展開の早いTV番組は短時間の視聴でも子供の直後の行動に悪影響
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2011.10.05

展開の早いTV番組は短時間の視聴でも子供の直後の行動に悪影響

この研究を発表したのはアメリカ・バージニア大学の研究者、原文は

 1970年台では子供はおよそ4才からテレビを見始めたが、現代では生後4ヶ月よりテレビを見始め1日平均4.5時間テレビを見ると言われている。長期間のテレビ視聴が子供の行動に様々な影響を与えることはこれまでにも報告されているが、短時間のテレビ視聴がどのような影響を与えるかはよく分かっていなかった。今回、研究者らは短時間のTV視聴が子供の行動能力にどのような影響を与えるかを番組の種類を変えて調べた。

 実験は4才の子供60人に参加してもらい実施した。子供達を20人ずつの3つのグループに分け、それぞれ異なる事をしてもらった。
第1グループ展開の非常に早い9分間のアニメ番組(fast-paced television cartoon)を見させた。
第2グループ一般的な教育用の9分間のアニメ番組(educational cartoon)を見させた。
第3グループ9分間、クレヨンなどで絵を描いて遊んでもらった。

9分間という短時間のテレビ視聴やお絵かきの後、4つのテストを行った。
テスト1HTKs task(足を触れと言ったら頭を触らせる。頭を触れと言ったら足を触らせる。といったゲーム)
テスト2ハノイの塔というゲーム。(wikipedia)
テスト3delay-of-gratification(待たなくても少ないお菓子がもらえるけど、待てばたくさんのお菓子がもらえる。という状況を選ばせる。)。
テスト4backward digit(3、4と言ったら、4、3と言わせる。といった記憶力を使ったゲーム)

 実験の結果、展開の早い番組をたった9分間見るだけで行った4つのテストで行動能力テストのスコアがお絵かきをしていた子供に比べ劣ってしまうことが明らかあとなった。教育的な内容のアニメであっても、展開の早いアニメほどでは無いにしても2つのテスト(backward digitテストと、ハノイの塔テスト)でスコアの低下が見られた。実行能力(Executive Function:EF)は前頭葉の働きに行動することが分かっている。前頭葉は目標を定めた行動や、注意力、記憶力、抑制能力、問題解決能力、自制心などに関わっており、子供の問題行動の原因と考えられている。

 今回の実験はテレビ視聴直後の子供の能力を調べたもので、これらの能力の低下がどのように回復するのか、長期的な子供の能力への影響に関してはこの研究では触れられていない。ただ、少なくとも、お受験の前には展開の早いTV番組の視聴は控えさせた方が賢明だろう。

  • Fast-paced, fantastical television shows may compromise learning, behavior of young children(link)
  • Fast-Paced Cartoons Like SpongeBob May Harm Children’s Brains(link)

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