSRT501の100倍以上の効果を持つことになります。これらの薬に関しては2007年に有名な科学雑誌Natureに掲載されています。

  • Small molecule activators of SIRT1 as therapeutics for the treatment of type 2 diabetes(2型糖尿病治療に用いることの出来る低分子SIRT1活性化剤). Nature. 2007 Nov 29;450(7170):712-6.PMID:18046409
 しかしながら残念なことに、この新しい3種類の候補の効果については、その後の研究で否定されています。
 これらの報告では開発中の3種類どころか、元となるレスベラトロール自身の効果も疑っているようです。報告によると、レスベラトロールや開発中の化合物が持つ効果は、それらの物資に実験がしやすいように結合していた蛍光物質(クマリンなど)による影響であるとのことです。

 Sirtris社はこりずに今も別の薬を開発しているようです。現在(2011年7月)の段階のWebページでは、すでに新しい2つの薬が臨床試験に進んでおり(SRT2104SRT2379)。もう一つ(SRT3025)は今年中に臨床試験に進むそうです。SRT2104とSRT2379の臨床試験の最初の報告は今年中に行われる予定です。

これまでの流れ(2011年7月現在)
レスベラトロールブドウ由来の天然物質
SRT501レスベラトロールより5倍吸収されやすい開発断念
SRT1460、SRT1720、SRT2183レスベラトロールより1000倍強力開発断念
SRT2104、SRT2379、SRT3025開発中

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2011.07.15

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1)
ワインに含まれる老化抑制物質「[[レスベラトロール]]([[Resveratrol]])」これまでの研究まとめ(1)

↑BTW

テレビでワイン(ブドウ)に含まれるポリフェノール「レスベラトロール(Resveratrol))」のサプリメントが紹介され人気を集めているそうです。

 レスベラトロールの作用が発見されたのはもう10年近くも前になります。アメリカ、ペンシルベニアの研究者が2003年に有名な科学雑誌Natureで発表しました(1)

  • (1)Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 2003 Sep 11;425(6954):191-6 PMID:12939617
 これまでの研究で、酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの単純な動物では栄養制限(摂取カロリー制限)すると、Sir2というサーチュイン遺伝子が活性化され寿命が延びることが知られていました。研究者はカロリー制限を行わずにSir2遺伝子を活性化させることの出来る物質を探索した結果、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロール(Resveratrol)を発見しました。レスベラトロールを与えた酵母は栄養制限をした時と同様にSir2遺伝子が活性化し寿命が70%延長しました。

 また、人間のSir2にあたるSIRT1にレスベラトロールが与える影響を調べたところ、同様な効果を与えることも分かりました。SIRT1は腫瘍抑制遺伝子であるp53タンパクの脱アセチル化を促進することで作用を発揮しているようです。この研究者らはオリーブオイルに含まれるクェルセチン(quercetin)にも同じ作用があることを報告しています。

 この研究以降、酵母のSir2や、マウスのSirt1、ヒトのSIRT1は老化を抑制する作用のあるものとしてサーチュイン遺伝子(Sirtuin gene)と呼ばれ研究が盛んに行われています。そして、この発表以降、酵母に引き続き、線虫やショウジョウバエなどの様々な無脊椎動物で寿命を延ばす効果が報告され、ついに2008年に哺乳類(マウス)でも作用があることが報告されました。

 アメリカの研究者らがPloS ONEという雑誌に報告(2)した内容では、中年(生後14ヶ月)〜老齢(生後30ヶ月)のマウスにレスベラトロール(4.9mg/kg/day)を食べさせて実験を行いました。そして、全身の臓器の遺伝子発現を調べたところ、カロリー制限した時と同じような遺伝子発現プロファイルを示し、脳、心臓、骨格筋などで老化に伴い起こる遺伝子発現変化を抑制し、加齢に伴う心臓疾患を防ぐことが分かりました。例えば筋肉ではカロリー制限により起こるのと同じようなインスリンに関連したグルコース吸収の変化が起こっているようです。レスベラトロールはカロリー制限と同様に、加齢に伴う染色体の構造変化や、転写の変化を遅らせるなど様々な部分で働いているようです。

  • (2)A Low Dose of Dietary Resveratrol Partially Mimics Caloric Restriction and Retards Aging Parameters in Mice. PLoS ONE. 2008,3(6):e2264、PMID:18523577
 しかしながら、マウスでは酵母などとは違い寿命を延長することは無さそうだという結果も報告されています。2008年に報告された研究(3)では、中年期(12ヶ月)移行にレスベラトロールを与えられたマウスと普通のエサを食べているマウスとでは寿命の差は無かったと報告しています。ただ、こちらの研究でも、老化のサインであるタンパク尿(albuminuria)の減少、炎症の減少、血管内皮細胞のアポトーシスの減少、動脈の柔軟性の増加、身体の動きの改善、白内障の減少、骨量減少の抑制などの老化抑制効果は見られており、この点での効果はありそうです。

  • (3)Resveratrol Delays Age-Related Deterioration and Mimics Transcriptional Aspects of Dietary Restriction without Extending Life Span. Cell Metabolism 2008, 8(2) 157-168. PMID:18599363
霊長類の実験でレスベラトロルの抗肥満作用が確認された

この他に下記の研究はキツネザルを使った研究ですが、1日あたり体重1kgあたり200mgのレスベラトロールで体重低減効果があることが報告されています。食欲も減少するようでエネルギー摂取量が19%減り、安静時の基礎代謝が29%増加したことを報告しています。

  • Resveratrol suppresses body mass gain in a seasonal non-human primate model of obesity. BMC Physiology 2010, 10:11PMID:20569453
単語:primate(霊長類)

次回はレスベラトロールのメカニズムを参考に開発されている医薬品について紹介します。
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