一夜漬け学習で記憶が定着しないメカニズムの一部が解明される?。一夜漬け学習と反復学習の記憶では脳内の記憶場所が異なる。
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2011.06.16

一夜漬け学習で記憶が定着しないメカニズムの一部が解明される?。一夜漬け学習と反復学習の記憶では脳内の記憶場所が異なる。

一夜漬け勉強などは、適度に休憩しながら反復で行った学習に比べ、記憶が長続きしないことはよく知られているが、この分子メカニズムは全く解明されていなかった。

研究者らはマウスの眼球運動を用いて、集中して行った学習分散して行った学習の記憶が脳のどの部分に保持されているかを調べました。

以上のように、それぞれ別の場所に保存されていることが確認されました。また、休憩し反復学習することにより神経細胞に保持された記憶があたかも移動するように見えますが、この移動現象はタンパク質合成阻害剤の投与により起こらなくなるため、この記憶保持場所の移動には、何かのタンパク質が関与していると言えます。何のタンパクかはまだ解明されていませんが、このタンパク質を同定することが出来れば記憶障害の治療に役立つ可能性があります。

ちなみに、実験ではマウスを用い、
  • 1時間連続で学習
  • 15分の学習を30分休憩して4回
  • 15分の学習を1時間休憩して4回
  • 15分の学習を24時間休憩して4回
  • 7.5分の学習を24時間休憩して8回
を比較し、分散学習した場合はいずれも集中学習より良い効果が出ていることを明らかにしています。30分の休憩でも効果が上がるという事実は日常の学習のやり方にも応用が出来そうです。

また、今回の研究はあくまでも眼球の運動という「小脳」が担う「運動記憶」に関する研究です。大脳が担う、いわゆる「お勉強」にも当てはまるかどうかは確認が必要かもしれません。

原文:
Role of Cerebellar Cortical Protein Synthesis in Transfer of Memory Trace of Cerebellum-Dependent Motor Learning
The Journal of Neuroscience, 15 June 2011, 31(24):8958-8966

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