腸だけテロメラーゼを発現させて細胞老化を抑制すると正常なゼブラフィッシュの個体寿命が少し伸びる
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2023.05.23

腸だけテロメラーゼを発現させて細胞老化を抑制すると正常なゼブラフィッシュの個体寿命が少し伸びる

論文自体の売りはゼブラフィッシュという実験用の魚で腸のみにテロメラーゼを発現させ寿命を40%伸びしたというものですが、ちょっとトリックがあり、40%寿命が延びたのは全身でテロメラーゼを無くして寿命が短くなったゼブラフィッシュでの実験(Fig7)で、正常なゼブラフィッシュにテロメラーゼを導入した場合はほんのちょっとした寿命は延びていません(Fig8d)

テロメラーゼは老化に関わっているが、寿命を決める主要なキーでは無いってことかもしれません。



アメリカのGeronという会社は癌治療のためにテロメラーゼ阻害剤「Imetelstat」という飲み薬を開発しています。この薬を使えば癌細胞のテロメアが延びるのを止めて癌治療に効果があるかもしれませんが、全身のテロメアの短縮も加速しそうです。こういった患者では腸だけテロメラーゼを戻してやると良いのかも。

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