カテゴリー:運動・エクササイズ TW↑B



2023.06.27マウスの食事時間を昼間のみに限定するだけで運動能力(走行時間と走行距離)が3週間で2倍に。
2017.05.12ほどほどの運動では効果はなく、週に1000kcal以上の運動を続けることで細胞レベル(テロメアの長さ)として年齢より9歳下くらいまで若さを維持出来るとの報告 /1639
2016.11.15シューズの重さが100g増加するとランニングのエネルギー消費は1%増加、3000mのタイムもぴったり1%悪くなる /51
2016.06.10運動が脳に良いのも断食が身体に良いのも同じ仕組みかもしれない。脂肪を分解した時に出来る分解産物DBHB(βヒドロキシ酪酸)が作用 /13
2015.10.05マラソンなどで1万人に1人程度起こる運動中突然死(致死性不整脈)の原因の1つはIRX3遺伝子の変異 /220
2015.09.15ランナーズハイの正体が解明、血中のホルモン「レプチン」減少がテンションを上げる /127
2015.02.04長生きのためには週に合計1〜2.4時間のジョギングがベスト、長すぎても短すぎてもダメ /1
2014.05.1640歳から持久力トレーニングを開始しても遅くない /6
2010.11.03運動する人は運動しない人よりも2倍風邪をひきやすい /116
2012.05.23筋肉を増やすには「強い負荷」より、「軽い負荷×繰り返し」が効果的 /7
2012.05.14週に1〜2.5時間の速すぎないジョギングで平均寿命が5〜6年延びる /6
2012.02.06マッサージの効果を科学的に解明。細胞レベルの炎症低減すると共にトレーニング効率を高める作用も /1
2011.03.09運動能力を高めるには脳に電流を流しGABAの量を減らす /2
2008.09.29筋肉疲労防止薬が発明される(NewScientist) /6
2008.08.12ランニングに老化を遅らせる効果、米大学研究(AFPBB)
2008.04.18運動は心理的苦悩を和らげる効果がある
2008.04.07運動能力を測定することで、男性の死亡リスクを予測出来る
2008.02.15気まぐれな運動はかえって太る〜運動によりやせるためには男性で週32km以上、女性で16km以上必要 /1
2007.02.26運動する男性は大腸ガンのリスクが3割少ない /2
2003.05.27運動すると長生きする
2003.01.09通常よりも心肺能力を高める遺伝子変異見つかる


2023.06.27

マウスの食事時間を昼間のみに限定するだけで運動能力(走行時間と走行距離)が3週間で2倍に。

↑BTW

骨格筋のミトコンドリアでの脂質代謝が変化するそうです。ただしマウスは夜行性なので、人間に当てはめるなら食事を深夜のみに限定する感じ?

 Keyword:ミトコンドリア/70 運動能力/11


2017.05.12

ほどほどの運動では効果はなく、週に1000kcal以上の運動を続けることで細胞レベル(テロメアの長さ)として年齢より9歳下くらいまで若さを維持出来るとの報告

↑BTW

激しく運動する人は明らかにテロメアが長く保たれているそうです。調査は5823人を調査、定量PCRでテロメアの長さを測定し、聞き取り調査で日々の運動情況を調査しています。

1才年をとるごとに平均してテロメアが15.6個減少していましたが、高強度運動をしている人では運動をしていない人と比較しテロメアが140個分(すなわち9才分細胞が若い)長かったそうです。この大幅なテロメア短縮抑制は高強度の運動をしている人のみで見られています。

具体的には低強度の運動をしている人は、運動をしない人と比べて平均3個程度しかテロメアは多くなく(2ヶ月分若返っている程度)、中強度の運動をしている人も29個程度(2才分に相当)しかテロメア短縮が抑制されてませんでした。

■運動強度の定義

  • 低強度の運動:何かしらの運動をすることはあるがまったく足りてない人
  • 中強度の運動:1週間あたり500〜1000MET分程度の運動
  • 高強度の運動:1週間あたり1000MET分以上の運動
※高強度の運動とは体重60kgの人だと1週間におよそ1000kcal分を運動で消費する程度を意味します。

 Keyword:テロメア/57


2016.11.15

シューズの重さが100g増加するとランニングのエネルギー消費は1%増加、3000mのタイムもぴったり1%悪くなる

↑BTW

 NIKEとコロラド大学の共同研究結果です。5kmを20分で走れる18人の男性ボランティアを用いて実験しています。本人に教えずにくつの重量を増加させた場合、増加100gあたりランニング時のエネルギー消費量が1%増加し(酸素消費量と二酸化炭素排出量から換算)、3000m走のタイムも1%悪くなるそうです。

 研究者らはこの変化はくつが100g軽くなることでフルマラソンのタイムが1分近く短縮することを意味しており、2時間を切ることも夢では無いと言っています。

 個人的に気になるのは、くつの重さは軽くするのに限界がありますが、体重に関しても同じなのでしょうか?この理屈が成り立つなら筋肉を落とさずに1kgダイエットした場合、そのエネルギー消費量は10%も減ることになります。ランニングのスピードも上がるでしょうし、日常生活での疲れやすさも劇的に変わるかもしれません。

 Keyword:マラソン/11 筋肉/162 ランニング/7


2016.06.10

運動が脳に良いのも断食が身体に良いのも同じ仕組みかもしれない。脂肪を分解した時に出来る分解産物DBHB(βヒドロキシ酪酸)が作用

↑BTW


(eLIFEの論文より一部改変して掲載)
運動により脳機能が高まる、記憶力が高まる。加齢に伴う記憶力低下が抑えられるなどの研究は数多く存在しますが、運動によりどのようなメカニズムで脳機能に良い影響が出ているのかは完全には解明されていません。今回報告された内容によると運動時に肝臓で脂肪が分解され生じるβヒドロキシ酪酸(DBHB)が脳由来神経栄養因子(BDNF:brain derived neurotrophic factor)量を増やすことを突き止めたそうです。

運動が良いのではなく脂肪が分解される事自体が良い影響を与えるとすると空腹で頭がさえたり、いわゆる「ハングリー効果」なども同じようなメカニズムが影響しているのかもしれません。と思ったらその効果に言及した報告が2015年に著名な科学雑誌Nature Medicienで発表されているようです↓
DBHBは様々な問題の原因となる「炎症」を抑える働きがあるそうです。

 Keyword:空腹/25


2015.10.05

マラソンなどで1万人に1人程度起こる運動中突然死(致死性不整脈)の原因の1つはIRX3遺伝子の変異

↑BTW

この遺伝子変異のある人は、マラソン時などストレスの高まった状態でHis-Purkinje系という神経シグナル伝達がうまくいかなくなり、結果として、心臓の拍動を制御するための電気信号がうまく伝達されなくなるそうです。

研究者は遺伝子操作でIRX3遺伝子を欠損したマウスを作成し調べたところ、運動時に不整脈が多発することを確認、人間においてもIRX3遺伝子の1262G>C (R421P)、1453C>A (P485T)という遺伝子変異で同様の事が起こっていると推定されるそうです。

調べて突然死を防ぐのは有用かもしれないけど、自分がそんな変異を持っているかどうかは、あまり知りたくない気がします。

 Keyword:ストレス/34 遺伝子変異/14


2015.09.15

ランナーズハイの正体が解明、血中のホルモン「レプチン」減少がテンションを上げる

↑BTW

 脂肪細胞から分泌されるホルモン「レプチン」は食事に伴って分泌され満腹感・幸福感をもたらしたりする働きが知られますが、ランニングなど運動をすると血液中の濃度が減ることも知られています。今回、この血中レプチン濃度の減少がいわゆる「ランナーズハイ(rewarding effects of runnning)」状態を作り出す原因という事が分かりました。

 血液中のレプチンは、レプチン受容体(LepR)に結合し細胞内のSTAT3シグナルを発生させますが、研究者らがランナーズハイに必要な脳内のVTA領域のドーパミンニューロン中にSTAT3を持たないマウスを遺伝子操作で作り出したところ、このマウスは自発的によく走り、スタミナがあることが分かりました。また、このマウスにSTAT3を遺伝子導入しSTAT3を回復させると元の状態に戻ることも確認しました。

 すなわち、ランニング中にレプチンが減少しSTAT3シグナルが減少することがランナーズハイの原因ということになります。研究者らは、このメカニズムは食料獲得能力を高めるために進化上備わったと考えています。

 血液中のレプチン濃度は空腹時に減少し、満腹時に上昇することも知られています。空腹時にはランナーズハイ状態になりスナミナが得られることを科学的に証明しており、「ハングリー精神」という概念は間違ってないといえます。

 この研究はカナダ・モントリオール大学の研究者によってなされました。

 Keyword:ニューロン/9 ドーパミン/8 レプチン/5


2015.02.04

長生きのためには週に合計1〜2.4時間のジョギングがベスト、長すぎても短すぎてもダメ

↑BTW

 デンマーク・コペンハーゲンに住む1098名のジョギングを日課とする人と、3950名のジョギングしない人を2001年から15年間に渡り追跡調査した結果が報告されています。年齢と性別、喫煙の有無、アルコール摂取の有無、教育、糖尿病の有無を合わせて比較するとジョギングしない人394人中120人が死亡(約30%)なのに対し、軽いジョギングをする人570人のうち死亡していたのは7人のみでした(約1%)。

 1週間に運動する回数は1〜3回まで大きな差は無いようです。私はちょうど1週間に1時間程度ジョギングしているのでちょうど良い感じかもしれません。

 まあ、この手の健康に関するニュースは多いですが注意しないといけないのは、ジョギングを続けられる人はそもそも健康な身体を持っていると思われる点です。「長生きできる人がジョギングする傾向にある」という原因と結果が逆の可能性もあり、無理にジョギングして死亡リスクを下げられるかどうかは少し疑問があるかもしれません。

 Keyword:ジョギング/4 糖尿病/96 アルコール/26


2014.05.16

40歳から持久力トレーニングを開始しても遅くない

↑BTW

 運動が老化防止に良い影響をもたらすことは疑いようが無い事実だと思われますが、老化を遅らせ健康に老後を過ごすためには若いうちから運動を行う必要があるのでしょうか?

 フランスの研究者Matelot Dらが欧州心臓学会会議でこの問題を調査し報告しています。研究者らは心臓疾患の無い40人の男性ボランティア(年齢55歳〜70歳)を集め、次のような研究を行いました。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:骨密度/7


2010.11.03

運動する人は運動しない人よりも2倍風邪をひきやすい

↑BTW

アメリカ、ノースカロライナのアパラチアン州立大の研究者らがBritish Journal of Sports Medicineに発表。
18〜85才の1002名に2008年の冬12週について聞き取り調査した結果、1週間の運動日数が5日以上の人は4.4〜4.9日、運動日数が1〜4日の人は4.9〜5.5日、1日以下の人は8.2〜8.8日風邪を引いていた。

まとまった運動により免疫機能が一時的に強化され、ウイルスが身体に進入しにくくなると考えられる。

 Keyword:風邪/105


2012.05.23

筋肉を増やすには「強い負荷」より、「軽い負荷×繰り返し」が効果的

↑BTW

 筋肉に負荷をかける運動を行うことで骨格筋のタンパクが増えることはよく知られており、これは「筋肥大(muscle hypertrophy)」と呼ばれる。一般には運動の負荷が大きいほど筋肥大が生じやすくなると思われているが、実は最近の研究ではこれは間違いであることが分かっている。具体的には、運動直後の筋肉タンパク量増加は全筋力の60%程度の負荷の運動を1回経験するだけで十分に起こることが判明し、それ以上強い負荷をかけても意味がないと報告さされている(文献4)。また、別の報告では、筋肉を圧迫して血管閉塞させると、たった20%程度の負荷で筋肉のタンパク量増加を起こすことが可能であることも報告されている(文献5)(※危険が伴いそうな運動なので、真似する人は注意)。これらの研究は筋肉を増やすには必ずしも大きな力は必要無い可能性を示唆している。

(省略されています。全文を読む


2012.05.14

週に1〜2.5時間の速すぎないジョギングで平均寿命が5〜6年延びる

↑BTW

 医薬の開発が盛んなデンマークのコペンハーゲンではどのような生活が心臓の病気を減らすことが出来るのかを調べる研究「デンマーク心臓病研究(Copenhagen City Heart Study)」が多数の市民の協力で行われています。今回、研究者らが学術集会「EuroPRevent2012」でその結果の1つを発表しています。今回発表された研究は「ジョギングしている人とジョギングしていない人の平均寿命の差」というものです。この研究は過去35年間に集められた「日頃の生活についてのアンケート」2万人分(20歳〜93歳)を解析しています。

(省略されています。全文を読む

 Keyword:平均寿命/25 インスリン/78


2012.02.06

マッサージの効果を科学的に解明。細胞レベルの炎症低減すると共にトレーニング効率を高める作用も

↑BTW

 多くのスポーツ選手はマッサージの効果について確信を持っているだろう。またアメリカでは1年間におよそ1800万人がマッサージを受けており、言うまでも無く一般的にも認知度の高い治療方法と言える。しかしながら、これだけ一般的な治療方法であるにも関わらずその作用の科学的メカニズムについては明確ではなかった。今回、カナダのオンタリオ州のMcMaster大学の研究者らが科学的な解析を行い発表した。

 研究者らはマッサージの効果を科学的に調べるために11人の若い男性のボランティアを雇い実験を行った。ボランティアには両足を使う激しい運動を行ってもらい、片側の足のみにマッサージを行った。そして運動前、運動直後(10分後)、2.5時間後に大腿四頭筋(quadricep)の生検(細い針で組織の一部を採取する検査方法)を行い、マッサージを受けた足と、受けていない足の組織の状態を調べた。

 検査の結果、マッサージを受けた足の組織ではFAKとERK1/2といったシグナル経路が活性化しており、NFκBの核内移行が抑制されていた、さらに炎症性サイトカインであるTNFα、IL-6の産生量が低減しており、HSP27のリン酸化が抑制されていた。これらの変化は運動により起こった筋繊維のダメージから生じる細胞ストレスが緩和されている事を示している。そして、マッサージの効果は筋肉内の乳酸を除去する作用との説もあったが、今回の評価ではマッサージにより筋肉組織の乳酸の量は変化しなかった。また面白いことにミトコンドリアを増加したり筋肉内の血管を増やし筋肉自体の量を増加させる作用が知られるPGC-1αが活性化していることが確認された。

 まとめると、マッサージによる効果は乳酸の除去では無く細胞レベルでの炎症の低減とミトコンドリアの増殖、筋肉再生の促進であると言える。

 以前に日本人研究者により報告された研究では運動後の2時間〜18時間まで骨格筋のPGC-1αの量が増加していることがマウスを用いた実験で報告されているが、このPGC-1αの増加がマッサージによりさらに高まっていると考えられる。マッサージは筋肉のダメージを低減する効果に加え、筋肉再生を促す効果もあるようだ。マッサージはトレーニングの一部と言えるのではないだろうか。

  • Massage therapy attenuates inflammatory signaling after exercise-induced muscle damage. Science Translational Medicine. 2012 Feb 1;4(119):119ra13. PMID:22301554
  • Need an excuse to get a massage? Study shows it reduces inflammation following strenuous exercise (link)
  • Effects of high-intensity intermittent swimming on PGC-1alpha protein expression in rat skeletal muscle.Acta Physiol Scand. 2005 May;184(1):59-65.PMID:15847644


2011.03.09

運動能力を高めるには脳に電流を流しGABAの量を減らす

↑BTW

GABAはイライラを解消する効果が知られているが、運動に関する学習をする時にはGABAの存在が邪魔なようです。
脳に電流を流すことで一時的に脳内のGABAが減ることが知られていますが、この状態で運動することにより運動学習のスピードが70%向上するという結果が出たそうです。

「スポ根」的にストレスかけまくって運動させた方が効果が出るってことなんでしょうか?

 Keyword:電流/14 GABA/8


2008.09.29

筋肉疲労防止薬が発明される(NewScientist)

↑BTW

運動や病気によって筋肉疲労が起こります。これまではこの筋肉疲労は筋肉に乳酸が溜まることにより引き起こされると考えられてきましたが、最近の研究では乳酸では筋肉疲労が起こらないことが明らかになっています。

筋肉繊維はryanodine受容体を使って、カルシウムイオンを放出した時に収縮します。そしてどうやら筋肉疲労は筋肉が不安定にカルシウムを放出してしまうことと関わっているようです。

コロンビア大学のAndrew Marks氏らはこのレセプターを安定な状態に戻す薬を開発しました。この薬により筋肉疲労を防げるかもしれません。

特許も出されており、WO/2008/060332、PCT/US2007/012936です。


2008.08.12

ランニングに老化を遅らせる効果、米大学研究(AFPBB)

↑BTW


2008.04.18

運動は心理的苦悩を和らげる効果がある

定期的な運動は精神の健康に良いと言われているが、運動の種類や量に関する情報がほとんど無かった。19842人の男女の患者を使って、1週間あたりの運動の種類を調べた。心理的苦悩(Psychological distress)を持つ患者じゃ3200人だった。

結果、あらゆる種類の運動が心理的苦悩を減らすのに寄与しており、量的関係も認められ、運動量が多いほど効果が高いことが分かった。最も良い効果が見られたのはスポーツだが、家事やガーデニング、ウォーキングといったことも効果があり、週に20分間の運動でも効果が見られた。

  • Dose response relationship between physical activity and mental health: The Scottish Health Survey. Br J Sports Med. Published Online First: 10 April 2008,PMID:18403415

2008.04.07

運動能力を測定することで、男性の死亡リスクを予測出来る

↑BTW

Exercise Capacity and Mortality in Black and White Men
Circulation 2008 117: 589-591、PMID: 18212278

運動能力が死亡リスクに関係していることは研究され、心臓疾患などの要因が関連することが明らかになっているが、これらに関する多くの研究は白人を対象としたもので、黒人男性でも当てはまるかは明らかでなかった。

研究者は6749名の黒人男性(年齢58±11歳)、白人男性8911名(60歳±11歳)を2種類のトレッドミルを用いた体力測定を行い、運動能力を最大METsで評価した。そして7.5±5.3年間の死亡率を測定した。平均すると1METs運動能力が上昇するごとに死亡リスクは13%低くなり、METsが5以下の男性と比較し、7.1〜10METsの運動能力を有するヒトは死亡リスクが50%低下した。10METs以上のヒトは70%低下していた。

METs(metabolic equivalents)とは安静にして座っている時の酸素摂取量(3.5ml/min/kg)を1とした、酸素摂取量を示す。本記事とは関係無いが、このサイトにMETsの指標がある


2008.02.15

気まぐれな運動はかえって太る〜運動によりやせるためには男性で週32km以上、女性で16km以上必要

↑BTW

一般的に運動量を増やせばやせ、減らせば太ると思われているが、それぞれの増減が等しく体重に作用しないことが明らかになりました。

カナダのローレンスバークレー国立研究所の研究者ウィリアムズらは、走る距離が増えた男性、男性4632名、女性1953名、減った男性17280名、女性5970人を7.7年間に渡って調べた。

その結果、恐ろしいことが判明した。
1週間あたりの走行距離が0〜8kmの人では走行距離を1km減らした時の体重増加が1週間あたり32〜48km走る人の4倍以上あることが分かった。

逆に1週間あたり0〜8kmしか走らない人は、走行距離の増加によりほとんど体重減少が起こらず、1週間あたり16km以上走らないと体重は減少しなかった。

これらのことが事実ならば中途半端なランニングは、その行為をやめた時まで含めると確実に体重を増やすことになってしまう。ただし、男性で1週間あたり32km、女性で16km以上走った場合は、ランニングをやめてもランニングを始めたことにより減少した体重分しか増加しなかったそうだ。

  • Asymmetric weight gain and loss from increasing and decreasing exercise. Med Sci Sports Exerc. 2008 Feb;40(2):296-302、PMID:18202572


2007.02.26

運動する男性は大腸ガンのリスクが3割少ない

↑BTW

発表したのは、厚生労働省研究班の津金昌一郎ら。平成7年〜14年の40〜69才の男女6万5千人の1日の運動量と大腸ガン発生率を調べた。
結果、肉体労働や激しいスポーツを日常的にしている人はほとんど運動していない人に比べ発症の危険度が30%少なかった。結腸に限定すると40%少なかった。(大腸は小腸側から結腸(colon)と直腸(rectum)に分かれる)。女性ではこのような差は見られなかったが、家事などに対する質問が不十分で運動量をうまく評価出来なかったためだと推定している。

  • Daily total physical activity level and total cancer risk in men and women: results from a large-scale population-based cohort study in Japan. Am J Epidemiol. 2008 Aug 15;168(4):391-403. Epub 2008 Jul 2. PMID:18599492


2003.05.27

運動すると長生きする

アメリカ疾病対策センター(CDC)の研究者らは65歳以上の女性7500人を対象に1日に歩く距離と運動の頻度を12年間にわたって調べた。
その結果、座りがちで活発度の低いお年寄りと比較してよく運動したお年寄りの方が、全体で死亡危険度が48%減少していた。疾患別に見ると、心臓病は36%、ガンは51%も危険度が減っていた。

ただし、75歳以上の場合、と元々健康状態がよく無かった場合は運動の効果はあまりなかったそうだ。

2003.01.09

通常よりも心肺能力を高める遺伝子変異見つかる

 東京都老人総合研究所の白沢卓二らの研究によると、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンを作り出す遺伝子の1つに変異があると、普通のヘモグロビンに比べ酸素を運ぶ能力が高まり、普通の状態で高地トレーニングで鍛えた陸上選手のような心肺能力を持つという。

 実際に、この遺伝子変異を持つ東北地方の女性(29歳)を調べたところ、急な坂道を10分間自転車で駆け上がる運動をしても、呼吸数は運動前と変わらなかった。この女性の姉(31歳)に同じ運動をしてもらったところ呼吸数は2倍近くに上昇し、息苦しさを訴えた。
 この遺伝子変異を持つ人を捜すことで、優秀な長距離ランナーになりうる人を捜し出せるかもしれない。また、狭心症などの病気の人の治療にも使えるかもしれない。また、研究チームはこの遺伝子変異を持つマウスを人工的に作成したところ、予想どおりの結果が得られた。




Cation!!注意:このページには動物実験などで得られた研究段階の情報が含まれています。これらはなんら、人間に適用した時の効果を保証するものではなく、これらの情報を元にとった行動によりいかなる不利益を被っても管理人は一切責任を負いません。このページの話はあくまで「情報」としてとらえてください。