うつ状態の人の時間感覚。普通の人より正確に時間を把握出来ている (カテゴリー:精神)


2013/09/18

うつ状態の人の時間感覚。普通の人より正確に時間を把握出来ている

  うつ病の人が「ちょっと寝たつもりでも10時間過ぎていた」とか、「ベンチに座って気がついたら3時間過ぎていた」などと言う事はよくあります。また、逆に時間がなかなか経過しないと訴える人もいます。うつ状態になると時間を正常に把握出来ないのでしょうか?

 イギリス・ハートフォード大学のDiana Kornbrot教授らは、うつ状態なの人と、そうでない人のボランティアを集め、時間感覚に関する実験を行いました。

 実験では2つの試験を行いました。1つは何かの作業をしてもらった後、「さて、どれぐらいの時間が過ぎたと思いますか?」と質問し、経過時間を言い当ててもらうもの(estimate time)、もう一つは「xx秒経過したら教えてください」と伝え、時計を見ること無しに、どれぐらい正確に時間経過を言い当てられるか(production time)の試験です。

 3秒〜65秒を言い当てるそれぞれの試験を5回繰り返し結果を集計したところ、面白いことに、普通の人はestimate timeは長めの時間を言う傾向にあり、production timeは短めの時間を言う傾向にありましたが、うつ症状の人は普通の人と比較してより正確に時間を言い当てる事が出来ていました。

 うつ病の症状と言えば、事実をゆがめ自分の人生をよりネガティブにとらえる傾向がある事が知られていますが、時間感覚に関しては通常の人よりも正確に時間を把握出来るようです。

 研究者らはこの時間感覚を治療や検査に生かせないか考えています。どういう事を言っているかと言うと、人間は通常の状態ならば、気分や状況などにおいて変化する無意識の影響が外界の判断に影響を与えるのですが、今回の実験結果は、うつ症状になると無意識の影響が外界の判断に影響しなくなる事を示しているからです。

 うつ状態の人の治療の中には、現実をより正確に把握することが試みられますが、今回の研究結果は逆に世の中を正確に判断してしまうことがうつ症状の特徴であることを示しており、新しい視点での治療可能性を示しているかもしれません。

 世の中を正確に把握していないのが普通とは、なんとも不思議な話ではありますが。。。。

Category:精神

 Keyword:【うつ病/6】



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