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2012.06.08
グレリン(Ghrelin)というホルモンがある。このホルモンは空腹時に胃壁の細胞で作られ血中に放出される。このホルモンが脳に到達すると食欲が刺激されるため、別名「空腹ホルモン」と呼ばれる。
2006年にアメリカ・エール大学の研究者はグレリンを生まれつき持たないマウスを遺伝子操作により作り出し調べる研究を発表した(文献1)。グレリンが無くてもマウスは正常に生まれ大きな問題は無かったが、脳内の「海馬」という部分の神経細胞同士をつなぐシナプス数が通常のマウスよりも25%も少ないことが見つかった。海馬は脳内で記憶に関わる中心的な役割を果たす部分である。このマウスに注射でグレリンを投与するとシナプスの数は増加した。
一方、同じ頃、中国の研究者がグレリンに脳の保護作用があることを報告している(文献2)。実験でラットに人工的に脳梗塞を起こし、どの程度の障害が残るかを評価したところ、脳梗塞を起こさせる前にグレリンを投与することにより障害の度合いが低減されたと報告している。
このように空腹時に体内で増えるホルモン「グレリン」は脳神経の活動を活発化し、また脳のダメージを低減する作用があるようだ。
さらに興味深い事に睡眠不足だとグレリンの量が増える(注釈3)と報告されている(睡眠不足はグレリンを増加させ、食欲を抑制するホルモン「レプチン」の量を減らす、この作用により睡眠不足は肥満の原因になると考えられている)。報告された脳神経の活性化・保護作用を考えると睡眠不足は脳神経を活性化する可能性があるかもしれない。昔から「寝る子は育つ」と言われているが、このような新知見を合わせて考えると、いつも睡眠不足の子供と、すぐに寝てしまう子供で脳神経の発達に差が無いだろうかと考えてしまう。
グレリンは他にも「心臓機能の改善効果」や、「成長ホルモン分泌効果」、「免疫の活性化効果」なども知られている。睡眠不足でハングリーってのが賢くなるコツかもしれない。
Category:#知能改善・天才になる方法
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脳梗塞
睡眠
グレリン
(Ghrelin)
「空腹ホルモン」と呼ばれ、空腹時に消化管の細胞で作られ、脳に到達すると食欲を刺激する。
他に、胸腺細胞の活性化機構が報告されている。
wikipedia レプチン
(leptin)
脂肪組織から分泌される善玉ホルモンの1つ
脳の視床下部に働き食欲を抑える働きがある。正常な状態では体の中に存在する脂肪の量に応じた量が血液中に存在すると言われる。
.wikipedia
空腹
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