↑B
2011.11.19
ハエでもネズミでも、賢い個体のみを残していくような人工的な自然淘汰を行い学習能力の高い集団を作り出せることは知られている。しかし、このような人工的な自然淘汰が選択する条件(この場合、賢さ)以外の部分にどのような影響を与えるかについてはこれまで分かっていなかった。
スイスのフリブール(Fribourg)大学の研究者らはハエ(Drosophila)を利用して知能と寿命の関係を調べた。研究者らはまず、ハエの集団をパブロフの条件付け的教育(例えば、ブザーが鳴った時に危険が迫るような環境で飼育、ブザーと危険を結びつけられる個体のみが生き残れる。など)で30〜40世代飼育した、すると学習を行ったハエの集団は学習を行わなかったハエの集団に比べて学習能力・記憶力とも向上しているのが確認された。しかしこのハエの集団をよく調べると平均寿命が元のハエに比べて15%程度短くなっており、若干生殖能力が落ちているのが確認された。
一方、面白いことに寿命の長いハエを選んでいくというセレクションを同じ期間行ったところ、寿命の長いハエ集団が得られたが、これらのハエ集団の知能を調べたところ、元のハエ集団よりも40%バカになっていることが確認されたそうだ。
研究者らは、知能を維持するには多くのエネルギーが必要で、学習能力が高まると個体としての生存力が低下してしまうのでは無いかと推測しているそうだ。近年、人間の寿命は延びつつあるが、これらの寿命の延長は医療技術の進歩によるものであるはずであり、人類がバカになっているってことは無いと信じたい。
参考:
Category:#知能改善・天才になる方法
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