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2011.07.01
「吸収されにくい油」で、むしろ体重が増加しうるという動物実験結果が発表される
発表したのはPurdue(パデュー)大学の研究者Susan E. Swithersら。アメリカ心理学会(American Psychological Association)の発行する行動神経科学(Behavioral Neuroscience)という雑誌で発表しました。
近年、食事を減らし体重を減らすために身体に吸収され難い低カロリー脂肪代替物が盛んに開発され、ポテトチップスなどの食品に盛んに使用されています。今回、研究者らはこのダイエットに効果のあるという「ふれこみ」で使われる低カロリーの脂肪代替物がむしろ体重増加を招く事を報告しています。
研究者らは実験用のラットを使って実験を行いました。2群(A、Bグループ)に分けたラットのうちAグループは通常の油を使った普通(高カロリー)のポテトチップスを食べさせました。そして残りのグループ(Bグループ)のラットは通常のポテトチップス(高カロリー)と脂肪代替物を使った低カロリーのポテトチップスを交互に食べさせました。すると、驚いた事に、高カロリーのポテトチップスのみを食べたラット(Aグループ)よりも、低カロリーのポテトチップスと高カロリーのポテトチップスを交互に食べさせられたラット(Bグループ)の方が、体重が増加し、多くの脂肪をため込む事が分かりました。
今回使った2種類のポテトチップスはお馴染みの「プリングルス」という商品名のもので、低カロリーのポテトチップスは身体に吸収されにくい「オレストラ(olestra)」という合成脂肪代替物を使用しています。研究者らは、今回の結果は脂肪代替物の摂取では通常得られる、脂肪を食べたことによる満足感が得られておらず、逆に通常よりも多くの食事を摂取するような習慣がついてしまったと考えています。食事内容 体重増加 Aグループ 高脂肪のポテチのみ。 小 Bグループ 高脂肪のポテチと低脂肪(脂肪代替物)のポテチ交互 大
また、交互にエサを食べさせ体重が増加したBグループのラットはAグループのラットに比べ、実験の後、低カロリーのエサのみを食べさせるようにしても体重が減少しにくい事も確認されたそうです。これらの結果は、高脂肪、高カロリーの食事をとっている状態で、一部を脂肪代替物に置き換えることはむしろ体重増加を誘発しうることを示しているといえます。
この研究者らは、以前にも人工甘味料と普通の砂糖を使った動物実験で同様の結果が得られることを報告しています。今回はラットでの実験ですので人間に当てはまるかどうかは確認が必要かもしれませんが、案外、人間でも同じような結果がおこる可能性も高いのではないでしょうか。世の中にはカロリーの無い砂糖や、脂肪などが溢れていますが、今回の結果は、使い方を注意しないとその食物自体にカロリーが無いからと言ってダイエットに効果があるとは限らないことを示していると言えます。
原文タイトル:
単語: Fat substitutes・・・・脂肪代替物。
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
Keyword:人工甘味料/28
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