老化に伴い記憶力低下の原因となるタンパク"RbAp48"と免疫力低下の原因となるタンパク"DUSP6"が発見される。
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2013.09.06

老化に伴い記憶力低下の原因となるタンパク"RbAp48"と免疫力低下の原因となるタンパク"DUSP6"が発見される。

 人間は高齢になると記憶力であったり運動能力であったり、免疫力など様々な衰えが生じます。それぞれの衰えには原因となるメカニズムがあり、メカニズムが解明出来れば老化全体を止めることは出来なくても、個々の老化現象を止めることは出来ると考えられます。

記憶力低下の原因RbAp48
 アメリカ・コロンビア大学のPavlopoulos Eらの研究チームは老化に伴う記憶力低下に着目し、亡くなられた8名の脳(33歳〜85歳)ののサンプルの遺伝子発現を比較し老化に伴い変化している17種類の遺伝子を見つけ出しました。

 これら17種類それぞれについて記憶力低下を引き起こす原因に関わっている可能性を調べたところ、17
種類の中の一つRbAp48というタンパクが記憶力低下に大きく関わっていることを発見しました。

 遺伝子操作を行いRbAp48を作ることが出来ないマウスでは、若い時から記憶力が4分1しか無く、一方、遺伝子操作でRbAp48を大量に作るようになったマウスでは老化に伴う記憶力の低下が起こりませんでした。

 RbAp48は別名NURF55とも呼ばれるヒストン結合タンパクで、脳内に大量にあることは以前から知られていましたが、老化に伴い低下することや記憶力低下の原因となっていることは今回初めて見いだされました。

免疫力低下の原因miR-181aとDUSP6
 アメリカ・カリフォルニア医科大学のGuangjin Liらは免疫力低下の原因を調べたところ、体内に入ってきた新しい異物を除去する時に重要な働きを持つナイーブCD4陽性T細胞のTCRレセプター下流のERKリン酸化能力が低下していることを発見しました。

 このリン酸化能低下のメカニズムを調べたところ、DUSP6(Dual Specific Phosphatase 6)が加齢に伴い増えすぎることが原因であることが分かり、あらにDUSP6の増加はmiR-181aというmiRNA(マイクロRNA)の量が減少するためであることが分かりました。

 実際に高齢者からT細胞を取り出し、miR-181aを大量に与えたり、DUSP6の量を減らす処理を行うとT細胞の働きは若者のT細胞のように強くなりました。

老化を抑制する方法
 生きた人間の遺伝子を操作するのは難しいため、実際の高齢者で記憶力や免疫力を回復させるには何かしら薬を投与し、上記実験で判明した原因を改善する必要があります。

 前者の研究ではRbAp48タンパクがどのように作られるのかを調べ、このタンパクを多く作らせる薬を開発することで老化に伴う記憶力の低下を抑制出来るかもしれません。

 後者ではmiR-181aの量を増やす薬、DUSP6の量を減らす薬などを開発することで老化に伴う免疫能力の低下を抑制することが出来るかもしれません。DUSP6の量を減らすことの出来る物質としては''(E)-2-benzylidene-3-(cyclohexylamino)-2,3-dihydro-1H-inden-1-one (BCI)''という物質が既に知られています。人間に投与した場合の安全性が確認された薬ではありませんが、この薬で免疫力の低下を抑制出来るかもしれません。

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