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----------このキーワードを使っている記事----------
2011/07/15:ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1)
2008/11/17:癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する
2007/08/20:糖尿病治療薬「メトホルミン(metformin)」がガン細胞を死滅させることが出来る
2007/07/24:p53を活性化させたマウスはガンになりにくくなり、老化が遅延する。
2003/01/25:幹細胞とガン細胞は同じ仕組みかもしれない(AP)
2002/01/03:ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる

2011/07/15

ワインに含まれる老化抑制物質「レスベラトロール(Resveratrol)」これまでの研究まとめ(1)
ワインに含まれる老化抑制物質「[[レスベラトロール]]([[Resveratrol]])」これまでの研究まとめ(1)

テレビでワイン(ブドウ)に含まれるポリフェノール「レスベラトロール(Resveratrol))」のサプリメントが紹介され人気を集めているそうです。

 レスベラトロールの作用が発見されたのはもう10年近くも前になります。アメリカ、ペンシルベニアの研究者が2003年に有名な科学雑誌Natureで発表しました(1)

  • (1)Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan. Nature. 2003 Sep 11;425(6954):191-6 PMID:12939617
 これまでの研究で、酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの単純な動物では栄養制限(摂取カロリー制限)すると、Sir2という遺伝子が活性化され寿命が延びることが知られていました。研究者はカロリー制限を行わずにSir2遺伝子を活性化させることの出来る物質を探索した結果、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロール(Resveratrol)を発見しました。レスベラトロールを与えた酵母は栄養制限をした時と同様にSir2遺伝子が活性化し寿命が70%延長しました。

 また、人間のSir2にあたるSIRT1にレスベラトロールが与える影響を調べたところ、同様な効果を与えることも分かりました。SIRT1は腫瘍抑制遺伝子であるp53タンパクの脱アセチル化を促進することで作用を発揮しているようです。この研究者らはオリーブオイルに含まれるクェルセチン(quercetin)にも同じ作用があることを報告しています。

 この研究以降、酵母のSir2や、マウスのSirt1、ヒトのSIRT1は老化を抑制する作用のあるものとしてサーチュイン遺伝子(Sirtuin gene)と呼ばれ研究が盛んに行われています。そして、この発表以降、酵母に引き続き、線虫やショウジョウバエなどの様々な無脊椎動物で寿命を延ばす効果が報告され、ついに2008年に哺乳類(マウス)でも作用があることが報告されました。

 アメリカの研究者らがPloS ONEという雑誌に報告(2)した内容では、中年(生後14ヶ月)〜老齢(生後30ヶ月)のマウスにレスベラトロール(4.9mg/kg/day)を食べさせて実験を行いました。そして、全身の臓器の遺伝子発現を調べたところ、カロリー制限した時と同じような遺伝子発現プロファイルを示し、脳、心臓、骨格筋などで老化に伴い起こる遺伝子発現変化を抑制し、加齢に伴う心臓疾患を防ぐことが分かりました。例えば筋肉ではカロリー制限により起こるのと同じようなインスリンに関連したグルコース吸収の変化が起こっているようです。レスベラトロールはカロリー制限と同様に、加齢に伴う染色体の構造変化や、転写の変化を遅らせるなど様々な部分で働いているようです。

  • (2)A Low Dose of Dietary Resveratrol Partially Mimics Caloric Restriction and Retards Aging Parameters in Mice. PLoS ONE. 2008,3(6):e2264、PMID:18523577
 しかしながら、マウスでは酵母などとは違い寿命を延長することは無さそうだという結果も報告されています。2008年に報告された研究(3)では、中年期(12ヶ月)移行にレスベラトロールを与えられたマウスと普通のエサを食べているマウスとでは寿命の差は無かったと報告しています。ただ、こちらの研究でも、老化のサインであるタンパク尿(albuminuria)の減少、炎症の減少、血管内皮細胞のアポトーシスの減少、動脈の柔軟性の増加、身体の動きの改善、白内障の減少、骨量減少の抑制などの老化抑制効果は見られており、この点での効果はありそうです。

  • (3)Resveratrol Delays Age-Related Deterioration and Mimics Transcriptional Aspects of Dietary Restriction without Extending Life Span. Cell Metabolism 2008, 8(2) 157-168. PMID:18599363
霊長類の実験でレスベラトロルの抗肥満作用が確認された

この他に下記の研究はキツネザルを使った研究ですが、1日あたり体重1kgあたり200mgのレスベラトロールで体重低減効果があることが報告されています。食欲も減少するようでエネルギー摂取量が19%減り、安静時の基礎代謝が29%増加したことを報告しています。

  • Resveratrol suppresses body mass gain in a seasonal non-human primate model of obesity. BMC Physiology 2010, 10:11PMID:20569453
単語:primate(霊長類)

次回はレスベラトロールのメカニズムを参考に開発されている医薬品について紹介します。

Category:アンチエイジング・老化抑制

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2008/11/17

癌耐性遺伝子+テロメア延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する
癌耐性遺伝子+[[テロメア]]延長酵素のダブル遺伝子導入改変マウスで全身の老化症状が遅延して、寿命が延長する

テロメアは徐々に短縮していき、細胞分裂を抑制することで老化をもたらすと考えられていますが、テロメアを長いままで維持することはガンの発現促進につながり、生体における役割の解析が進んでいませんでした。

今回、研究者らはテロメアを延長させるテロメラーゼ(TERT)と共に、ガンの発生を抑制するためにガン抑制因子(p53、p16、p19ARF)を同時に過剰発現させたマウスを作製しました。

すると、これらのマウスは全人生に渡って、皮膚や腸管でのバリア能が維持され老化スピードが40%低下したそうです。ただし、寿命が延長するかどうかについての確認は無いようです。

Category:アンチエイジング・老化抑制

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2007/08/20

糖尿病治療薬「メトホルミン(metformin)」がガン細胞を死滅させることが出来る
糖尿病治療薬「[[メトホルミン]]([[metformin]])」がガン細胞を死滅させることが出来る

 メトホルミンによりp53欠損腫瘍細胞が障害されることが分かりました。

 研究者らはマウスの片側にp53が正常なガン細胞を移植し、もう反対側にp53欠損ガン細胞を移植しました。すると毎日メトホルミンを投与したマウスでは4週間後にp53欠損の腫瘍サイズが半分になっていたそうです。

 メトホルミンは肝臓に作用して糖新生を抑制させ、また筋肉に作用して糖の取り込みを促進する作用がありますが、このような代謝調整機能の一部はp53依存的に行われるため、p53を欠損した細胞ではこのようなメトホルミンの糖代謝調整作用に毒性を示すと考えられるそうです。

 人間のガン細胞の半分はp53を欠損していると言われており有用な抗ガン剤として使用出来る可能性があります。

Category:ガン・腫瘍

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2007/07/24

p53を活性化させたマウスはガンになりにくくなり、老化が遅延する。
p53を活性化させたマウスはガンになりにくくなり、老化が遅延する。

Delayed ageing through damage protection by the Arf/p53 pathway.
Nature. 2007 Jul 19;448(7151):375-9.PMID: 17637672

研究者等はガン抑制遺伝子p53とp53を活性化することが知られているArf(Cdkn2a locus)を活性化したマウスを作りだしその性質を調べました。するとガンの発生率が低下し、また老化に伴い生じる様々な細胞ダメージが減少することが確認されました。

Category:アンチエイジング・老化抑制

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2003/01/25

幹細胞とガン細胞は同じ仕組みかもしれない(AP)
幹細胞とガン細胞は同じ仕組みかもしれない(AP)

双方に「ヌクレオステミン」というタンパク質が含まれているそうです。
ヌクレオステミンはp53ともくっつくらしい
この話のもとになった論文は
Genes&Development vol.16 p.2985-2990(2002)

Category:幹細胞



2002/01/03

ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる
ガンを抑制しすぎると寿命が短くなる

研究者らは、体内でガン抑制に働いている遺伝子p53を異常に活性化させたマウスを作り出した。作成されたマウスを予想通り、ガンの発生率が低かったが、平均寿命は通常のマウスより
20%短かった。また作り出したマウスは低体重、湾曲した背骨、もろい骨などの特徴を持っていた。またこれらのマウスは傷が直りにくかった。P53はこれまで異常を起こした細胞に自殺を命令することによりガンを抑制していると考えられてきたが、今回の結果はこのp53が老化にも関係することを示しており、研究者らは体内に存在し皮膚や、骨を補充している幹細胞がうまく働かなくなるのでは無いかと考えている。

バランスが大切らしい。このp53のような例は、他にも知られている、
たとえば、免疫機能が強い人はウイルスや細菌の感染、毒素などに強いが、逆に強すぎる免疫が自分の正常な細胞を攻撃してしまうリウマチなどの自己免疫疾患になりやすい。
(p53 mutant mice that display early aging-associated phenotypes(Nature vol.415 no.6867 p.45-53))

Category:アンチエイジング・老化抑制