1日おきにカロリー制限を行うダイエット方法「カロリーサイクリング」でどれぐらい痩せるか
カテゴリー:ダイエット・メタボリックシンドローム(記事数:94)

↑B

2011.09.27

1日おきにカロリー制限を行うダイエット方法「カロリーサイクリング」でどれぐらい痩せるか

 どんなに適切にダイエットしても必ず効果が停滞する時がやってきます。ダイエットをしたことがある人ならば最初の2〜3kgは順調に痩せることが出来てもその後の2〜3kgはなかなか減らなかったりした経験があるのではないでしょうか。これはあなたの身体が摂取カロリーの減少に反応して代謝を落としているためです。これは、かつて人類が不安定な生活を送っていた時に食料の無い時期を耐え生き延びるために備わった危機回避機能なのでしょう。とはいえ、今の世の中、特にダイエットを行いたい人にはいい迷惑な機能です。持続的に体重を減らすためには身体に摂取カロリーが減ったことを悟られない工夫が必要なのです。

 具体的には毎日カロリー制限を行うのでは無く、1日おきにカロリー制限を行います(カロリーサイクリング)。この方法では1日おきに十分なカロリーを摂取することが出来ますので脳が混乱し代謝が低下することなくダイエットを続けることが出来ます。また、この方法では1日おきにしっかり食べれるため、空腹を我慢しやすい効果があることも分かっています。

 この方法を医学の実験という形で行い、効果を検討した報告が発表されています。発表したのはアメリカ・シカゴの研究者ら。タイトルは

 研究者らは16名(女性12名、男性4名)の肥満体型の人に参加してもらい実験を行いました。参加者の平均体重は90kg程度。参加者は普通通りに食べる日と、摂取カロリーを安静時必要カロリー(※計算方法は後述)の4分の1に抑えるカロリー制限日を交互に過ごしてもらい8週間生活してもらいました。カロリー制限の日の食事は1回だけ昼の12時〜14時に食べてもらっています。カロリー制限を行わない日の食事は「いつも通りの量」ですが、食事に含まれる脂肪が摂取エネルギーの30%以下になるようにしてもらいました。

 結果、1日おきのダイエットを行った時期を通じて平均して1週間あたり0.67〜0.68kg程度体重が減少しました。そして全参加者の8週間の試験終了後の体重は平均5.6kg体重が減少していました。体脂肪は平均45%→42%に減少していました。

 このダイエット方法は身体に悪いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、実は医学の世界では1日おきの絶食(英語でAlternate-day fasting:ADF)は様々な治療に用いられている方法であり、今回の研究はその方法をダイエットに応用したものなのです。実際に今回の実験の参加者の総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドなどの数値は減少し、血圧も低下しました。また、良い影響を持つHDLコレステロールの数値は変化しなかったことから考えて、健康にダイエット出来たと言えます。

 ただし、カロリーサイクリングによるダイエットは全ての人にお勧め出来るわけではありません。糖尿病や低血糖の人、妊娠中の人はやるべきでは無いと研究者らは言っています。まずは伝統的な方法を試して体重が減らない停滞期に悩んだらカロリーサイクリングを試してみてはどうでしょうか。

※※参考:安静時必要カロリーの計算方法
男性体重(kg)×10+6.25×身長(cm)-5×年齢+5 (キロカロリー)
女性体重(kg)×10+6.25×身長(cm)-5×年齢-161(キロカロリー)
A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals(Am J Clin Nutr February 1990 vol. 51 no. 2 241-247 PMID:2305711)より

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:カロリーサイクリング/10 トリグリセリド/2 HDL/6 LDL/6




コメント

いいっすね!=12

名前 コメント(※改行は省略されます)

※3回以上の連続書き込み不可
この記事のアクセス数: ↑B
[RSS]


■■ このカテゴリーのその他の記事■■

■■他サイトの関連記事(自動)■■
妊娠
空腹
脂肪
LDL
糖尿病
カロリーサイクリング
トリグリセリド
HDL


■■ 最近アクセス数の多い記事 ■■

すべて見る