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2011.07.25
ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(3)
レスベラトロールで老化を遅らせるにはレスベラトロールをどの程度とる必要があるのでしょうか。(1)で紹介した実験動物による研究では中年期のマウスに体重1kgあたり5mgのレスベラトロールを毎日与えると効果が確認出来る事を報告しています。これは人間(体重60kg)に換算した場合、毎日300mgのレスベラトロールをとることを意味します。これは非常に多い量と言えます。理由は普通のワイン1本に含まれるレスベラトロール量はそれほど多くないからです。
ワインが含有するレスベラトロール量に関しては1997年にメルシャンの研究者の報告があります。
レスベラトロール、およびレスベラトロールの類似物質「ピセイド(piceid)」の含有量は赤ワインで1リットルあたり4.37mg、白ワインで0.68mgでした。この値から、1日300mgのレスベラトロールをとるために必要な量を考えると、毎日70本の赤ワインを1人で飲まないといけません。
※ピセイド(picceid,resveratrol-3-β-D-glucopyranoside)・・・・・レスベラトロールのβグルコシド体
メルシャンはレスベラトロールを多く含有するワインの研究も行っているようです。
上記は2005年に発表されたニュースですが、このワインでも含まれる量は1リットルあたり10mg程度で、このワインでも1日300mgのレスベラトロールをとるためには毎日40〜50本のワインを飲む必要があります。それではワイン以外にレスベラトロールを多く含む食品は無いのでしょうか?下記の研究によるとワインの次にレスベラトロールを多く含むのはチョコレートのようです。
J. Agric. Food Chem., 2008, 56 (18), pp 8374?8378 PMID:18759443 この研究はアメリカ、ペンシルベニアの研究者によって行われました。この研究者らはアメリカで購入可能な19種類のココア、チョコレート製品を調べています。以下が結果です。レスベラトロール量(μg/g) ピセイド(レスベラトロール類似物質)量(μg/g) ココアパウダー 1.85 ± 0.43 7.14 ± 0.80 甘くない焼きチョコ 1.24 ± 0.22 4.04 ± 0.14 ほどほど甘いチョコ 0.52 ± 0.14 2.01 ± 0.18 ダークチョコ 0.35 ± 0.08 1.82 ± 0.36 ミルクチョコ 0.10 ± 0.05 0.44 ± 0.06 チョコレートシロップ 0.09 ± 0.02 0.35 ± 0.06
同じ重量で換算するとココアパウダーなどは赤ワインの半分程度のレスベラトロールを含みますが、ココアパウダーをワインと同じ重量だけ食べることは困難ですので、残念ながらレスベラトロールを摂取するのに適しているとは言えません(報告ではチョコレートを食べると1回につき0.014〜0.019mgのレスベラトロールが摂取出来ると言っています)。
老化を防止出来るだけの量のレスベラトロールを自然の食品からとるのはなかなか難しそうです。それではサプリメントとしてとる方法はどうでしょうか?楽天市場でレスベラトロールのサプリメントを検索すると含まれるレスベラトロール量として
などの商品がヒットします。一番上の製品で1日あたり3粒飲むとして1日2000円、一番下で1日あたり20粒飲むとして1日あたり400円程度でしょうか。少し高く付きますが不可能では無い値段です。もう少し値段が下がってくれれば良いのですが・・・・
Category:#アンチエイジング・老化抑制技術
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