骨髄細胞が損傷組織に移行して治癒に関わる仕組みがわかった (治療技術のカテゴリーに関する別の記事)


2005/09/13

骨髄細胞が損傷組織に移行して治癒に関わる仕組みがわかった

体内にも骨髄などに幹細胞が存在し体内で組織損傷が起こった時に血流循環に乗
り損傷箇所に到達し、必要とされる細胞に分化する事が知られている。
しかしこれらの血液中の幹細胞がどのようにして損傷箇所に到達出来るのかはほと
んど解明されていない。

SDF-1(Stromal cell-derived factor-1)は血液中のCXCR4発現細胞(幹細胞のこと)に結合する事で、幹細胞を骨髄へ
と誘導するのに関わっていたり胎生期には共局在しているなどの事が知られていたが、
それらが末梢組織の治癒にどのように関わっているかは分かっていなかった。

今回、我々はSDF-1の遺伝子発現がHIF-1(虚血により融合されるサイトカイン)で
誘導され、その結果、損傷部位による虚血(酸素が足りないこと)で、SDF-1が損傷部位に発現される事を示す。SDF-1はその結果、体内を循環しているCXCR4陽性の前駆細胞を虚血部位(傷ついた
ところ)に呼び込むことが出来る。

実際に、SDF-1を虚血部位でブロックまたはCXCR4発現細胞を血液中から無くすと傷
が治らなくなった、
以上の結果より、骨髄中の幹細胞が損傷した組織に移行し治癒に関わるメカニズム
が分かった。

現在、幹細胞を移植または骨髄から大量に血液中に放出して傷を治す再生医療が
注目されているしかし、全身に大量の幹細胞を存在させた場合、目的としない臓器にも幹細胞が定
着してよくない事を起こす可能性が懸念されてきた。今回の報告で、前駆細胞が損傷部位
に引き寄せられるメカニズムがわかり、このメカニズムを利用して効率的に
幹細胞を損傷臓器に集積する危険度の低い再生医療の確立が期待できる。

induction of SDF-1. Nat Med. 2004 Aug;10(8):858-64.

Category:治療技術 / 10



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