ビタミンAサプリは遺伝子を修飾し、身体に免疫がつくのを長期間妨害する
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2015.07.09

ビタミンAサプリは遺伝子を修飾し、身体に免疫がつくのを長期間妨害する

 ビタミンAサプリメントなどにより過剰なビタミンAを摂取すると身体に免疫がつく(免疫獲得)を長期間妨害することが分かりました。短期間に同じ感染症に2回感染したりするリスクが上昇することを意味しています。

 デンマークの研究者Arts RJらは健康なボランティアの血液から抽出した免疫細胞(単球)をBCG(ワクチン)と一緒に培養して免疫をつけさせた後、その細胞をもう一度BCGに触れさせ、免疫反応が起こるかどうかを確認する実験をビタミンA誘導体(レチノイン酸)存在下で行いました。

 その結果、レチノイン酸を高濃度で加えた免疫細胞は2回目にBCGに作用させた時に、免疫反応に必要なサイトカインの産生量が減少することが分かりました。

 そのメカニズムは興味深く、遺伝子修飾酵素であるヒストン・メチルトランスフェラーゼを活性化させ、サイトカインを産生するために必要な駆動遺伝子部分H3K9me3(プロモーター)を不活性化していることが分かりました。この不活性化は遺伝子の直接修飾を介して起こっている(エピゲノム修飾)ため長期間持続します。

 現代の日本で普通に生活している人はビタミンAは十分足りていると言われています。そういった人にとってはビタミンAは健康に良いばかりか悪い可能性を今回の報告は意味しています。ビタミンAが死亡率を上げるとする研究もあります。

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