老化とともに血液中の量が減少する酵素「eNAMPT」を注射してマウスの寿命を延ばすことに成功
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2019.06.20

老化とともに血液中の量が減少する酵素「eNAMPT」を注射してマウスの寿命を延ばすことに成功


論文のGraphical Abstractより。EVsに包まれたeNAMPTは各種臓器でNAD+の生合成を上昇させ、すい臓ではインスリン合成を、網膜では光受容体の活動を、海馬では認知能力を上昇させ、また視床下部(Hypothalamus)ではSIRT1活性(サーチュイン)を上昇させ、身体活動を上昇させ、睡眠のクオリティーを上昇させる
(論文要約)老化は人体の機能を低下させ、慢性疾患を生じさせる重大なリスク要因である。加齢に伴って減少する全身血液中のNAD+量が老化のプロセスに重要な役割を担っていることは多くの動物種で知られているが、今回、研究者らは全身の血中を巡っている細胞外ニコチンアミドリン酸化リボシルトランスフェラーゼ(eNAMPT)も老化に伴い劇的にマウスやヒトにおいて減っていることを示す。

 研究者らはマウスを遺伝子操作し、脂肪細胞にeNAMPTを多く作らせるようにすることでマウスで健康寿命が延びること、また、eNAMPTは細胞外小粒子(EVs)で輸送されており細胞内に入りNAD+の生合成を上昇させる作用を持つが。若いマウスの血液から取り出したeNAMPT入りEVsを老化マウスに投与するだけでも運動性を上昇させ、寿命が延長することを実験で示しており間違いないと考えられる。

今回の発見はeNAMPT入りEVsを医薬品として開発すれば老化抑制し、アンチエイジングを強力に起こす可能性を示していると言える。

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