→書籍紹介:最新老化の科学がわかる本(3) →AGEs(糖化最終産物)(6)
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2004.12.06テストステロンなどによるホルモン療法は本当にリスクよりメリットが大きいのか?
2004.08.13長寿を保証するたんぱく質発見
2004.07.06ヒトの脳が老化する仕組みが分かってきた
2003.12.02老人の筋肉が衰える理由を解明
2003.12.01ビタミンDを過剰にとっても若返らない
2003.10.15大きなコレステロール粒子を持つヒトの方が長生き出来る
2003.05.14GABAで老人の脳が蘇る(CNN)
2003.04.10肉食を減らせば長生きできる(nikkei)
2003.03.1294歳の骨髄細胞を若返らせ、心臓の細胞を作ることに成功 /6
2003.02.18ヒトの長寿遺伝子見つかる
2002.12.19死にかけた脳細胞を延命(yomiuri)
2002.10.24線虫の老化を仕組み解明が一歩進む
2002.08.02摂取カロリーを抑えることでヒトでも寿命が延びる?
2002.01.18子供を作るのをあきらめれば寿命が伸びる?
2002.01.04線虫をコエンザイムQを含まないエサで飼育すると寿命が延びる
2002.01.03ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる
2001.12.18ショウジョウバエの寿命をタンパク質修復物質で伸ばす
2001.08.28ヒトの長生き遺伝子を発見?(ヒトの長生き遺伝子を”発見”か(朝日新聞))
2001.08.07ペットの老化防止フード開発される(ペットの老化防止?新ペットフードがお目見え(CNN News))
2000.12.15ショウジョウバエで一つの遺伝子を変更するだけで寿命が倍になった
2000.12.14細胞が老化するのは細胞表面のカベオラが少なくなるためである
2000.10.08神経細胞が活性酸素に強くなると寿命が延びる
2000.09.17ヴァロンっていう合成ペプチドは癌の成長を抑え、マウスの寿命を延ばした
2000.09.01線虫に活性酸素を取り除く薬投与し寿命を1.5倍に延ばした
2000.09.01活性酸素の除去による寿命の延長
2000.08.01老化した皮膚を若返らせる事に成功した
2000.05.12p53は細胞の分裂的老化に関わっており、場合によっては老化抑制に働く
2000.04.28老化した細胞からクローンを作り、テロメアをのばし寿命を延長した。 /10
1999.12.16長生きしたかったら。暇なときは目を閉じよう
1999.11.25遺伝子操作により哺乳類(マウス)の寿命を延ばすことに成功した
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2004.12.06
テストステロンなどによるホルモン療法は本当にリスクよりメリットが大きいのか? ・2003年にテストステロンが処方されているアメリカ人男性は200万人を越える、 発表先は8月12日のEMBO J 26歳〜106歳のヒトの前頭葉皮質の遺伝子発現を調べたところ、40歳を越えたあたりから減少する遺伝子群が発見された。これらは脳神経の柔軟さや、神経細胞の物質輸送、エネルギー生産において中心的な役割を担っている遺伝子である。そしてこれらは抗酸化作用や壊れたDNAの修復も行っている。このような減少によりヒトの脳の老化は引き起こされているらしい 筋肉には絶えず再生するためのsatellite cellという細胞がいるが、老人になるとこの細胞の増殖が悪くなり、結果として筋肉が衰える。
ビタミンDを過剰にとっても若返らない(MEDLINEplus) 高齢者は体内でのビタミン合成能力が低下し、ビタミンDが欠乏する傾向にある。また、食事からのビタミンDの摂取量も低下傾向にある。近年、若返りを目的としてビタミンD摂取を進めるような風潮があるが、今回の研究でビタミンDにより若返ったりしない事が報告された。 研究者らは1998年〜2002年の間に、長寿グループとして平均年齢98.3歳のユダヤ人とその子供(平均年齢68.3歳)合計213人を、また通常のヒトグループとして年齢の同じユダヤ人258人や、その他の人589名をいろいろ比較しました。 Keyword:コレステロール/31
GABA(ガンマアミノ酪酸)を年寄りの脳に注入すると若者の脳と同じように働くそうです。 Keyword:GABA/8
ドイツのガン研究センター(DKFZ)の調査によると、肉を食べない人の方が長生きする傾向があるそうだ
99年には90万人であった。
・本当にリスクよりもメリットが大きいかはまだ議論されている。
・処方されている男性の30%が19〜45歳、これらは死ぬまで続けられるだろう。
・精巣によるテストステロン産生は思春期に高まり、20,30代は高レベルに保たれ、その後は年1%ずつ低下していく
・女性の卵巣でも男性の10%程度作られている。
・前立腺内の潜在的なガン細胞が増殖する可能性有り
一部の試験ではテストステロンレベルを下げることで前立腺腫瘍の成長を遅らせることが分かっている。
・2002年に行われた女性ホルモン療法の結果はリスクがメリットを上回るというものだった。これを受けてテストステロン療法も疑われている。
・女性のテストステロン使用が注目されている。女性にテストステロンを投与すると性機能が回復する。
精巣摘出後にテストステロンレベルが下がった女性にテストステロンを処方すると性交回数が増えた。
これらには吹き出物を増やし、体毛を濃くする副作用が知られている。
2004.08.13
見つけたたんぱく質は「MBF1」といい、活性酸素の防御にかかわるAP-1タンパクの酸化を防ぐ役割をしているそうです。
実験的にMBF1遺伝子を壊したショウジョウバエを作ったところ、ストレスにより寿命が4分の3になったそうです。
2004.07.06
発表先はnature
Vol 429 No 6994 pp789-906
Gene regulation and DNA damage in the ageing human brain
2003.12.02
今回、研究者らはsatellite cellの衰えがNotchの活性化の低下である事を明らかにした。NotchのリガンドDeltaの発現量が低下するため、Notchが活性化しなくなるらしい
実験では若いマウスのNotchの働きを抑制する事により筋肉が衰えること、Deltaを老人の筋肉で大量に発現させる事により筋肉が復活する事を証明している。
これは使える!!!
報告はscience 2003,Volume 302Number 5650,p1575-1577(Notch-Mediated Restoration of Regenerative Potential to Aged Muscle)
2003.12.01
ビタミンDの機能は主にカルシウムの吸収を促進し骨の形成を助けることである。また、ビタミンDは筋力の改善に関与するとも言われている。
今回、コネチカット大学の研究グループは65-87才の男性65人を2つのグループに分け、一方には6ヶ月にわたりビタミンD1000IUをカルシウム500mgと共に毎日投与した。もう一方にはカルシウムのみを投与した。
その結果、ビタミンDを投与したグループでは、血中ビタミンD濃度は上昇したが、
筋力や知覚に差は見られなかった。
Journal of the American Geriatrics Society 2003, 51(12) p.1762
2003.10.15
これらを比較したところよく健康との関係が言われている血液中のコレステロール濃度には差はありませんでしたが、長寿に人々、および、その子孫には血液中のコレステロール粒子が大きい傾向にある事が分かりました。
また、コレステロールエステル変換酵素(CETP:Cholesteryl ester trasfer protein)遺伝子の405番目のイソロイシンがバリンに変化しているヒトは(VV genotype)このコレステロール粒子サイズが大きくなる事が知られていますが、この遺伝子を調べたところ、通常のヒトと比べ、長寿のヒトでは男で2.9倍、女で2.7倍、その子孫では男で3.6倍、女では1.5倍この遺伝子の数が多い事が分かりました。
CNNによると現在では長生きするヒトはなんらかの遺伝的要因があるという説が有力で、様々な角度から研究されているそうです。
コレステロール粒子は大きい方が、動脈硬化の原因となる血液壁への沈着が起きにくくなるなどの理由で健康的だと考えられています。
今回の報告ではコレステロール粒子を大きくする働きをする、「ある遺伝子」を持つ家系のヒトが長生きできるという報告になっていますが、コレステロールの粒子を大きくする薬の開発も進んでおり、適切な運動でコレステロールサイズを変える事も可能だという研究もあるそうです。
(Unique Lipoprotein Phenotype and Genotype Associated With Exceptional Longevity(JAMA vol.290 no.15 p.2030-2040))
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/290/15/2030
2003.05.14
一方、若者の脳に注入しても効果は無かったとか
GABAって麻薬だよね?(^^;老人にだけ認可だそうぜ♪
2003.04.10
1978年〜1999年の間に10歳〜70歳の人を
1.菜食主義、まったく肉を食べない
2.卵や乳製品は食べるが、肉はまったく食べない
3.たまには肉も食べる
彼らは一般の人の死亡率を100とした時、死亡率59とはっきりと長生きだった。
2003.03.12
2003年3月12日に行われた再生医療学会で、国立成育医療センター(東京都)と慶応大医学部のグループが発表したところによると、94歳の女性から骨髄細胞を摘出し、テロメアを延ばす働きをする酵素を導入したところ、若い人と同じように増殖をい示し、この細胞を使って心臓の細胞を作ったのとの事。作り出した心臓の細胞はマウスに移植したところ、心臓の細胞として拍動しており、きちんと働くことを確認出来た。
2003.02.18
アメリカハーバード大学、バイオベンチャー企業「センタジェネティクス」などの研究チームはヒトで初めて長寿のヒトに共通の遺伝子を発見したと発表した。
研究チームのアンニバーレイ・プーカ医師らは、100歳以上のヒトや100歳前後の兄弟姉妹がいる137組の家族に協力してもらい308人のDNAを調べ長寿者に共通する遺伝子をコンピューター解析したところ4番染色体上にあるCGX?1を見つけた。
詳細は数ヶ月以内に明らかにするという。
2002.12.19
日本医大老人病研究所の太田成男所長らのグループが成功しPNASで発表した。
研究グループはアポトーシスを一時的に抑える働きのある既に知られているたんぱく質を遺伝子工学的に改造し強化し脳障害を起こしたネズミの腹腔内に注射した。何も注射しないネズミは1週間で神経細胞が死滅したが、強化たんぱく質を脳に注入すると平均30?40%、最大で80%の細胞の死滅が防止できた。詳しい仕組みはまだ分かっていないが、強化タンパクが細胞を分解する酵素の働きを抑えるようにカルシウムを調節するためでは無いかと考えられる。
研究チームはこの他にも同じ現象を薬物でダメージを与えた肝臓で確認しており脳神経以外にも応用できる可能性が考えられる。
2002.10.24
ニュージャージー州立大学の M Driscoll達は線虫を用いて老化現象とは何かを解析した。
線虫は老化研究の重要なモデル動物である、これまで50以上の長い寿命を持つ線虫が作られている。
しかし線虫においては老化の病理的状態が詳しく知られていないので、遺伝的な要因と病理的な現象を結びつけることが出来なかった。
これらの線虫のカラダを調べたところ、線虫では神経系は老化によってほとんど衰えていないことが分かった。これに対し、筋肉は人と同様に劣化していた。寿命が延びる変異体は特定の細胞の老化が送れていることが原因であることがわかった。
また詳細な細胞劣化が観察可能になった事で分かったことだが、同じ変異体でも個体によって個体差が激しく、確率的要因もかなり大きい事がわかった。
著者らはこれらの研究は老化現象の秘密をさぐる重要なヒントになると言っている。
(Stochastic and genetic factors influence tisue-specific decline in aging C.elegans.(Nature vol.419 no.6909 p.808-814))
2002.08.02
これまで、ネズミなどの実験動物では摂取カロリーを減らすことで寿命が延びることはわかっていたが、今回この事がヒトにも当てはまる可能性が有ることが示された。
アメリカ国立加齢研究所のジョージ・ロス博士らの研究グループは60匹のサルを2つに分け、一方は好きなだけエサを食べさせ、もう一方はカロリーを30%少なくした。実験開始から15年後の現在、低カロリー食のサルの死亡率は好きなだけエサを食べたサルの半分であった。
また低カロリー食のサルは自由に食べているサルに比べ、1,体温が低い、2,血中のインスリン濃度が低い、DHEASと呼ばれる血中ステロイドの低下が遅いという3つの特徴が有ることを発見した。
以前、アメリカで行われた「ボルチモア加齢研究」ではボルチモアに住む健康な700人以上の男性のデータが集められたが、この3種類の特徴を持つ男性の寿命を調べたところ、カロリーを制限していなくても寿命が長いことが分かった。
今回の研究より、1.低カロリーによる寿命の延長が人間にも当てはまる可能性が高いこと
2.上記の3種類の特徴さえあれば食事制限をしなくても寿命を延ばすことが出来、寿命を延ばす薬の開発に繋がる可能性がある
という事が示された。
やだやだ、おなかいっぱい食いた〜い(笑)
ん〜、俺は体温高いからなぁ。。。。
(Biomarkers of caloric restriction may predict longevity in humans(Science vol.297 no.5582 p.811))
2002.01.18
子孫を残す事は、個体として多くのエネルギーを必要とし、個体の寿命を縮める。今回、研究者らは線虫から生殖に関わる細胞に変化する前駆細胞を除去することにより線虫の寿命が劇的に延びるを発見した。しかしこれらの効果は、実際に生殖に関わる細胞を除去しても得られなかった。
研究者らは生殖に関わる細胞が、ホルモンを作り出したりホルモンに反応したりすることによって寿命の長さに影響を与えているだろうと予想している。
論文中では「germ-line stem cells」と書いてある細胞がヒトでは何歳ぐらいの何細胞に当たるのかよくわかんないけど、若いうちにキン玉や子宮取っちゃえば長生きするんでしょうか?
あれ?でも成長ホルモンとか出してたような気が?
第二次性徴とかの子孫を残すためのカラダへの変化が負担が大きいのかな?
子供のまま、長生きしたいヒトはぜひ(^^;
Keyword:子宮/49
2002.01.04
線虫をコエンザイムQを含まないエサで飼育することにより通常の場合より60%も寿命が延びることがわかった。以前def-2という遺伝子が欠損している線虫の寿命が延びることが報告されているが、コエンザイムQをエサから取り除く事で、def-2遺伝子が欠損している線虫の寿命がさらに延びることも分かった。コエンザイムQは細胞内でエネルギーを作り出すときに働いている脂質電子受容体である。コエンザイムQが無いことでエネルギー生産の副産物として作られる有害な活性酸素の出現が少なくなることがその原因ではないかと考えられる。または、コエンザイムQが無いことによるアンバランスな細胞内の状態が、加齢に影響を与える遺伝子の働きを変えているのかもしれない。
マウスやラットで、エサを少なくすると寿命が延びるが、これも活性酸素が減る事が原因と考えられている。Def-2という遺伝子は線虫の神経系で活性酸素を抑制する物質を邪魔している物質である。これら2つと同様にコエンザイムQを無くす事により活性酸素発生量を減らして寿命を延ばしているのだろう。
(Extension of life-span in Caenorhabditis elegans by a diet lacking Coenzyme Q(Science vol.295 p.120-123))
2002.01.03
研究者らは、体内でガン抑制に働いている遺伝子p53を異常に活性化させたマウスを作り出した。作成されたマウスを予想通り、ガンの発生率が低かったが、平均寿命は通常のマウスより
20%短かった。また作り出したマウスは低体重、湾曲した背骨、もろい骨などの特徴を持っていた。またこれらのマウスは傷が直りにくかった。P53はこれまで異常を起こした細胞に自殺を命令することによりガンを抑制していると考えられてきたが、今回の結果はこのp53が老化にも関係することを示しており、研究者らは体内に存在し皮膚や、骨を補充している幹細胞がうまく働かなくなるのでは無いかと考えている。
バランスが大切らしい。このp53のような例は、他にも知られている、
たとえば、免疫機能が強い人はウイルスや細菌の感染、毒素などに強いが、逆に強すぎる免疫が自分の正常な細胞を攻撃してしまうリウマチなどの自己免疫疾患になりやすい。
(p53 mutant mice that display early aging-associated phenotypes(Nature vol.415 no.6867 p.45-53))
2001.12.18
体の中には傷ついたタンパク質を修復する仕組みが存在する。またこれらの傷ついたタンパク質は老化と共に体内で増加することが知られている。
今回、研究者らは体内で起こっている修復したタンパク質を直す仕組みの中で最初のステップで働く酵素タンパク(プロテインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(PCMT))を体内で大量に作り出すハエを作成した。
このハエは周辺の温度によってPCMT生産のスイッチが入るようになっているなっている
スイッチOFFの状態である25℃での飼育では通常のハエと寿命は変わらなかったが、スイッチがONとなる温度29℃で飼育すると通常のハエより平均寿命が32−39%伸びた。
研究者らはこれらにより体内のタンパク質修復能力が寿命に影響を与えることを示した。
近いうちにタンパク質修復酵素入り化粧品とか出てきそうだな。
10年後ぐらいにはタンパク質修復酵素入り魚肉ソーセージとか売ってそう
がんばってほ乳類で試すベシ
(Extension of the Drosophila lifespan by overexpression of a protein repair methyltransferase(PNAS vol.98 no.26 p.14814-14818))
2001.08.28
ヒトの長生き遺伝子を発見?(ヒトの長生き遺伝子を”発見”か(朝日新聞))
アメリカハーバード大学のグループがヒトの第4番染色体に100歳までの長寿を可能にする遺伝子があるようだと全米科学アカデミー紀要2日号に発表した。
アメリカ国内の98歳以上のヒト137人とその91歳以上の兄弟姉妹の合計301人の遺伝子を調べたところ、4番染色体に共通の特徴を発見した。
この長寿遺伝子は1つか、数個の遺伝子群と考えられる。
こんな話いくらでもあるさ
2001.08.07
ペットの老化防止フード開発される(ペットの老化防止?新ペットフードがお目見え(CNN News))
イギリスの食品製造大手のマーズはペットのガンやアルツハイマーを防ぐ新しいペットフードを開発したと発表した。
このペットフードは動物の体内でフリーラジカル(活性酸素)の発生を抑える働きを持っており、DNAの損傷を抑制する。
開発者によるとこのペットフードを2ヶ月使用したところ犬ではDNAの損傷が26%減少し、ネコでは17%減少した。
もちろん食べればヒトでも効くはず
最近、ヒトではなかなか認可されないものをまずペットでやろうという動きが多いね
人工膵臓とか、クローンとかをペットでやろうという動きもあるし
ホントに発売されるなら食べる価値あると思う。
2000.12.15
ショウジョウバエで一つの遺伝子を変更するだけで寿命が倍になった
寿命は遺伝子により決定され、環境によって影響を受けるというのが最近の研究での結論である。研究者らはショウジョウバエで変異を起こすと受精能力や、運動能力に影響を与えず、寿命をおよそ2倍に引き延ばす遺伝子を5つ発見した。
配列を確かめるとこの遺伝子はIndy(I'm not dead yet)と名付けられた遺伝子であった。
これは脂肪や腸といった代謝にかかわるところで発現している遺伝子ある。この遺伝子の変異によりダイエットしているのと同じ環境が作り出され寿命が延びるのではないかと考えられる。
食事制限すると、寿命が延びることは以前から知られていたけど、この遺伝子は何しているんだろう?食べた食物の吸収を悪くしてるの?よくわかりません。もしかしてダイエットに使える?
((Science vol.290 p.2137-2140))
参考文献:science,282,p.943 (1998)
ショウジョウバエで一つの遺伝子(mth)の変異で寿命が35%延びた
Keyword:Indy/1
2000.12.14
正常な細胞は皆、決められた分裂回数を持っており、その回数に近づくと徐々に細胞分裂が遅くなり「細胞老化」状態になる。今回、研究者らは若い細胞と、老化した細胞では、細胞表面のカベオラの量が違うことを発見した。カベオラの構成成分であるカベオリンー1とカベオリンー2は若い細胞と同じくらい含まれているが、これらのカベオリンに機能が無いことがわかった。
著者らは、老化に伴うこれらの細胞表面の変化が、細胞外からの分裂指令シグナルを細胞に伝えにくくし、細胞老化を起こしているのでは無いかと考えている。
初めて聞く説だ。
今後、膜成分にカベオラを増やすような処理をして細胞が分裂を再開するかどうか調べる必要があるだろう。
え?カベオラって何かって?(笑)
(Loss of functional caveolae during senescence of human fibroblasts(J. Cell Physiol vol.187 p.226-235))
2000.10.08
動物の寿命の長さが神経細胞の受ける活性酸素からのダメージで決まる可能性があるという。線虫においては通常の寿命は2週間ぐらいだが、「daf-2」という遺伝子が壊れると寿命が2〜3倍に延びることが知られている。
daf-2は主に神経系で「抗酸化作用」を押さえる働きをしてらしい。すなわちこのdaf-2が壊れると抗酸化作用が強くなり、すなわち活性酸素による細胞障害が抑制されると考えられる。
この遺伝子が神経系のみで働き、他の部分では働いていないことから神経系の老化が寿命を決めており神経系の寿命を延ばせば個体の寿命も延びるのではないかと言っている。
以前お伝えしたdaf遺伝子と関連あるのかな?線虫とヒトが同じシステムとは思えないな。システムは同じでも種によって実際の寿命を決めている「律速ポイント」はちがうんじゃない?すなわち線虫では神経系が一番寿命が短く、神経系の破綻により生命活動を停止するようになっているが、ヒトがそうとはかぎらないよ。
それにしてもdaf-2ってなんで神経系でのみ抗酸化作用を押さえているんだろう。。。何か意味あるのかな?誰かヒトで試せ
(Regulation of C. elegans life-span by insulinlike signaling in the nervous system(Science vol.290 no.5489 p.147-150))
2000.09.17
ヴァロンっていう合成ペプチドは癌の成長を抑え、マウスの寿命を延ばした
(A synthetic dipeptide vilon(L-Lys-L-Glu) inhibiyd growth of spontaneous tumors and increases life span of mice(Bokl Biol Sci. vol.372 no.1-6 p.261-263))
2000.09.01
生物の老化の一部は体内で酸素が消費される時に生じる活性酸素が様々な障害を引き起こすため起こると考えられている。通常生体内にはこの活性酸素を取り除く働きのあるSODと呼ばれる酵素が働いている。
今回、アメリカ、カリフォルニア州のサイモン・メロブ博士らのグループはこのSODとよく似た働きをする薬剤を線虫に投与した。その結果、ふつうの線虫の平均寿命が21日だったのに対し、投与した線虫の平均寿命は32日に延びた。博士らは今後ネズミなどで同様の実験を計画している。
遺伝子操作やミュータントを作り寿命を延ばした話は最近多いけど、薬剤を投与することにより寿命を延ばしたのはこれが初めてらしい。問題は副作用だね。
線虫なんかじゃ調べられないので、やっぱりネズミさんを使った実験を期待しましょう
この薬は若いうちから飲んでおかないと効果がなさそうだなぁ。。。。
副作用が無ければDHAと共に魚肉ソーセージとかに入れてほしい
(Extension of Life-Span with Superoxide Dismutase/Catalase Mimetics(Science p.1567-1569))
2000.09.01
活性酸素は体内にありふれた代謝産物であるが、その酸化作用が細胞を老化させていると考えられている。今回研究者らは線虫を活性酸素を取り除く働きをする物質の入った溶液中で飼育することにより寿命を44%も増加させることに成功した。これらの結果を考えると、線虫においては活性酸素が寿命決定の主な要因となっているようだ。
活性酸素を除去するような物質の入った食べ物とか無いのかな?活性酸素除去しても害にはならないでしょ。
DHAのようにイロイロなものに入れるべし。人口あふれちゃうかしら?
((Science vol.289 no.5484 p.1567-1569))
2000.08.01
これまでの研究で、老化した細胞にテロメラーゼの触媒サブユニット(hTERT)を遺伝子導入すると細胞の寿命が伸びる事が示されている。今回、研究者らはマウスの老化した皮膚細胞をこの方法で若返らせることに成功した。老化した皮膚を移植すると、その皮膚は脆弱で、皮膚の下に水ぶくれなどができる。またDNAアレイなどにより遺伝子発現を調べると、コラーゲンの合成量が落ちていることが分かる。これに対して、老化した皮膚にテロメラーゼ遺伝子を遺伝子導入した後に移植すると、水ぶくれなども出ずコラーゲン合成も若い皮膚と同じように豊富に合成されている事が分かった。
10年後の整形手術はすごそうだ。そして金かかりそうだなぁ。本人のお尻のあたりから皮膚細胞を採取して遺伝子導入、その細胞を増やし、顔の皮膚と張り替える。肌年齢が本当に若返ってしまいますね
高そうだ。お金さえかければ何でも出来る時代がやってきます。
(Telomerase expression restores dermal integrity to in vito-aged fibroblasts in a reconstituted skin model(Exp. Cell. Res vol.258 p.270-278))
Keyword:hTERT/1
2000.05.12
p53は細胞の分裂的老化に関わっており、場合によっては老化抑制に働く
ku80の欠落は放射線に対する感受性を上昇させ、リンパ腫を生じやすくする。また早い時期に老化が現れ、成熟前に分裂的老化が起こる。
ku80欠損マウスで、P53レベルが減少すると、ガンの発生率が上昇する。ku80欠損マウスでは40weeksまでに20%がガンを引き起こすが、さらにp53を欠損させると、16weeksまでにB細胞のリンパ腫を引き起こすようになる。すなわち、P53レベルの減少が、ku80欠損細胞においては分裂的老化をむかえるのを不死化させることにより防いでいる。
ダブル欠損細胞はP53の欠損によりG1・Sチェックポイントが無く、Ku80の欠損のため、ガンマ線、活性酸素に高感受性である。
これらのデータは分裂的老化はp53に依存した細胞周期反応により起こっており、p53はku80欠損マウスにおいてB細胞のリンパ腫の発生を防ぐのに必要であることを示している。
(Analysis of ku80-Mutant Mice and Cells with Deficient Levels of p53(Mol cell Biol vol.20 p.3772))
2000.04.28
老化した細胞からクローンを作り、テロメアをのばし寿命を延長した。
↑BTW
Science. 2000 Apr 28;288(5466):665-9. PMID:10784448
1999.12.16
外界からの刺激を受け取れない線虫(C.elegans)の変異体は通常の線虫より2倍長生きする事が示された。
著者らは、外界からの刺激を受け取れない11種類の変異体を作製した。daf-19欠損変異体(毛が無い)、体節が欠損(che-2,che-3,osm-1,osm-5,osm-6)。繊毛のある体節が異常(che-3,che-11,daf-10)などなど。。。。
通常の線虫の平均寿命が18.8日なのに対して、che-2欠損体では26.8日、che-3欠損体では、平均37.5日も生きた。
著者らは、これらにより、自然界では餌の入手しやすさや、線虫の個体密度などにより寿命がコントロールされているのだろうと言っている。
細く長く生きてもつまらんね。太く長く生きなくちゃ。
でも活動量が少ない方が長生きするのはよく知られている。例えば、肉体労働者より、頭脳労働者の方が平均寿命が長いそうだ。
ヘレンケラーは長生きしたっけ?
(Regulation of lifespan by sensory perception in Caenorthabditis elegans(Nature vol.42 p.804))
1999.11.25
遺伝子操作により哺乳類(マウス)の寿命を延ばすことに成功した
今回、著者らはp66shcという。一種類の蛋白質の遺伝子を欠損させることでマウスの寿命を延ばすことに成功した。正常マウスの平均寿命が761日だったのに対して、p66shc欠損マウスは973日の平均寿命を持った。 人で言えば80歳の平均寿命が102歳になるようなものである。
生物の老化には、DNAについた傷が深く関わっている事が知られている。すなわちDNAについて傷の蓄積により老化が起こるというものである。p66shcは紫外線などの障害によりついた時に傷の修復回路のスイッチを入れる遺伝子である。すなわち、この遺伝子を欠損させることによりp66shcマウスはDNAの修復能力が常に高まっていると考えられる。
ん〜、なんとも言えないが寿命が延びると言うより、病気に対する耐性が強くなるって感じかな?DNAの傷のみで老化が起こるわけでは無いのでこの方法だけでは不完全だろう。
Nature 1999 vol.402 p.309
The p66shc adaptor protein controls oxidative stress response and life span in mammals
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