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CAR-T



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2020.09.11:老化細胞を除去するCAR-T治療法でマウスの若返りに成功
2019.02.22:細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療
2017.06.08:中国Nanjing(南京)社が開発中のCAR-T療法「LCAR-B38M」が難治性骨髄癌を再発した患者に驚異的な治療効果。アメリカ癌学会(ASCO)で発表
2015.04.15:次世代の癌免疫療法と言われるCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞治療)治療の臨床試験が開始

2020.09.11

老化細胞を除去するCAR-T治療法でマウスの若返りに成功
老化細胞を除去するCAR-T治療法でマウスの若返りに成功

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図出典:Senolytic CAR T cells reverse senescence-associated pathologies, Nature volume 583, pages127?132(2020)
老化細胞を除去する作用のある薬を使用した延命の研究は色々と行われていますが、今回、CAR-T細胞を用いた老化細胞の除去と若返りに成功した研究が発表されています。

細胞の老化は細胞増殖の停止と分泌プログラムによる組織の微小環境の変化から構成される。これは生理学的には老化は癌形成を抑えるメカニズムであり、創傷治癒に重要な役割を担う。病理学的には異常な老化細胞の集積は炎症を引き起こし臓器の慢性的ダメージを引き起こし、肝臓や肺の繊維化、動脈硬化、糖尿病、変形関節症といった病気を引き起こす。老化細胞の除去はマウスにおいてこれらの病態を改善し、長寿を実現することが報告されている

今回研究者らは薬物投与ではなくCAR-T細胞療法(遺伝子改変した免疫細胞を細胞移植、癌治療のより強力な方法として盛んに研究されている)による老化細胞の除去を試みている。研究者らはuPARを老化細胞の目印として使用しin vitro、in vivoにおいて作用することをマウスにおいて示しています。治療のデモンストレーションでは老化が促進される薬を投与されたマウスの寿命を延ばし、人工的に肝臓の繊維化を起こさせたマウスの病態を改善しています。

これまでに報告されている老化細胞除去による延命作用に関しては下記の論文が引用されています。
  • He, S. & Sharpless, N. E. Senescence in health and disease. Cell 169, 1000-1011 (2017).
  • Sharpless, N. E. & Sherr, C. J. Forging a signature of in vivo senescence. Nat. Rev. Cancer 15, 397-408 (2015).
  • Baker, D. J. et al. Clearance of p16Ink4a-positive senescent cells delays ageing-associated disorders. Nature 479, 232-236 (2011). PMID:22048312
  • Baar, M. P. et al. Targeted apoptosis of senescent cells restores tissue homeostasis in response to chemotoxicity and aging. Cell 169, 132-147 (2017). PMID:28340339
  • Childs, B. G. et al. Senescent intimal foam cells are deleterious at all stages of atherosclerosis. Science 354, 472-477 (2016).PMID:27789842
uPARが老化細胞の目印になるという話は下記論文で元ネタのようです。
  • Smith, H. W. & Marshall, C. J. Regulation of cell signalling by uPAR. Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 11, 23?36 (2010).

Category:老化細胞除去

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2019.02.22

細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療
細胞を投与して治療する時代の幕開け!ノバルティスの癌治療細胞医療「キムリア」日本承認。アメリカで1回5000万円の治療

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ノバルティス社Webページ「Chimeric Antigen Receptor T Cell (CAR-T) Therapy」に日本語を追加
3歳〜21歳以下のB-ALL(B細胞性急性リンパ芽球性白血病)の患者の対象とした試験では、75人に投与して全寛解率(骨髄中の癌細胞の割合が5%以下になる)は81.3%
18歳以上のDLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)患者を対象とした試験では81人投与して全奏効率(効果が見られた)は53.1%
小児がんに使うなら5000万の保険負担も、まあ許せるかなと思うパパであった。

治療用の細胞は患者から取り出したのち、神戸で処理して、体内に戻す感じかな?
同じメカニズムの第一三共のCAR-T細胞療法剤がもうすぐ承認になると思うんだけど

Category:ガン・腫瘍

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2017.06.08

中国Nanjing(南京)社が開発中のCAR-T療法「LCAR-B38M」が難治性骨髄癌を再発した患者に驚異的な治療効果。アメリカ癌学会(ASCO)で発表
中国Nanjing(南京)社が開発中のCAR-T療法「LCAR-B38M」が難治性骨髄癌を再発した患者に驚異的な治療効果。アメリカ癌学会(ASCO)で発表

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 今年も行けなかったASCOですが、今年も癌免疫分野で驚異的な新治療方法の発表が相次いでいます。
中国Nanjing社の開発するBCMAタンパクを標的としたCAR-T療法において、再発した多発性骨髄腫(multiple myeloma)患者35名のうち、33名(94%)に治療効果、うち14名(40%)はsCR(完全寛解、完全治癒したように見える状態)になったとのこと。

 現在、癌治療分野では多数の革新的治療法の臨床試験が進行中です。劇的に効くと言われた小野薬品/BMSのオプジーボのような「抗体医薬」だけで異なるターゲット分子を狙ったものが10種類程度、また、今回のNanjing社の発表したCAR-T療法は、攻撃目標を癌細胞に定められた遺伝子改変した免疫細胞を注入する治療法で抗体医薬の限界を超えて強力に癌細胞を攻撃することが期待されている治療方法です。ただ、副作用が非常に大きいことが問題で、いかに副作用を低減させつつ強力に癌細胞のみを攻撃させるか、様々な細胞が検討されています。

 個人的にはこれらの開発中の治療方法を組み合わせることで、あと20年で癌による死亡率は少なくとも現在の3分の1ぐらいにはなるんじゃないかと、気になるのはいずれもスゲー治療費高そうって事です。抗体医薬で年間1000万超え、CAR-Tにいたっては年間5000万円って話もあります。

 最初のCAR-T治療法としてノバルティス社のCTL019(こちらは投与患者の37%でsCR(完全寛解)するとの結果)が、来月、アメリカFDAで承認されるかどうか議論される予定です。

Category:ガン・腫瘍

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2015.04.15

次世代の癌免疫療法と言われるCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞治療)治療の臨床試験が開始
次世代の癌免疫療法と言われるCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞治療)治療の臨床試験が開始

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Cardio3 BioSciencesというベンチャーが開発するCAR-T治療がPhase I試験(初めての人間への投与)を開始します。

癌治療用の抗体医薬は投与した抗体癌細胞免疫細胞を結びつけ、その結果、免疫細胞が癌細胞を攻撃します。

次世代の癌免疫治療と言われるCAR-T(キメラ抗原受容体T細胞治療)は、抗体をくっつけた免疫細胞を遺伝子工学的に作りだし体内に投与することで、まわりくどい事をせず、癌細胞を激しく攻撃させます。

その効果は凄まじいらしいが、けっこう副作用も強いらしい。

Category:ガン・腫瘍

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