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iPS細胞


人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)

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.皮膚細胞から万能幹細胞の誘導に成功(化学技術振興機構)
.世間を賑わす「iPS細胞」とは何だろうか(東洋経済)
.ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功(京都大学)


----------このキーワードを使っている記事----------
2023.10.19:寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)
2023.10.17:アメリカ政府が Thymmune Therapeutics社の胸腺機能の再生プロジェクトに3700万ドル出資
2023.07.18:ハーバード大のデビッド・Aシンクレアの研究チーム。1回使うだけで細胞を若返らせる低分子薬物カクテルの組み合わせを6パターン報告
2022.06.20:iPS細胞作製の際の脱分化条件にさらして全身や、皮膚の細胞を若返らせる実験が次々と報告されている。
2021.01.19:iPS細胞を作るのと同じ方法を用いて網膜細胞をリプログラムにより若返らせて視力回復にマウスで成功
2020.11.30:書籍「ライフスパン(LIFESPAN)老いなき世界」(デビッド・A・シンクレア)(2020年コンテンツ36)
2019.07.02:寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
2019.04.09:老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究
2017.10.25:文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ
2016.12.20:ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功
2016.11.29:Nature記事:移植した脳神経細胞が大人の神経回路に取り込まれ機能していることが確認
2013.12.11:医学界No1の学術誌Nature Medicineが選ぶ2013年の医学の重要な進歩8つ
2012.01.11:Nature Medicineの選ぶ2011年の主要な基礎医学の進歩8つ
2011.07.12:iPS細胞を効率的に作製するための方法に関する研究進捗(2006-2011)
2010.06.07:単一細胞の直接映像化によるiPS細胞初期イベントの解明。
2008.09.29:ヒト皮膚細胞から作ったiPS細胞からインスリン産生細胞を作り出した
2008.02.15:京大チーム、がん化しにくいiPS細胞を肝臓や胃から作製
2007.12.07:iPS細胞での治療に一歩 米チーム、マウスの貧血改善

2023.10.19

寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)
寿命を延ばす研究に関する12の着眼点と2019年からの進展(2023年版)

↑BTW

同様のタイトルで2019年に書いてますが、大きく着眼点が変わってますね。2019年にピックアップした12項目はそのままに進捗や状況についてコメントしています。


(省略されています。全文を読む

Category:#エイジング関連まとめ




2023.10.17

アメリカ政府が Thymmune Therapeutics社の胸腺機能の再生プロジェクトに3700万ドル出資
アメリカ政府が Thymmune Therapeutics社の胸腺機能の再生プロジェクトに3700万ドル出資

↑BTW

この会社はGeorge Churchって著名な科学者が主導し設立されたものらしい。
Webサイトを見ると機械学習を用いてiPS細胞から胸腺細胞を分化させて移植するみたいなアプローチのようです。臨床試験を行うとかそんな段階ではないっぽい。

胸腺は老化とともに委縮してほぼ無くなっていくのですが、胸腺の機能である免疫機能が失われることが老化に伴う「免疫老化」の原因じゃないかと言われています(※諸説ありますw)。
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Category:未分類




2023.07.18

ハーバード大のデビッド・Aシンクレアの研究チーム。1回使うだけで細胞を若返らせる低分子薬物カクテルの組み合わせを6パターン報告
ハーバード大のデビッド・Aシンクレアの研究チーム。1回使うだけで細胞を若返らせる低分子薬物カクテルの組み合わせを6パターン報告

↑BTW

また時代に火を付けそうな研究だな。


デビット・A・シンクレアとはNMNブームの火付け役の先生です。

今回の研究はNMN系のアンチエイジングじゃなくiPS細胞で起こること(山中4因子で起こること)を化学物質で引き起こすにはどうしたら良いかという観点の研究になります。


↓6種類試したカクテルの内訳


↓それぞれの薬物の構造式


カクテル1に含まれるVPAはバルプロ酸,抗てんかん薬などとして承認されている医薬品など、医薬品として販売されているもの、研究用試薬としてのみ販売されているものがほとんどだね。

サプリメントとして入手出来るのはカクテル1などに含まれる
Forklolin(FSK):インド原産の植物に含まれる天然物

カクテル2などに含まれる
Sodium Butyrate:酪酸ナトリウム

ぐらいかな?

今回の研究はin vitro(試験管内)の老化細胞を若返られることが可能であることを報告したもので、薬としてヒトやマウスが飲んで効くかどうかは確認されていないのでご注意です。

デビッド・A・シンクレアのベストセラー書籍

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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2022.06.20

iPS細胞作製の際の脱分化条件にさらして全身や、皮膚の細胞を若返らせる実験が次々と報告されている。
iPS細胞作製の際の脱分化条件にさらして全身や、皮膚の細胞を若返らせる実験が次々と報告されている。

↑BTW

(1)イギリス・バブラハム研究所の研究者らが発表。山中4因子を導入して50日培養するとiPS細胞になるが、これを13日で切り上げることにより皮膚細胞を若返らせることに成功。

この方法をmaturation phase transient reprogramming(MPTR:成熟期間一過性リプログラミング)と命名。
(2)アメリカ・ソーク研究所の報告。マウス全体を若返らせています。Nature Aging誌で報告。
報告は「山中4因子を短期的に作用させて皮膚を若返らせ、寿命を延ばすことはマウスで既に報告されているが、老化したマウスに長期間山中4因子を作用させるとどうなるかは報告されていなかった」で始まっています。報告のラストオーサーはAltos Labsですな。
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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2021.01.19

iPS細胞を作るのと同じ方法を用いて網膜細胞をリプログラムにより若返らせて視力回復にマウスで成功
iPS細胞を作るのと同じ方法を用いて網膜細胞をリプログラムにより若返らせて視力回復にマウスで成功

↑BTW

書籍「ライフスパン」でデビッド・シンクレアがちょい出ししていた研究がついに論文になったようです。

iPS細胞を作るに使用する山中4転写因子のうち3つ(Oct4、Sox2、Klf4)をウイルスベクターを用いて発現させることで視神経を損傷したマウスでは軸索が再生され、緑内障のマウスモデルや老いたマウスでは視力障害が回復するそうです。老化に伴うメチル化のリセットなども確認されており、細胞レベルでの「若返り」をメカニズムにする治療とのこと。研究者らはは2年以内に緑内障の臨床試験を行いたいとのこと。
癌がちょっと怖いけど、というか間違いなくガン化のリスクはあるだろうけど、うまくいくなら体内のあらゆる部分の根本的な若返りが可能になりかねないな。

この実験では都合よく山中3因子をON/OFFする方法としてAAVウイルスベクターが使用されています。このウイルスベクターはすでに遺伝子治療用に人間でも利用実績があります。

遺伝子発現をON/OFFするTet-On/Offシステム、人間に安全に投与可能な抗菌剤ドキシサイクリンで遺伝子発現を制御するシステムです。ロシアとかにはもうドキシサイクリンを飲むとホルモンが出るアスリートとかいそうだなー。
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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2020.11.30

書籍「ライフスパン(LIFESPAN)老いなき世界」(デビッド・A・シンクレア)(2020年コンテンツ36)
書籍「ライフスパン(LIFESPAN)老いなき世界」(デビッド・A・シンクレア)(2020年コンテンツ36)

↑BTW


いかがわしい本になりがちなタイトルですが、書いているのが生涯を老化研究に費やしているハーバード大学医学部教授のデビッド・A・シンクレア。ものすごい超大作です。1日1時間読んで2週間ぐらいかかった。「老化」に必然などなく、「老化」を病気として認識すべきとの考え。現在の場当たり的な医療に費やしているお金を研究に費やせば多くの疾患を予防出来るのにとの考え。

著者は、現在の延長でも現在アラフォーな著者が120歳まで生きる確率はかなり高いと考えています。アンチエイジングの最新研究の内容としては俺にとっては80%ぐらいは知っている内容ではありましたが、その膨大な引用元情報(引用情報数100件(汗)学術論文の総説かよ!)の中にはあとで確認してみようと思うものが多数ありました。内容は細胞内のシグナルトランスダクションの理解がキーになっている部分が多く学士ぐらいのバイオ・生物の知識がないと完全には理解出来ないかな?でも非常にうまいたとえ話で説明されており聞きかじりの知識があれば楽しめるかと思います。

そしてこの本のすごいところは最先端の技術に関して本の前半で語った後は、後半でひたすら不老長寿が実現した後の社会について述べている点。確かに、そんな事が実現した日には医療の問題じゃなく社会的な超問題だね。年金制度の崩壊どころじゃなく盤石の陣営を誇る老害政治家が100年にわたって君臨することがあり得ることを意味します。

俺も70やそこらで退職を強要され、うっかり技術の進歩で120歳まで生きることになったら金銭的にヤバいなw。人間120歳まで生きるようになったら、20歳やそこらで人類はパートナーと永久の愛を誓うべきかという議論もあるようです(^^;

長い時間かけて読んだので色々と忘れてしまった点も多いけど印象に残った話をピックアップすると、この著者も俺も同じサプリメント飲んでいるんだけど、俺が1日125mgしか飲んで無いのに、この著者は1日1000mgも飲んでいる点とか(1日1000円かぁ・・・・・)、そのサプリでで50代女性の月経が再開した話とか、セノリティクス(老化細胞除去薬/Senolytics)への言及があまり無い点とか。iPS細胞を作るリプログラミング技術をin vivoで行い根本的若返りを行える可能性を示唆する報告がされている点とか。

↓本の値段は2500円と高い。


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Category:統計(寿命・その他)




2019.07.02

寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)
寿命を延ばす最先端の技術に関する12の着眼点(2019年版)

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個人的な思考の整理のためにリストアップしてみました。
(1)アンチエイジングに焦点を絞った金のある米国スタートアップ企業に注目
Amazon CEOらが投資したアンチイジングのスタートアップ企業「Unity Biotechnology」の中身 /Amrit不老不死ラボ
不老長寿技術を開発するベンチャーにのみに投資するファンド「Longevity Fund」 /Amrit不老不死ラボ
(2)体内から老化した細胞を取り除く
老化した細胞のみを殺す「Senolytic薬」の開発とその効果 /Amrit不老不死ラボ 1 users
体内の老化細胞を取り除く技術を確立すれば高齢でも若々しく健康体になることが証明される。 /Amrit不老不死ラボ
(3)「老化抑制」という「副作用」が知られる市販薬を飲む
医薬業界で噂の「糖尿病薬メトホルミンが寿命を延ばす」が本当かどうか調べる大規模臨床試験が始まる /Amrit不老不死ラボ
学術雑誌Nature Medicineで「老化抑制」という「副作用」が知られる薬まとめ /Amrit不老不死ラボ 2 users
癌治療薬として研究されている薬物「ABT263(Navitoclax)」は老化した血液細胞のみに自殺を誘導し、血液の状態を若返らせる事が出来る。 /Amrit不老不死ラボ
ラパマイシン(Rapamycin)でマウスの寿命が延びる /Amrit不老不死ラボ
(4)寿命を延ばす効果が期待されて開発されているサプリメント・天然物質
ヨーグルトで寿命が伸びる事が動物実験で初めて確認される、腸内のポリアミン濃度がポイント /Amrit不老不死ラボ
2019年2月Nature Commun発表/アシタバの葉に含まれるポリフェノール(フラボノイド)にあらゆる生物に効く最強のアンチエイジング作用 /Amrit不老不死ラボ 1 users
赤ワインに含まれる「レスベラトロール(resveratrol)」の老化抑制効果に関する研究まとめ、新たに遺伝子のスプライシング因子の制御機構が報告される。 /Amrit不老不死ラボ
ザクロに含まれる物質「エラジタンニン(ellagitannin)/エラグ酸」が線虫の寿命を延ばし、ねずみの筋肉機能を向上させる。この物質の医薬も開発中 /Amrit不老不死ラボ
(5)寿命を延ばす効果が期待されて開発されている開発中の薬
マウスで寿命延長効果が報告されているFGF-21が脂肪肝の薬(コードネームBMS-986036)として順調に開発中 /Amrit不老不死ラボ
空腹時に作られるホルモンFGF-21が常に出続ける遺伝子改変ネズミは寿命が30%以上長い /Amrit不老不死ラボ 1 users
Kloho(クロトー)というホルモンで老化が抑制される(science)(Amrit不老不死研究所)
(6)未来の技術を信じて人体冷凍保存する
人体凍結保存の実現にまた1歩、ナノ金属を含む凍結液とマイクロ波を使い、大量の液体を均一に急速に加熱する技術 /Amrit不老不死ラボ 2 users
人体冷凍保存にも応用可能?3-O-メチル-D-グルコースで満たした臓器を過冷却現象で低温保存し3日間後に移植する事に成功 /Amrit不老不死ラボ
(6)脳だけになって生き残る
米国DARPAが脳内100万個の神経とコンピューターを接続する小型モジュール開発プロジェクトの提案を募集。70億円まで資金提供。 /Amrit不老不死ラボ
ラットに電子チップを埋め込み「第六感」的感覚を与えることに成功 /Amrit不老不死ラボ
米イェール大によるブタの全脳を死後4時間後に人工血液などを駆使して再動作せる実験 /Amrit不老不死ラボ
(7)コンピューターに意識を移す
ロシアの富豪が出資する脳の情報をコンピューター上にアップロードして永遠に生きるプロジェクト「2045イニシアティブ」 /Amrit不老不死ラボ
(8)臓器を新しいものに交換して長生きする
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ /Amrit不老不死ラボ
ブタの胚をマウス体内に移植し、様々な臓器を作ることに成功(pnas)(Amrit不老不死研究所)
(10)腸内細菌を最適化する
人体を構成する細胞以上の数の細菌が住み、これらの細菌が日夜作る種々の物質は腸から吸収されています。無限の可能性があります。寿命に直接影響するような研究は見つかりませんでしたが、病気を防ぐ作用に関する研究は多数あります。
効果が実証されつつある他人の「うんこ」移植治療、研究過程で難病を治す「癒しのうんこ」、他人を殺す「殺人うんこ」を出す能力者の存在が明らかに /Amrit不老不死ラボ
(11)生体内の細胞をリプログラムする
老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究 /Amrit不老不死ラボ
癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する /Amrit不老不死ラボ
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功 /Amrit不老不死ラボ
(12)癌を完全に治す
直接的な寿命延長ではありませんが、若返らせるような治療の多くは「若返りすぎ」ではありませんが、細胞の無限増殖(=癌)が克服出来ないために危なくて、人間での研究が進めにくい方法が多数あります。
細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療 /Amrit不老不死ラボ
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Category:#エイジング関連まとめ




2019.04.09

老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究
老化してもケガをしてもツルツルの肌までもう少し?生体内リプログラミングで皮膚を綺麗に直せる4遺伝子(DGTM)の決定研究

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図出典:In vivo reprogramming of wound-resident cells generates skin epithelial tissue,Naturevolume 561, pages243?247 (2018)
キズを負った皮膚は通常元通りにはなりませんが(特に老化すると)、研究者らは皮膚細胞に再生を促すような遺伝子の再プログラミングをほどこせば元に戻るはず!と総当たりで色々調べて4つの遺伝子(DGTM=dnp63a、grhl2、tfap2a、myc)を導入すると皮膚が綺麗に治ることを報告しています。

iPS細胞の最初の確立はOct4、Sox2、Klf4、c-Mycの4因子を生体外に取り出した細胞に導入して再プログラミングしてますが、これは細胞を取り出さずにin vivo(生体内)で再プログラミングする手法です。

実用化するためには、iPS細胞でも問題になった癌化の頻度を出来るだけ低減する検討が必要かと思いますが、金を払えば「ババアでも真のツヤツヤの赤ちゃん肌」実現まで秒読み段階にきているのは確かかと

子供の頃はたいていの傷は綺麗に治りますが、子供の頃の皮膚はこのような再生機構がうまく働いているが、大人になると働くなるってことなんでしょうか?

研究者らはこの最適4遺伝子の組み合わせを見出すために様々な組み合わせを実際にテストしています。↓

図出典:In vivo reprogramming of wound-resident cells generates skin epithelial tissue,Naturevolume 561, pages243?247 (2018)


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Category:皮膚




2017.10.25

文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ
文部科学省、ブタなどの動物を使い人間の臓器を作る基礎研究を2018年度から容認の方向へ

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最新の研究成果を踏まえると人間のiPS細胞を動物の発生過程の集合胚に注入しても、人の言語を話すなど高い認知機能を持つ可能性は極めて低いとのこと。

とりあえずは人間の臓器を持つ動物を作って、新しい医薬品の人間の臓器への影響を評価するのに使用するのを目的としているようで、「現時点では安全性などの理由から作り出した臓器の人間への移植は認められない。」としています。

医薬品研究ならマウスにiPSを注入することになると予想します。文部科学省の元文章を見つけられなかったんだけど、記事の文章のどこにも「ブタ」なんて書いてないのにブタのイラストを載せているのは朝日らしい。政治であんなヒドイ報道をする新聞社ですから、科学関連ニュースも注意が必要です。

ちなみに、このニュースとは関係なく、来年↓の学会に行きたいと思ってる。

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Category:#臓器移植




2016.12.20

ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功
ついに若返りの医療が始まるか!?、絶妙にコントロール(2日やって5日休む)してマウスにiPS細胞誘導を行うことで、老化現象を抑制し、寿命を延ばすことに成功

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 iPS細胞は、分化した(機能を持った)様々な細胞を脱分化(機能を失わせた幹細胞に戻し)することで作られます。脱分化したiPS細胞は、再び分化させることで別の細胞を造り出すことが出来るため、再生医療や病気の原因解明などの研究で非常に注目されていますが、この原理を利用することで生きた生物の老化を抑制する研究が生物学学術雑誌の最高峰Cell誌に掲載されています。

 アメリカSalk Instituteの研究者は以前から、生きたマウスにiPS細胞形成を誘導する実験を行っていましたが、普通、生きた動物にiPS細胞誘導を行うと、体重が激減し、腫瘍、ガンが形成されてしまいます。これは身体中の機能を持った細胞が機能を持たず増殖するだけの細胞になってしまうためです。

 今回、研究者は絶妙にiPS細胞誘導の条件をコントロールし、ガンが発生しないギリギリの条件で処理を行いました。具体的には2日間誘導し、5日間誘導を試すというのを繰り返します。

 その結果、遺伝子異常があり急速に老化が進む早老症マウスの老化現象を抑制し平均寿命を延ばすことに成功しました。また、普通の高齢マウスのメタボリックシンドロームと、筋肉損傷の回復を促進することを見出しました。

 これらの結果は「エピゲノム制御」が老化原因の一つである可能性を示唆しています。

 今回行った2日間iPS誘導して5日間休むという絶妙なコントロールは、遺伝子操作した特殊マウスを用いることで可能になっており、同じように人間で行うことは出来ませんが、工夫し同じことを人間で行える可能性はあります。将来、この原理を利用した老化抑制、若返り治療が可能になるかもしれません。


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Category:#アンチエイジング・老化抑制技術




2016.11.29

Nature記事:移植した脳神経細胞が大人の神経回路に取り込まれ機能していることが確認
Nature記事:移植した脳神経細胞が大人の神経回路に取り込まれ機能していることが確認

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 これまで移植した脳神経細胞が、すでに出来上がっている大人の脳神経回路ネットワークで活用されるのかは不明でした。今回ドイツの研究者らは、マウスの脳内の視覚野に傷を作り、そこに赤ちゃんの脳内などに存在する未熟な神経幹細胞を移植しました。

 すると移植から4〜8週間後には、移植した神経細胞の一部がマウスの視覚野の神経ネットワークに取り込まれ、眼から入った映像刺激に応答して動作していることが確認されました。

 現在、iPS細胞などから未熟な神経細胞を造り出すことが可能になっています。将来、ダメージを追ったり、衰えた脳神経の働きを細胞を補充することで治療出来るかもしれません。


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Category:#脳 #中枢神経 #神経




2013.12.11

医学界No1の学術誌Nature Medicineが選ぶ2013年の医学の重要な進歩8つ
医学界No1の学術誌Nature Medicineが選ぶ2013年の医学の重要な進歩8つ

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 医学界No.1の権威ある学術雑誌Nature Medicineが今年の重要な医学の進歩を8つの分野について紹介しています。

 8つの分野は「再生医療」「免疫学」「マラリアワクチン」「若返りホルモン」「新たな鎮痛メカニズム」「ゲノム書き換え技術」「癌細胞の悪性化メカニズム」「糖尿病治療ホルモン」です。

Nature Medicneは毎年この手の発表をしており、2012年、2011年の内容は下記で紹介しています。


★再生医療:体内でiPS細胞を作れるようになった
 初めてiPS細胞の作成に成功したのが2006年、その後、急速に研究が進んでいますが、今年、スペイン・マドリードの研究者により、マウスの体内でiPS細胞を作り出せることが報告されました。

 この細胞は、血球細胞や、消化管、すい臓、腎臓の細胞などから作り出されますが、これまで作られていた培養皿中のiPS細胞よりもES細胞に近い特徴を持っており、容易に臓器形成を始めます。研究者はこの現象を分析していくことで、培養皿中で様々な臓器を作り出す手がかりを得られるかもしれません。

  • Reprogramming in vivo produces teratomas and iPS cells with totipotency features.Nature. 2013 Oct 17;502(7471):340-5. PMID:24025773
★免疫学:自然免疫の謎の解明が進んだ。
 人間の身体には2種類の免疫があります。自然免疫と獲得免疫です。自然免疫は体内に入ってきた異物をとりあえず攻撃する役割を担い、獲得免疫は以前に入ってきた異物を強力に排除する役割を担います。

 自然免疫を担うリンパ細胞(innate lymphoid cells)は単純に異物を攻撃するということだけでなく、腸内細菌とうまくやっていくために必要だったり、細菌感染が起きた時にどれぐらいの強さで攻撃うるかといった免疫の調製機能なども担っていますが、非常に様々な種類の細胞がありその全容ははっきりと分かっていません。

今年、それらの理解が急速に進みました。たとえばグループ2と呼ばれるIL-5やIL-13を出す細胞が腸内細菌とyまくやっていくのに必要な事や、グループ3と呼ばれるIL-17やIL-22を出す細胞が細菌感染時の好中球の集合をコントロールしていることが分かりました。

  • Innate lymphoid cells regulate CD4+ T-cell responses to intestinal commensal bacteria.Nature. 2013 Jun 6;498(7452):113-7.PMID:23698371
  • Type 2 innate lymphoid cells control eosinophil homeostasis.Nature. 2013 Oct 10;502(7470):245-8.PMID:24037376
★ついに実用的なマラリアのワクチンが出来そう
 人類は40年も前に、放射線照射したマラリア原虫を持つ蚊数千匹に刺させるとマラリアに感染しなくなるという現象を発見し、ワクチンを開発可能なであることは分かっていましたが、これを多くの人に簡便に投与出来るワクチンは開発出来ていなかった。

 今、最新のワクチンが開発の最終ステージにありついに発売されそうです。このワクチンは開発試験では5ヶ月〜17ヶ月の投与されたボランティアがマラリアに感染する確率を半分に減らしています。
  • Protection against malaria by intravenous immunization with a nonreplicating sporozoite vaccine.Science. 2013 Sep 20;341(6152):1359-65. PMID:23929949
★年老いて肥大した心臓を若返らせるホルモンが見つかる
 若いマウスと年寄りマウスの血管をつなぐと、年老いたマウスが若返りますが、この仕組みが解明されました。若いマウスの血液中に含まれるGDF11(growth differentiation factor11)という新発見のホルモンが年老いて肥大したマウスの心臓を若返らせ、たった4週間で若いマウスのように引き締まった心臓に戻すことが示されています。実際に人工的に作ったGDF11を注射するだけでも同じ効果が得られており将来、このメカニズムの薬が開発されることでしょう。
  • Growth differentiation factor 11 is a circulating factor that reverses age-related cardiac hypertrophy.Cell. 2013 May 9;153(4):828-39. PMID:23663781
★新たな痛みを感じるメカニズムが解明される
 人間が痛みを感じる時は普通は炎症性サイトカインや免疫細胞が痛みの原因物質を作り出します。このメカニズムを遮断することで痛みを減らす薬はありますが、なぜかある種の細菌感染ではこの薬の効果がありませんでした。今回、こういった細菌感染では細菌自身が痛みを感じさせる物質を作り出していることが分かりました、これまで効果が無かった患者に投与することが出来る新しい鎮痛剤の開発が期待されます。
  • Bacteria activate sensory neurons that modulate pain and inflammation.Nature. 2013 Sep 5;501(7465):52-7. PMID:23965627
★ゲノムを書き換える技術が進む
 ゲノムを直接編集する技術が進んでいます。CRISPR/Cas9は細菌感染に対する免疫システムで働いている酵素ですが、これを用いてヒトの細胞の中の好きな配列を別の配列に書き換える実験が成功しています。この技術により人間の遺伝子の40%の部分は自由に編集可能になります。

 すでにこの技術を使って魚やマウスの遺伝子をワンステップで書き換え、遺伝子組み換え生物を作り出せることが示されています。

  • Multiplex genome engineering using CRISPR/Cas systems.Science. 2013 Feb 15;339(6121):819-23. PMID:23287718
  • RNA-guided human genome engineering via Cas9.Science. 2013 Feb 15;339(6121):823-6. PMID:23287722
  • Efficient genome editing in zebrafish using a CRISPR-Cas system.Nat Biotechnol. 2013 Mar;31(3):227-9. PMID:23360964
  • One-step generation of mice carrying mutations in multiple genes by CRISPR/Cas-mediated genome engineering.Cell. 2013 May 9;153(4):910-8.PMID:23643243
★ガン細胞が悪性化していく様子が詳細に観察出来るようになった
 癌細胞は徐々に変化し、元にあった部位から全身に散らばるような悪性の細胞へと変化していきますがこのメカニズムが最新の遺伝子配列解析技術を利用して明らかにされています。

 その変化に共通する様な特徴が見つかれば新たなガン治療薬が開発出来るかもしれません。

  • Evolution and impact of subclonal mutations in chronic lymphocytic leukemia.Cell. 2013 Feb 14;152(4):714-26.PMID:23415222
  • Variable clonal repopulation dynamics influence chemotherapy response in colorectal cancer.Science. 2013 Feb 1;339(6119):543-8.PMID:23239622
  • Punctuated evolution of prostate cancer genomes.Cell. 2013 Apr 25;153(3):666-77.PMID:23622249
★糖尿病治療に有効な新しいホルモンが見つかる。
 インスリンはすい臓のβ細胞から分泌されます。このすい臓のβ細胞が死んだり、機能を失ったりするのが糖尿病ですが、今回、β細胞を自由に増やすことが出来るホルモンが発見されました。名前をベータトロフィン(betatrophin)といいます。

 このホルモンは症状の軽い糖尿病患者の病気の進行を抑制したり、まったくインスリンが出なくなった?T型糖尿病患者の治療にも使える可能性があります。

  • Mice lacking ANGPTL8 (Betatrophin) manifest disrupted triglyceride metabolism without impaired glucose homeostasis.Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Oct 1;110(40):16109-14.PMID:24043787
  • Betatrophin: a hormone that controls pancreatic β cell proliferation.Cell. 2013 May 9;153(4):747-58.PMID:23623304

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Category:#エイジング関連まとめ




2012.01.11

Nature Medicineの選ぶ2011年の主要な基礎医学の進歩8つ
Nature Medicineの選ぶ2011年の主要な基礎医学の進歩8つ

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(1)多くの食物に含まれる物質DLPCが脂肪肝や糖尿病を引き起こす原因の1つのようだ
 多くの植物や動物由来の食物が消化管で分解されると出来るDLPC(dilauroyl phosphatidylcholine)が血液中の胆汁酸の量を調整するための核内レセプターLRH-1(Liver receptor homolog-1)の天然のアゴニスト(作用するもの)であることが分かった。血液中の胆汁酸は脂質の輸送や血糖値の制御など人体を正常に保つのに重要な役割を担っている。DLPCを投与された実験動物では血液中の胆汁酸濃度が増え、肝臓での脂肪合成が減り脂肪燃焼が増えた。この食物由来の安全な物質を投与すれば安全に血液中の胆汁酸の量を増やすことが出来、脂肪肝や糖尿病の治療に使える可能性がある。

(2)腸内の細菌が作り出す物質の中の1つが動脈硬化や心臓病を引き起こしていた。
 腸内細菌によって作り出されるTMAO(trimethylamine N-oxide)が動脈硬化や心臓病を引き起こす作用があることが分かった。この物質が腸管でどれぐらい作られるかは腸内細菌の状況や、糖尿病かどうか、、免疫疾患があるかどうかなどで変化することが知られており、TMAOの量を調整出来る薬が開発出来れば良い治療薬となる可能性があり。
  • Gut flora metabolism of phosphatidylcholine promotes cardiovascular disease(Nature 472, 57--63, 2011).
(3)ヒトのクローンが作り出せない原因のヒントが得られた。
クローン技術は羊のドリーなど様々な動物で成功しているがヒトではうまくいっていない。他の動物ではうまくいく方法(別の卵細胞の細胞核を取り除いて新しい細胞核を挿入する)もヒトでは個体発生が停止してしまうのだ。今回、研究者らは元の卵細胞のゲノムを取り除かずに新しい細胞核を挿入するとヒトの卵細胞でも個体発生が順調に進むことを見出した。残念ながらこうして作り出した卵細胞は、元の卵細胞のゲノム1セット、新しく挿入した細胞核のゲノム2セット、合わせて3セットのゲノムを持っており臨床応用には向かないが、これらの現象はヒトでのクローン技術が進まない理由が元の卵細胞の細胞核を取り除いたためであることを意味しており、これを手がかりにヒトでもうまく実施出来る方法を開発出来る可能性がある。
  • Human oocytes reprogram somatic cells to a pluripotent state (Nature 478, 70--75, 2011)
(4)HIV感染を96%抑制出来る方法が臨床試験で確認された。
HIV感染の確率を96%減少させる方法が発見された。1763組の片方だけHIV陽性のカップルで効果を確認したところ、感染している側の病気の進行が進まないうちに(血液中のCD4陽性細胞の数が350-550cells/mmm3)抗レトロウイルス治療方法を試すことが有効なようだ。
  • Prevention of HIV-1 Infection with Early Antiretroviral Therapy(N. Engl. J. Med. 365, 493--505, 2011).
(5)皮膚からiPS細胞を経ずに治療に使えるガン化の心配の無い脳細胞を作り出すことに成功した。
皮膚の繊維芽細胞からiPS細胞を経ずに神経細胞(パーキンソン病の治療に使えるドーパミン産生細胞)を作り出す方法が発見された。方法はMash1(Ascl1)Nurrl(Nr4a2)Lmx1aという3種類の転写因子を皮膚細胞に導入することである。細胞をリセットしiPS細胞まで戻す方法もあるが、これを行うと作り出した細胞が癌化する可能性がある。この方法はガンが生じる心配の無い安全な方法として早い段階で実用化可能かもしれない。
  • Direct generation of functional dopaminergic neurons from mouse and human fibroblasts(Nature 476, 224--227, 2011)
  • Directed Conversion of Alzheimer's Disease Patient Skin Fibroblasts into Functional Neurons(Cell 146, 359--371, 2011)
(6)これまで善玉だと思われていたHIF-1αというタンパクが様々な疾患の原因であることが分かった。
これまでは生体内で必要な役割を担っていると思われていたHIF-1α(低酸素誘導因子1α)が炎症の発生に関わっていることが分かった。HIF-1αをターゲットにした薬を開発し炎症を制御出来る可能性がある。
  • Control of TH17/Treg Balance by Hypoxia-Inducible Factor 1(Cell 146, 772--784, 2011).
(7)生きたヒトのゲノムを自在に編集する技術が出来た
これまでもプレート上の細胞の遺伝子情報を編集する技術はあったが、あくまでプレートに取り出した細胞を使い、増殖させながら編集するしかなかった。今回、Zing Finger Nuclease(標的の遺伝子部分で部位特異的な日本差切断を誘導し、相同組み替え修復によってゲノムを置き換わる)の開発によりこれまで遺伝子編集が困難であった形質転換細胞や初代培養細胞での高効率なゲノム編集が可能となった。血友病マウスを用いた動物実験モデルで生体内でも効果的に使用出来ることも確認出来た。遺伝性疾患のヒトをゲノムを直接編集して病因となる部分を修正する根本的な治療に応用出来るかもしれない。
  • Direct generation of functional dopaminergic neurons from mouse and human fibroblasts(Nature 475, 217--221, 2011)
(8)新しいコンセプトの多くのガンに効く治療方法のヒントが得られた。
BETファミリータンパクを阻害する薬が癌の治療薬になる可能性が示された。報告ではBETファミリータンパクの1つであるBrd4の阻害剤JQ1が癌を抑制する事を報告している。こういった細胞内のタンパク質の低分子阻害剤による癌治療方法の概念は新しい。
  • RNAi screen identifies Brd4 as a therapeutic target in acute myeloid leukaemia(Nature 478, 524--528 & 529--533, 2011)
  • BET Bromodomain Inhibition as a Therapeutic Strategy to Target c-Myc (Cell 146, 904--917)
  • Targeting MYC dependence in cancer by inhibiting BET bromodomains(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 108, 16669--16674, 2011)
  • 元記事タイトル:Natable Advance 2011(page.1540)

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Category:#エイジング関連まとめ




2011.07.12

iPS細胞を効率的に作製するための方法に関する研究進捗(2006-2011)
iPS細胞を効率的に作製するための方法に関する研究進捗(2006-2011)

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 iPS細胞(induced pluripotent stem cell(人工多能性幹細胞))は2006年に京都大学の山中伸弥らによって発見された体細胞由来の万能性細胞(どのような臓器も作り出すことの出来る細胞)です。これまでにも、卵細胞由来のES細胞という万能性細胞が知られていましたが、卵細胞から作る必要があるため、倫理的問題がありました。

 現在では、研究が進み発見された当初よりも効率的にiPS細胞を作り出すことが可能となり、iPS細胞が出来るメカニズムについての研究も進んでいます。iPS細胞から様々な臓器や細胞を作り出し治療に用いるには、また別の研究が必要ではありますが倫理的問題の少ないiPS細胞を効率良く作り出せることは再生医療研究の革命と言えます。

ここで2006年のiPS細胞の発見から現在(2011/6)までのiPS細胞を効率よく作成する方法に関する研究に関して、重要だと思われるものを簡単にまとめます。

2006年マウス細胞からES細胞に似た性質を持つiPS細胞を作り出せることが初めて報告される。作成方法はSox2Oct3/4c-MycKlf4という4つの転写因子を細胞に導入するというもの。転写因子の導入にはウイルスベクターを使用。ウイルスベクターは導入した遺伝子をランダムにゲノムに組み込むので潜在的な腫瘍化の危険があることは解決しなければならない問題。(1)(薬事日報紹介記事)
2007年ヒト細胞でも同様にiPS細胞の作成に成功。(2)
2008年●腫瘍化の原因となるc-Mycを使わなくても時間をかければ(1週間ほど長く)、iPS細胞が作成可能であることが報告される(3)。かつ、この方法では腫瘍化の確率が低下することも確認。iPS細胞が腫瘍化する原因は使用しているレトロウイルスベクター由来だけでなく、使用しているc-Mycにも原因があると言える。
SV40_large_T抗原を一緒に導入することが報告される。(4)
●ウイルスベクターを使わずプラスミドベクターを使ってiPS細胞が作れることが報告される。(5)
●4転写因子の導入と共に転写因子Pax5を阻害すると作成効率が高まることが報告される。(6)
2009年●4つの転写因子を1つのウイルスベクターに搭載してiPS細胞作成に成功(7)
●3つのmiRNA(miR-291-3pmiR-294miR-295)を導入してiPS細胞の作成効率を上げる方法が報告される。(8)
●p53経路を遮断するとiPS細胞の作成効率が高まることが報告される。(9-12)(アステラス社プレスリリース)
●必要な転写因子のうちSox2、c-Mycの代わりをする低分子が見つかる。(13)
●遺伝子導入せずに転写因子のタンパクを導入してもiPS細胞が作成出来ることが報告される(14)。転写因子の細胞内への導入にはそれぞれの転写因子のC末に細胞透過性ペプチドであるオリゴアルギニンを連結した転写因子を作成し、1週間にわたり持続的に細胞内導入する手法(ロイター紹介記事)。
2011年●4因子のうち腫瘍化に関わっているc-Mycを使わずGlis1を使うとc-Myc無しで同等のiPS細胞作成効率が得られることが発見される。Glis1はES細胞でも発現していない転写因子である。またGlis1を導入した細胞は増殖出来なくなる。すなわち、Glis1を導入された細胞は完全なiPS細胞となり転写因子の発現が完全にリセットされないと細胞は増殖出来ないことになる。このメカニズムのためGlis1を使ってiPS細胞を作成する時は腫瘍化の原因になるリセットが不完全な細胞が増殖してきにくいという大きなメリットがあるそうだ。マウス細胞において、c-Mycを用いずGlis1を使った時のiPS細胞作成効率は0.7%とのこと。(15)(転写因子Glis1による体細胞初期化の促進(ライフサイエンス新着論文レビュー]])


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Category:#細胞移植 #幹細胞




2010.06.07

単一細胞の直接映像化によるiPS細胞初期イベントの解明。
単一細胞の直接映像化による[[iPS細胞]]初期イベントの解明。

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BROAD institute of MIT and Harvard(URL)の研究者らがNature Biotechologyに発表。

iPS細胞を誘導する場合など、多分化能を誘導する研究は、大量の細胞の測定による平均的な測定的実験アプローチに頼っている。実際の実験では、それらの細胞の大部分は多分化能を獲得するには至っていないにも関わらずである。
研究者らは、高解像度のタイムラプスイメージングを用いて、2週間にわたり、1つのマウス胚性繊維芽細胞(MEFs)のリプログラミングを追跡し評価を行っている。

Oct4、Sox2遺伝子をKlf4とc-Myc、またはKlf4のみ、Lin28とNanong、など色々な遺伝子と合わせて発現させることで、体細胞が多分化能を持つ細胞に変化する。


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Category:#細胞移植 #幹細胞




2008.09.29

ヒト皮膚細胞から作ったiPS細胞からインスリン産生細胞を作り出した
ヒト皮膚細胞から作った[[iPS細胞]]から[[インスリン]]産生細胞を作り出した

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iPS細胞をRPMI1640(B27、11,1mM glucose 、4n< activin A)で7日間培養、Sodium butyrateを終濃度0.1mMで1日目に加え、1ug/mlのType4コラーゲンで5分間処理、非接着プレートに移し、20ng EGF、22ng/ml bFGF、100ng/ml Nogginで2週間培養、その後、20ng/ml EGF、100ng/ml Nogginで1週間培養、0.5% BSA、10mM nicotinamide、50nm/ml IGF-IIで5日間培養、IGF-IIを除いて2日間培養。

Category:人工すい臓・糖尿病




2008.02.15

京大チーム、がん化しにくいiPS細胞を肝臓や胃から作製
京大チーム、がん化しにくい[[iPS細胞]]を肝臓や胃から作製

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Category:#細胞移植 #幹細胞




2007.12.07

iPS細胞での治療に一歩 米チーム、マウスの貧血改善
[[iPS細胞]]での治療に一歩 米チーム、マウスの貧血改善

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Category:#細胞移植 #幹細胞