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2013.11.07
風邪薬に含まれるイブプロフェンは風邪を長引かせ悪化させる可能性があるとの研究結果
風邪(気管支のウイルス・細菌感染)を治療する薬は実は今のところありません、世の中の「風邪薬」は風邪の症状を緩和するだけの薬なのです、症状を緩和してくれるのはうれしい効果なのですが・・・・
イギリス・サウスアンプトン大学の研究者Paul Littleらが衝撃的な研究結果をイギリスの有名な医学雑誌BMJに発表しています。研究者らは病院に風邪や喉の痛みを訴えて来院した患者889人で以下のような調査を行いました。
来院した患者をコンピューターでランダムに以下のようにグループ分けし治療(アドバイス)を行いました。グループ1 イブプロフェン(ibuprofen)を含む風邪薬を1日4回または必要に応じて服用するようにアドバイス。 グループ2 アセトアミノフェン(paracetamol)を含む風邪薬を1日4回または必要に応じて服用するようにアドバイス、 グループ3 定期的に蒸気吸引するようにアドバイス
それぞれの患者の実際の薬の服用状況を調べ、症状の経過を追跡調査したところ、アセトアミノフェンを服用した患者と比べて、イブプロフェンを服用した患者では治療効果は悪い事が分かりました。興味深い事にイブプロフェンとアセトアミノフェンを両方服用した患者でも治療効果はアセトアミノフェン単独より悪い傾向でした。
そして衝撃的な事に、イブプロフェンのみ、またはイブプロフェンとアセトアミノフェンを両方服用した患者は、他の治療を行った患者に比べ高い確率で病院を再度訪れていることが分かりました。症状が長引いたり、悪化しやすい事を意味しています。
イブプロフェンは炎症を抑える薬です。この作用により「のどがヒリヒリする」などの風邪の症状を抑えることが出来ますが、同時に風邪や気管支の炎症から回復する上で重要な体内の免疫作用を邪魔している可能性があると研究者らは考えています。
また、この研究では古くから行われている「蒸気吸引」も治療効果は見られないことを示しています。逆に、蒸気吸引を行った患者の2%が気管支に軽いヤケドをしていました。のどのヒリヒリは緩和するのかもしれませんが、風邪からの回復には効果は無いようです。
イブプロフェンやアセトアミノフェンは多くの風邪薬に含まれていますが、本研究結果からは、風邪の時はイブプロフェンの含まれておらずアセトアミノフェンを含んでいる風邪薬を選ぶことが良さそうです。
日本ではアセトアミノフェンやイブプロフェンを含む薬が薬局でも売られています。どの薬に「イブプロフェン」や「アセトアミノフェン」が含まれているかは下記のリンク先ページなどに一覧表があります。
ただ、イブプロフェンは大人では効果が確認出来ませんでしたが、子供および、肺の感染症を起こしている人に限っては効果が確認出来ているそうです。
Category:#感染症 #新型コロナ
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